私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(135)

Album: Come Away With Me
Artist: Norah Jones
Genres: Jazz, Country, Pops

come away with me


アメリカニューヨーク出身のジャズシンガー、シンガーソングライター、ピアニスト。
(ライブでは結構ギターも弾きます。メインではFender Mustangを使っているのをよく見かけます)
1979年生まれ。2002年作の1st。2002年度グラミー賞を総なめにし、
Billboard Contemporary Jazz Album Chartで143週連続1位を獲得した大ヒット作。
インド出身のシタール奏者のラヴィ・シャンカールを父に持つ。
母が音楽好きで、大量のLPを持っていたため、幼少期から兄弟のいない彼女は浴びるように音楽を
聴いていたということらしく、基本的にはジャズを基調としているのですが、
最も影響を受けたというジャズ・シンガーBillie Holidayや、Bill Evans、
或いは50s~60sのブルースやカントリー、ソウル等、非常に多種多様な音楽からの影響を受けた作風です。
バッキングを務めるミュージシャンも非常に優れていて、彼女に独特の、ハスキーでブレスリーで
ありながらも、アーシーになりすぎず、あくまで都会的に洗練された、
そしてなによりリラックスした優しい(気持ちにしてくれる)
「声」の魅力を最大限に引き出す演奏をしています。カヴァー曲での絶妙なメロディの足し引きや、
リズムへ声をどう乗せるかというアプローチの上手さに関しては、
現代で最も優れたシンガーの一人だと思います。
恋人であったLee Alexander(B)の生み出すにじんだトーンのベースラインや、
所々にロックスピリットを感じるドラムス、ブルージーで歌うようなフレーズでソロを聴かせるギター、
自身によるピアノのツボを突いたオブリガートや、優れた耳を持っているからこそできる
コード感を意識したスケールの入れ方も本当に聴いていて心地よいです。
ブルージーなギター・ソロの一音一音が、目の前で演奏しているかのように定位され、
アレンジも耳疲れせず、キャッチ―なメロディの良さをよく引き出しています。
勿論声量もありますし、作為的になりすぎず、歌詞の世界観をあくまで静謐な雰囲気を湛えつつ、
しかしエモーショナルに表現することのできる方だと思います。
無名時代からの友人であり共にバンドを組んでいたシンガーソングライターのJesse Harrisが
作曲した、彼女にとっての代表曲となった#1Don't Know Why,同じくジェシー作曲の
アコギのリフに絡まるピアノのフレーズが完璧に嵌っているグル―ヴィーな
#6Shoot The Moonの、恋人たちの別れを描いたメロディの儚い美しさには
思わず息を呑んでしまいます。
個人的に好みなのは、John Loudermilkのカバーである#7Turn Me Onで、カントリーらしい
哀愁の中にも、彼女のボーカルのウォームでソウルフルな部分が現れていて、温かい気持ちになります。
彼女の音楽を聴いていて心に浮かんだのが、70年代のJoni Mitchellの作品群や、
James TaylorのSweet Baby Jamesを初めとする初期の作品でした。
それぞれ特徴を挙げていくとそれほど似てもいない気もしますが、
本作には、これらの作品と同じ雰囲気を感じるのです。
近年ではロックンロールよりの音楽性をみせたりしているノラですが、
一貫したソング・ライティングの才能と、ボーカリスト、ピアニストとしての魅力を発揮し、
輝き続けていると思います。
リアルタイムで彼女の作品を追いかけることのできる喜びを、私は静かに噛みしめています。

Don't Know Why

Seven Years

Shoot The Moon

Turn Me On

この記事をはてなブックマークに追加

スポンサーサイト
  1. 2013/04/06(土) 01:18:39|
  2. Norah Jones
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。
※放送企画として「私的名盤放送」というラジオを配信しております。
ツイートキャスティングホームページをご覧下さい。不定期に配信、Twitterにて情報を呟いております。ハッシュタグは「#私的名盤放送」です。宜しくお願い致します。
http://twitcasting.tv/privategroove

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

総閲覧者数(ユニークアクセス)

アクセスカウンター(PV数, 2013/12/26より集計)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

にほんブログ村 CDレビュー

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村

Feedly(RSSリーダー)で「私的名盤紹介」を読む

RSSリーダーとは、Google, Feedlyなど複数あるアプリまたはサイトを用いて自身で登録したブログの更新を自動で確認し、さらにブログ記事をテキストと画像、リンクのみの軽い状態で見ることができるツールです。 管理人も便利ですので積極的に使っております。 Feedlyにはスマホ向けアプリもありますが、PCはブラウザで操作でき動作も軽いため使っております。

follow us in feedly

「私的名盤紹介」管理人Twitterをフォローする

私的名盤紹介トップページをはてなブックマークに登録する

「私的名盤紹介」トップページをはてなブックマークに追加

「私的名盤紹介」管理人によるはてなブックマークを見る

管理人が普段見ている音楽系サイトで、気になる記事について、日々 「はてなブックマーク」を使ってコメントを付け、まとめております。 当サイトであまり取り扱わない音楽ジャンルの記事、年間ベスト、評論など雑多に取り扱っています。フォロー頂けると嬉しいです。

私的名盤紹介はてなブックマーク

「私的名盤紹介」管理人Twitter

TweetsWind

にほんブログ村ランキング(CD Review)

もし記事を楽しんでいただけましたら、お手数ですが 下の「このブログに投票」のところをクリックしていただけると大変嬉しいです。 投票はランキングに反映されます。

RSSリンクの表示

Ninja Tools(アクセス解析)

検索フォーム

相互リンク 音楽系レビューサイト

このブログをリンクに追加する

現在の閲覧者数

現在の閲覧者数: