私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第41回「ニュージャックスウィング/ネオブギー特集」セットリスト

私的名盤放送第41回「ニュージャックスウィング/ネオブギー特集」セットリスト

MOLDIV(2)41回2 500

MOLDIV41回3 800

MOLDIV(1)41回1 500


「放送アーカイブはこちらから」

M1 片思い同盟 /ラ・ムー 『Thanks Giving』 (1988)
M2 Only If the Mood Is Right (feat.J Hunter the Wolf) /Derric Gobourne Jr. 『SUPERMACY』 (2018)
M3 Let Me Love You /Chuckii Booker 『Chuckii』 (1996)
M4 Punch Drunk Love /Lucky Tapes 『dressing』 (2018)
M5 サングラス /宇多田ヒカル 『DISTANCE』 (2001)
M6 Better World /Omar Chandler 『Omar Chandler』 (1991)
M7 Rain /SIRUP 『SIRUP EP2』 (2018)
M8 All I Do Is Thinking of You /Troop 『Attitude』 (1989)
M9 Tell Me Baby /Official髭男dism 『エスカパレード』 (2018)
M10 Without Love /Revelation 『Revelation』 (1982)
M11 Mr.Telephone Man /New Edition 『New Edition』 (1984)
M12 Never Want To Live Without You /Eric Benet 『Lost in Time』 (2010)
M13 Teenage Fantasy /Jorja Smith 『Lost & Find』 (2018)
M14 背中合わせのCRESENT /広田恵 『Gray』 (1991)
M15 Ready Or Not /Midas Hutch 『The Feels』 (2018)
M16 RIDE /TENDRE 『NOT IN ALMIGHTY』 (2018)
M17 Someone To Love /Mint Condition 『From the Mint Factory』 (1993)
M18 If You Want It /Soul for Real 『Candy Rain』 (1995)
M19 ひと恋めぐり /柴咲コウ 『Single Best』 (2007)
M20 Heavy Love Affair /Marvin Gaye 『In Our Lifetime』 (1981)

【放送後記】
なかなか忙しく放送できておりませんでしたが、いかがお過ごしでしょうか。
段々寒くなってきましたが、近ごろ花粉が飛んでいるのか、眼の痒みや鼻汁が再度出現してきております。
まだインフルエンザのアウトブレイクには至っていませんが、マスクなど感染防御に気を付けるようにされてください。

今年は年末年始の勤務が少ないこともあり、放送も力を入れていこうと考えております。
年間ベストについて、特別番組を組んでみようかと計画中です。

さて、久々の放送では、第1, 29, 30回で特集してきましたニュージャックスウィングについて、
最近聴いたものを中心に選んでみました。

GuyのTeddy Rileyとともにアポロシアターアマチュアナイトで優勝した経歴のあるOmar Chandlerの1stフル、
セルフタイトルからスウィンギーなビートとEmotionsを思わせるコーラスが心地いいBetter Worldを選びました。
商業的には成功しなかったようで、その後の活動については謎が多い人物です。

Jackson5の時代から、優れた歌唱力、パフォーマンスを備えた少年を集めたコーラスグループは数多く存在しますが、
ニュージャックスウィング時代のそうしたグループからいくつかお掛けしました。
Whitney Houstonの元夫でもあり、のちにニュージャックを代表するシンガーとなるBobby Brownのほか、
名曲Poisonを生んだBell Bev DevoeのRicky Bell, Ronnie DeVoe,ソロでも活躍したRalph Tresvantなど、
90sR&Bを彩るスターを生み出したスーパーグループ、New Editionの2ndからは、
「ジャマイカのMichael Jackson」といわれたJr Tuckerの楽曲のカヴァー、Mr. Telephone Manを。
AOR~ブルーアイドソウルのファンにもたまらないメロウチューンです。プロデュースはもちろんRay Parker Jr.です。

Uptownからデビューしたニューヨーク出身の4人組のボーイズユニット、Soul for Realの1st,
95年作はニュージャック世代を代表するラッパー、プロデューサーのひとり、Heavy Dがプロデュースを務めており、
USR&Bチャート5位のスマッシュヒットとなりました。そこから一際乾いたビート、イントロの妖しげなコーラスが心地いい、
ダークなIf You Want Itを選びました。すでにヒップホップソウルの暗さを漂わせています。

現代のヒップホップ~ジャズの中心人物の一人でもあり、ネオソウル以降のリズム革命の一端を担ったドラマー、
Chris Daveがかつて所属し、ZappのRoger Troutmanの息子Roger Lynch, Stokley Williamsらを中心としてミネソタで結成された
ファンク~ソウルバンドMint Conditionから、初期の絶品クワイエットストーム、Someone to Loveは必聴です。
打ち込みがR&Bの中心となっていくなかで、あくまで生演奏にこだわり、
これほどリッチな音を作り出すグループは極めて貴重です。
Mazeとともに、日本ではあまり知名度が高くない印象で、もっと聴かれてほしいグループの一つです。

LA出身のプロデューサー、ドラマーのChuckii Bookerは、Kipper Jonesが所属し、Mtumeもプロデュースにかかわった
Teaseに参加し、Gerald Albrightのスムースジャズ傑作、Smooth(1994)への参加でも知られています。
プロデューサーとしては今回掛けたTroop, CJ Antony, Lalah Hathaway(ソロ1stではJeff Porcaroが参加、第37回)
, Angela Winbush(Isleysのプロデュース、復活にも関与)の作品を手掛けています。
ソロの89年作からはイントロのドラムブレイクから一気に引き込まれる(Bruno Mars/Finesseの下敷きになっているのでしょうか)
Let Me Love Uが白眉でした。ファルセットでありながら迫りくる勢いのあるボーカルワークも素晴らしい。

Troopは5人組のボーカルグループで、うち2人のバリトンを有する太いコーラスワークにChuckiiの作り出す
シャープなサウンドが加わった名盤で、スロウからアップまで名曲連発で、これも必聴です。

その他では、ここ2年ほどずっと探し続けていた、菊池桃子さんの結成したAOR~ブラコングループ、
ラ・ムーの唯一のフルアルバムをようやく手に入れました。上坂すみれさんもラ・ムーからの影響をラジオで述べており、
ニューシングルの「ノーフューチャーバカンス」のサウンドもラ・ムーを意識していると思われる部分が散見されます。
あらためて聴いてみると、全盛期の角松敏生のカラッとしたリゾートミュージック的な音に、ミステリアスな魅力のある
声が重なることで、独特な魅力を生み出しています。Earth, Wind & Fire的なキメの多い片想い同盟がお気に入りです。

かつてのNJSのサウンドを現代に見事に蘇らせたDerric Gobourne Jr.の1st, 2018年作は今年聴いた新譜の中でも
かなりの完成度でした。Au Dreと合わせてNJSリヴァイバルでは外せない一枚になったと思います。
ベースラインの作り方はUKソウル、アシッドジャズを思わせる部分もあったり、全体の録音は密室度が高く現代的なミックスで、
やはりBruno Mars/24k Magicと並べて聴きたい一枚です。

Bruno Mars/Finesseを思わせるトラックReady or Not収録の、Midas Hutch(Midnight Star/Midas Touchあるいは
山下達郎の同名曲からもじって名付けたのでしょうか)のアルバムは、「シティソウルディスクガイド」の
小渕晃さんのTwitterから発見したネオブギーの好盤でした。そのほかにも素晴らしいブラコンリヴァイバルに満ちています。
かつてのSadeを思わせる脱力したボーカルと、ヒップホップソウル的なチキチキしたビート、
しかしながら揺れるエレピの音が頽廃的なTeenage Fantasy/Jorja Smithは最新UKソウルの良作でした。

JPOP, 邦楽R&Bのいずれの視点から見ても偉大なSSWである宇多田ヒカルの2ndからは、
まだヒップホップソウル~ティンバランドサウンドの香りがするサングラスを選びました。
アレンジを務めるのは村山晋一郎で、宏実、三浦大知、Full of Harmony, CHEMISTRY, Crystal Kay, 鈴木雅之、
Sowelu, 平井堅(ex-girlfriend, KOL), 古内東子などを手掛けています。
邦楽R&B形成の重要な役割を果たした一人といえるでしょう。EXILEの初期を支えたJin Nakamuraの手掛けた
柴咲コウの名曲と合わせて、あの時代のいわゆる「普通のJPOP」がいかに優れていたかを振り返ります。

最新の邦楽ブラックミュージックでは、島根出身のロックバンド、Official髭男dismのフルアルバムから、
80sソウル色の強いTell Me Baby(サビでの繰り返し、ボーカルの性質からはKPOP的な魅力も)、
ゴスペラーズ黒沢薫も絶賛したネオソウルユニット、SIRUPの最新作が面白かったです。
SIRUPは現代ジャズ、EDM、ラップトップミュージックの感覚を持ちながらも、アシッドジャズ的なハーモニー感覚を
匂わせていて、ダンサブルで聴きやすく仕上げていると思います。今後も目が離せません。
キリンジ的なジャジーなハーモニーにチルアウトな電子音、脱力したボーカルに
ブリブリのベースが絡みつくトラックメイカー、TENDREの最新作も紹介しています。

かつてGeorgy PorgyのカヴァーをFaith Evansと共作したニュークラシックソウルの旗手、
Eric Benetの脂の乗り切ったボーカルが身体じゅうに染み込む2010年作は、Babyfaceの参加した楽曲もあったりと、
彼がとりわけAOR的なサウンドに親和性が高かったことを思い出させてくれる一枚です。
どこまでも甘く、そして分厚いコーラスとリッチな生演奏に支えられた濃厚さが素晴らしい。

そして必殺のレアグルーブでは、RSOから75年にデビューしたボーカルグループ、Revelationのラスト作、82年作が最高でした。
プロデューサーはChi LitesのほかポストHerbie Hancockとも評された鍵盤奏者、Rodney Franklinや
Ramsey Lewisなどを手掛けたTom Tom 84が担当し、フィリーソウル関連のスタジオミュージシャンが参加しています。
その中からEarth, Wind & Fire/After The Love Has Goneを思わせる壮大なサビが堪らないAOR, Without Loveは圧倒的です。

今回もやや駆け足の放送となってしまいましたが、最高にグルーヴィーで濃厚な内容になったかと思います。
次回もお楽しみに。

前編

中編

後編

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  1. 2018/12/02(日) 13:13:38|
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私的名盤放送第40回「90年代JPOP, 邦楽R&B, ブラコン、レアグルーブ、AORによるアーバン・ナイト」セットリスト

私的名盤放送第40回「90年代JPOP, 邦楽R&B, ブラコン、レアグルーブ、AORによるアーバン・ナイト」セットリスト

第40回33

第40回22

第40回11


「放送アーカイブはこちらから」

M1 彼女の恋人 /槇原敬之 『SELF PORTRAIT』 (1993)
M2 been so long /m-flo 『Planet Shining』 (1995)
M3 We've Gotta Find a Way Back to Love /BONNIE PINK 『Surprise』 (1996)
M4 坂道 /平成 『折坂悠太』 (2018)
M5 The Drifter /The Bee's Knees 『The Bee's Knees』 (1978)
M6 Let's Start Love Over /Miles Jaye 『Miles』 (1987)
M7 Facts of Love /Jeff Lorber 『Private Passion』 (1986)
M8 You Can Fly on My Airplane /Wee 『You Can Fly on My Airplane』 (1977)
M9 螺旋パズル /池田聡 『Joy And Pain』 (1987)
M10 Party Poops /Heatwave 『Central Heating』 (1977)
M11 Don't Stop The Feeling /ALFONZO 『ALFONZO』 (1978)
M12 Till Morning Comes /倖田來未 feat. VERBAL 『affection』 (2002)
M13 Mind Pleaser /Cuba Gooding 『The 1st Album』 (1978)
M14 I Believe in Love /Will Lee 『I Believe in Love』 (1980)
M15 Anything /3T 『Brotherfood』 (1995)
M16 Hanging On A String /Loose Ends 『So Where Are You』 (1985)

【放送後記】
だんだんと寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。11月初回の放送となりました。
前回のアーカイブを作成する際に、ツイキャスの動画ページをブログに埋め込むようにしました。
これで、私的名盤紹介のサイトから直接録音を聴けるようになっています。
便利になったこともあってか、視聴者数も順調に伸びていて、大変嬉しく思っております。

メッセージ下さっている皆様、ありがとうございます。参考にして放送の内容に反映させて頂きます。
TwitterのDMにメッセージを下さる場合が
多いですが、その他に記事下部にあります「コメント欄」のほか、Twitterとの連携アプリ「質問箱」でも受け付けておりますので、
是非どうぞ。

今回も前回に続き、レアグルーブや歌ものフュージョン多めの構成でお送りしました。
まずはDavid Fosterがプロデュースした、60sより活躍するソウルユニット、Main Ingredientのボーカリスト、
Cuba Goodingの1stアルバムです。James Gadson, Tom Scott, Ray Parker Jrなどが参加した、
まさにアーバンメロウなシティソウルの名盤です。
最近見つけたレアグルーブ系のアルバムの中では、Clifford Coulterのソロと並んで愛聴盤です。
山下達郎も本作を絶賛しており、David Foster参加作の中でも最も好きな作品の一つだそうです。

その他、レアアイテムではHiram BullockやSteve Jordanなどと並んで23th Street Bandの一員であり、
LAフュージョンを代表するベーシスト、Will Leeが日本でのみ発表したレアな7 inchシングルを取り上げました。未CD化です。
ビクターの80年度のプロモーションソングとして録音されたようで、Steve Gadd, Michael Brecker, Randy Brecker,
日本からは松木恒秀などが参加しており、Lee RitenourのRitシリーズなど、
歌ものフュージョンがお好きな方には完璧な一曲です。
B面では松木さんのギターソロによるインストバージョンが収録されており、これもまた最高です。

後期に入る直前のDoobie BrothersやBeach Boysのサウンドに肉薄しつつも、トロピカルなフィーリングのある
詳細不明のAOR~ウェストコーストロックバンド、The Bee's Kneesのセルフタイトル、78年作から
サビ前の美しいコーラスワークと、後半に向かうにつれてメロウさを増すファルセットが堪らないThe Drifterを選びました。

80年代後半から90年代のJPOPからは、まず邦楽ポップスを代表するメロディメイカーである槇原敬之の名盤、
93年作のSelf Portraitから、最もニュージャックスウィング色の強い「彼女の恋人」を。
その他、8枚目のシングルとなったNo1も、ブラックコンテンポラリーを通過したJPOPとして圧倒的な完成度で、
90年代JPOP特有の煌めきに満ちています。このほか、平井堅の1stも以前紹介しましたが、
これに収録されているNegativeも、フュージョン的なリズムと、ニューミュージック由来の濡れたメロディがよく合います。
栃木県出身のSSW, 池田聡の2ndアルバム、87年作は佐藤健、中崎英也などの楽曲提供のほかに、
アレンジにはEPOや飯島真理のプロデューサーとしても知られる清水信之が参加しています。
のちの冨田恵一の作り出すポップスに負けずとも劣らぬ壮大な編曲、フィリーソウル顔負けなストリングスの
美しさ、サザンオールスターズ/海を思わせるAメロが印象的な「螺旋パズル」を選びました。
その他Boz Scaggs的なUNFORGETTABLEや、大橋純子とのデュエット「NIGHT」、ブラコンの「Kの手帖」など、
シティポップ、AOR後期の作品、隠れた名盤です。BOOK OFFの280円棚を巡回していて見つけました。

邦楽のブラックミュージックには90s-00s初頭に数多くの名盤がありますが、
今回はその中からJPOPとヒップホップの融合を高いレベルで実現したm-floの1stからヒット曲、been so long
(Just The Two of Usが元ネタと考えられます)と、
AVEXが送り出した邦楽R&Bを代表する歌姫、倖田來未の1stからm-floのメンバーが参加した楽曲を選びました。
その他、三者三様にブラックミュージックを消化し、JPOPの歴史を大きく塗り替えてしまった98年組、
宇多田ヒカル、椎名林檎、aikoに続いて忘れてはいけない才能が、BONNIE PINKです。
彼女がシングルレコードとして発売した96年のWe've gotta find a way back to loveを取り上げました。
これはもともとFreda Payneというソウルシンガーが73年に遺したシングルで、
Holland Dozierがプロデュースしています。元バージョンもぜひお聴きください。
BONNIE PINKのバージョンはアシッドジャズ的な解釈で、TALKIN' LOUDの諸アーティストや、日本で言うと
ORIGINAL LOVE/結晶にありそうなタイトなサウンドに昇華されています。

ORIGINAL LOVEがフュージョン/AOR~アシッドジャズ、ソウルからワールドミュージック的なアプローチへと
変化していった頃のサウンドを思わせる折坂悠太の1stから1曲目も素晴らしい完成度でした。
その他、中東的な楽曲や、民謡のようなメロディ、伸び縮みするリズムなど、驚かされる工夫に満ちています。

レアグルーブでは、Weeというオハイオ出身のファンクバンドが残した唯一のアルバム、
You Can Fly on My Airplaneから表題曲です。透き通ったリムショットのスネアや、モータウンを通過したベースラインが
堪りません。最近見つけた最高にメロウな一曲でした。これもCITY SOUL DISC GUIDEに収録されています。
Michael JacksonのOff The Wall~ThrillerのサウンドそのままなALFONZOの82年作は、
MJファンならば外せない一枚でしょう。その他Boz Scaggs/Lowdownのカヴァーも収録されており、これも秀逸です。
そのほかMJ関連では、Thrillerで楽曲提供を務めたRod Tempertonが所属していたUKのファンクバンド、Heatwaveを。
そしてMichael Jacksonの甥っ子を中心とした3人組のボーカルグループ、3Tの1stアルバムは、
Boys Ⅱ Menなどのファンには堪りません。彼らのほかにも優れたボーカルグループは数多くあり、今後も取り上げていきます。

ブラックコンテンポラリーでは、私のベストグループの一つであるLoose Endsからヒップホップ元ネタ満載の
So Where Are Youに収録されたTR808のポコポコな音が堪らない一曲です。
その他、シンガー系ではEric Gale, Phyllis Hyman, Jon Lucienなどのバックボーカルを務めたMiles Jayeの1stから、
教科書通りなアーバンミッドで、野生味溢れる太い声が堪りません。
スムースジャズを代表する鍵盤奏者、Jeff Lorberのソロアルバムは、歌ものフュージョンの良曲が多数あり、
今回はBabyfaceのプロデュースで、ニュージャックスウィングの名曲を遺したKaryn Whiteと、
ソロデビュー前に参加した86年作、Private Passionからシンセベースのうねりとシンセのど派手なリフが絶品です。
その他、元Tower Of Powerのボーカリスト、Michael Jeffriesも参加しています。必聴盤です。

新譜少なめで、今回はレアなシングルレコードやレアグルーブ多めでお届けしました。いかがでしたでしょうか。
この放送後記にしか載せていない情報や、文字リンクなども多数ご用意していますので、ぜひ活用されてください。
ご感想もお待ちしております。

皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように。
次回もお楽しみに。


前編

後編

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  1. 2018/11/04(日) 12:31:43|
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私的名盤放送第39回「現代アイドルポップス、AOR、クワイエットストーム、レアグルーブ、シティポップで棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送第39回「現代アイドルポップス、AOR、クワイエットストーム、レアグルーブ、シティポップで棚から一掴み」セットリスト

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MOLDIV(2).jpg

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「放送アーカイブはこちらから」

M1 三角関係 /HPオールスターズ(稲葉貴子, 大谷雅恵, 柴田あゆみ, 松浦亜弥) 『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!』 (2004)
M2 VOICE /佐藤聖子 『SATELLITE☆S』 (1995)
M3 フライディ・チャイナタウン /泰葉 『フライディ・チャイナタウン』 (1981)
M4 Temporary Lovers /The Controllers 『Just in Time』 (1989)
M5 Let Me Be The One /Angela Bofill 『Let Me Be The One』 (1984)
M6 Deuteronomy:Niggerman /Meshell Ndegeocello 『Peace Beyond Passion』 (1996)
M7 Sober /Nile Rogers 『?It's About Time』 (2018)
M8 Nothing You Can't Do About It /Leslie Smith 『Heartache』 (1982)
M9 ライブ・ライフ /フィロソフィーのダンス 『ライブ・ライフ』 (2018)
M10 Mellow Yellow /SPiCYSOL 『Mellow Yellow』 (2018)
M11 Resting Warrior /R+R=Now 『Collagically Speaking』 (2018)
M12 Lost Without Her Love /El Debarge 『El Debarge』 (1986)
M13 Shine /Five Star 『Shine』 (1991)
M14 Shake Hip! /米米CLUB 『STAR BOX』 (1991)
M15 Love Space /Adrian Gurvitz 『Sweet Vendetta』 (1979)
M16 Rainy Day Woman /松原みき 『Who Are You?』 (1980)
M17 STARS /中島美嘉 『TRUE』 (1989)
M18 Don't Be Lonley /Cameo 『Word Up』 (1986)
M19 Try Love Again /Natural Four 『Natural Four』 (1976)
M20 I Got It All With You /Lamont Dozier 『Bittersweet』 (1979)
M21 愛・イッツ・マイ・ライフ /アン・ルイス 『恋のブギ・ヴギ・トレイン』 (1979)

【放送後記】
今回は久々に間を置かずに放送できました。実は前回の放送より、当ブログのアーカイブから直接放送を
聴くことができるようになっております。ぜひご活用ください。前々回以前の放送に関しても、
順次動画を埋め込んでいくつもりです。試験放送を開始してから2年が経ちますが、続けて見て下さっている皆様、
メッセージ頂いている皆様、本当にありがとうございます。

先週は新宿カブキラウンジで行われました「あの頃、君とAORと」というDJイベントに行ったこともあり、
AOR/ブルーアイドソウルからも数曲選んでおります。そして、もう一つのテーマがアイドルグループとアイドルポップスです。

昨今はAOR、ディスコ/ファンクの影響が濃い音楽性のグループがいくつか出てきており、興味を持って掘り起こしています。
一曲目には松浦亜弥さんの参加したハロープロジェクトの一夜限りのグループ、HPオールスターズの2004年のシングルです。
プロデューサーのつんく♂は、LOVE MACHINEでレアグルーブを代表する名曲、Jackson Sisters/Miraclesを引用したことから
知られるように、ブラックミュージックへの造詣が深い人で、
この「三角関係」も、シカゴソウルのリズムパターンのカッティングが心地良いです。

AOR~シティポップ的な音楽性を前面に押し出していたEspesiaは解散してしまいましたが、
よりダンサブルで80sブギーを現代のアイドルポップスとして再生させたフィロソフィーのダンスは、
私が現在最も注目しているアイドルグループです。特に赤い髪の日向ハルの太くソウルフルな節回しは素晴らしいです。
Chic流のディスコを最も得意としますが、以前掛けたDJ Cassidyのようなモダンな感覚のある新曲を選びました。
彼女たちの目指したChicのカッティング名人、Nile Rogersは近年活動を活発化させており、
ついにニューアルバムまで制作しています。ゲストにはかつてエレクトリックな感覚とフィリー的な切なさのあるトラック(2Step)で
00s前半のUKソウルをけん引したCraig David(平井堅、Bonnie Pinkなどとの共演で、日本でも人気の高い人です)を迎え、
バキバキのグルーブと80sソウル以降の洗練された上物を合わせた見事なブギーを作り出しました。

ブラックを取り入れたアイドルソングの源流の一つは、菊地桃子さんの結成したラ・ムーですが、「少年は天使を殺す」の7 inchや
アルバムのThanksgivingは通販でも非常に高額で取引されており、私自身手に入れられず歯がゆい思いをしております。
まさに現代のラ・ムーサウンドともいえる上坂すみれ/ノーフューチャーバカンスも、以前の放送で紹介しています。
その他、AOR~シティポップではSSWとアイドルの間を行く存在として竹内まりや、中原めいこ、松原みきなどがおり、
また職業作家では尾崎亜美など、これまでの放送で取り上げてきました。

松原みきというと1stの「真夜中のドア」が名曲として知られますが、1980年作のWho Are Youも
グルーヴィーな楽曲に満ちています。プロデュースには松任谷正隆、鈴木茂を迎え、
高水健司(B)、林立夫(Ds)、松原正樹(G)のほか、山下達郎バンドの青山純(Ds), 難波弘之(Key)や、今剛(G), 岡沢章(B)など、
シティポップを代表するスタジオミュージシャンが勢ぞろいしています。

八神純子や尾崎亜美などに代表されるこうした女性SSWブームの中に、一時は離婚騒動でワイドショーに引っ張りだことなった
泰葉がいます。彼女の1stシングルは、圧倒的な疾走感と伸びやかで透明な声、リズムに対して前のめりに突っ込んでいく歌、
ジャジーなハーモニーとすべてが揃った、邦楽シティソウルを代表するクラシックスと言えるでしょう。
これも1stフルアルバムと共に高価で取引されているシングルです。遠征し、新宿ディスクユニオンの歌謡館で手に入れました。

私自身得意とするブラックコンテンポラリーからは、10人編成のファンクバンドから3人にまでメンバーを減らし、
生き残ったCameoの86年作を選びました。本作はOutcastなど様々なヒップホップのアーティストに元ネタとして使われており、
ミッド~スロウでアーバンな感覚のあるDon't Be Lonelyを選びました。
私の中で、ブラックコンテンポラリーというと、こうしたリズムマシンとシンセベースを基本とした、制作費用を抑えた、
かつアーバンなコード感のソウルというイメージがあるのですが、世間一般的には、
生演奏でよりAOR/ブルーアイドソウル、歌ものフュージョンに近いものもブラックコンテンポラリーと考えられていると思います。
Chaka Khan/What'cha Gonna Do for Meや、Anita Baker/Raptureなどがその代表格でしょう。
そうしたものの中にはDavid FosterやJay GraydonなどAOR系のプロデューサーやTOTOのメンバーなどが
参加しているものも多く、El Debargeのソロ1st(TOTOメンバーが勢ぞろい、Jeff Porcaroの端正なドラムス、煌めく切なさ十分な
メロディ、キラキラのキーボード、どれをとっても最高です)、とCrackin'のボーカリスト、Leslie Smithのソロ(Airplayのカヴァー)から
こうしたものを選んでみました。

その他、AORのファンから人気が高いプエルトリコ系の女性シンガー、Angela Bofillの84年作も選びました。
この年はちょうど生演奏のAORから、打ち込みのブラコンとCCM系が派生していく時期でもあり、
Whitney Houstonが1stアルバムを出す直前の時期でもあります。そうした時代をそのまま反映したような、
不思議な浮遊感とひんやりとした質感のあるシンセの音色が印象的なLet Me Be the Oneを。

前回は冨田恵一のソロプロジェクト、冨田ラボの新譜を取り上げましたが、私自身にとって冨田恵一との
初めての出会いは、平井堅/Ringや、中島美嘉/WILL, STARS、そしてMISIA/Everythingといった、JPOP史に残る名曲たちでした。
いずれの楽曲も、映画音楽的なスケールの大きな編曲や、凝りに凝ったテンションコード、意表を突いた展開、
彼自身が一つ一つ生ドラムからサンプリングした打ち込みドラム、フィリーソウルにも負けないオーケストレーションなど、
音色やプレイへの圧倒的なこだわりはもはや変態的でした。しかしながらメロディは親しみやすく美しく、
かつての小林武史のプロデュースワークスなどと合わせて、90s後半-00s前半は、JPOPの黄金期ともいえる時代でした。

そんな冨田恵一の音楽的背景には、後期SteelyDan~Donald Fagen的なAORの感覚や、
それ以前のArif Mardinのプロデュース諸作、また彼のプロデュースによるChaka Khan/What Cha Gonna Do for Me,
Average White Bandのようなブルーアイドソウル、ブラジリアン~ラテン、モード後期のMiles Davis~Weather Reportといった、
現在「シティソウル」の観点から纏められた音楽に近いところにあるようです。
WowWowの番組、「ぷらすと」で、その詳細をインタビューされています。

ストリーミングサービスが音楽聴取の中心となりつつある現代は、かつての90年代の渋谷系が流行した時代の
雰囲気に近いのではないかと、個人的には思っています。
同時代に流行したのは、過去の音楽をCD再発として聴くことのできるようになった「環境の変化」がありました。
そういった時代の流れがレアグルーブ、フリーソウルという概念を生み、またそうした音楽の見方は、
イギリス人がアメリカの黒人音楽を見るまなざしに近い部分が、少なからずあるのではないかと考えています。

レアグルーブの観点から、のちに"UK"のレーベル、Acid Jazzと契約したLeroy Hutsonのプロデュース作で、
Natural Fourのセルフタイトルを選びました。HutsonはCurtis Mayfiedと旧知の仲であり、Curtis脱退後のImpressionsに
71-73年の間在籍したことのあるシンガーで、のちにプロデューサーとしてRoberta Flack, Linda Clifford、
そしてこのNatural Fourを手掛けたことで知られます。現代のシティソウルの感覚から見て、彼のプロデュース作は、
Curtisの作品と比肩できるほど、都会的に洗練されていると言えるのではないでしょうか。

60sにSupremesやFour Topsなど、モータウン黄金期を代表するアーティストを支えた3人組プロデューサーチーム、
Holland-Dozier-Hollandの一人、Lamont Dozierのソロ、79年作はのちにPhil ColinsやAC系のアーティストを
プロデュースした彼だけあって、滑らかでフュージョン的な楽しみ方の出来るレアグルーブに仕上がっています。
James Gadson(Ds), Abe Laboriel(B), Joe Sample(Key), Natha Watts(B), Ed Greene(Ds), Lee Ritenour(G),
Wah Wah Watson(G), Greg Phillinganes(Key)などを迎え、のちにIsley Brothersを復活させたAngela Winbush(Vo)など、
彼の名を慕いフュージョン系のスタジオミュージシャンが揃いに揃っています、高価な一枚ですが、
是非とも手に入れて聴く価値のある一枚だと思います。イントロから蕩けてしまいそうなI Got It All With Youを。

竹内まりやさんのライブ映画化が話題となっていますが、テレビに山下達郎さんの姿が映るのはかなり貴重な事です。
山下達郎が楽曲を提供したアーティストは数知れずですが、その中でもアン・ルイスに提供した
恋のブギ・ヴギ・トレインは名曲中の名曲であり、山下達郎自身のライブの定番曲でもあります。
そのシングルのB面にひっそりと収録されているアーバンスロウ、愛・イッツ・マイ・ライフで締めくくりました。

1時間半と長い放送で、これまでで最も密度の濃い放送となった最新話です。是非お楽しみ下さい。
次回もお楽しみに。

※以下は放送の録音です、音声にご注意下さい。
前編

中編

後編

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  1. 2018/10/17(水) 22:55:33|
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私的名盤放送第38回「最新邦楽ブラックミュージック、ダンスクラシックス、ブラコンで棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送第38回「最新邦楽ブラックミュージック、ダンスクラシックス、ブラコンで棚から一掴み」セットリスト

MOLDIV (5)

MOLDIV (4)


「放送アーカイブはこちらから」

M1 Travelling without Moving /UNCHAIN 『Libyan Glass』 (2018)
M2 She's a Bad Mama Jama (She's Built, She's Stacked) /Carl Carlton 『She's a Bad Mama Jama (She's Built, She's Stacked)』 (1981)
M3 Invitations /Shakatak 『Invitations』 (1982)
M4 MOONLIGHT /tofubeats 『RUN』 (2018)
M5 Love Never Felt So Good /Johnny Mathis 『A Special Part of Me』 (1984)
M6 Always Part of Me /Kirk Whalum 『Cache』 (1993)
M7 ドナルドとウォルター /フルカワユタカと原昌和 『ドナルドとウォルター』 (2018)
M8 MPC feat. Ryohu /冨田ラボ 『M-P-C?“Mentality, Physicality, Computer”』 (2018)
M9 Brand New Day /Creme D'Cocoa 『Funcked Up』 (1978)
M10 Heart Breaking Decision /Meli'sa Morgan 『Do Me Baby』 (1985)
M11 Just for you /Ingram 『Night Stalkers』 (1984)
M12 Sending My Love /AISHA 『Francfranc Presents RETRO ELEGANCE』 (2018) (YoutubeのリンクはZhaneの元バージョンです)

【放送後記】
社会人として働くようになって1年半が過ぎ、学生時代を思い返すことが増えるようになりました。
大学6年間、池下にあるライブハウスに通い続けたUNCHAINの思い出は、私的名盤紹介の歴史でもありました。
ディスクレビューを書くだけの時間や情熱を注げなくなっていた時期が続いていますが、それは自分の音楽に対する関心が、
徐々に変化してきていることによるのではないか、と思っています。

私の興味は、各個のアーティスト、いち作品を集中して見ていくということから、各楽曲同士の関係性や、歴史の縦横の流れ、
テクストを読み解くことへとシフトしていきました。UNCHAINやthe band apartのサウンドは、その他のメロディックコアや
パンクロックには無かった黒人音楽の香りや、ブラジリアンの香りが漂うコード感、フュージョン、ファンクからの影響の強い
リズムパターンを組み合わせた独特なものでした。彼らの音が、自分の幼い頃から聴いてきた音に近しいものであったことは
否めませんが、これをきっかけにして邦楽の最新の音楽を追いかけるモチベーションを持つことが出来たと思います。

さて、今回も最新の邦楽ブラックミュージックやブラックコンテンポラリーを中心に選曲しました。
JADOESのダンス☆マンによる「背の高いヤツはジャマ」のカヴァーでも知られるCarl CarltonのShe's a Bad Mama Jamaは
US Soulチャート2位まで上り詰めたディスコを意表する名曲です。現代におけるR&Bのループ構造化、ヒップホップ化の
基礎にはこうしたシンプルな構造のディスコミュージックがあると言えるでしょう。

私は外出先で音楽を探すのが好きで、店舗で掛かっているBGMなどを積極的にShazamで検索するようにしています。
やはりイメージ通り、「懐かしい昭和の香り」がするスーパーではフュージョン、特にスムースジャズ寄りのフュージョンが
掛かっていることが多いようです。こうしたアーティストはBig in Japanな側面が強く、Fruitcake, Shakatak, Mezzoforteの
3つは代表的なアーティストと言えると思います。また90sにはBabyfaceとKenny G、Richard Elliotの組み合わせのように、
透き通ったサウンドと、シンプルで美しいメロディが合わさった、優れた歌ものスムースジャズが流行しましたが、
Kirk Whalumの93年作はそうした楽しみ方が出来る良質な一枚だったと思います。

名古屋の栄の街をぶらぶらと散歩していてfrancfrancに入店する機会があったのですが、
そこでBGMとして掛かっていたアルバム、「Francfranc Presents RETRO ELEGANCE」は、
Burno Marsなど現代のR&BからZhaneのようなニュージャックスウィングまで、様々な楽曲を、
主にネオソウル的な視点から見事に再構築しており、特にZhane/Sending My Loveのカヴァーは白眉だったと思います。

ゆとり世代を代表するトラックメイカーであり、JPOPとラップトップミュージックを繋ぐ天才と信じて疑わないtofubeatsの
新作は、一切のゲストを迎えずさらに内省的な色の強い作品となりました。その中でも特にブラックコンテンポラリー色の
強いMOONLIGHTを選びました。その他得意とするフィルターハウスからジャジーなトラック、90sJPOPの香りを取り入れた
聴きやすいメロディアスな楽曲まで、非常に多彩で、あっという間に聴き切ることが出来ます。

AORやブラックミュージック系のJPOP, フュージョン、ブルーアイドソウルなどと並んで、自分にとっての専門分野に
なりつつあるブラックコンテンポラリーですが、その中では今回はフィラデルフィア出身の6人組Ingramの84年作から
甘く蕩けるようなクワイエットストーム、Just for Youと、 Chaka Khan, Whitney Houston, Melba Mooreなどの
バックコーラスとして活躍し、Prince/Do Me BabyのカヴァーがヒットしたMeli'sa Morganの1st(US R&B#4)から
Kashif的な香り漂うアーバンミッド, Heart Breaking Decisionを選びました。

80sのブラックコンテンポラリー前夜には、George Benson的なクロスオーバーミュージックと、
JBから派生してきた様々なファンクが誕生しました。Gamble & Huffを中心として形作られたフィラデルフィアソウルのグループ、
Ebonysの女性シンガーを中心として結成されたファンクグループ、Creme D'Cocoaの78年作は、
重厚なファンクのグルーブと、フィリーソウルの甘いサウンドが見事に溶け合った隠れた名盤です。

SUPERFINE以降、近年のブラックミュージック系のアーティストと積極的にコラボレーションして作り上げた
冨田恵一最新作は、前作からさらにヒップホップ色を強めた一枚となっています。
彼の基礎となっているAOR, 映画音楽、フュージョン譲りの構築的な編曲に、美しいストリングスを組み合わせた"MPC"は
KandytownのRyohuの独特な日本語の発音、フロウと合わさった今年のベストトラックの一つでした。
その他Dony Jointなど、邦楽ジャジーヒップホップ関連では目の離せないクルーと言えるでしょう。
MPCのドラムトラックは、冨田恵一がNightflyから着想を得た、「生ドラムのサンプリングソースを自力で構築し、
そこからリズムを組み立て直す」という手法が用いられており、生のサウンドとほぼ全く区別がつかないのに驚かされます。

またしても久々の放送となってしまいましたが、気合を入れたトークと珠玉の楽曲でお届けした1時間です。
お楽しみ下さい。

前編


後編


※音声にご注意ください

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  1. 2018/10/09(火) 21:29:09|
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私的名盤放送第37回「ディスコ、ネオブギー、邦楽シティポップで棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送第37回「ディスコ、ネオブギー、邦楽シティポップで棚から一掴み」セットリスト

MOLDIV#37

MOLDIV#372

「放送アーカイブはこちらから」

M1 B&C /宇多田ヒカル 『First Love』 (1999)
M2 Nobody Else /Crackin' 『Special Touch』 (1978)
M3 住所 /Kick The Can Crew 『住所 feat.岡村靖幸』 (2018)
M4 Sweet Surrender /The Apx 『Electrik Funk』 (2017)
M5 Don't Wait Another Night /Change 『This Is Your Time』 (1983)
M6 週に一度の恋人 /Dreams Come True 『Dreams Come True』 (1988)
M7 Roll(Burbank Funk) /The Internet 『Hive Mind』 (2018)
M8 Why You Get Funky On Me /Today 『House Party Original Soundtrack』 (1990)
M9 愛を伝えたいだとか /あいみょん 『愛を伝えたいだとか』 (2017)
M10 二中のファンタジー ~体育を休む女の子編~ /DANCE☆MAN 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 OST』』 (2002)
M11 ジャグラー /中原めいこ 『Mint』 (1983)
M12 If I Ever Fall in Love /Shai 『...If I Ever Fall in Love』 (1992)
M13 Somethin' /Lalah Hathaway 『Lalah Hathaway』 (1990)
M14 Changing /Lenny Williams 『Changing』 (1984)
M15 シャンプー /山下達郎 『Pocket Music』 (1986)

【放送後記】
1ヶ月近くたってしまいましたので、普段通り最近聴いたものを中心にブラックコンテンポラリー、ネオソウル、
シティポップ、最新のJPOPなどを選びました。宇多田ヒカル/First Love 15th Anniversary Editionを手に入れましたので、
その中でも特に90sJPOPの香りが最も強いB&Cで始めました。この曲だけ聴くと、倉木麻衣さんの1stに近い雰囲気です。
最後には対照的なFender Rhodesの弾き語りで、山下達郎がアンルイスに提供したシャンプーを。
こちらは今年の名古屋公演の弾き語りコーナーで聴くことが出来ました。

90sJR&Bの中で最もPrinceに近づいたアーティストともいえる岡村靖幸の参加したKick The Can Crewのトラックは、
イントロから少し懐かしいオールドスクールやNative Tongueの香りがします。
ソウルフルハウスにアシッドジャズ的なエッセンスを加えたThe ApxはTuxedoなど好きにぜひ。
その他、J Dilla, Robert Glasper以降のファンクバンドの中では、MoonchildとThe Internetがお気に入りです。
その中でも80sディスコの感覚と撚れたリズムの感覚が見事に融合した一曲を選びました。

AOR系の名盤ではMichael Omartianが手掛けたCrackin'の78年の名盤で、ソロシンガーとしても活躍したLeslie Smithも所属。
山下達郎バンドや松原正樹が参加したシティポップの名盤としては中原めいこ/Mintがおすすめです。

NJSからはTeddy Rileyも関わったTodayや、どこまでも暗いサウンドと甘いコーラスの対比が堪らないShaiと通好みの2枚です。

Luther Vandrossも所属したイタロディスコの有名ユニット、Changeの83年作は、
SlaveやOhio Playersに負けない重厚なグルーブがありながら、現代のネオブギーとしても聴けるスクエアさです。
そしてJeff Porcaro/Neil StubenhausのほかにDavid Fosterも参加したDonny Hathawayの娘、Lalah Hathawayの1stは、
Anita BakerとGarry Glennがタッグを組んだ楽曲群に勝るとも劣らぬ出来で、ブラックコンテンポラリー後期の名盤です。

そのほか、オークランド出身のファンクバンド、Tower of Powerに所属したボーカリスト、Lenny Whiteのソロ、
84年作は、今は亡きRicky Lawsonが素晴らしいリズムパターンを聴かせます。表題曲のほか、
「シティソウル」に相応しいアーバンですっきりとしたダンサーが並びます。必聴。

Dreams Come Trueは初期にはブラコン~マシンファンクに近い音楽性の作品を残しており、
自分の中ではSing Like Talkingなどと共に、AORに近い都会的なサウンドを楽しめるユニットでした。
そんな初期作品の中から選んだJAORの隠れた名曲、週に一度の恋人も素晴らしいですが、
その他にもSwing Out Sisterなどを思わせる渋谷系の視点からも楽しめる楽曲もあり、奥が深いユニットです。

幼い頃に聴いた音楽と言うのは忘れないもので、ディスコやブラコン、AORなどを聴いて育った僕には、
ダンス☆マンの作ったアニメソング、「二中のファンタジー」はどこか頭の中に引っかかっている楽曲です。
EWFの楽曲が元になっているとは言え、このアコギのイントロを加えるセンスは圧倒的だと思います。
かつてダンス☆マンが作り上げたパロディソングや二中のファンタジーの精神は、
現代になってアニメ「ポプテピピック」にLet's Pop Togetherとして受け継がれることとなります。(第36話でお話しています)

現代におけるYUIやmiwaのような存在が大原櫻子であるとするならば、現代における椎名林檎があいみょんであると
言えるのかもしれません。大原櫻子の最新作は圧倒的なポップネスとプロデューサーズミュージックという印象が強いですが、
あいみょんはより内省的でオルタナティブなイメージを与えるプロデュースとなっています。
しかしながら、イントロのドラムマシンのフレーズはMidnight Starを思わせるようなブラコンぶりであり、
ソウル的な曲の構造と合わさって、98年組のSSWとはまた違った、独特な魅力を放っています。
またJPOPに新たな天才が誕生した瞬間に立ち会っているようです。

久々の放送は古い作品から新しい作品まで、趣味全開の1時間です。おたのしみください。

前編

後編

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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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