私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(198)

Album: Dream Theater
Artist: Dream Theater
Genres: Progressive Metal

Dream Theater


1985年に、ボストン市にあるバークレー音楽院の生徒によって結成された
プログレッシブ・メタルバンド。発表されたばかりの2013年作の13th。
ドラムスがMike PortnoyからMike Manginiへと変わってから2作目となる本作では、
Mangini自身も制作初期から作曲やアレンジに参加しています。
エンジニアも前作から変更し、全員参加による作曲と、ジャムによる細部の構成で
練り上げられているようです。音作りの面では前作A Dramatic Turn Of Eventsや
Black Clouds & Silver Liningsでの流れを汲んだモダンな(良い意味でデジタルで、ブライトな)
歪みの音色になっており、ドラムスは前作での控えめで整ったプレイよりも
アグレッシブで変態プレーヤーらしい個性が出たパワフルなプレイになっており、
一番の聴き所になっていると言っても過言ではないと思います。
アルバム通した楽曲の特徴としては、インストパートの掛け合いは長さこそ短いものの
凝縮されておりマンネリを打破しようという強い意図が見られます。
映画のサウンドトラックのようなイメージで制作されたのであろうコンセプトも面白いですが、
メロディックでポップな耳触りの曲が多いことからも、初期のDTの特徴を随所に匂わせる
(すなわちRush的である)ような部分が感じられました。
#1False Awakening Suiteは2分半ほどの短い導入のインスト。
大仰なコーラスとストリングスにザクザクと刻むリフ、マーチングバンドのような
スネア連打の心地よいドラムスが楽しい。
#2The Enemy Insideは先行シングルですが正にこれまでの彼らの個性を
凝縮したような良曲だと思います。ボスッとした低音の効いたスネアドラムと
珍しくワウを絡めたリフに高速フルピッキングの粒の揃ったアウトなギターソロが最高。
#3The Looking Glassは冒頭のRushっぽいリフから最近の彼らにはあまりなかったような
王道なハードロックサウンドになっています。
メロディもキャッチ―でJames LaBrie(Vo)も安定する音域で歌えていて、
彼らしい爽やかな中音域の美味しいところがうまく使えている感じで素晴らしいです。
#4Enigma Machineはモダンへヴィネスな音色のカオティックな一曲。
Manginiのマシーンのようなドラミングが曲全体に冷徹な説得力を与えています。
#5The Bigger Pictureは#2と同じかそれ以上に好きかもしれないバラード曲。
バッキングもボーカルを引き立てるために最小限のことに抑えようという意図が見られます。
ギターの音も一番好みです。ノスタルジックなソロの間にもドラムが結構良いフィルを叩いていて
思わずそっちを聴いてしまいますが…
ピアノソロに入ってから急に80sのメロディックロックのような香りがする懐かしい音色のリフが
入ってきたりと随所の工夫が楽しいです。
相変わらずため息が出るようなミックスヴォイスが堪能できます。
前作同様ラブリエも気持ちよさそうに歌っていて僕は嬉しいです。
#6Behind the Veilは幻想的なイントロに続いてへヴィ―でキメの多いパートから
メロディックでソフトロックっぽいパート、最後に得意の変拍子のリフを繰り返してグルーブを
作るパートと展開の多い一曲。
#7Surrender to Reasonもかすかに鳴り響くコーラスをバックにサビのメロディが
非常に綺麗ですし、ギターソロもいつになく素直でエモーショナルな音使いです。
相変わらずスリーフィンガーで縦横無尽に弾きまくるJohn Myungのベースラインも面白いです。
音色も多彩になって幅が広がったように感じます。
#8Along For the Rideはアコギの寡黙なバッキングから始まり徐々に盛り上がっていく小品。
ペトルーシらしい若干中東を匂わせるような音使いのソロや、
いつにもましてブライトなトーンのベースが聴き所です。
満を持しての大作#9Illumination Theoryは、本作のコンセプトであるところの映画音楽からの
影響を強く感じるアンビエントでシンセの音が飛び交うパートから
ラブリエのハイトーンが炸裂しまくるパートが個人的には胸が熱くなりました。
12:30あたりで聴こえてくる謎のパーカッシブな音の正体が判りませんけど。
というわけでドリムシのレビューとしては当サイトでは2枚目ということになりますが、
世間様での評価は(B誌はガラパゴスなので別としまして)賛否両論という感じですが
自分は「佳作」だと思います。
至高の名盤かと言われればそうでもないのかもしれませんが
アルバム全体を流れで聴くのに楽しい一枚でした。
メロディックでポップな音像なので、初めて聴くにはImages And Wordsに負けないくらい良い
とも思います。やはり彼らは真の職人です。来日が楽しみで仕方がないです!!!


The Enemy Inside

The Looking Glass

The Bigger Picture

Surrender to Reason

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  1. 2013/09/23(月) 00:18:56|
  2. Dream Theater
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  4. | コメント:2

今日の一枚(12)

Artist: Dream Theater
Album: Images And Words
Genres:Progressive Metal
Metropolis Part 1 : The Miracle And The Sleeper

Images And Words


プログレッシブ・メタルの金字塔、地上最強のバンド、Dream Theater。
バークレー音楽院出身のメンバーは、皆音楽理論に卓越しており、超人的なテクニックの持ち主という、
正しくMusician's Musicianです。
無数のパートから構成される、テクニカルで複雑な曲展開と、ドラマティックで美しいメロディ、
伸びやかで力強いハイトーンボーカル。ヘヴィ・メタルというと、世間一般のイメージは、
悪魔崇拝を始め、反社会的で荒々しいイメージであるかもしれません。
しかし、そうこう言う前にDream Theaterを聴いて欲しいです。あなたは、様式美の極みを、
目の当たりにすることでしょう。溢れ出るインテリジェンスと、緊張感のみなぎった組曲たちは、
時が経つのを忘れさせてくれます。Metropolis Part1のインストパートは、
DTの中でも伝説的なものです。3/4、7/8拍子という変拍子のリズムをバックに奏でられる
高速フルピッキング&ユニゾンのフレーズは、鳥肌ものですね。
ジェイムズ・ラブリエのハイトーンボーカルも、聴き所ですねー。ミックスボイスのお手本のような
素晴らしい歌唱です。

ライブレポート(2012年某所)
つい最近、ライヴに行ってきましたが、やはり彼らは、「世界最強」のテクニカルバンドだと
認めざるを得ないようです。(笑)正直、CDと同じクオリティの演奏はできないのではないか
と思っていましたが、それは僕の杞憂でした。実際、ノーミスでした。2時間半。
ドラムセットの写真を撮ろうとする客が続出し、劇場の職員が必死に止めていました。
まあそれはともかく、親友も言っていましたが、バークレー出身のミュージシャンは、
皆さん結構似通っています。(特に上原ひろみなんて、DTをジャズにしてみた(プロの犯行)
て感じですしね。)DTの魅力は、テクニカルな演奏だけではありません。
メロディーの綺麗さと、コード感あふれるボーカルの存在を、忘れるべきではないと思います。
僕は、最新作のA Dramatic Turn Of Eventsは傑作だと思っていますが、
その理由に、ラブリエがのびのびと歌えていることを挙げたいと考えます。
実際、ファンの人気の高い作品ほど、ボーカルのメロディーが美しいものが多いです。しかしそれにしても、DTを聴いていると、あっという間に10分経ってしまいます。




Metropolis Part 1 "The Miracle And The Sleeper"

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  1. 2012/12/23(日) 16:09:35|
  2. Dream Theater
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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