私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

「私的名盤紹介-真の雑食を目指して」掲載アーティスト一覧

「私的名盤紹介-真の雑食を目指して」掲載アーティスト一覧

これまでディスクレビュー、および「私的名盤放送」で掲載してきたアーティストは650組以上にも渡っております。
PC版サイトですと左側のジャンル一覧から古い記事のカテゴリ一覧を見ることができますが、
スマホ版の方や、「私的名盤放送」掲載のアーティストは見ることができない状態が続いていました。
そこでアーティスト一覧を作成しました。今後、ジャンル別でさらに見やすくしていく予定ですが、
ひとまずはA to Z, あいうえお順で並べたものをここに置いておきます。ご活用下さい。

※リンクをクリックすると、ブログ内の検索結果が表示されます。一部同姓同名のアーティストなどが
  表示されることもありますが、ご容赦下さい。

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CJASN 2017糖尿病腎症システマティックレビュー 日本語訳

<2017年 糖尿病性腎症のシステマティックレビュー>

以下は、2017年に米国腎臓学会誌に掲載されたDKD(糖尿病腎症)についてのシステマティックレビューです。
本文のPDFはインターネット上(Pubmedなど)で公開されていて、無料で全文を読むことができます。
日本語訳は逐語訳であり、誤りを含む可能性がありますが、参考になれば幸いです。

※複製、および一部改変して使用することはご遠慮ください。
 それによって生じたいかなる不利益も追いかねます。

Diabetic Kidney Disease Challenges, Progress, and Possibilities
Clinical Journal of the American Society of
Nephrology , 12: 2032 2045, 2017


糖尿病性腎症(DKD)は糖尿病患者の約40%にまでのぼるとされ、全世界で慢性腎臓病(CKD)の主要な原因となっている。DKD患者の最も分かりやすい結末は末期腎不全(ERSD)であるが、患者の多くは、実際には心血管疾患で亡くなっていたり、維持透析が必要となる前に感染症などで亡くなったりしている。DKDの自然経過は、糸球体過剰濾過から進行性のアルブミン尿、GFRの低下、そしてERSDへと至る流れである。DMによる代謝性の変化が、糸球体の肥大、糸球体硬化、尿細管間質の炎症と線維化を引き起こす。現代の治療では、DKDの発症とその進行に対して依然として大きなリスクを残している。したがって、DKD患者の予後を改善するために、大きなイノベーションが嘱望されている。この目標を達成するために、新たなバイオマーカーの発見や、臨床経過に関連するエンドポイントを評価するための臨床試験のデザイン、そして腎特有の疾患メカニズムに標的を絞った治療薬の開発(例えば糸球体過剰濾過、炎症や線維化を標的とした治療薬)が必要とされるだろう。加えて、こうした過程で得られるDKD, DM治療に対する最善の知見を、臨床的に、あらゆる人口集団に対してより注意深く当てはめ、普及させていく必要がある。


米国において、DKDはT1DM患者で約30%程度、T2DM患者では約40%にも及ぶといわれている。

糖尿病患者全体の数が増えるにつれて、DKDの有病率も増えてきている。米国では1988-1994年の間は9.8%であったが、2011-2012年の調査では12.3%にまで増加したといわれている。全世界では2015年の統計で4億1500万人の糖尿病患者がいると推定されている。2040年には6億4200万人に増加するといわれており、低所得~中所得の国々で特に糖尿病患者が増加すると考えられている。世界中で糖尿病患者が爆発的に増加していることの背景には、肥満のパンデミックともいえる増加がある。米国では、1980年には全体の15%程度であった肥満の人々が、2000年には31%にまで増加した。2013~2014年の時点では、調整有病率が男性で35%, 女性で40%にまで及んでいる。

1990年から2012年にかけて、DKDに起因する死亡率は94%にまで上昇している。これは、ありとあらゆる慢性疾患の中でも最も劇的な増加劇であるといえる。心血管イベントでの死亡率が、DKDの存在と関連しているともいわれている。

DKDのリスクは、インスリン感受性にかかわる因子(年齢、性別、人種、家族歴など)と、発症時の因子(高血糖、AKIなど)、増悪にかかわる因子(高血圧、食事歴、肥満など)に分類される。(Table1) 最も確実なリスク因子は高血糖と高血圧である。

<高血糖>

正常アルブミン尿のT1DM患者では、血糖コントロール不良がアルブミン尿進行及びESRDの独立した予測因子となる。T1, T2DMの両者において、発症後早期の厳格な血糖コントロールが長期にわたるDKD進行への好ましい影響をもたらすと言われている。これはlegacy effectまたはmetabolic memoryと言われ、厳格な血糖コントロールによって、高血糖によるエピジェネティックな変異などの非可逆的なダメージを予防することができることを示唆している。T1DM患者では、HbA1c7%を目標とした血糖コントロールにより、標準治療群と比較して微量および顕性アルブミン尿を発症する9年間のリスクがそれぞれ34%, 56%低下した。追跡期間の中央値22年間で、厳格な血糖コントロールを行った群ではeGFR低下の(60mL/min以下)リスクは約50%低下し、1年あたりのeGFR低下は標準治療群で1.56mL/minから厳格な血糖コントロールを行った群で1.27mL/minまで減少することが示された。

同様に、新規発症のTDM2患者を、HbA1c7%未満で10年間血糖コントロールすると、従来の治療と比較してDKDを含む微小血管合併症の発症が24%減少した。 12年後のフォローでは、微量タンパク尿(すなわち臨床的に有意なタンパク尿)に至るリスクは33%減少し、血清クレアチニン値が2倍になった患者の割合は大幅に減少した(3.5% vs 0.9%)。

<高血圧>
新規のT2DMの患者で、中央値15年にわたって血圧を150/85 mmHg未満に治療すると、180/105mmHg未満で治療した患者と比較して、微小血管リスクが37%減少した。平均収縮期血圧が10 mmHg増加するごとに、微量および顕性アルブミン尿の発生およびeGFR<60mL/minと血清クレアチニンが倍化するハザード比は15%ずつ増加した。一般に、T2DM患者の収縮期血圧が140mmHg以上の場合、ESRDおよび死亡のリスクが高いことが知られている。

<構造的変化>
DKDの発症により、腎臓を構成する様々なコンパートメントに対して多くの変化が引き起こされる。最も早期に起こる変化は糸球体基底膜の肥厚であり、T1DM患者での研究では、診断から1.5〜2年以内にみられるようになることが知られている。この変化に並行して、毛細血管と尿細管基底膜の肥厚が起こる。(Fig1) その他の糸球体の変化には、糸球体内皮の開窓の消失、メサンギウム基質の拡張、足突起の消失を伴う足細胞の消失が含まれる(Fig2)。メサンギウムの拡張は、T1DMの診断後5〜7年以内にみられるようになる。分節性のメサンギウム融解は、糖尿病の進行とともに観察され、同時によくみられるKimmelstiel–Wilson結節や小動脈瘤の発生に関与していると言われている。(Fig3)

滲出性の病変は血漿タンパク質の血管内皮下沈着によるもので、このタンパク質は過ヨウ素酸シッフ陽性で電子密度の高い沈着物を形成し、小動脈の枝や細動脈、糸球体毛細血管、および微小動脈瘤に蓄積する。これらの沈着物により、管腔の機能不全をもたらす可能性がある(その一例がヒアリン動脈硬化症である)。同様の上皮上沈着物は、ボウマン嚢(嚢滴病変)および腎尿細管に見られる。より時間の経過したDM患者では、間質の変化と糸球体傷害が合併して、分節性および腎全体の硬化症を引き起こすようになる。 T1DM患者では、GFR、アルブミン尿、高血圧はメサンギウム拡張と強く相関しており、糸球体基底膜の肥厚とは弱い相関がある(Fig4)。T2DM患者の腎構造の変化は、T1DMで見られるものと類似しているが、より不均一で、臨床症状との関連性はあまり予測できない。古いT2DMの病理組織に関する研究では、T2DM患者において、DKD以外の糸球体疾患の有病率も高くなるとされたが、これにはおそらく選択バイアスが含まれる。すなわち、糖尿病患者で腎生検を行ったということは、典型的なDKDの臨床像とは異なる患者がより多く含まれていると考えられるからである。より最近の生検結果をまとめた研究の結論はより保守的で、糖尿病でかつアルブミン尿がある患者のうち、DKD以外の原因でアルブミン尿が生じている患者は推定10%程度であろうと言われている。T2DMがT1DMと異なる病理組織所見を呈することの要因に、T2DMは診断までの時間がより長くかかることが挙げられる。つまり診断される前に高血糖に晒されている期間はより長くなるはずである。そのほかにも、T2DMの方が高齢の患者が多いことや、アテローム性動脈硬化のリスクがより高いことも挙げられる。さらに、T2DMと診断される前に、多くの患者はRAA系阻害薬でmedicationされていることも要因の一つである。International consensus working groupによると、DKDの組織所見についての分類法を提唱している。これには糸球体、間質、および血管病変についてのスコアリングが含まれている。(Table2, 3)。

<自然経過>
DKDの自然経過についてのパラダイムは進化し続けている。DKD患者では、糸球体過剰濾過から始まり、高血圧とeGFRの低下を伴う恒常的なアルブミン尿へと進展する古典的な経過を辿らないことは往々にしてあることだ(Fig5)。英国の前向き糖尿病研究(UKPDS)は、T2DMの自然経過を観察する貴重な機会を与えた。登録患者のうち、年間約2%が正常アルブミンから微量アルブミン尿、および微量アルブミン尿から顕性アルブミン尿へと進行した。診断後15年の中央値で、参加者の40%がアルブミン尿を発症し、30%でeGFR60ml/min以下またはクレアチニン値が倍となった。腎機能障害を発症している人の60%が機能障害に先行するアルブミン尿を呈さず、さらに40%ではそもそもアルブミン尿を発症しなかったことは注目に値する。この発見は、アルブミン尿は直線的に進行するプロセスではなく、動的で変動する状態であることを強調している。たとえば、2型糖尿病患者に対する多因子介入試験では、微量アルブミン尿の参加者の31%が顕性アルブミン尿に進行した一方で、同じく31%の患者で7.8年間の追跡中に正常アルブミン尿へと退行した。この期間中、残りの38%は微量アルブミン尿のままであった。T1DMの20,000人以上の患者からの最近の臨床データでは、eGFR60 ml / min以下およびアルブミン尿の頻度はそれぞれ8%と19%であり、より低い結果であった。DKDの自然経過についてのパラダイムは変化し続けているが、新たな報告では、DKDの臨床症状自体が変化してきていることを示唆している。1988年から1994年、および2009年から2014年の期間における糖尿病の成人におけるDKD症状の比較は、DKDの症状としてのアルブミン尿の有病率が21%から16%に減少し、eGFR 60mL / min未満が9%から14%に増加したことを示している。さらに、eGFR30 ml / min以下の低下は1%から3%に増加した。(いずれも1988~1994年と2009~2014年の間で比較)さらに、アルブミン尿が欠如していたり、もともとのeGFRが低いと、DKDに特徴的な構造を呈しなくなるというわけでもない。最近の剖検研究では、臨床検査で診断されたDKDと比較して、組織学的に診断されたDKDの有病率はかなり高いことが示された。 T1DMまたはT2DMの168人の患者のうち、106人はDKDに特徴的な組織病理学的変化を示した。アルブミン尿やGFR低下は、生涯を通じて患者の20%(106人中20人)で見られなかった。つまり、剖険ではDKDと診断されているのにも関わらず、臨床所見を欠いた患者は20%存在した。さらに、構造的変化は非常に多様であり、ほとんどすべてのDKDの組織病理学的タイプが含まれていた。

DKDの後期では、GFRが低下するのにしたがって、腎臓および非腎臓の両者に及ぶDKD合併症が発症する。貧血と骨代謝異常および電解質異常は、他のタイプのCKDよりもDKDの方が早く発症しやすい。尿細管間質性疾患は、エリスロポエチンを産生する尿細管周囲の間質細胞の損傷に関連している。その結果、糖尿病患者はエリスロポエチン欠乏症になりやすく、非糖尿病のCKDと同等のeGFRの患者と比較して貧血になるリスクがほぼ2倍になるといわれている。インスリンは副甲状腺ホルモン放出の補因子である。したがって、インスリン欠乏またはインスリン抵抗性がある患者では、他のタイプのCKDよりも副甲状腺ホルモンが低下する可能性があり、その結果DKD患者が骨疾患に罹患しやすくなっている可能性がある。心血管イベントや感染による死亡は非常に多く、ESRDへの進行と競合するものである。 UKPDSでは、クレアチニンが0.2 mg/dLの患者または腎代替療法を受けている患者のDKD発症後の全体的な死亡率は年間20%近くであった。2003年の追跡データは、透析患者の1年の粗死亡率が、日本では6.6%、米国では21.5%に及ぶことを示した。 75歳以上の透析患者は、一般人口の同等の患者よりも3.9倍死亡する可能性が高くなる。


初期の糖尿病において、腎臓の血行動態を変化させ、炎症と線維化を促進する重要な代謝変化には、高アミノ酸血症、糸球体過剰濾過と過灌流を促進する因子、および高血糖が含まれる(Fig6)。 T2DMでは、高血圧および肥満は、全身の動脈圧亢進および糸球体肥大などのメカニズムを介して糸球体過剰濾過に寄与する。糸球体過剰濾過は早期糖尿病に特徴的な所見である。糸球体過剰濾過は、T1DM患者の10%〜40%、最大で75%、T2DM患者の最大40%で観察される。糖尿病における糸球体過濾過の根底にあるメカニズムは完全には理解されていない。しかし、もっともらしいメカニズムの1つは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を介した近位尿細管のグルコース再吸収が増加することである。これによって、溶質、特にNaClが、マクラデンサなど遠位の器官へと到達しなくなる。その結果として尿細管糸球体フィードバックが減少し、求心性細動脈が拡張して糸球体灌流を増加させ、同時に、遠心性細動脈でのアンジオテンシンⅡを局所産生し、血管収縮を引き起こす。これらのメカニズムによって糸球体内圧の上昇と糸球体過剰濾過が引き起こされる(Fig7)。


DKDの臨床診断は、糖尿病の罹病期間や糖尿病性網膜症の存在などの臨床的特徴とともに、eGFRとアルブミン尿の測定に基づいている。DKDは臨床学的には持続する高度なアルブミン尿によって定義され、尿中アルブミンのクレアチニン比30mg/g*Crまたは持続するeGFR60mL/min以下への低下で診断される。DKDのスクリーニングは、T1DMの患者に対しては、診断後5年以降で毎年、T2DMのすべての患者に対して診断時から毎年実施する必要がある。アルブミン尿を有する患者で、かつ糖尿病性網膜症がある場合、DKDが強く示唆される。アルブミン尿検査は、随時尿を午前中採取して測定する尿中アルブミン/クレアチニン比でスクリーニングする。eGFRは、血清クレアチニン濃度から計算される。Chronic Kidney Disease Epidemiologic Prognosis Initiativeの式は、特にeGFRが正常または正常に近い範囲にある場合により正確であるが、Modification of Diet in Renal Diseaseの式が臨床研究の報告において用いられる典型的な式である。アルブミン尿またはeGFR低下の確認には、少なくとも3か月以上離して2回検査を行い、異常を捉える必要がある。DKDとするには非定型的な特徴が存在する場合、その他の腎疾患の原因を考慮する必要がある。非典型的な特徴には、eGFRの急激な低下や急激な尿中アルブミンの増加、糸球体腎炎やネフローゼ症候群の発生、難治性高血圧、その他の全身性疾患の徴候が挙げられる。RAA系阻害薬を投与して2~3ヶ月以内にeGFRが30%減少した場合も含まれる。


糖尿病の初期の段階から、長期の集中的な血糖管理を行うことによって、糖尿病合併症、特にDKDの予防に寄与することはT1DM, T2DMのいずれでも確立されている。しかし、糖尿病合併症の発症後または罹病期間の長い患者における厳格な血糖コントロールが、DKD進行のリスクを軽減したり、臨床経過全体を改善したりすることは示されていない。HbA1c6%–6.9%をターゲットにコントロールした場合、心血管リスクまたは微小血管合併症のリスクは低下しなかったが、重度の低血糖のリスクは増加した。さらに、T2DMおよび初期CKDの患者の分析では、標準治療と比較して厳格な血糖コントロールで、全死因死亡および心血管イベントによる死亡のリスクがそれぞれ30%および40%高いことが示されました。厳格な血糖コントロールは低血糖の大きなリスクを招き、心血管イベントまたは全死因死亡のリスクに利益をもたらさないという発見は、長期(8〜10年)にわたって維持されている。 ESRDのリスクに対する厳格な血糖コントロールのわずかな利点が観察された研究もあるものの、患者の絶対数はわずかであった。層別分析では、ESRDを予防するための厳格な血糖管理の最大の利点は、研究開始時に腎疾患のない参加者で見られ、早期糖尿病に対して集中的な血糖管理を行えば、DKDを予防できるという概念をさらに裏付けることが示された。米国糖尿病協会は、高血糖の治療目標を個々の患者の年齢、併存疾患、および平均余命に合わせて調整することを推奨している。HbA1c6.5%などのより厳しい目標を設定すると、糖尿病の罹病期間が短く、年齢が低く、合併症がなく、平均余命が長い患者にとって妥当な場合がある。それとは反対に、長い罹病期間、高齢、微小血管合併症および大血管合併症、平均余命の限られた患者には、HbA1c8%というより緩い目標が推奨される。同様に、National Kidney Foundation–Kidney Disease Outcomes Quality InitiativeおよびKidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)ガイドラインは、糖尿病の微小血管合併症の進行を予防または遅延させるために、HbA1c約7.0%を推奨している。ただし、低血糖のリスクを有するCKDを合併した糖尿病患者では、HbA1c7%にまで治療するべきではないとされています。高血圧の管理について、「第8回合同全国委員会(JNC-8)」は、収縮期血圧140 mmHgまたは拡張期血圧90 mmHgでの薬物治療の開始を推奨し、治療目標はこれらのレベル未満であった。糖尿病患者を含む一般的な高血圧集団では、初期の降圧治療には、チアジド系利尿薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を使用すべきとしている。黒人の糖尿病患者について、JNC-8は、チアジド系利尿薬またはカルシウムチャネル遮断薬による初期治療を推奨している。糖尿病の状態に関係なく、CKDの患者には同じ降圧目標が推奨されている。顕性アルブミン尿を伴う糖尿病患者では、投薬レジメンには、ACE阻害薬またはARBを単独で、または別の薬物クラスの薬物と組み合わせて含める必要がある。KDIGOのガイドラインは、糖尿病の状態に関係なく、CKDおよびアルブミン尿のすべての患者にACEまたはARBを使用し、降圧目標130/80 mmHgを使用することを推奨している。RAA系阻害薬(ACE阻害薬、ARBのいずれでも)が顕性アルブミン尿を有するDKDの進行を抑制するとする明白なエビデンスが存在する。ただし、併用療法(ACE阻害薬とARBを併用投与)は、高カリウム血症とAKIの深刻な副作用のリスクを高めるため、臨床的利点はない。米国高血圧合同委員会第8次報告(JNC-8)の勧告に従って、目標血圧は収縮期血圧介入試験(SPRINT)の結果に基づいて決定された。 SPRINTには、高血圧と心血管のリスクの高い9361人の非糖尿病参加者が含まれていた。参加者は、収縮期血圧目標を集中的コントロール(<120 mmHg)または標準的コントロール(<140 mmHg)に無作為化されました。主要転帰(心筋梗塞、急性冠症候群、脳卒中、心不全、CV原因による死亡)の割合と全死因死亡率が25%(<140mmHg)と27%(<120mmHg)にそれぞれ減少したため、試験は中央値3.26年後に早期に終了した。これらの結果は、CKD病期、年齢75歳、性別、人種、以前の心血管疾患、および収縮期血圧のベースラインのデータに従って定義づけた全てのサブグループで維持された。SPRINTとは対照的に、心血管イベントのリスクが高い糖尿病患者4733人を含む、糖尿病の心血管リスクをコントロールするためのACCORDトライアルでは、収縮期血圧目標を<120と<140 mmHgのいずれに設定しても、非致死的な心筋梗塞、非致死的な脳卒中、心血管イベントによる死亡、そして全死亡に対していずれにも統計学的な有意差を達成することは出来なかった。この両者の対照的な結果に対して考えられる説明の1つは、ACCORDトライアルではグループ間の差異を示す力が不足していたことがある。すなわち、心血管イベントの罹患率と絞率が予想よりも低い割合で発生したため、有意差が検出できなかったと考えられる。しかし、試験参加時にCKDを有していたSPRINT参加者では、集中的な血圧管理(<120mmHg)はESRDの発生率を低下させないばかりか、eGFRを前値の50%にまで低下させ、eGFR<60ml /分となる患者の割合を30%以上増加させた。 さらに、集中的な治療グループでは、AKIの入院またはERへの受診が、標準治療グループよりも頻繁に発生した(4.4%対2.6%、ハザード比、1.71)。同様に、ACCORD試験では、厳格な血圧コントロールが腎機能に悪影響の与える可能性を示唆する結果がみられた。 ベースラインで正常な腎機能を持っていた参加者の間でさえも、eGFR30 ml / min以下の患者数は、厳格なコントロールを行った群でほぼ2倍となった。(99対52 P値=0.001)。

<新たな治療法とアプローチ>
糖尿病と高血圧の管理、ACE阻害薬とARBの使用に対する現在のアプローチにもかかわらず、DKDには依然として大きなリスクが残されている。糸球体過剰濾過、炎症、線維化などのメカニズムを標的とする新規薬剤は、新しい治療法開発の主要な焦点となっている。有望な薬剤には、プロテインキナーゼC-b阻害剤であるルボキシスタウリンが含まれる。その他、選択的JAK1&JAK2阻害薬(バリシチニブ)、抗炎症剤および抗線維化剤(ペントキシフィリン)、選択的エンドセリンA受容体拮抗薬(アトラセンタン)、高選択性非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(ファインレノン)などが挙げられる(Table4)。ただし、これまでのところ、これらの薬剤について利用可能な第3相臨床試験データはなく、DKDでの使用は承認されていない。 2008年以降、米国食品医薬品局(FDA)は、T2DMの治療の承認を求める新しい血糖降下薬療法は心血管イベントへの安全性を示さなければならないことを義務付けている。グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト(GLP-1 analog)のうちの3つの薬剤、リキシセナチド、リラグルチド(®ビクトーザ)、およびセマグルチド(®オゼンピック)は、現在心血管イベントについての臨床試験データが得られている。The Evaluation of Lixisenatide in Acute Coronary Syndrome Trial (急性冠症候群に対するリキシセナチドの評価試験)では、リキシセナチドを標準治療に追加しても、主要な心血管イベントの発生率に有意な変化は見られなかった。対照的に、the Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results (LEADER) Studyとthe Trial to Evaluate Cardiovasclar and Other Long-Term Outcomes with Semaglutide in Subjects with Type 2 Diabetes (SUSTAIN-6)では、プラセボと比較して心血管イベントの複合エンドポイントに到達した患者は少なかった。(リラグルチドでハザード比0.87, P=0.01で優位性あり、セマグルチドでハザード比0.74, P<0.01で非劣性であった) 注目すべきことに、中等症から重症のCKD患者においても、心血管イベントのアウトカムに対して、LEADER StudyおよびSUSTAIN-6と同様の利点があることが判明した。さらに、DKD患者の研究では、リラグルチドが正常腎機能または初期CKD患者のアルブミン尿を減少させ、CKDのステージ3で血糖コントロールの改善を示したことが示されている。セマグルチドとデュラグルチドの臨床試験から最近発表されたデータは、アルブミン尿の発症と進行のリスクの減少を一貫して示している。グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト(GLP-1アナログ)全体のこれらのデータの一貫性は、DKDからの保護効果について、説得力をもって示唆している。作用機序にはさまざまな因子があり、血糖管理、体重管理、腎臓への直接的な影響が含まれるとされている。the Empagliflozin Cardiovascular Outcome Event Trial in Type 2 Diabetes Mellitus Patients(2型糖尿病患者のエンパグリフロジン心血管アウトカムイベントトライアル)では、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2阻害薬)であるエンパグリフロジン(®ジャディアンス)は、心血管イベントによる死亡率の大幅な低下(38%の相対的リスク低減)、心不全による入院(35%の相対リスク低減)を示した。さらに、プラセボと比較した全死亡の相対リスクをも32%減少させた。事前に設定された2次アウトカムでは、エンパグリフロジンはDKDの進行を遅らせ、CKDステージ2〜4の患者の腎関連臨床的アウトカムの割合を低下させた。(Table5)。

<集団に基づいたアプローチ>
この方法は、疾病管理センターから最近入手可能なデータによって示されている。1996年から2013年の間に、糖尿病とDKDの有病率が歴史的に高いグループであるアメリカインディアンで、糖尿病関連の腎不全が54%減少した。この介入には、高血圧と糖尿病の治療のためのガイドラインの体系的な導入、定期的なアルブミン尿検査、ACE阻害薬とARBの使用、栄養をサポートするサービス、身体活動、および糖尿病教育が含まれる。

<結論>
1920年代にインスリンが発見されて以来、糖尿病研究は患者管理の理解と改善に向けて大きく前進した。 これらの進歩により、心血管疾患などの糖尿病合併症の転帰は有意に改善されたが、これらの改善はDKDまたはESRDに同様に反映されているわけではない。これに対応して、国際腎臓病学会は、腎疾患全体に注意を喚起するために、Global Kidney Health Initiativeを招集した。 DKDと戦うための探求における重要な協力関係者には、患者、医療提供者および保険支払者、擁護団体、科学者、政府機関が含まれるべきである。 アドボカシーと行動を促すことは、現在のベストプラクティスの効果的な普及と実装に不可欠である。 臨床診療で公衆衛生と人口のアプローチを使用し、有意義で戦略的な研究を促進することは、糖尿病とDKDの人々の健康結果を改善するための鍵となる。

FigureおよびTableの解説
(Table1)
DKDのリスク因子について
Susceptibility 感受性因子
Initiation 発症因子
Progression 進行因子
(Fig1)
DKD患者の電子顕微鏡写真によって示される構造的変化について
A:メサンギウム拡張
B:糸球体基底膜のびまん性肥厚
C:臓側内皮の足突起における分節性の消失
(Fig2)
正常な腎臓の形態学と、DM患者における構造的変化について
DM患者では糸球体基底膜の肥厚、足突起の融合、糸球体基底膜の露出を伴う足細胞の消失、メサンギウム基質の拡張が含まれる。
(Fig3)
DM患者での糸球体障害
(A) 正常糸球体
(B) メサンギウム細胞の増生を伴うびまん性のメサンギウム拡張
(C) 分節性病変とメサンギウム融解を伴う著明なメサンギウム拡張
(D) Kimmelstiel–Wilson小体を形成したメサンギウム基質が蓄積するようす
(E) 内膜下へのヒアリン沈着を伴う毛細血管拡張と微小動脈瘤形成(毛細血管瘤)
(F) 破壊された糸球体
A~DおよびFはacid-Schiff染色で、EはJones染色で染められている。×400倍像である。
(Fig4)
DKDにおける尿細管間質の変化および動脈のヒアリン沈着
(A) 正常な腎皮質
(B) 尿細管基底膜の肥厚と間質の拡大
(C) 著明な管腔の破綻を伴い、ヒアリンが内膜へ蓄積がした細動脈
(D) DKDの進行における尿細管と間質の様子
(実線の矢印):管状基底膜の肥厚と縮れ
(破線の矢印):萎縮
(点線の矢印):線維性、炎症性細胞を伴う間質の拡大、ところどころ円柱を含んでいる
(Table2)
DKDにおける糸球体の変化についての国際的病理分類
Class1 軽度または特に顕微鏡的変化がないもの、または電子顕微鏡で糸球体基底膜の肥厚を認めるもの
Class2a 軽度のメサンギウム拡張
Class2b 重症のメサンギウム拡張
Class3 Kimmelstiel–Wilson分節を有する分節性硬化症
Class4 糖尿病性糸球体硬化症が進展した状態
(Table3)
DKDの間質及び血管病変における国際的分類
IFTA, 間質の炎症、細動脈のヒアリン化を呈する血管病変、大血管の動脈硬化の有無でスコアリングする。
(IFTA:間質線維化と管腔の萎縮)
(Fig5)
DKDの自然経過についての概念図
T1DMにおいてはこの概念図に忠実に進行することが多いが、T2DMでは罹病期間がはっきりしない症例が多いことなどから、この通りの経過を辿らないこともままある。
(Fig6)
DKDの進行と発症に関連する経路とネットワークについて
AGE:終末糖化産物
CTGF:結合組織成長因子
JAK-STAT:Janusキナーゼ/シグナル変換および転写活性化因子
PKC:プロテインキナーゼC
RASS:レニンアンギオテンシン系
ROS:活性酸素種
SAA:血清アミロイドA
VEGF-A:血管内皮成長因子A
JAK/STAT経路は早期および進行期糖尿病で変化がないか、アップレギュレーションされている。
(Fig7)
正常およびDM患者のネフロン動態
B:高血糖、高アミノ酸血症、マクラデンサへのNaCl到達減少による輸入細動脈の拡張、アンギオテンシンⅡの上昇による輸出細動脈の収縮が糸球体過剰濾過を引き起こすと言われている。
(Table4)
DKDに対する新規治療法の研究
・ルボキシスタウリン(プロテインキナーゼC阻害薬), Tuttleら、2005年
⇒T2DMの顕性アルブミン尿患者が対象
⇒アルブミン尿の減少を認めた。腎機能を安定化させる可能性あり
・PYR-311(ピリドキシン塩酸塩、ビタミンB6製剤、抗終末糖化産物療法)
⇒T2DM, HTあり、1.31200mg/gCrが対象
⇒中止
・ペントキシフィリン(抗炎症、抗線維化物質)
⇒T2DM, eGFR15~60mL/min, 尿中アルブミン>300mg/dayが対象
⇒コントロール群と比較してeGFR低下は4.3mL/minであった。アルブミン尿平均の差は21%であった。
・バリシチニブ(JAK1/2阻害薬)
⇒T2DM, eGFR20~75mL/min, 顕性アルブミンのある患者が対象
⇒高用量治療群でアルブミン量は40%減少、eGFRには影響なし
・アトラセンタン(エンドセリン受容体拮抗薬) RADAR
⇒T2DM, eGFR30~75mL/min, 尿タンパク300~3500mg/gCr
⇒アルブミン尿の35%減少
・アトラセンタン SONAR(on going)
⇒高血圧症、eGFR15~90mL/min, 尿タンパク30~5000mg/dayが対象
⇒複合腎エンドポイントはHR0.65(CI 0·49-0·88, p=0.0047複合エンドポイント=血清クレアチニンの2倍化または末期腎疾患[eGFR 15mL/分/1.73m2未満、慢性透析、腎移植、腎不全死]), 体液貯留、貧血などの有害事象はアトラセンタン群で多かった。心不全入院は3.5%vs2.6%, HR1.33(CI0.85~2.07, p=0.208), 全死亡は4.4% vs 3.9%(HR1.09, CI0.75~1.59, p=0.65)であった。
・アロプリノール(キサンチンオキシダーゼ阻害活性) (ongoing)
⇒T1DM, eGFR40~99mL/min, 18~5000mg/dayが対象
⇒T1DMの腎症患者と高尿酸血症の併存については以前から指摘があったが、アロプリノールによる腎保護効果は認められなかった。
・ファインレノン(非ステロイド性抗ミネラルコルチコイド)
⇒T2DM, 尿タンパク>30mg/gCr, eGFR>30mL/min
⇒eGFRは変化なし、アルブミン尿は用量依存的に減少した。

(Table5)
・サキサグリプチン(®オングリザ)
⇒T2DM, HbA1c>6.5%, 心血管イベントハイリスクが対象
⇒アルブミン尿(クレアチニン補正値)の改善を認めた(正常・微量・顕性アルブミン尿の各群で)、eGFRは変化しなかった。
・リナグリプチン(®トラゼンタ)
⇒T2DM, HbA1c 6.5%~10%, アルブミン尿あり、大血管合併症あり、eGFR>15mL/minが対象
⇒腎複合エンドポイントはプラセボ群で8.8%(306人)、リナグリプチン群では9.4%(327人)であり有意差なし。心血管は変わらず。
・リラグルチド(®ビクトーザ)
⇒T2DM, HbA1c>7%, eGFR<60mL/min, 心血管イベント併存が対象
⇒腎障害の発生率低下(新規アルブミン尿、Cr値の倍化、Crクリアランス<45mL/min、腎臓死のすべてを合わせて1.5 vs 1.9イベント(p=0.003))
・デュラグルチド(®オゼンピック)
⇒T2DM, HbA1c7.5~10.5%, eGFR 15~60mL/minが対象
⇒eGFRは1.5mg, 0.75mg群ともにグラルギン群と比較して高かった。(34, 33.8 vs 31.3mL/min), 尿中アルブミンクレアチニン比は有意差なし
・エンパグリフロジン(®ジャディアンス)
⇒T2DM, HbA1c 6.5~12%, 心血管高リスク、尿タンパククレアチニン比300~5000mg/gCr, eGFR30~90mL/minが対象
⇒複合腎・心血管イベントリスクが41%低下した。(ハザード比0.59、95%CI0.46-0.75)、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者の場合ではハザード比0.46、95%CI0.31-0.68にまで低下した。
・カナグリフロジン(®カナグル)
⇒T2DM, HbA1c 6.5~12%, 心血管高リスク、尿タンパククレアチニン比300~5000mg/gCr, eGFR 30~90mL/minが対象
⇒腎アウトカム(末期腎不全への進行、血清Creの2倍化、腎疾患による死亡)に関して相対危険度を34%減少(HR:0.66、95%CI:0.53-0.81、p<0.001)

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  1. 2020/01/15(水) 17:54:43|
  2. 腎臓内科
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私的名盤紹介 2010年代ベストアルバム

私的名盤紹介 2010年代ベストアルバム

私的名盤紹介をご覧下さっている皆さま、お世話になっております。
管理人の@privategroove(名盤さん)です。

今年も年の瀬が近づいてまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
2010年代も終わりが近づいて来ています。曲は世に連れ世は曲に連れと言うように、
ポピュラー音楽は常に人々の思い出と共にあります。

サブスクリプションサービスが一般的となった現代では、音楽のジャンル、
スタイルは「ポストモダン化」が進んでいます。それに伴って「ある時代の音」というアイデンティティは
希薄なものとなりました。サンプリングが自然となった現代では、
過去の時代の音楽を正確にトレースするシミュレーショニズムも、相当なクオリティで実現可能になりました。

これは、デジタル録音の技術革新や、ミュージシャン、エンジニアなどのリテラシー向上が確実に寄与しています。
さらに、録音されたオーディオやMIDIデータを編集出来る技術が普及するにつれて、
音楽の「音韻的進化」よりは「音響的進化」が目立った10年間になったと思います。

音楽の音響的側面の進化に伴って、ポピュラー音楽、いわゆるJPOPと呼ばれてきた音楽は相対化され、
デスクトップミュージックやエレクトロミュージック、あるいはワールドミュージック、
ヒップホップなどを取り込みながら多様な変化を遂げています。

しかしながら、平成初期生まれの僕にとって、ポップスとは人々が口ずさめるキャッチーさがあり、
歌謡曲から連綿と続く「歌われる」音楽であって、その中心となる価値観は変わらないものと信じています。

音楽の微細な部分に捉われすぎず、かつ優れたポップスを選ぶ、という観点で選んだ
「私的名盤紹介的」2010年代ベストアルバム20をお送りしたいと思います。

邦楽で10枚、洋楽で10枚、合計20枚を選びました。

前置きで自分なりのポップス論を語っておいて恐縮ですが、この20枚はあくまで
自分の率直な感情で選んだ愛聴盤を並べたリストになっています。そのため、
洋楽では専門のブラックミュージックが多くなっております。ご容赦ください。

2010年代ベストアルバム10 邦楽編

スポーツ/東京事変(2010)

スポーツ

レビューは過去記事を参照してください。

Yellow Dancer/星野源(2015)

Yellow Dancer5000

レビューは過去記事を参照してください。

MODERN TIMES/PUNPEE(2015)

Modern Times

レビューは過去記事を参照してください。

FANTASY CLUB/tofubeats(2017)

Fantasy Club

レビューは過去記事を参照してください。

Retroactive/ブルー・ペパーズ(2017)

レトロアクティブ

レビューは過去記事を参照してください。

BLUE COMPASS/水瀬いのり(2018)

Blue Compass

1995年生まれ、東京都出身の女性声優の2ndフルアルバム。
芸名に、自身が熱心なファンである水樹奈々の「水」の文字を加えている彼女ですが、
いまや若手女性声優アーティストのトップランナーとなった感があります。
滑らかで透き通った声質でありながら、ラウドなトラックでも負けない力強さ、
バラードでのファルセットの巧みな息遣いなど、歌唱の面からみても年々その技術の成長を感じます。
水樹奈々とのタッグでも知られるElements Gardenがプロデュースした楽曲には、
M10のようなラウドなリズムギターとへヴィーなバッキングのトラックもあるのですが、
彼女のトレードマークとなる音は、「キリンレモン」のCM曲「まっすぐトウメイに」のような、
爽やかで甘酸っぱいポップスであろうと思います。
特にこの2ndは、渚のバルコニー/松田聖子を思わせるイントロのM1や、
ファンからの人気も高く切ないコード進行のサビと藤林聖子の可愛らしい歌詞世界が堪らないポップロックM2、
そして管理人一押しのパワフルなブラスのアレンジと4つ打ちのディスコ、M4はソウルフルでこみ上げるサビが最高です。
髭白健(Ds, 大原櫻子、Every Little Thing etc)の手数の多くフュージョン的なドラムス、
地声で張り上げるハイトーン、後半に掛けて盛り上げる展開も、その全てが、
ここ数年間で聴いてきた声優ポップスの中でも間違いなくベストトラックの一つでした。
参加しているスタジオミュージシャンも菰口雄矢(Gt, TRIX), 二家本亮介(B, 水樹奈々、有形ランペイジ、上原ひろみ),
須長和広(B, aiko, 松任谷由実, 大塚愛), 渡部格(G, 水樹奈々、八神純子、崎谷健次郎)、
山本陽介(G, OLDCODEX)、江口信夫(Ds)など、
若手~ベテランまで一流のメンバーが多数参加した、生演奏のトラックが多いことも、注目に値すると思います。
生のストリングスとアコギのバッキングのみずみずしさがあり、可愛らしくも王道なガールポップのM6も、
楽器を詰め込み過ぎずすっきりとした音作りなのが素晴らしい。
最新作の3rdと合わせて間違いなく2010年代声優ポップスの名盤の一つ。
来年のライブツアーからライブにも参加していこうと思います。
また一人、こうしてファンになれる声優アーティストが得られて嬉しい限りです。

Orange/UNCHAIN(2013)

orange.jpg

レビューは過去記事を参照してください。

エクセルシオール/フィロソフィーのダンス(2019)

エクセルシオール

ウルフルズ、氣志團、ナンバーガール、Base Ball Bear、相対性理論などを見出し世に送り出してきた
加茂啓太郎がプロデュースする4人組のダンスボーカルグループで、2015年活動開始しました。
Funky But "Chic"を活動のキャッチコピーとしていることからも分かるように、
Chicに代表される1970年代~1980年代のブラックミュージック、ディスコ~ファンク、ブラックコンテンポラリー、
ニュージャックスウィングなどからの影響を強く感じさせるダンサブルなトラックが満載の彼女たちの作品から、
最新アルバムの3rdフルを選びました。低域の強いスネアとぶっといベースにキュートなボーカルが絡むM1は、
アシッドジャズ的なコード感とチープなシンセリードのオブリガートが心地いいブギーです。
一押しのトラックは、かつてのRod Temperton(Heatwave)を思わせるような高揚感のあるシンセのリフレインに、
ニュージャックスウィング的なスウィンギーなビートを重ねたM3です。ブヨブヨしたシンセベースと歯切れのよいドラムス、
微かに聴こえる左チャンネルの鋭いカッティングも最高です。
Espesiaと並んで、角松敏生~杏里直系のトロピカルなシティポップ~和ブギーを聴かせるM4や、
ジャジーなピアノソロとハンドクラップから始まるイントロと見事にシンコペートするシンセベース、
妖しげなメロディの組み合わせが聴くほどに癖になるM6,
アイドルグループの一員とは思えぬほどのずば抜けた声量とソウルフルな声質を持ち合わせた日向ハルの、
ハリのあるボーカリゼーションを聴かせるサビが最高なM8は、かつての90sのSMAPを思い起こさせます。
エレピのエッジが立ったバッキングや、フィリーソウルなストリングスが目立つ、70sノーザンソウルを思わせるA~Bメロから、
ポップで滑らかなサビへと繋がる展開が見事なM10, アップテンポなアーバンディスコM11など、
全編を通してキャッチー&グルーヴィーな楽曲に満ち満ちています。
「フィロのス」は、僕にとって現代アイドルポップスの中で最も嵌ったグループとなりました。

Ray Of Hope/山下達郎(2011)

Ray Of Hope

東日本大震災の年となった2011年にリリースされた、山下達郎の現時点での最新アルバムです。
キャリアの長さに比して寡作な彼ですが、ここ最近の「シティポップリバイバル」の流れの中で、
シティポップの帝王とまで呼ばれる山下達郎の音楽の背景には、
脈々と続くアメリカンポップスの歴史が背景にある訳で、そこには白人音楽、黒人音楽、
インストゥルメンタルミュージック、様々な音楽のエッセンスが含まれています。
これは今さら僕が語ることでもなく、ラジオ番組のSUNDAY SONGBOOKを聴けば自ずと伝わってきます。
RCA/AIR期、MOON期を超えて、カラりとしたリゾートミュージックやディスコ、ポリリズムファンクから、
良い意味で希望に満ちた歌詞や、祈りとも言えるメッセージが込められた音/歌詞世界へと変化していきました。
ブリブリとしたシンセベースの作る波音のようなベースライン、パワフルでシンプルなパターンのドラムスに、
強い決意を滲ませるM2, 蒼茫から続いて市井の人々の心に寄り添うようなM3,
甘く危険な香りのリズムパターンを援用したM4, 「サマーウォーズ」のテーマソングとなった優しくもどこか淋しげなM6,
絞り出すようなファルセットが切々とした名バラードのM8, 太陽のえくぼからの流れを汲んだ煌めくミドルM11,
一人多重コーラスのM13など、どれも粒ぞろいですが、個人的には現代版クワイエットストームなM5が白眉です。
フリューゲルホルンの柔らかい音色のソロを取り入れるバランスも素晴らしく、現代のクワイエットストーム再評価、
クワイエットウェイブの流れを予感させます。歌詞もこれまでの彼のバラードにはあまりない、
結婚直前のストレートで熱い想いが込められています。
長いキャリアを重ねてきた彼にしか生み出せない、名もない一般の人々への慈愛とも言うべき優しさや、
人間存在への強い肯定感を与えてくれる、そんな傑作だったと思います。

SMASHING ANTHEMS/水樹奈々(2015)

Smashing Anthems

レビューは過去記事を参照してください。

2010年代ベストアルバム10 洋楽編

24k Magic/Bruno Mars(2016)

24k Magic

レビューは過去記事を参照してください。

Channel Orange/Frank Ocean(2012)

channel orange

レビューは過去記事を参照してください。

Drunk/Thundercat(2017)

Drunk.jpg

1984年生まれのセッションベーシスト、トラックメイカーによるソロ4th。
Kendrick LamarやKamasi Washington, Flying Lotus, Erykah Baduなど、ネオソウル以降の現代ジャズ/フュージョンの
アーティストと多数の共演歴があり、テクニカル系のベーシストとしても知られています。
ベーシストとしての超絶技巧を披露したアルバムというよりは、Kendrick LamarやPharrell Williams, Mac Miller,
Louis Cole, Kamasi Washington、そしてAORの大御所、Michael McDonald, Kenny Logginsを迎えたShow You The Wayなど、
各ゲストの特徴を見事にフィーチャーした、LAの現代ジャズ~フュージョンを代表する名盤に仕上がっています。
Weather Report時代のJaco Pastoriusに勝るとも劣らぬ速弾きとドラムンベースなリズムトラックを合わせたM3や、
Louis Coleの参加したM4ではポップなメロディとメロウなネオソウル的な展開で、
絶品のアンビエントソウル~クワイエットウェイブなM6は、蕩けるようなファルセットと夢見心地なサウンドが堪りません。
コズミックでありながらオハイオファンクのような重いグルーブのあるインタールードM8から、
Michael McDonald, Kenny Logginsを迎えた現代版ジャズ/フュージョンとAORなリード曲M9,
その他にもIsley Brothersのクワイエットストーム名曲、Footsteps in the Darkをサンプリング、換骨奪胎し
重厚なファンクへと作り替えたM15など、
現代におけるアンビエントソウル~クワイエットウェイブの代表的な作品であり、一つの到達点と言えるでしょう。

The Feels & The High/Midas Hutch(2018)

レビューは過去記事を参照してください。
The Feels The High

Keep Movin’/Ole Borud(2011)

keep moving

ノルウェー出身のSSW, ギタリスト、1976年生まれ。AOR人気の落ち込んでいた2000年代にデビューした
北欧AOR系を代表する存在であり、現在に至るまで精力的に活動しています。
Pages~Steely Dan的な精緻なコードワークに、TOTO/AIRPLAY直系のハードロック~ウェストコースト寄りなロックサウンドから、
Earth, Wind & Fire的な、フュージョン感のあるファンキーなグルーブの曲まで、キャッチーな楽曲満載です。
来日公演も多数こなしており、Youtubeでもいくつかライブ映像を観ることが出来ます。
複雑なリズムギターを弾きこなしながら優れた歌唱を聴かせます。傑作揃いのオリジナルアルバムから2ndを選びました。
鋭いホーンのオブリガートが入ったブギーM2もディストーションギターのリフが随所に入っていたりと黒過ぎない編曲です。
表題曲M4も重いグルーブのドラムスとファンキーでトレブリーなカッティング、歪んだ音の太いベースラインで
ゴリゴリと展開しながら、Bメロではジャジーに、サビはウェストコースト的な哀愁漂うメロディセンスを見せるなど、
ブラックミュージックとアメリカンプログレハード的なAORを完璧なバランスで混ぜ合わせた名曲です。
一番のお気に入りM5は柔らかいシンセの白玉が美しいアップテンポのイントロからテンポダウンして
ひときわソウルフルなフックへと繋がっていくスムーズな編曲のセンスに驚かされます。
2番に入るとコーラスの厚みも増して、よりドラマティックに構成されています。
80年代前半のEarth, Wind & Fireの作品群に勝るとも劣らぬ最高のトラックでした。
歌謡曲的な濡れたメロディが心地よいファンクM6, エモーショナルな速弾きギターソロの入ったM7,
ブルージーなギターフレーズのイントロから始まるウェストコーストロックM8も、
枯れた音色のギターのフレージングや、Michael McDonald期に移り変わる時期のThe Doobie Brothersを
思わせるような暖かいサビが美しい。
ブラジリアンフュージョンなリズムパターンにプログレッシブロックな
ギターリフが絡みつくGino Vannelliを思い起こさせるようなM9,
イントロのホーンから一気に掴まれ、現代版Pagesともいえるメロ部分が心地良いM10も、
多重コーラスとエモーショナルなボーカルが堪らないキャッチーな一曲、後半のキメも熱い。
全編を通して、北欧AORらしいリヴァーブ感のある音世界と、透き通った線の細いボーカルで歌い上げる
メロディの美しさは一貫しており、そこに恐るべきほどの密度の編曲、凝ったコードワークが詰め込まれた、
AOR全盛期の名盤達に全く引けを取らない傑作と言えます。

On Point/Teddy Mike(2017)

Teddy Mike On Point

カナダ出身のベーシスト、トラックメイカーによる唯一のソロアルバム。
発売されたレーベルはスペインのNeon Fingerというところのようで、色々と謎の多い人物でもあります。
全ての楽器を一人でこなしながら、Cameo(おそらく3人体制の頃でしょうか), EWFなどにリスペクトを表する彼のスタイルは、
80年代後半~NJS前夜のブラックコンテンポラリーのそれであり、敢えてインストゥルメンタルの形態を取ることで、
当時のバックトラックの、チープであるがゆえに独特の説得力があるサウンドの魅力を最大限に引き出しています。
深いリヴァーブの掛かったドラムスとDX7なサウンドのシンセリードが迫りくるエレクトリックファンクM1も、
生ギターのPaul Jackson Jrを思わせるようなカッティングが人間味を感じさせます。
太い生ベースのスラップが重いグルーブを作るM2も、少し東洋的なメロディを奏でるシンセリードがひんやりとした質感を与えます。
ブラックコンテンポラリー好きであれば誰もが反応するあのカウベルの音がふんだんに入った
エレクトリックフュージョンなM3は、このダサいメロディセンスがFruitscakeにも近い不思議な近未来感
(レトロフューチャリズム)を感じます。
Vaporwaveの楽曲のようなタイトルのM7Shinjukuはどこが日本風なのか謎ですが、自身によるMarcus Millerばりの
スラップベースで作るメロディラインとうねうねした低音シンセ、中華メロディのシンセリードなど、
ずっと身を委ねていたくなるチープなグルーブに満ちています。
「インストブラコン」とでも言うべき新たなジャンルを生み出した(?)聴けば聴くほど心が落ち着く不思議な珍盤です。

Floral Shoppe/Macintosh Plus(2011)

Floral Shoppe

言わずと知れたVaporwaveを代表する名盤です。最近ディスクガイドが発売されたりと、再評価が進んでいるVaporwave、
今はめっきりと影を潜め、時代のあだ花といった存在になりつつあるかと思います。
しかし、80年代の「大衆音楽」を、元の形を残さないほどに極限までスクリューして作り、
90年代の安っぽいCG映像、サイケデリックとでも言うべき独特の色彩感あるPVと共に組み合わせることで、
「表層的なファッション」が生み出す、逆説的な真実味や鋭い批評性を持った、
このVaporwaveというムーブメントにとって、「本望」な終わり方であったと言えるのかもしれません。
「敢えて」意味づけが行えないような意味不明の日本語を使ったタイトルや、「敢えて」チープでローファイに作ったサウンド、
ショッピングモールで流れていそうな80年代の有名な楽曲(ブラックコンテンポラリーやAORもこれに含まれます)を
滅茶苦茶にテンポダウンして切り刻んだ構造、その全てが組み合わさることで生みだされる
独特の寂寥感ともいえる感覚が何なのか、これは言語化するのが難しい感覚だと思います。
無理矢理に表現するとするなら、「大衆芸術が生み出す刹那性、コンテンポラリーである/であろうとする」ことと、
「芸術としての音楽の普遍性、録音芸術としての音楽の永遠性」が、実は表裏一体(同じもの)である、
ことを感じとることであると言えるかもしれません。音楽的なレビューをしてどうこうという作品ではないでしょうが、
仕事に疲れて帰って来た時、暗くなった部屋で、深夜にYoutubeを開いて
ぼんやりとしながら聴いている時間が永遠=一瞬に感じる、Vaporwaveとは僕にとってそんな音楽です。

Nathan East/Nathan East(2017)

Nathan East

レビューは過去記事を参照してください。

Tuxedo/Tuxedo(2015)

Tuxedo.jpg

レビューは過去記事を参照してください。

Return of The Tender Lover/Babyface(2015)

Return Of The Tender Lover


「90年代」を代表するR&B系プロデューサーであるBabyfaceの作品をここに持ち出すことは勇気が要りましたが、
実際に自分が発売されてからずっと聴き続けている一枚であり、
この10年は結局、「美しい歌もの」を求めるのが自分のポピュラー音楽観である、ということを再確認した10年間でした。
言うまでもなく無数のヒット曲があり、上記で述べたBurno Marsも多大なリスペクトを表して止まない彼ですが、
今作は久々のソロアルバムとなった8thです。
力の抜けた、優しさや慈愛に満ちたボーカルの魅力も最大限に楽しめるものの、
ベッドタイムミュージックとしての90sR&B特有の湿っぽさや、ヒップホップソウル特有のダークな質感は少なく、
彼ならではの柔らかくて、暖かい日差しが差し込むような、スケールの大きいサウンドに満ち満ちています。
ゲストには自身のファミリーグループであるAfter 7や、ブラックコンテンポラリーを代表するシンガーであるEl DeBargeを
迎えたりと、気の通ったスタッフとのびのびと制作されています。
スムースジャズ的なバックトラックにオーセンティックなソウルのメロディが組み合わさったM1,
ほのかにブラジリアンな香りがするM2の繊細なファルセット、
少し分厚いビートと太いベースラインに暖かなボーカルが絡む絶品のクワイエットストームM3,
El DeBargeを迎えたシャッフルのM4は少しAOR的な展開が印象的です。
TOTO/Georgy Porgyを思わせるイントロ~メロ部分から、恋い焦がれる気持ちを歌った切々とした熱唱に
目頭が熱くなるバラードM5は、After 7の熟練のコーラスワークも含めて、聴いているだけで幸せな気持ちになれる、
2010年代でNo1のバラードだったと思います。
サウンド面でも、歌唱でも、歌詞でも、彼はデビュー以来一貫した音楽性を提示し続けていますが、
そこには人生に対する真摯さがあり、愛という普遍的なテーマに対して(たとえ表面上悲しい結末の歌であっても)、
前向きで、希望を与えて人々に寄り添う役割が持たされていると感じます。
こういった音楽こそが、真にエヴァーグリーンなポピュラー音楽であり、紛うこと無き名盤と言えるのでしょう。

私的名盤紹介の2010年代ベストアルバム、いかがでしたでしょうか。
2020年も仕事、プライベートともに忙しい日々が続いておりますが、可能な限りコンテンツを発信して参ります。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
2019年ベストアルバムも鋭意編集中ですのでお楽しみに。

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  1. 2020/01/03(金) 00:28:08|
  2. 雑記(音楽関連)
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私的名盤紹介管理人が選ぶ「名古屋市ラーメン名店10選―番外編」

私的名盤紹介/私的名盤放送/私的名盤紹介アネックスをご覧頂いている皆様、ありがとうございます。
@privategrooveです。

寒さが厳しい季節になってまいりました。こんな寒い時にこそ、身体に染み入るソウルフード、ラーメン。
2017年に「私的名盤紹介管理人が選ぶ『名古屋のラーメン名店10選』」を編集しました。
2年半ほどの時間が経った今も、おおむねこのベスト10は変わらないところなのですが、
学生時代を含めてそれなりの数のラーメン店に通ってきた自分の経験を生かして、
「名古屋ラーメン名店10選 番外編」をお届けしようと思います。

食べログやRettyなどのランキングは様々な人がレビューを投稿していますが、その分評価者による差が出やすいかと
思います。実際にいち個人が足で稼いだ記録も、それなりにお役に立つのではないかと思い、増補を執筆することを
思い立ちました。今後も、よいお店の発掘に注力して参ります。

私的名盤紹介管理人(名盤さん)が自信をもってお勧めする、10の至高のラーメンです。どうぞ。

※職場の病院で若手医師のみで構成される「拉麺部」を結成し、日々新店や名店を味わっています。
 情報を提供してくれる同期や後輩医師に感謝いたします。

ラーメン 八龍 千代田店
DSC_0070.jpg

地下鉄上前津駅と鶴舞駅のほぼ中間にある住宅街で、昼のみ営業している味噌ラーメンのお店です。
駐車場は店前に2台ほどありますが、コインパーキングの利用が便利です。
2019年版ラーメンWalker東海で味噌ラーメン部門入賞のお店でもあります。
40年以上の歴史があるお店で、当時と変わらないクラシカルな味を維持しています。
ぷりぷりとした中太ストレートの麺は、角が立ち過ぎず、スープを非常によく吸って濃厚な味をダイレクトに伝えます。
トッピングのバターとラードが表面を覆うスープは舌が焼けるほどに熱く、強い塩味と唐辛子の辛みが立ち、
後味のさらりとした味噌の風味が広がります。叉焼は脂身が少なく、しっかり火が通った薄切りで、
濃厚なスープと合わせるにはこのくらいさっぱりした肉がよいと思います。
もやしの火の通り具合も絶妙で、みるみるうちにスープが減っていきます。ライスを頼むのも忘れずにどうぞ。
地元のサラリーマンたちで毎日いっぱいになり、少し強面の店長さんが切り盛りする、そんな昔ながらの人気店です。

徳川町 如水
DSC_0194.jpg

2002年のオープン以来、名古屋の淡麗系塩ラーメンの人気店として君臨し続けるお店です。
食べログ百名店(2017~2019)、ラーメンWalker東海殿堂入り(2016)など輝かしい実績もあり、
毎日深夜まで客足が絶えません。しかし客の捌きの速さが素晴らしく、いつ訪問してもそれほど待つことなく
ラーメンにありつけるのもさすがです。駐車場は裏手に10台分程度あり、コインパーキングもあり充実しています。
無化調とは思えぬほどの強いコクがあるスープは、鶏ガラをベースに昆布と鰹だしの味がしっかり香り、
かつえぐみのない味わいです。人気メニューの「香そば」では大蒜で香り付けした香油が垂らされていて食欲をそそります。
ほかの淡麗系の人気店と比較しても塩味をしっかりと感じさせるパンチの効いた味付けで、
細く少し硬めに茹でられた麺を啜ると素晴らしい香りが鼻を満たします。叉焼は少し脂身多めで柔らかく、
すっきりしたスープにコクを与えます。半熟の卵は非常に柔らかく、箸で少し強く摘まむと黄身が溢れてきます。
サイドメニューの炊き込みご飯や叉焼丼も是非どうぞ。しかし食べ始めはボリュームを感じないものの、
意外なほどに満腹感があるのも、如水のラーメンの不思議なところです。
支店が出来てもずっと変わらないおいしさを提供し続ける名店です。

らーめん奏

DSC_0883.jpg

DSC_0884.jpg

吹上の中道交差点から瑞穂方面を目指して南へ車を走らせると左手にある淡麗系塩ラーメンのお店です。
駐車場は近隣にコインパーキングがありサービスを受けられます。
名古屋コーチンのほか魚介と昆布のうまみが前面に出たスープは非常に優しい味わいで、
脂っこさやしょっぱさとは無縁でありながら、深い味わいです。細くもっちりとした自家製麺は、
小麦の香りをしっかり感じさせてくれます。低温調理のチャーシューはもっちり、しっとりとした食感で、
噛むほどに旨味が滲み出てきます。チャーシュー増しにすると、さっぱりとした鶏むね肉チャーシューも載ってきます。
これも逸品です。醤油はもう少し太く縮れた麺と、香油をまとって少し濃厚な味わいのスープは、
塩ラーメンよりも鶏の味を強めに感じます。人気ジャンルの淡麗系のなかでも取り分けさっぱりとした、
しかし出汁の美味しさを感じられる人気店です。

萬来亭
DSC_0460.jpg

左京山の住宅街の中にあり、20年余の歴史がある名古屋の家系ラーメン人気店です。鳴海駅からも距離が離れており、
車でないと訪問しにくいところがネックですが、ファンも多いお店です。駐車場は広く停めやすいです。
鶏油の香りはそこそこに、ミルキーさが少ない、べたつかず、醤油のキレを強く感じるスープは吉村家を思わせる
ベーシックな味わいです。店長は壱六家で修行された方だそうです。豚骨特有の臭みもほぼ感じられず、
濃厚な味なのにもたれる感じも全くありません。トッピングのうずらは噛むとぷちぷちと弾け、
スープと合わせるとご飯が進みます。辛く味付けされた葱も人気のトッピングで、よいアクセントになります。
麺は硬めに指定すると、徐々にスープを吸って食感が変化するのを楽しめます。硬めでも粉っぽさが少なく、
わずかに縮れてコシがある麺もスープと非常によく絡みます。「緑区の宝」の異名を持ち、その名にたがわぬ名店です。

極太濁流らーめん ら・けいこ 東片端店

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東片端高速入り口の近くにある二郎インスパイア系のお店です。
二郎インスパイア系と言いながらも非常に個性的なお店で、極太でおそるべく歯ごたえのある麺と、
強い塩分を感じさせるたれ、大量のキャベツ、もやしを、豪快に混ぜ合わせて食べる
汁なし「デブセブラーメン」は他では絶対に味わうことのできない逸品です。焼豚はなんと油で揚げられており、
仕上がった外側をカリリと噛み締めると、中から熱々の肉と脂身が顔を出してきます。
にんにくは生のニンニクを刻んだタイプで、強い辛みと鋭い刺激が全身を駆け巡ります。
同じく汁なしの「デブセブハイパーライト」では肉を一度蒸してから揚げているため、柔らかくトロトロにとろけた食感となり、
これもまた最高です。麺の量は1kgまで増やせるらしく、爆食家たちが日々しのぎを削っています。
一度食べたら病みつき、名古屋ラーメン界の無冠の帝王と呼ぶにふさわしいお店です。

太陽食堂

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地下鉄東山線「中村公園駅」から大鳥居をくぐって暫く歩くとある醤油ラーメンのお店です。
ご主人と奥様の2人で切り盛りする小さなお店で、毎日19:30頃を過ぎると
スープが売り切れになることも多いので気をつけましょう。
透き通った鶏ガラベースのスープは僅かに魚介のほろ苦さが感じられ、
とろりと溶ける脂身のバランスが絶妙な焼豚、細く少し縮れた麺と合わさると非常にクラシカルな中華そばが完成します。
焼き飯も名物として知られ、ラードで炒められた、米粒のしっとりとした、昔ながらのチャーハンです。
細かく刻まれた豚を噛み締めた時の旨味は最高です。
今の時代だからこそ求められる懐かしいチャーラーが食べられる、貴重なお店だと思います。

中華そば 親孝行

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以前は中川区の名古屋駅とそれ以西の街を繋ぐ黄金跨線橋のほど近くにあり、
現在は八熊通沿いに移転した無化調をうりとする鶏白湯のお店です。
最近流行りの鶏白湯系のスープは、ともするとドロドロとしてくどくなりがちなのですが、
親孝行の鶏白湯はすっきりとした口当たりであるにもかかわらず、飲み進めるほどに鶏のうまみが広がり、
さっぱりと食べられます。
野菜や豚骨などを加えた複雑な味わいのスープではなく、あくまで鶏と魚介系を中心にして、
シンプルにしているところが良いのかもしれません。
やや加水率が高い細めの麺は非常によくスープと絡み、食べ終わるころには自然と
スープが底をついているほどです。鶏チャーシューの柔らかさも見事で、非常にしっとりとしています。
白湯のほかに、鰹節の出汁を強く感じる金の中華そばやカレーラーメンも人気メニューで、どれもお勧めです。

中華蕎麦 生る

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今池駅からナゴヤドーム方面へ向かって北へと進むと環状線沿いにある魚介つけ麺のお店です。
ラーメンWalkerなど各雑誌でも常連のお店で、平日の昼夜問わず行列が出来ています。
トロリとして表面がわずかに泡立つつけ汁は、豚骨のまろやかさと食欲をそそる香りに、鶏と魚介を加えた、
濃厚でありながら脂っこくなく、すっきりとした後味があり、飽きのこない味です。
真っ直ぐに伸びる太麺は、輝いていて小麦の香りが自然と鼻を突き抜けていきます。
麺だけで食べても十分に小麦と卵の風味が感じられ、もちもちとした強いコシがあり、これほど見事な麺が
食べられるお店はなかなかないと思います。
特製のトッピングには、辛さを加えるもみじおろしや、提供の直前に炙って香ばしさを出す叉焼、葱と海苔が付いてきます。
叉焼は、薄切りですがサクサクとした食感があり、気付いた時には蕩けてなくなっています。味の濃いつけ汁を邪魔しません。
最後にはだしでスープを割って飲めます、もったいなくてついつい飲んでしまいます。
誰が評価しても間違いのない、名古屋のつけ麺の名店でしょう。

らぁめん翠蓮

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地下鉄鶴舞線いりなか駅の近くにある焼き干しラーメン、海老まぜそばのお店です。夫婦で切り盛りする小さなお店です。
トビウオの焼き干し(あご出汁)をメインにしたスープは他では味わえない、香ばしく濃厚で、わずかなほろ苦さが
後からやってくる独特な風味があり、魚介系のつけ麺やラーメンとは一線を画しています。
魚粉のパンチの効いた旨みもあり、つるりとして縮れた麺がスープをよく絡めます。
具には豆苗が入っており、濃厚なスープに爽やかさを加えています。細切りの叉焼もわずかに焦げ目が付いていて、
香ばしいスープとの相性抜群です。
もう一つの人気メニュー、まぜそば海老鶏油は数量限定のメニューで、大量の干し海老を豆苗や葱、
半熟卵と混ぜて頂く変わった逸品で、辛めの味付けで刺激的です。


信長ラーメン 清洲本店

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名古屋のマニアックなローカル線No1ともいえる城北線尾張星の宮駅、清州東ICの近くにある、
昔ながらな家族経営の豚骨ラーメン、「赤いラーメン」のお店です。
通常のラーメンは白濁した豚骨と鶏ガラのスープで、さらりとした舌触りに優しめの豚骨の風味が香る
懐かしいラーメンで、寿がきやに慣れ親しんだ名古屋人ならお馴染の味わいです。
細めで縮れた麺もつるりとしていて重さがなく、さっぱりと食べられます。
人気メニューの「赤いラーメン」は、このラーメンのスープをもとにして、たっぷりの唐辛子と豆板醤で辛く味付けされています。
見た目ほど唐辛子の刺激は強くないものの、食べ進めるほどに汗が出てきます。
たっぷりと入った葱、胡麻、ニラと大蒜の香りが湧きたち、意外なほどにさらっとした舌触りとは裏腹に、
パンチの効いた爽やかな刺激と深い味わいを感じます。こってりとした角煮の叉焼が入ってもくどくない絶妙なバランスです。
立地の関係から各種媒体に取り上げられることが少ないお店ですが、店の前にしっかり駐車場もあり、店内も広いです。
正確には名古屋市外ですが、もっと知られても良いお店だと思います。

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  1. 2019/12/15(日) 18:54:42|
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私的名盤紹介ANNEX「東海地方・名古屋市ショッピングモール写真集」

私的名盤紹介ANNEX「東海地方・名古屋市ショッピングモール写真集」

私的名盤紹介をご覧下さっている皆様、お世話になっております。

今年の初めより開設した「私的名盤紹介」のもう一つのアカウント/プロジェクト、
「私的名盤紹介アネックス」も、あと少しで開設から丸一年が経とうとしています。

当初は建築(主に1960-1980年代に建てられたもの)やグルメ、ラーメン情報などを発信する予定でしたが、
この1年間でいわゆる「商業施設」(GMS)の建築やデザイン、吹き抜けの構造などに関心が偏ってきており、
休日を利用して相当な数の商業施設を訪問してきました。

そこで、これまで訪問してきた商業施設の写真を整理しました。
名古屋市内および愛知県内の施設が中心ですが、一部岐阜県や三重県の施設も収録されています。

バブル時代の香りが残るモールや、郊外のこじんまりとしたスーパー、
モダニズム建築の影響を感じる百貨店など、それぞれが個性を持った魅力的なお店ばかりです。
なかなかこの楽しさを共有できる友人は居ないところですが、
「吹き抜けマニア」「渋ビルマニア」「昭和なスーパー好き」の方々、またそうしたバブル建築に関心のある方の
一助となれば、これほどうれしいことはございません。

ショッピングモールはその地元の人々に愛され、人々の生活と共にあり、歴史を重ねていくものだと思います。
人々が過ごした年月に思いを馳せる、ある種ノスタルジックな楽しさや、買い物をする空間としての機能性を維持しながら、
その時代の流行のデザインを取り入れた機能美を鑑賞する楽しさを、少しでも伝えられればと思います。

東海地方、名古屋市の昭和なスーパーの美しさを残した写真集、ぜひ、ご覧下さい。


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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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