私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

「私的名盤紹介-真の雑食を目指して」掲載アーティスト一覧

「私的名盤紹介-真の雑食を目指して」掲載アーティスト一覧

これまでディスクレビュー、および「私的名盤放送」で掲載してきたアーティストは650組以上にも渡っております。
PC版サイトですと左側のジャンル一覧から古い記事のカテゴリ一覧を見ることができますが、
スマホ版の方や、「私的名盤放送」掲載のアーティストは見ることができない状態が続いていました。
そこでアーティスト一覧を作成しました。今後、ジャンル別でさらに見やすくしていく予定ですが、
ひとまずはA to Z, あいうえお順で並べたものをここに置いておきます。ご活用下さい。

※リンクをクリックすると、ブログ内の検索結果が表示されます。一部同姓同名のアーティストなどが
  表示されることもありますが、ご容赦下さい。

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  1. 2037/07/17(金) 15:00:40|
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私的名盤放送第53回「私的名盤放送2019夏の2時間スペシャル」セットリスト

私的名盤放送第53回「私的名盤放送2019夏の2時間スペシャル」セットリスト

#53 1

#53 2

#53 3

「放送アーカイブはこちらから」

M1 Speechless /内田雄馬 『Speechless』 (2019)
M2 HIT NUMBER /おかもとえみ 『ストライク!』 (2016)
M3 Don't Be Shy /KARA 『the First Bloooooming』 (2007)
M4 Slow Luv /ゴスペラーズ 『Soul Serenade』 (2000)
M5 夜を使い果たして /STUTS feat. PUNPEE 『Pushin'』 (2016)
M6 Summer Breeze /The Isley Brothers 『3+3』 (1973)
M7 PEARL /伊藤美来 『PopSkip』 (2019)
M8 Eenie Meenie /Jeffrey Osborne 『Jeffrey Osborne』 (1982)
M9 Joy[Live] /Sing Like Talking 『SING LIKE TALKING 30th Anniversary Live Amusement Pocket“FESTIVE”』 (2019)
M10 Island Off The Coast Of America /Monkey House 『Friday』 (2019)
M11 morning light /THREE1989 『Kiss』 (2019)
M12 Daydream /山下達郎 『RIDE ON TIME』 (1980)
M13 A Fool for You(Baby) /Walter & Scotty 『My Brother's Keeper』 (1993)
M14 有名な映画のようにラブリーな恋がしたい /Sugar's Campaign 『FRIENDS』 (2015)
M15 Homeless Heart /楠瀬誠志郎 『宝島』 (1986)
M16 2NITE /Slom, Ace Hashimoto, 向井太一 『2NITE』 (1988)
M17 Stella's Cough /大江千里 『OLYMPIC』 (1987)
M18 横顔からI LOVE YOU /今井美樹 『MOCHA under a full moon』 (1989)
M19 くつひも /斉藤朱夏 『くつひも』 (2019)
M20 Have A Stroll /Perfume 『JPN』 (2011)
M21 星のいない週末 /佐藤聖子 『Bright Lights』 (1992)
M22 Parallel Line /崎谷健次郎 『ただ一度だけの永遠』 (1990)
M23 Take It Lucky /脇田もなり 『AHEAD!』 (2018)
M24 虹 /Aqua Timez 『うたい去りし花』 (2009)

【放送後記】
前回が水樹奈々さんの特集であったこともあり、お掛けしたい楽曲のストックがかなり溜まっておりました。
そこで今回はお盆休み(病院にはお盆休みという概念はなく働いておりますが)に合わせて、
「私的名盤放送2019夏の2時間スペシャル」をお送りしました。

いつもにましてキャッチーなトラックを中心に、JPOP, アニメソング多めの内容としております。
声優さんのソロアルバムからは、1992年生まれの内田雄馬の3rdシングル、Speechlessは
90秒ぴったりで1番が終わる完璧な構成、欅坂46の楽曲を手掛ける前迫潤哉によるサビへの高揚感が素晴らしいです。
BanG Dream!や五等分の花嫁などへの出演で知られる1996年生まれの伊藤美来が
今年発表した2ndソロアルバムから、先行配信されたPearlです。松たか子、坂本真綾への曲提供で知られる
高田みち子による作曲で、北川勝利による花澤香菜の楽曲に勝るとも劣らぬジャジーなトラックです。
シャリシャリしたカッティングで始まるメロ部分の展開は角松敏生的なリゾートミュージックを思わせ、
サビに掛けてダンサブルなリズムセクションに、冨田恵一の編曲を思わせる、
ストリングスの作るテンションが上品に鳴り響きます。
その他にも伊藤美来の2ndは良質なポップスが詰め込まれており、花澤香菜/Blue Avenueの感覚に近い一枚です。

ラブライブ!サンシャイン!!の渡辺曜役で声優デビューを果たした1996年生まれの斉藤朱夏ニューシングルは、
aikoの楽曲を思わせるような少しブルージーなメロディとストーリー性に富んだドラムスが素晴らしいです。
一聴した感じでは、タイム感は佐野康夫かと思いましたが、クレジットを見ると、惜しくも解散してしまった
school food punishmentの比田井修のようです。作曲はLIVE LABのハヤシケイで、元々はVOCALOIDで楽曲を
作っているプロデューサーのようです。メジャーなJPOPのシーンで活躍しそうな予感がします。

最近管理人が一押ししている男女混成5人組バンド、フレンズのボーカリストであり、元THEラブ人間のおかもとえみの
2015年リリースのEPから非常にシンプルなメロディのフックが印象的なHIT NUMBERを選びました。
イントロ部分のFM音源を思い出させるシンセや、土岐麻子のような柔らかさがありながら、
しかし無機質な魅力があるボーカル表現が最高です。

KPOP/KR&Bからは、Mr, GO GO Summerなどの大ヒットで知られるアイドルグループ、KARAの2007年の1stから
ヒップホップソウル直系のスウィングするビートと、宇多田ヒカル/B&Cを思わせるようなイントロ、
Earth, Wind & Fireのような後半のドラマティックな転調など、JPOP好きにはたまらない要素が目白押しのDon't Be Shyを
選びました。MISIAや露崎春女などがお好きな方ならきっと好きになる、絶品のR&Bです。
そしてもう一曲は、ソウル出身の音楽プロデューサー、yonyonが向井太一、Slom(Zion Tのプロデュースで知られる)を
迎えて制作したニューシングル、2NITEです。Pharrel Williams/Stay With Meを思わせるような、
ギラギラとしたシンセのバッキングが堪りません。Stevie Wonder的なジャジーなハーモニーも個性的です。

管理人が邦楽R&Bに触れるきっかけとなったグループ、ゴスペラーズの00年作から、
酒井雄二作曲のスロウジャム、Slow Luvです。彼が作る楽曲は、グループの中でもとりわけジャジーなハーモニーが多く、
少し広域の多く柔らかい声質の彼が思い切り張り上げるサビ前など、蕩けるようです。
編曲は、邦楽アシッドジャズバンドのSOYSOULのキーボーディストであり、EARTH, 久保田利伸、
シティポップ再評価で注目される具島直子などに関わったK-Mutoが担当しています。

現代の邦楽ブラックミュージック再評価の軸となっているのが星野源やPUNPEEであり、その「裏方」として
シーンで大活躍しているのが東大出身のトラックメイカー、MPCプレイヤー、プロデューサーのSTUTSと言えるかもしれません。
STUTSの2016年リリースの1stフルから、現代邦楽ブラックミュージックのアンセムとなった
PUNPEEをフィーチャリングした「夜を使い果たして」です。この曲の印象的なリフレインは、
Addrisi Brothers/Baby, Love is a Two Way Streetが元ネタだと思われます。
1977年に発表されたブルーアイドソウルの隠れ名盤で、Michael Franksのカバーが収められていたりと、
AORのファンにも沁みる一曲です。これも中古レコードショップでなかなか見つけられない一枚です。

管理人が思う夏ソングの代表格、Isley Brothers/3+3に収録されているSummer Breezeです。
Ronald Isleyのエロスに満ちたファルセットが堪能できます。それにしても、これが73年の音というのに改めて驚きを感じます。
元のバージョンはSeals & Croftsによるカントリーなサウンドで、これもまた素朴な魅力があります。

BCM系では、SOLAR Recordsを代表するボーカルグループ、The Whispersの中心メンバーで双子のWallace Scottと
Walter ScottによるWalter & Scotty名義の1993年作から、NJS的なキラキラしたシンセと鋭いハイハット、SEに
甘いコーラスが涼しげなA fool for you(Baby)です。プロデュースを務めるのはCurtis Mayfieldに見いだされた
セッションベーシスト、プロデューサーのKeni Burkeです。これも夏にぴったりなすっきりした一曲。

そして、もう一曲BCM~AORではGeorge Dukeプロデュースによる元L.T.D.のボーカリスト、Jeffrey Osborneの
1stアルバム、セルフタイトルからMichael Sembello(G), Bob James(Key), Steve Ferrone(Ds, Average White Band)という
最強の布陣による夢見心地なメロウグルーブ、Eenie Meenieです。しかしMichael Sembelloの楽曲としては
それほど「マニアック」な展開ではありません。Jermaine Jackson/You Like Me Don't Youにも近いサウンドです。

Steely Danフォロワーなアーティストは数多くあるものの、Monkey Houseほど「本家」に肉薄したサウンドを作り出した
グループは居ないでしょう。菊地成孔がラジオで「SDのイディオムのみを用いて作り上げられたサウンド」とまで
言い放った彼らの作品には、Jay Graydon(G), Drew Zingg(G), Elliott Randall(G), Michael Leonhart(Trumpet)など、
もはや本家のアルバムに参加していたスタジオミュージシャン本人を迎えて制作しており、クオリティの高さはお墨付きです。
新作のFridayから、Bernard Purdieのシャッフルのリズムを完璧に再現したリード曲を選びました。

1989年生まれの男性3人組ユニット、THREE1989の2ndフルアルバム、Kissから、
Earth, Wind & Fire/After The Love Has Goneを思わせるようなメロディが随所に登場するmorning lightです。
キーボードの音色もDX7のような音色で、かつボーカルのスタイルは松尾潔プロデュース期のEXILEを思わせるような
90s~00s前半のJR&B的なスタイルで、見事な組み合わせだと思います。

山下達郎のアルバム達は全てが名盤で説明不要とも言えますが、80年作のRIDE ON TIMEから、
独特のタイム感のカッティングリフが唯一無二のグルーブを作るDaydreamを選びました。
青山純/伊藤広規のリズム隊が生み出す重さは、オハイオ出身のファンクバンドであるSLAVEやLakesideの
作る重さに近いものがあるというのが、個人的な感想です。こういったオハイオ・ファンクや、
Isley Brothers/Hurry up and waitのようなポリリズムファンクが彼に与えた影響は非常に大きいと思います。

avec avecとSeihoの2人組によるBCMやクワイエットストームの影響を強く感じるプロジェクト、
Sugar's Campaignの名作メジャー1stフルアルバムから、渋谷系の楽曲の様なタイトルの
「有名な映画のようにラブリーな恋がしたい」です。ぶりぶりのシンセベースや間に挟みこまれるシンセリードと、
可愛らしいボーカルの組み合わせが最高な一曲です。tofubeatsのポップな楽曲が好きな方なら必聴です。
90年代の中野雅仁&藤原美穂のpas de chatを現代版にアップデートしたサウンドとも言えます。

山下達郎フォロワーとして語られることも多い楠瀬誠志郎は、もともと山下達郎バンドのバックコーラス出身で、
Sing Like Talkingの佐藤竹善にも近いキャリアですが、彼の1stアルバムから圧倒的な声量と伸びやかなハイトーンが
素晴らしいシティポップ、Homeless Heartです。ベースラインの饒舌さはAnthony Jacksonを思わせるようなフレージングです。
間奏部分のジャズらしいコード進行など、既に高度に完成された音楽性を感じさせます。

そして同系統のサウンドでは槇原敬之に負けずとも劣らぬ透明感のあるボーカルと、多彩な編曲で日本のシティポップに
大きな影響を与えた崎谷健次郎を忘れてはいけません。斉藤由貴「夢の中へ」、 中山美穂「これからのI Love You」
などのヒットで知られる1962年生まれのSSWで、80年代末から90年代に掛けて優れた邦楽AORの作品群を残しています。
ロイヤル・フィルハーモニー・管弦楽団をゲストに迎えストリングスをフィーチャーした
1990年作の4thから、シャッフルの歯切れの良いドラムスにぶりぶりしたシンセベースがデジタルな質感を与え、
そこにホーンの豊かなハーモニーが加わることで、独特なモダンさを残しています。

80年代末から90年代にかけてヒットを連発したSSW, 大江千里の87年作は
小林武史(Key), 富樫春生(Key), 松原正樹(G), 佐橋佳幸(G), 伊藤広規(B), 山木秀夫(Ds)など
錚々たるスタジオミュージシャンを迎えています。当時のニューウェイブの影響を受けたエレクトリックファンクを
想起させるようなStella's Coughを選びました。

リヴァーブを深く掛けられたスネアドラムの音色や、透明感あふれるボーカルが、これぞ「日本の夏のリゾートミュージック」
と思わせてくれる今井美樹の1989年作、MOCHA under a full moonから武部聡志(kokua, 松任谷由実、一青窈)が作曲、
坂本真綾や花澤香菜の名曲を数多く手掛ける作詞家、岩里祐穂がタッグを組んだ完璧な一曲です。
杏里やオメガトライブなど、シティポップの中でもフュージョンの影響が強い、キラキラとした輝ける日本のバブル時代を
思い起こさせるサウンドです。この作品がお好きなら、One Step Communicateという3人組もぜひ、おすすめです。

中田ヤスタカのプロデュースにより、日本のダンスボーカルグループの名実ともに頂点に上り詰めた
広島県出身の3人組、Perfumeの誰もが知る2011年の名盤、JPNから敢えてNJS的な、調性感の薄い
Have a Strollを選びました。R&B的なハーモニーでありながら、それをここまでポップに聴かせる編曲の妙は、
彼にしかなしえない業だと思います。

90年代は、aiko, 宇多田ヒカル、椎名林檎の3人の巨人に隠れてしまいがちではあるものの、
無数の優れた女性シンガーソングライターを生み出しました。シティポップの観点で振り返られる機会が多いのが
具島直子ですが、もう一人、是非とも今振り返られるべきSSWが、佐藤聖子だと思います。
1971年生まれ、埼玉県新座市出身の彼女の1stアルバムから星のいない週末です。
Patrice Rushenからの影響を公言している通り、80年代のAOR~BCMに影響を受けた、かつポップなメロディと、
甘くミルキーなハイトーンボーカルが組み合わさった、甘酸っぱく爽やかな、雨降りの夏の夜にぴったりな一曲です。

そして、管理人が一押しのアイドルグループであった神戸、三宮出身のダンスボーカルグループ、
Espesia(今は解散してしまいましたが)のメンバー、脇田もなりのソロ2nd, Ahead!から、
Espesia時代を思い起こさせてくれる突き抜けるようなサビから始まるリゾートミュージック、Take It Luckyです。
新井俊也によるキャッチーなサビとアシッドジャズ以降の間隔がある間奏、
クニモンド瀧口(流線形)とタッグを組んでデビューしたトラックメイカー、シンガーのukoによるきらめく編曲も最高です。
このシングルのB面、PEPPERMINT RAINBOWはBruno Mars/Finesseや
SMAPのプロデュースで知られる林田健司のソロを思わせる現代版NJSで、これも絶品です。

そして最後には、管理人が選ぶ最高の「夏ソング」、惜しくも昨年解散してしまった、邦楽ポップ~ロックバンドの
中で最高級のメロディを生み出し続けたAqua Timezの「虹」で締めくくりました。

私的名盤放送、夏の2時間スペシャルいかがでしたでしょうか。
皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように、おやすみなさい。暑い日が続きますがご自愛ください。

※いつもご覧下さっている皆様、ありがとうございます。感想はTwitter ReplyやDM, 質問箱などで随時承っております。
  今後、近いうちにゲスト放送回も予定しております。過去放送回もぜひご覧下さい。

その①

その②

その③

その④


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  1. 2019/08/14(水) 23:21:53|
  2. 私的名盤放送セットリスト
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私的名盤放送第52回「『水樹奈々』で棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送第52回「『水樹奈々』で棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送52回1

私的名盤放送52回2

「放送アーカイブはこちらから」

M1 FATE /水樹奈々 『SUPERNAL LIBERTY』 (2014)
M2 Song Communication /水樹奈々 『PHANTOM MINDS』 (2010)
M3 フリースタイル /水樹奈々 『MAGIC ATTRACTION』 (2002)
M4 SUMMER PIRATES /水樹奈々 『METANOIA』 (2019)
M5 夏恋模様 /水樹奈々 『IMPACT EXCITER』 (2010)
M6 NEXT ARCADIA /水樹奈々 『IMPACT EXCITER』 (2010)
M7 アンビバレンス /水樹奈々 『SMASHING ANTHEMS』 (2015)
M8 COSMIC LOVE /水樹奈々 『STARCAMP EP』 (2008)
M9 You have a dream /水樹奈々 『HYBRID UNIVERSE』 (2006)
M10 エデン /水樹奈々 『エデン』 (2015)
M11 アオイイロ /水樹奈々 『Justice to Believe/アオイイロ』 (2006)
M12 suddenly~巡り合えて /水樹奈々 『suddenly~巡り合えて』 (2002)

【放送後記】
しばらくぶりの私的名盤放送は、ファン歴13年、FC会員の私的名盤紹介管理人が選ぶ水樹奈々さん特集です。
音楽性、関係するスタッフやスタジオミュージシャン、プロデューサーなどに着目した90分間です。

一人のアーティストのファンで居続けることでこそ、気付くことのできる魅力や、音楽性やボーカル表現の変化の
細かい点に気付くことが出来るようになり、より深く音楽を楽しむことが出来ると思います。

特に、あえてシングルヒットを選ばないことによって、管理人の好みを反映できたと思います。

FATEはV6/Guilty, Astrogationのほか、クリスハートのプロデュースなど、JR&B的な編曲が多くみられる
陶山隼を作編曲に迎え、00s初頭のEXILEを思わせるようなスロウジャムに仕上がっています。

Song Communicationはコーラスにかつて水樹奈々が参加していた声優グループPritsのメンバーを集め、
Elements Gardenの作家陣の中でも、「残光のガイア」のようにアコースティックなアレンジを得意とする
藤間仁がペンを執っています。あえて高域の多い、柔らかく可愛らしい声質で歌うボーカルも素晴らしい。

矢吹敏郎がプロデュースを務めた初期作のMAGIC ATTRACTIONからは
本間昭光(いきものがかり、ポルノグラフィティなど)が作曲を務めたアイドルポップス、フリースタイルです。
デビューしてまもない時点でも完成されたボーカルですが、あえてヴィブラートを抑えたハイトーンが心地良いです。
失恋から立ち直ろうとする歌詞も、少し背伸びした当時だからこそできたボーカル表現だと思います。

最新シングル、METANTONIAのC/W, SUMMER PIRATESはBrecker Brothersを思わせるような
フュージョン的なホーンのオブリガートが特徴的な、スピード感あふれるアシッドジャズなトラックです。
最近のメタリックなシングル曲たちの中でも少し異色な一曲に仕上がっています。
Aqoursの楽曲やTHE IDOLM@STERの楽曲を手掛ける光増ハジメが作曲しています。

水樹奈々の隠れた名曲の代表格、「夏恋模様」は、藤林聖子の上品でストーリー性に富んだ、
淡い思い出を描く歌詞と、齋藤悠弥による少しブラジリアンなBメロや少し後ノリなグルーヴィーなドラムスの
作り出すゆったりとした16ビートなど、これまでの彼女の楽曲にはないサウンドで占められています。
プロデューサーの三嶋章夫さんが「一番泣ける曲」と称しているようです、納得します。
ライブでなかなか聴くことが出来ない曲でもあり、「Live Grace Opus3 2019」でさらにブラジリアンな香りを強めて
大胆にアレンジされたバージョンが聴けます。

水樹奈々の楽曲は演奏難度の高いものが多いですが、特にElements Gardenが手掛ける難しい楽曲の
中でも、とりわけキメが多くプログレッシブロック~ハードフュージョン的な色が強いのがNEXT ARCADIAです。
特にピアノのバッキングのリズムやオブリガートの難しさ、後半のドラムスのフィルインなど
ライブで観るとダブルドラム、トリプルギターの構成でこの曲を完璧なアンサンブルで聴かせるバンド、
Cherry Boysの実力を思い知らされます。

2015年作のSMASHING ANTHEMSに収録されたアンビバレンスは、椎名林檎/丸の内サディスティックでの
河村智康を思わせるようなブリティッシュな香りがするビートとAOR的なサビの展開が特徴的な、
レイドバックした一曲です。武道館7daysライブではスガシカオをゲストに迎え入れて演奏しています。
これも管理人的には水樹奈々隠れ名曲の一つです。

管理人の好きな水樹奈々楽曲は、DISCOTHEQUE以降のディスコトラックとヘッドセットで歌うダンス曲、
タオルを振る「タオル曲」が多いのですが、その中でもCOSMIC LOVEのコードカッティングや
パタパタしたドラムスの音色も、水樹奈々楽曲の中ではかなり珍しい音作りで、
Elements Gardenのメンバーであり、BanG Dreamの音楽プロデュースを務める藤田淳平が作曲しています。

同じく藤田淳平によるHybrid Universeから、デビュー当初の歌い方から現在のボーカルスタイルに
移り変わる「変声期」を捉えたともいえるYou have a dreamは、サウンド的にも90sポップス的な
エレクトロ~テクノポップな初期のサウンドと、「明るいが、暗く、切ない」水樹奈々ポップスの真髄が垣間見える曲です。

比較的新しいシングルからは、藍坊主の 藤森真一作曲によるエデンを選びました。
音価の長いメロディと、山本陽介のかき鳴らされるギターの分厚さに圧倒されます。名演だと思います。
AGENT-MR作曲による「アオイイロ」は制服を来てダンスするPVも印象的ですが、
スターダムを駆け上がる、その直前期の水樹奈々の魅力が凝縮されています。

そして最後に、矢吹敏郎による初期水樹奈々屈指の名曲、suddenly~巡り合えてです。
定番のエモーショナルなギターソロ、ドラムブレイクから入るイントロ、分厚いコーラスパート、
アメリカンプログレハードにも繋がる編曲と、この頃のサウンドを通して、AOR的な水樹奈々サウンドが
今後聴ける日を待ち望んでおります。

放送内ではさらに踏み込んで、水樹奈々のボーカルスタイルや、個人的な思い出を語りつくします。
ぜひ、ご覧下さい。次回もお楽しみに。皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように。

前編

中編

後編


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  1. 2019/07/29(月) 22:29:56|
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私的名盤放送第51回「JPOP/邦楽ロックの新譜盛り合わせ」セットリスト

私的名盤放送第51回「JPOP/邦楽ロックの新譜盛り合わせ」セットリスト

私的名盤放送第51回2

私的名盤放送第51回1

私的名盤放送第51回3

「放送アーカイブはこちらから」

M1 忘れられないの /サカナクション 『834.194』 (2019)
M2 Misty Lady /Casiopea 『PHOTOGRAPHS』 (1983)
M3 Do you remember? /Shiggy Jr. 『KICK UP!! E.P.』 (2018)
M4 Take A Step Forward /TrySail 『TryAgain』 (2019)
M5 Running out of Time /Tyler, the Creator 『IGOR』 (2019)
M6 Nice & Easy /Leroy Hutson 『Paradise』 (1982)
M7 Rose Color /Cindy 『Don't be afraid』 (1991)(Youtubeへのリンクは中山美穂バージョン)
M8 Strawberry Jam /大塚愛 『LOVE JAM』 (2004)
M9 Burning Friday Night /Lucky Kilimanjaro 『FULLCOLOR』 (2015)
M10 I'm Falling /Earl Klugh 『Peculiar Situation』 (1999)
M11 You & Me /EXILE 『Mixed Emotions』 (1978)
M12 Good To Be Back /Natalie Cole 『Good To Be Back』 (1989)
M13 Stars in Your Eyes /Kan Sano 『Ghost Notes』 (2019)
M14 I Like It /Gabby And Madi 『I Like It』 (2019)
M15 素敵にあこがれて /RYUTist 『センシティブサイン』 (2019)
M16 Take Me /Softsoul feat. カマタミズキ 『Timeless』 (2019)
M17 常夏ヴァカンス /フレンズ 『コン・パーチ!』 (2018)
M18 Special /Quincy feat. Ryan Destiny 『Special』 (2019)
M19 My One Temptation /Mica Paris 『So Good』 (1988)
M20 夢の続き /メロウ・イエロー・バナナムーン 『Tropicália』 (2019)
M21 Blue Sky /COLOR 『BLUE 〜Tears from the sky〜』 (2008)
M22 サーチライト /ブルー・ペパーズ 『Retroactive』 (2017)

【放送後記】
またしばらくぶりの更新となりました。今年1年間は内科の中で、各診療科別の専攻へ進む前の研修の時期に当たります。
様々な内科系診療科をローテ―トし診療に当たるので、科によっては時間に余裕がないこともありますが、
現状は音楽を聴いたり、私的名盤放送を継続できております。有難いことです。
このブログも2012年に開設してから7年半もの時が流れ、続けられているのは
見て下さっている方、お声掛けを頂ける方のお蔭様と思っております。有難うございます。

さて、2016年10月から試験放送を始めた私的名盤放送も、51回を数え、閲覧者数も各話で100-200名前後で安定してきました。
はじめは見て下さる方が数人という時期が長く続きましたが、継続してきた成果と思っております。
これからも、プロの作るラジオ番組やその選曲に負けないような、良質な楽曲を、よい音質で、
より深い解説とともにお届けできるよう、努力いたします。

今回はここ数年で発表されたJPOP/邦楽ロックの作品を中心に取り上げました。
特に目玉は、2005年から現代に至るまで、常に邦楽ロックのシーンの最前線に立ち続けるサカナクションの最新作です。
エレクトロミュージック、テクノポップやインディーロック、UKロック、歌謡曲など様々な背景を持つフロントマンの山口一郎は、
大衆に広く受け入れられるサウンド、ポップネスと、自身が表現したいサウンドを高い水準で融合させる能力に
長けた紛うことなき天才で、アルバムのリードトラックとなった「忘れられないの」は、
杉山清貴&オメガトライブを彷彿させるようなPVも印象的ですが、近年の邦楽のシティポップ/AOR再評価の流れを汲んだ、
80sソウル進行を下敷きにした一曲です。ドラムスの低域が強調されたスネアの音色や、リヴァーブの掛かり方など、
オーディオ面でも、80年代の邦楽へのオマージュを感じさせます。曲間のベースソロも非常にメロウで、
アウトロにはギターソロが入っていますが、そこでフェードアウトしてしまうのが憎い作りです。
サビ前の盛り上げ方などは明らかにEDMを通過した感覚を感じますが、それも違和感なく、80s的なギラギラしたサウンドへ
回収してしまうバランスの良さは唯一無二です。彼らの最高傑作のひとつだと確信します。

邦楽シティポップの歴史を辿るうえで重要なのがインストゥルメンタルミュージック、邦楽フュージョンですが、
特に海外での評価が高いスーパーグループ、Casiopeaの野呂一生作曲によるMisty Ladyを選びました。
一聴してそれと分かる神保彰の独特なフィルインや、ぶりぶりしたスラップベース満載で、
邦楽フュージョンのおいしいところが詰まっています。
その他、「郊外のスーパーで掛かったフュージョンをそのまま掛ける」コーナーでは、
Stevie Wonder, George Benson, Bob Jamesなどとの共演、Return To Foreverへの参加で知られる
ガッドギターの名手、Earl Klughの99年作から、マリンバの様な音色のイントロが特徴的なI'm Fallingを。
(この曲はTSUTAYAの店内放送でも掛かっているかと思います、よく耳を澄ませてみて下さい)

Tyler, The Creatorの新譜からは、ゴスペルライクなコーラスが入り、Thundercat/Drunkのサウンドを
彷彿させるようなとりわけチルなトラック、Running Out of Timeを選びました。恋を諦める、悲しいリリックです。
アーバンな上物に速弾きのシンセ、ノイジーなベースラインが重なる音遣いのセンスは天才的です。

残念ながら今年解散してしまったミクスチャー~シティポップ系ロックバンドのShiggy Jr.ですが、
キャリアを重ねるにつれて演奏力は確実に向上しており、2018年のEPに収録されている
Do you remember?は、かつての山下達郎バンドにも迫るほどのへヴィ―な諸石和馬の作るグルーブが素晴らしいです。
池田智子のキュートなボーカルは何物にも代えがたい魅力があり、今後の動向が気になるところです。

アイドルソング系では、以前にも取り上げた新潟県出身のアイドルグループ、RYUTistのニューシングルの
B面に収録されているジャジーで緊張感あふれるコード進行の「素直にあこがれて」です。
フュージョン的なサウンドとジャズボーカル的なメロディが組み合わさった、
現代版フリッパーズ・ギター~ピチカート・ファイヴともいえる一曲です。
一聴すると田中秀和のサウンドのようにも聴こえますが、作曲を担当するのは佐藤望という作家のようです。素晴らしい。
その他、麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜の3人組による声優ボーカルユニットのTrySailニューアルバムから、
16ビートのカッティングと煌めくシンセに切ないメロディという少し懐かしいアニメソング風のTake a Step Forwardも良曲です。

Curtis Mayfieldの後任として1971年からImpressionsで活動し、73年にソロデビューした1945年生まれのSSW、
Leroy Hutsonは現代のレアグルーブ再評価の中で最も注目されている人の一人だと思います。
彼がElektra Recordsに遺した唯一作、82年のParadiseは特にBCM色の強い一枚で、
シルキーなグルーブが堪らないNice and Easyを。

2000年代のJPOPに戻り、現代において再評価されるべき女性SSW, 大塚愛の名盤2ndからスウィンギーなリズムと
ブラスのアレンジが心地良いStrawberry Jamです。アレンジを務めるのはIkoman(生駒龍之介)で、
YUI, FLOW、エレファントカシマシ、ステレオポニーなどを手掛けた人物です。
パンキッシュなサウンドやポップロックを中心とした元気な楽曲が多いイメージの彼女ですが、
こんなアンニュイでグルーヴィーな楽曲もあります。歌いまわしやベンドの使い方は、aikoのそれに近しいものを感じます。
ビジュアル、作曲能力、編曲の丁寧さと、全ての面において非常に完成されたアーティストだったと思います。

続いて現代に戻り、6人組のファンク~ディスコ~シティポップユニットのLucky Kilimanjaroによる
2015年のEPから、Emotions/Best of My Love的なクラシカルなディスコサウンド、Burning Friday Nightです。
AORでは6人組のロックバンド、EXILE, 1978年作からウェストコーストロックとブルーアイドソウルの中間を行く
スムースなYou & Meを選びました。John Valenti/Stephanieなどお好きな方には堪らないと思います。

Miss You Like CrazyがUS Hot100で7位を記録したNatalie ColeのAOR期からジャズボーカル期へと移り変わる時期の名盤、
Good To Be Backから、表題曲を選びました。Neil Stubenhausの滑らかで音の切り方が天才的なベースラインと、
Paul Jackson Jrのいい意味で安っぽいカッティング、少しトロピカルなサウンドは
陽だまりに照らされているような暖かい気持ちになれる最高のBCMです。
その他、第13回で取り上げたRandy Goodrum作のRest of The Nightも必聴、全てが名曲しかない一押しのアルバムです。

さらに新譜へと戻り、今年出たばかりのキーボーディスト、SSWのKan Sanoの新譜を取り上げました。
僕自身はLucky Tapesのライブにゲスト出演していてその存在を知りましたが、
既存の楽曲を換骨奪胎、リハーモナイズしたカヴァーの連続が素晴らしかった記憶があります。
D'Angelo以降のネオソウルの影響を感じながらも、リードトラックとなった
Stars in Your Eyesは非常にキャッチーなシンセのリフレインが印象的で、囁くようなボーカルと
ハイファイなベースと剃刀のような切れ味のハイハット、加工されたボーカルが非常に耳に残る一曲です。
その他にもレイドバックした、削ぎ落とされたビートが満載で、これを一人で全て演奏しているというのは、
にわかに信じがたいレベルで、恐るべしです。かつてのThe Roots, RH Factorにも迫るファンキーな一枚でした。
ネオソウルの流れの中にいて、特異なカラーを放つこのKan Sanoと
中村佳穂(こちらはプログレッシブロック、フュージョンの香りもする)は、
最近の邦楽ブラックミュージックの中では別格の存在だと思います。

さらにインディーなR&Bでは、女の子2人組の詳細不明なユニット、Gabby And Madiから
DeBarge/I Like Itを大胆に使ったクワイエットウェイブ、I Like Itと、
NJSを代表するシンガーの一人、Al B. Sureの息子、Quincyと、Deron Irons(ex. Guess)の娘であるRyan Destinyとの
ユニット名義で発表されたシングル、Specialを選びました。最近のMidas HutchやLe Flexにも繋がる一曲です。

そしてもう一曲、BCMからはUK出身のソウルシンガー、Mica Parisの88年作から、UKシングルチャートで
7位となったヒットシングル、My One Temptationです。Anita Baker/Rapture的なクワイエットストームを
下敷きにしながら、軽やかな音遣いの爽やかな一曲です。

かつて、ピチカート・ファイヴや初期のOriginal Loveを支えたドラマー、故宮田繁男の所属していたファンクバンド、
Softsoulの活動10年目にして1stアルバムとなったTimelessから90年代の邦楽アシッドジャズ、
Escalatorsを思い起こさせるようなTake Meを選びました。

その他には、2015年に結成された男女混成5人組バンド、フレンズの2018年の2ndフル、
コン・パーチからファンキー&キャッチーなきらめくJPOPで、常夏ヴァカンスも素晴らしかったです。
アニメソングではORESAMAや、JPOPではいきものがかりや初期の椎名林檎、
かつてのm-floのような邦楽ブラックミュージックなどを背景に感じる、高い演奏技術に裏打ちされた良質な楽曲が並び、
既に完成されたバンドといった印象です。タイアップも複数こなしており、今後JPOPのメジャーシーンで活躍しそうな
雰囲気を強く感じています。名盤です。

そして、もう少しマニアックなところでは、インディーポップバンドのメロウ・イエロー・バナナムーンの
2ndEPからトロピカルな香りを感じる星野源/恋ともいえるような「夢の続き」を選びました。
少しルーズなグルーブの感じやリラックスしたファルセットのボーカルなど、
シティポップ~AORに振り過ぎず、かつてのシュガーベイブや大瀧詠一作品にも通じる美しく懐かしいメロディが満載で、
最近見つけた若手の中では一番注目しています。

日本でEXILEと言えば、ATSUSHIを中心としたLDH系のボーカルグループでしょうが、
彼が参加していたボーカルグループのCOLORは、EXILEの初期にも通じる、90s的なスロウジャムを数多く
リリースしており、JR&Bファンには見逃せない内容となっています。
その中から特にキャッチーで、CHEMISTRYの全盛期に負けずとも劣らぬBlue Skyをどうぞ。

最後には、現代シティポップ系のユニットで最も密度が高くかつポップで完成されたアレンジで
注目されているブルー・ペパーズの1stフルアルバムから、サーチライトです。
2017年の年間ベストにも選出しています。佐野康夫や森俊之なども参加しています。全てのトラックがおすすめです。
メンバーの福田直木さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組、「Crossober Laboratory」は、
数あるラジオ番組の中でも非常にレアな、AOR, BCM, フュージョン、ブラジリアン、CCM、ヨットロックなどを取り上げる番組で、
僕も毎週必ず聴きようにしています。ぜひチェックされてみて下さい。

来月からは特に忙しい診療科での勤務が始まりますが、何とか更新頻度を保てるよう努力してまいります。
皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように、おやすみなさい。

前編

中編

後編



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  1. 2019/07/15(月) 23:45:36|
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私的名盤放送第50回「邦楽クワイエットストーム特集」セットリスト

私的名盤放送第50回「邦楽クワイエットストーム特集」セットリスト

私的名盤放送第50話1

私的名盤放送第50話2

「放送アーカイブはこちらから」

M1 さよならベイビー /サザンオールスターズ 『SOUTHERN ALL STARS』 (1990)
M2 Good Morning /木村恵子 『Style』 (1988)
M3 T.D.M. /tofubeats feat. Okadada 『POSITIVE』 (2015)
M4 Spice of Life /The Manhattan Transfer  『Bodies and Souls』 (1983)
M5 Automatic Passion /Stephanie Mills 『Stephanie Mills』 (1985)
M6 No Limit /竹本健一 『No Limit』 (2018)
M7 君が僕に憑依した!! /平井堅 『SENTIMENTALovers』 (2004)
M8 Sugao No Mamade /大橋純子 『POINT ZERO』 (2004)
M9 DOWN /BananaLemon 『DOWN』 (2018)
M10 Sometimes /Crush 『Crush On You』 (2014)
M11 Superhuman /NCT 『We Are Superhuman』 (2019)
M12 嵐が来る /DREAMS COME TRUE 『Love Unlimited ∞』 (1995)
M13 Girl U Love /Crystal Kay 『almost seventeen』 (2002)
M14 真夜中の主人公 /須藤薫 『DROPS』 (1983)
M15 Let Me Be Yours /Lillo Thomas 『Let Me Be Yours』 (1983)
M16 Sweeter As the Days Go By /Shalamar 『Go for It』 (1981)
M17 MISTY LADY /Casiopea 『PHOTOGRAPHS』 (1983)
M18 スカイレストラン /清野由美 『ナチュラルウーマン』 (1981)
M19 You Could've Been My Lady /10dB 『Steppin' Out』 (1989)
M20 Fragile /山下達郎 『COZY』 (1999)

しばらく間が空いてしまいましたがいかがお過ごしでしょうか。
仕事が始まり3年目を迎え、徐々に自分の責任や業務の量が増えるにしたがって、帰宅する時間も遅くなってしまっており、
私的名盤紹介の更新も滞りがちとなっておりますが、それなりに音楽を聴くことは出来ております。
今年1年間と、大学院での研究生活をする3年間は、最も忙しくなる期間と思われます。
これからも可能な限りのペースで続けてまいりますので宜しくお願いいたします。

今回も邦楽シティポップや、特にクワイエットストームから影響を受けたメロウな楽曲を中心に取り上げました。
オープニングにはサザンオールスターズが初めてオリコン週間チャート1位を記録したヒットシングル、
1989年作です。1990年作のセルフタイトルに収録されています。TR808のカウベルの音を取り入れたリズムパターンと、
クワイエットストーム的な進行に歌謡的なメロディ、多重録音コーラスの作るドリーミーな一曲です。

シティポップの隠れた名盤では、鈴木茂、松本隆、湯川れい子、杉真理、門あさ美などが参加した
SSW, 木村恵子の88年作の1stアルバムから、のちの古内東子や具島直子を思わせるような、
物憂げな空気が漂うジャジーなGood Morningを取り上げました。90sJPOPを予見させる音だったと思います。

さらにSSWものでは清野由美の81年作から、松任谷由実のペンによるハイファイセットの名曲、
スカイレストランのカバーを取り上げました。椎名和夫のリヴァーブが聴いたリードギターが堪りません。
その他B面では山本達彦、井上鑑などが楽曲提供しています。

現代JPOPの中で、邦楽ヒップホップから音楽へ入り、テクノ, ハウス、JPOP、ガールポップを経由しながら、
80sブギー、BCMを思わせる楽曲を残している1990年生まれのトラックメイカー、tofubeatsの2015年作から、
かつてのRod Tempertonを思わせるようなT.D.Mを。そして、Rod Tempertonプロデュースによる
Manhattan Transferの83年作は、Michael Jackson/Baby Be Mineを思わせるような最高のグルーブです。

シンガーだけだなく女優としても知られ、ミュージカルThe Wizでのヒットで知られているStephanie Millsは
70年代末から80年代末にかけて、当時の最新のR&Bのスタイルを取り入れたBCMの優れた作品を数多く残しています。
特に70年代末から80年代初頭のMtume & Reggie Lucasプロデュースによる諸作がよく知られているかと思います。
最もヒットした時期からは離れますが、NJS的な要素の強いHome(1989)はAngela Winbush, Gerald Levertプロデュースで、
硬質な艶消しのサウンドを楽しむことができ、これもお勧めです。
今回はCasablancaからMCAに移籍して最初のアルバムとなったセルフタイトル(George Dukeプロデュース)から、
当時新進気鋭 のKaryn WhiteのペンによるアーバンメロウなAutomatic Passionを選びました。
Paul Jackson Jr.によるペキペキしたカッティングが堪りません。BCMには必須のサウンドだったと思います。
他にもAbragham Laboriel, Freddie Washington(B), Larry Williams(Key), John Robinson(Ds), Michael Landau(G)など
AORの観点から見てもお馴染のスタジオミュージシャンが多数参加しています。必聴盤。

ロックバンドからソロアーティストへと転身するパターンは比較的よくあることかと思いますが、
00年代前半にPhonesという3ピースロックバンドでフロントマンを務めていた竹本健一のソロ作は、
オメガトライブ~角松敏生を思わせるような爽やかなリゾートミュージックで、最近のシティポップリヴァイバルの中でも
素晴らしい出来だったと思います。Phones時代の楽曲も渋谷系~アシッドジャズ的でお洒落な楽曲が沢山あります。
最近のアーティストならikkubaruがお好きな方にぜひどうぞ。
同じようにロックバンドのボーカリストからソロアーティストへ転向し、シティポップ的なサウンドを指向している
人として、椿屋四重奏の中田裕二が居るかと思います。

90年代のR&Bの名曲をメドレー形式にして、歌とダンスで魅せる動画をたまたま発見して引き込まれてしまった
4人組のダンスボーカルグループ、BananaLemonの昨年のシングル、DOWNです。
最近流行りのクワイエットウェイブのヒット、Ella Mai/Bod' Upを思わせるようなチルな一曲でした。
キュートなボーカルとの組み合わさると、JPOPとしての魅力もあります。
これもTR808のカウベルの音色と、地を這うようなベースの組み合わせが最高です。
彼女たちのプロデュースを務めるのは、少女時代やEXILEへの楽曲提供で知られるSTYだそうです。

その他、ベテランでは70年代後半から邦楽ソウルミュージックの黎明期を支え、フュージョン~AOR的な楽曲も数多く残した
大橋純子のNY録音1983年作から、蕩けるようなメロウなイントロと、ジャジーなAメロへの接続が鳥肌ものの素顔のままでです。
Mark Gray, David Sanborn, Buddy Williamsなどが参加しています。随所のキメも完璧です。

荒井由実、筒美京平のタッグによるやさしい都会でデビューしたシンガー、須藤薫の1983年作は、
メインの作家に杉真理と林哲司、つのだ☆ひろを迎え、大瀧詠一にも近しいゆったりとした
暖かいシティポップが収められています。滝沢洋一のペンによるA1を取り上げました。
青山純と思われるへヴィ―なドラムスと多重コーラスが加わることで、FOR YOU前後の山下達郎を思わせる佳曲です。

最近徐々にお掛けしている韓国のR&Bからは、管理人お気に入りのプロデューサー、Zion Tが所属するクルー、VV:Dと
DEAN, ZICOが所属するFANXY CHILDの一員で1992年生まれのCrushというシンガーの2014年作から、
シカゴソウルのリズムパターンに少しナイーブなボーカルと薄く背景を彩るストリングス系のシンセの配置が素晴らしいです。
そして2016年に結成したSM Entertainmentからデビューした男性アイドルグループ、NCTのシングル、Superhumanを選びました。
EDM的な展開の作り方、重低音のベースソロがあったりしながら、曲の中心はMJ的な80sブギーの質感を残していて、
面白い一曲でした。

1988年にデビューし、ディスコ、AOR~シティポップ、同時代的なブラックミュージック
(Cheryl Lynn的なディスコやBCM, NJS, アシッドジャズ、ハウスなど)の影響を受けながらも、
90sのJPOP黄金期を支える名曲を数多く残した男性2人、女性1人のグループ、
DREAMS COME TRUE(のちに2人となりますが)の96年作から、MISIAの初期作にも通じるような嵐が来るを。
(大ヒットとなったLOVE LOVE LOVEのB面でもあります)

椎名林檎/東京事変やスガシカオ、スピッツ、アンジェラアキ、いきものがかり、チャットモンチー、
back number, 星野源など特に90年代末から00年代に掛けてJPOPヒットに最も多くかかわったプロデューサーであり
ベーシストの亀田誠治がプロデュースに参加した平井堅の2004年作を取り上げました。
(その他アレンジで中西康晴(ピチカート・ファイヴ)、大沢伸一、AKIRAなど参加)
亀田誠治が関わった楽曲も勿論素晴らしいですが、ここではEXILEのサウンドプロデュースを務めたAKIRAによる
Chris Jasperを思わせるようなブギー、君が僕に憑依した!!です。右チャンネルに振られたパーカッションのリズムは
ポリリズミックで、かつて山下達郎が影響を受けたファンクのテイストを残しています。全曲必聴のアルバムです。

続いて、JR&Bの全盛期に活躍した歌姫、Crystal Kayも、前回取り上げたSoweluと同じく、
今振り返られるべき優れた作品を数多く残しています。m-floのタカハシタクをプロデュースに迎えた3rdアルバムから、
シカゴソウルなリズムにファルセットに抜いた無垢なボーカルが堪らないGirl U Loveです。

さらにBCMからはもともとアスリートとしてオリンピックに選出されながらも、交通事故のため出場叶わず、
その後にシンガーとしてデビューするという異色な経歴を持つLillo Thomasの1983年の1stを選びました。
プロデュースはFreddie Jackson/Rock Me Tonightや、 Melisa Morgan/Do Me Baby(Princeのカヴァー)、
Keith Washingtonなど、Kashifと並んでクワイエットストーム、BCMの名曲を残したPaul Lawrence Jones IIIが担当しています。
ひんやりとしたシンセのコードとスラップベースのファンキーなイントロから、サビにかけて絶妙な音の抜き差しで、
必要最低限な、引き算の美学とも言うべきアレンジで作られた一曲です。

そして80sブギーではSOLARレコードを代表するグループであり、Jody WatleyやHoward Hewettを擁するShalamarの
81年作から、管理人の最も好きな「粘り付くような」グルーブを感じさせるSweeter As the Days Go Byです。
少しマニアックなところでは、Stanley "Gerard" ThermondとAudrey "Paris" Hollisの2人組によるR&Bユニット、
10dBの1989年作です。詳細は不明ですが、こちらもChris Jasper在籍時のIsley Brothers/Choosey Loverを
思わせるようなクワイエットストーム、You Could've Been My Ladyです。

最後には、発売されたばかりのTyler, The Creatorのニューアルバム、IGORの
GONE, GONE/THANK YOUにサンプリング(オマージュ)された山下達郎/Fragileです。
原曲は圧倒的な分厚さの多重コーラスにマシンビートのリズムトラックが重なった悲しい一曲です。最高。

今回も少しJPOP/JR&B多めで、特にクワイエットストームの観点から振り返られそうな楽曲を中心に
お送りしました。これからも皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように。おやすみなさい。

※いつもご覧いただいてありがとうございます。聴いて頂けるお蔭様で続けております。視聴者数も2000人に
  到達しようとしております。もしお気に召しましたら、ブログ記事下にありますTwitterバナーで呟いて頂けますと
  大変励みになります。次回もお楽しみに。

前編

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後編

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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。
※放送企画として「私的名盤放送」というラジオを配信しております。
ツイートキャスティングホームページをご覧下さい。不定期に配信、Twitterにて情報を呟いております。ハッシュタグは「#私的名盤放送」です。宜しくお願い致します。
http://twitcasting.tv/privategroove

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