私的名盤紹介―真の雑食を目指して

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今日の一枚(216)

Album: Between The Sheets
Artist: The Isley Brothers
Genres: R&B, Soul, Funk

Between The Sheets


以前にも一度記事を書きましたが、このブログの最初期の記事であったこともあり、
内容の充実が見られなかったので、もう一度違う作品で彼らのレビューを書こうと考えておりました。
1954年にアメリカ、アイオワ州シンシナティで結成されたファンクバンド・ソウルグループ。
名前の通り、教会で聖歌隊として歌っていたIsley一家の兄弟を中心として
Erine Isley(G), Marvin Isley(B)やO'Kelly Isley(Key)らを加えてバンドとしての活動を
始めていきます。
デビュー当初は3人でいわゆるドゥーワップ(無伴奏のコーラス(アカペラ)を3人で行うスタイル)
の形式で出発しますがヒットに恵まれず、レーベル移籍後にあのThe Beatlesのカヴァーで知られる
Twist And Shout(1962)のヒットを出したことが、彼らが有名になるきっかけとなりました。
その後メンバーは64年にT-Neck Recordというインディーレーベルを立ち上げ、
楽曲制作に取り掛かるようになります。
そして当時ギタリストとして彼らのレコーディングに参加していたのがJimi Hendrixその人でした。
65年までの短い期間ですが、シングルTestifyでその演奏を聴くことができます。
Motownへの短い移籍期間を経て、69年のIt's Your Thingのヒットや、
白人のブルースロックをどこまでも黒い音像でカヴァーしたアルバムのGivin' It Back、
Brother, Brother, Brother, Live It Up, The Heat Is On, Harvest For The Worldなど
70年代に最大級のヒットを生み出し、そして1983年作の22ndである本作は、
後にヒップ・ホップの定番サンプリングネタとして
多くの楽曲で用いられることになります。(70年代の作品もいずれ記事をお書きします)
その後90s, 00sとEternal(2001), Body Kiss(2003)など、活動は衰えを知らず、彼らは
1950年代から2000年代まで連続でビルボードのシングルチャートに登場し続けてきた
唯一のバンドでもあります。
なぜか日本では知名度が低く、なかなか存在を知っている方が少なくて非常に非常に残念に思っています。
他ならぬ山下達郎はIsleyの大ファンでもあり、特に79年作のMoonglowなどRCA/AIRの初期で
かなり色濃い影響を受けていると思われます。
というわけで、本作は当時ブラック・コンテンポラリーの最先端であったクワイエット・ストームの
音像を完璧に表現しきったアルバムと考えてよいでしょう。
彼らの全盛期の体制であった3+3(Erine, Marvin, O'Kelly)による最後のアルバムということになります。
#1Choosey LoverはErnie Isley(G)のエモーショナルでシルキーなギターソロが印象的なバラード。
強くリバーブのかかったドラムスと、甘く蕩けるようなファルセットと脱力したコーラスが絡みつく
いきなり名曲。ところどころに配された電子音が幻想的で頽廃的な空気感を演出しています。
#2Touch Meは、シンセのキメが流石に時代を感じますが、太いベースラインや鋭く溜めるような
ドラミングが重いグルーブを醸成しています。後半部でのリズムへの乗り方や崩し方は、
ソウルシンガーでなければ絶対にできないものと思います。
#3I Need Your Bodyは、シンセベースの饒舌なフレージングとパーカッシブなシンセのリフに
サビのメロディのリフレインが非常に印象的です。短い単音カッティングの絡んだバッキングから
アウトロでブルージーなソロをかますギターも良い仕事しています。
隠れた名曲だと思います。
表題曲の#4Between The SheetsはJay-Zを始めとして数多くのヒップ・ホップのミュージシャンに
サンプリングされる彼らの代表曲の一つです。イントロから鳴り響くキーボードの音作りは
本当に天才的だと思います。
特にサビ後のキラキラしたフレーズ、後半部のひたすら同じメロディをリフレインする構成といい、
これほどエロくてカッコいい曲を見たことがないです…
ベースも太くてサスティーンの長い音でゆったり弾いているのがまた良いです。
サビでのRonald Isley(Vo)のファルセットや息遣いのエロティックさや透明感は
神業としか言いようがありません。R&B史に残されるべき珠玉のバラード。
#5Let's Make Love Tonightは前曲からの繋がりを思わせるキーボードにカッティング中心のギターと
良く動くベースラインが、バラードでありながらもその中にドロドロとしたファンクを感じます。
#6Ballad For The Fallen Soldierは、歌謡曲に近い大仰なメロディとディストーションの掛かったリフ、
語りから始まり、スリリングなキメが繰り返される本盤中でも一番ハードな一曲。
バリバリの速弾きとチョーキングしまくりなギターソロはやはりそこはかとないジミヘン臭が漂っています。
Ernie Isley(現在では音楽活動を続けながらバークレー音楽大学で教鞭を取っています)のギターは、
音作りも含めてブルースロック系のギタリストの中でも個人的にかなり好きです。
#7Slow Down Childrenは以前のアルバムに近いファンク色の強い楽曲でワウの掛かったベースと
低音弦を絡めたクラシックロックなカッティングフレーズ、複雑なコーラスワークで強烈なグルーブを放ちます。
#8Way Out Loveはリズム隊主導の打ち込みなバッキングがひたすら繰り返される中で、
シンプルな歌詞で遊んでいくコーラスワークが鮮やかです。
#9Rock You Goodは、打ち込みのクラップ音にエフェクト処理したボーカル、
メロディックでキャッチ―なベースライン、
ギターがフラッシュバックするようにリフを鳴らすミニマルなグルーブを定位したモダンなインスト曲。
80年代Isleyの、ひいてはクワイエットストームの至高の名盤にして最高のバラード集。

【補足】
彼らの作品に触れてみるにも、おそらくレンタルではコンピレーションを手に入れるのが
限界ではないかと思います。その中でも、特に
Groovy Isleysと、Mellow Isleysの2枚は大きい店舗ならよく置いてありますので
是非お聴きになって下さい。
もしCDを購入されるのでしたら、ベスト盤のEssential Isley Brothersが圧倒的におすすめです。
こちらは2枚組で音質も非常に改善されていますので高い音圧と綺麗な解像度で名曲たちを堪能できます。
こんな宣伝文句を言うことは珍しいですが彼らの楽曲は本当に本当に大好きなので、
心よりお勧め申し上げます。

Choosey Lover

I Need Your Body

Between The Sheets

Ballad for the Fallen Soldier

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  1. 2013/11/10(日) 21:42:52|
  2. The Isley Brothers
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(14)

Album: Go All The Way
Artist: The Isley Brothers
Genres: Funk
Say You Will

Go All The Way


ファンク・ロックの金字塔。ファルセットを多用した甘く、とろけるようなボーカルと、
ファンキーでグルーヴィーなリズム隊が彼らの魅力でした(Live It Upや、Fight The Power
は代表曲です)。どこまでも土臭く、真っ黒な音楽でしたが、この、Go All The Wayからは、
そのファンクの要素に、ハードロック的でドラマティックなアプローチが入り込んできます。
Erine Isleyのソリッドでメロディアスなギターソロを堪能できます。
都会的で洗練されたコード感と、黒人音楽らしい力強いビート感の極上のフュージョンです。

Artist紹介
1950年代に結成されたファンクバンド。現在でも活動を続けている。
1950年代から2000年代まで連続でビルボードのシングルチャートに登場し続けてきた唯一のバンドである。初期の山下達郎の受けた影響は著しい。(Moonglowを聴いてみれば直ぐ分ると思う)
私は、これまでに「黒い」バンドを見たことがありません。
タイトなリズム隊は、曲に絶大なグルーヴを生み出します。しかし、彼らの作品群は、決して、太く、ゴリゴリしただけのアルバムにはなっていません。いつでも、そこには
「ロックンロール」と「ポップス」の要素があります。Ernieのソリッドなギター、
骨太そのもののMarvinのベース、そして甘く、とろけるようなRonaldのボーカル。どこを取っても完璧です。隠れた名盤「Go All The Way」は、ファンクロックの金字塔だと思います。
山下氏のラジオSunday SongbookからSay You Willが流れてきたときの感動は忘れられません。



Say You Will

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  1. 2012/12/23(日) 16:25:47|
  2. The Isley Brothers
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  4. | コメント:0

プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
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