私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(208)

Album: Electric Joy
Artist: Richie Kotzen
Genres: Fusion, Funk

electric joy


アメリカ、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のシンガーソングライター、ギタリスト。
1970年生まれ。89年に、当時若手のテクニカル系ギタリストの才能を探し求めていた
シュプラネル・レコードからソロデビューを果たします。
おそらく彼の活躍で一般に最もよく知られているのは、99年~02年の時期に、
Paul Gilbertに代わって加入していたMr. Bigでの活動でしょう。
ポールがスウィープやスキッピングを用いた、非常に粒のそろった正確でクラシカルな速弾きを
得意とするのに対し、リッチーはさらにブルースやファンクからの影響が濃く見られ、
左手のレガート奏法やチキン・ピッキング、スウィープの技術は圧巻だと思います。
或いはフレーズの至る所にジャズっぽいアプローチが見られたり、Allan Holdsworthを思わせるような
絶妙なアウト感のあるフレーズが飛び出したりと、非常に個性的なものだと思います。
使用機材は主にFender系のギターを用いることが多く、ストラトかテレキャス
(共にFender Japanからシグネイチャーが発売されています)でのクリーンからクランチでの音作りは
個人的にも非常に好みです。
彼は卓越したギタリストとしてだけではなく、ボーカリストとしても優れた才能を発揮しており、
ソウルフルで力強いボーカルと、ブルージーなソロやカッティングを絡めたバッキングが作り出す
ファンキーな中にも理知的な空気の漂うグルーブは唯一無二だと思います。
1991年作の3rd。本作は完全なるインストの作品で、彼のテクニックの高さが
前面に押し出されたものになっています。
他のインスト作品に比べてフュージョン色の濃い音作りやアレンジになっており、
初期の作品の中では一番面白いものではないかと感じています。
#1B Funkは冒頭から変拍子だらけのリズムワークに、
こういうシュレッド系には珍しいジャキジャキトとしたトーンの
速弾きが非常に心地よいです。テレキャスを弱く歪ませたカッティングや
ここぞという時に入ってくるレガートのスムーズなフレージングが素晴らしいです。
表題曲の#2Electric Toyは、テーマになっているスウィープの絡んだフレーズにも面白いですが、
音数は少なくブルージーなチョーキングの光るソロや後半部でのさりげなく入ってくる
タッピングやハーモニクスの音の綺麗さは特筆すべきと思います。
#3Shufinaは、シャッフルのリズムに、SRVを思わせるようなブルージーで乾いた
ギタープレイが冴えわたっています。
所々に速弾きのオカズのフレーズがあって彼らしい個性が加わっていると思います。
#4Acid Lipsは軽くワウの掛かり中音域が詰まった歪みの音色で、
ファンキーな中にもVaiのようなスライドのフレーズが面白いです。ザクザクとしたテーマの音は最高。
#5Slow Bluesは、名前の通りスローテンポのメロウでメロディックな一曲で、
現在のバラードの楽曲に近い構成になっていると思います。
ソロもゆったりとしていて、なかなか渋い趣味をしておられます。
#6High Wireは、本盤の中でも一番へヴィーな音色になっており、
テーマを弾くクリーントーンのハイフレットでのトーンが透き通って美しい…
荒々しくてファンキーなリフをバックに、これまたフュージョン色満載な縦横無尽な速弾きで
鮮やかに味付けしていきます。
#8Hot Railsは、テンポの速くベースのよく動くバッキングにスライドギターの映える一風変わった曲です。
ハードロック色の強いメインのリフとテンポチェンジからのスペイシーなソロがクールです。
#9The Deece Songは、ミュートの効いたリズムギターと、後半の絶妙なアウト感のあるソロが印象的です。
現在のコッツェンとは音作りや音数など異なる点も多くみられますが、
やはり基本になる手癖とかタイム感といった点では既にその基礎が完成しているように
見受けられます。
ハードフュージョンなギターインスト好きなら絶対外さない高品位な作品ですし、
コンパクトに彼のギタープレイの美味しい所を網羅できる名盤と思います。

B Funk

Electric Toy

Shufina

Acid Lips

High Wire

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  1. 2013/10/21(月) 14:17:15|
  2. Richie Kotzen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
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