私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(405)

Album: Smashing Anthems
Artist: 水樹奈々
Genres: Pops, Pop Rock, HR/HM, Symphonic Rock, R&B, Disco, AOR

Smashing Anthems

愛媛県新居浜市出身の日本の歌手、声優。1980年生まれ。
2015年作の11th。発売は11月11日。筆者は予約で前日にフライングゲットして聴いております。

前作のSUPERNAL LIBERTYから1年7ヶ月ぶりのリリースとなった今作は、
シングル曲に#8禁断のレジスタンス、#13エデン、#4Angel Blossom, #15Exterminateの
4曲があり、前作に比べるとシングルも豊富な状態でのリリースとなりました。

しかしながら、事前に本人もラジオなどで公言していたように、
具体的な数字は示されていませんが、制作期間はかなり短い状態であることに
変わりはないようで、ライブツアー後に詰め込んでレコーディングが行われていたようです。

CD以外にもBlu-rayとDVDで未公開のライブ映像が収録されており、
(古いものだと2002年のLive Attractionの映像も収録されています)
オーディオコメンタリーも加わってディープなファンも楽しめる仕様になっています。

シングル売り上げの低下が起きているようで、いちファンとして少し心配している
部分もあったのですが、今回も、基本的には前作での新たな作家とのコラボレーション、
アレンジ方針の転換といった路線を踏襲した傾向となっており、筆者としては、
むしろとても期待の持てるアルバムになったと感じています。

特に以前のシングルレビューでも述べましたが、演奏に生音が増え、
シンフォニックなサウンドが影を潜めたことで、水樹奈々自身のボーカルが、
オケに埋もれずによく聞こえる様になっていて、この点も注目すべきと思います。
ただし、この傾向はシングルよりもアルバム曲で特に顕著な傾向を示すことになりました。

この点に関しては、今まである種「異形な」ポップスとしてのアイデンティティー、
或いは曲が始まって数秒間でリスナーを釘付けにするようなアニメソングとしての
キャッチーさというものを失う結果にならざるを得ない部分があり、
ネット上のレビューやブログを見ていても批判的な意見も見られていると思います。

これは、彼女が長いキャリアの中で様々なステージを経て現在にたどり着くまでの過程で、
(村野直球提供曲の多い最初期、矢吹敏郎プロデュース時代、Elements Gardenとの
タッグを組んだ時代、そしてここ3年間位の方向模索期に分けてよいと思います)
その中でファンを獲得していくにつれて生じてくる思い入れの問題というのもありますが、
それよりも大切なのは、彼女がこれから歌手としてどのようなキャリアを形成し、
どのようなファン層に対して訴えかけていくか、
それは言い換えれば、これまでのファンへの気配りをどの程度しながら、
どういったリスナーの層にターゲットを持っていくサウンド作りをしていくかという問題となります。

一つのスタイルを一貫して通すタイプの人も正解ならば、音楽性、スタイルの変化を
続けていく人も正解だと思いますが、筆者個人としては、結果として好きなサウンドに
方向が向いてきていることを素直に喜びたいと思っています。

どのようにアレンジやコード進行が変化したとしても、失われない部分というのがあります。
それは、彼女の場合は「歌謡曲感」と唯一無二の「声質」ということだと思います。
その点に関しては、本作でも徹底して、歌謡曲感のあるメロディやアレンジは随所に
散りばめられており、水樹奈々としてのアイデンティティは十分保たれていると思います。

ある人は、水樹奈々は変わってしまった、と述べるかもしれませんが、
おそらくそれは表面的な聴き方しかしていないからそのように聞こえるわけで、
アレンジ的には1stの頃程度の音の密度に「戻って来た」とも言えるし、
#15Exterminateや#1Glorious BreakなどはElements Gardenらしい音も
きちんと残しているという部分で、むしろ「保守的な部分もあるアルバム」と捉えられると思います。

こうした結果となったのは、
外見上のサウンドが変化して、売り上げや、アニメ/CMタイアップなどの取得に影響が出ないかということが、
プロデューサーの三嶋章夫さんの頭の中にあるからだと、筆者は考えます。

つまり、シングル曲とその他数曲は、これまでの水樹奈々スタイルのポップスで安全を確保しながら、
アルバム曲で方向性を模索して行こうという、苦心の末に出した解答が、
このアルバムとして形に残ったのだ、と捉えればよいでしょう。

筆者の視点から見てみると、今作ではブラックミュージックとのクロスオーバーという観点から
見ても、面白い曲が揃った一枚になったと思っています。
例えば、本人がラジオなどでもPVの話をしているM3Super☆Manはディスコ
(というより典型的なパターンミュージック)の構成とリズムに、
フィリーソウルのようなストリングスを取りながらも、歌謡らしいメロを中心に曲が纏められています。

他にも、M9The New Starは、前作でR&Bテイストのアレンジを見せたバラードFateとは違った方向で、
より低音の強調された打ち込みの4つ打ちと、クラブミュージック的な音の抜き差し、
ハモンドのリフでゴリゴリ押すのが特徴的です。間奏の男性コーラスは完全にソウルとなり、
バックのサウンドはフュージョン的に作ってあります。

さらに、M14アンビバレンスではヒップホップ~ネオソウル寄りのレイドバックしたドラムスに
ミュートの効いたカッティング、歯切れのいいコードリフは80sAORのようで、
サビは濡れていて哀愁漂うメロディーが流れていて、
これも非常に素晴らしいクロスオーバーだと思います。

では大体全体を見渡したので、各曲を見ていきたいと思います。

#1Glorious Breakは、サイバーなSEとノイジーなシンセをバックにしてストリングス、
歌が入るとオペラのような分厚いコーラスが入った豪華な一曲。
テンポの速い打ち込みのキックがボトムを支えてメロディーは
前々作のアヴァロンの王冠を思わせるようなモチーフが加えられています。

#2Never Let Goは、テンポを抑えてしっかりとメロディを聴かせる歌謡ロックで、
ディストーションギターのリフは本物のメタルの音になっています。
それに対してBメロではアコギのコードバッキングが目立つ音になり表情を
常に変えながらサビへと入っていきます。
スネアロールを中心にしたBメロ~サビのリズムパターンと、Aメロの力強いパターンで
差がつけられていて、多彩な変化を見せます。お気に入り。

#3SUPER☆MANはイントロとメロのパターンをひたすらに繰り返しながら進んでいく
打ち込み歌謡ディスコ。ウネウネしたシンセベースとシンセのボトムが耳を撫で、
左右に振られた電子音でスペイシーさを出しています。
今野均のストリングスはさながらO'Jaysのようなシルキーな音になっており、
後半の可愛い歌い方はファンには堪らないですね。お気に入り。

#4Angel Blossomはシングルレビューをご覧下さい。

Superflyのバックを務めるギタリスト、伊藤寛之と藤林聖子のペアで手掛けた
#5BRACELETは、onetrapというプロデューサーチームに所属する
南田健吾(YUKI、JUJU、田村ゆかり、ファンキーモンキーベイビーズetc)がアレンジと演奏を
手掛けています。冒頭以外はサイバーなテイストはなりを潜めた、シンプルなロックバラードに
なっています。重い8ビートのドラムスでシンプルなフィルにしておいて、
サビメロは、短いブレスで一気にグイグイ突っ込んで引っ張っていく歌で、疾走感を生み出しています。
1音1音の長いメロディーをしっかり聴かせています。ギターソロも矢吹敏郎のような泣きもありながら
モダンさもあって素晴らしいバランスだと思います。最高。

#6レイジーシンドロームはシングルレビューをご覧下さい。一押しです。

#7コイウタは、ほぼ完全に生音のリズムセクションになった、シンプルなロックバラードです。
室屋光一郎の煌びやかなバイオリンも大きすぎず良いバランスで、ともすれば悲しくなりそうな
曲の中で暖かさを感じさせます。高尾俊之のドラムスは硬い中にも陰りのある音で好みです。
サビ後半では張り上げずに柔らかくファルセットに抜くような歌い方で、
随所に、年齢を重ねて声に味が出てきたというのがよく分かります。

#8禁断のレジスタンスは、バリバリにビブラート聴かせた歌唱が炸裂する、
デジタルなシンセとハードロックを溶け合わせた一曲。
間奏でリードを取るケルティシュな笛は、かつての残光のガイアを思い出させるようです。
増崎孝司のギターはあまり前に出てはいませんが分厚い音色で、
二家本亮介のベースは普段の超絶技巧を思うとと静かなプレイですが、
2番の冒頭など随所に面白い所を見せています。

本作の中でも最も異端なサウンドと言える#9The New Starは、
英語の歌詞で吹いてしまいそうになりますが、そこはご愛嬌ということで、
最近のR&Bの流行りに合わせたトーンのエレピのリフ(これだけ聴いたら完全にネオソウル)とボーカル、
その後ビートが入ると、なんとさらに音数が減って、ドラムスにボーカル、ファンクのカッティング、
男性ボーカルのコーラスがマッチョに響く中で、単音カッティングのリフを合わせた
ファンキーなトラックです。ジャジーな前半部から間奏に入ると、ハモンドのリフが炸裂する
バリバリのファンクになり、そのままクラブDJよろしくフィルターが掛かりながら(!)、
一瞬Mayer Hawthroneなどの好きそうなSteely Danチックな展開まで挟んでしまい、
そしてそのままテーマへと還っていきます。

というなんとも説明するのが難しい一曲ですが、
聴けば聴くほどにニヤリとしてしまいます。一体これをどうやってライブでやるのか…
多分これが好きなファンは極めて少ないと思いますけれども、
ここまでやって良かったのか、水樹奈々、という感じです。しかし筆者は大好きな音です。最高。

光増ハジメ提供の#10Clutch!!は、ブラスアレンジを前面に出した疾走感あるタオル曲という感じ。
徐々に上昇していくサビなど、アオイイロ、Level Hi!などを彷彿とさせるメロディー、展開です。
明るい曲調の中にも、どこか切なさのある雰囲気もきちんと残していて、
乗り物に乗りながら、タオルを振りながら、ライブで盛り上がれそうな一曲です。
ラストサビの後の、最後のStand up!My dearというフレーズなど
特にそうですが、かつてのAlive & Kickingまで位の頃の、
甘酸っぱくて少し野暮ったい、水樹奈々の歌声を思い出させてくれます。お気に入り。

#11熱情のマリアは、#8と同じ作曲者の加藤裕介提供です。この手の派手なサウンドの
水樹ポップスで、多重録音のコーラスをフィーチャーしたトラックは珍しいと思います。
コーラスとの掛け合い部分はよく聴くと凝った構成になっていて、上手くメロディを載せるのは
かなり難しいと思います。ライブで歌うのも難しそうです。
Elemets Gardenの普段の編曲に比べると、これでもまだおとなしめの音になっています。

エデン~Angel Blossomのメンバーから山本陽介(G)と須永和広(B)が参加、
藤間仁がアレンジの#12エゴアイディールは、水樹奈々自身の作曲による一曲ですが、
事前に三嶋プロデューサーからの意見もあったようで、今までの曲とは雰囲気を変えて
手数の多くキメの多いリズムに、フュージョン的なハーモニーを載せています。

水樹奈々自身、高度な作曲技術を持っているのに驚きます。
毎回キー、メロディーと一部のコードくらいを書いているのかな、と思いきや、
インタビューなどを読んでみると構成からリズムパターン、すべてのコードを自分で
考えながら、激務の中で2週間でこれを書き上げてしまうというのは、驚くばかりです。

粘りのある打ち込みのドラムスはアーティキュレーションも生々しく、
鮮やかなピアノのリフが映えたメロでは意表を突いたメロディーラインで、
サビではリズムパターンをエイトに変えてポップに、と好対照をなしています。
2番からはドラムベース共に遊んでいて邦楽ポップスの音数を超えていて非常に楽しいです。
バッキング、ソロ含め大平勉さんが忙しそうな曲で、今からライブが楽しみです。
ラストサビのロングトーンは歌詞の通り、かなり力強く張り上げているので、
生放送番組の時は詰まり気味で少し苦しそうな印象を受けました。
彼女のことなのでオリジナルキーで演奏すると思うのですが、ライブだとどうなるのでしょうか…
ファンとしては少し心配になるかも、しれないです。最高。

#13エデンはシングルレビューをご覧下さい。
もちろん歴代シングルの中でも最高レベルに良い曲だと思います。傑作。

本人曰く、アコースティックライブの時の酒場のシーンで何かを掴んだ、という結果が現れた
#14アンビバレンスは、AOR~AC的な音がこれまでには無かった一曲です。
作曲に中村僚、中村友の兄弟(西野カナetc)を迎え、スタジオミュージシャンには
けいおん!シリーズの音楽を担当した小森茂生、Tom H@ckなどの所属するF.M.Fから
土方幸徳(Dr)、工藤嶺(B)を迎えて制作されています。

この曲のイメージを決定づけているピアノ、Rhodesのバッキングは村田昭というキーボーディストで、
どうやら90年代には、本サイトでも何度かお話している
武藤敬一朗(K-muto、嶋野百恵の項を参照)とユニットを組んで活動していたようです。
ということもあってか、あの90s~00sの邦楽NJS、R&Bの懐かしい香りも漂ってくるようです。

冒頭の印象的なピアノのリフからベース、そして土方幸徳のデッドな音のドラムスが入ってくる
イントロ部は、90sR&B~ヒップホップを思わせるようなルーズなノリになっています。
ドラムスの作るグルーブは椎名林檎の1stでの河村智康を思わせるような、
レイドバックした中にも、ブリティッシュロックのような翳りのある雰囲気で、
フィルも含めて素晴らしいバッキングだと思います。

本人は歌唱する際に、何度も歌いすぎて感情が籠り過ぎるのを防ぐため、
3回目のテイクをOKにしたという事のようです。
どこか緊張感の残っている歌い方なのが窺われ、一つ一つの音の伸ばし方・切り方、
サビの最後の力の抜き方など、非常に細やかに、瞬時に喉をチューニングしながら
歌っている様子が伝わってきます。

特に、2番の「今更遅すぎるけど」の部分では、
フレーズの頭に少し多めにエッジボイスを入れながら、セクシーに歌いながら、
だからかもしれないですが、少し詰まり気味でノイジーになってしまっています。
これもこのテイクの味ということになるのかと思いますし、
彼女が丸裸の生歌で勝負しているということがよくよく分かります。
ありとあらゆる面で筆者好みの音になっていて、
大好きな曲がまた一つ増えました。嬉しい限りです。最高。

そして最後を飾る#15Exterminateは、一気に雰囲気を得意の展開に戻し、
Elements Garden藤間仁のもとにデジタル~HR/HM~シンフォニックロックの一曲になっています。
もはやサビ前のピッキングハーモニクスやゴリゴリのリフなど、増崎孝司のギターは
完全にへヴィメタルのそれになっています。
サビのキャッチーさも十分で、得意のビブラートロングトーンバリバリの一曲です。お気に入り。

というわけで、年間ベストを決める前からこんなに長丁場の記事を書いてしまい申し訳ありません。
最近更新できていなくて鬱憤?が溜まっていたのか最長の記事になってしまいましたが、
筆者としては今作は、「非常に見どころのある面白いアルバム」だったということを述べて、
終わりにしたいと思います。読んで頂いた方はありがとうございました。

万人に勧められる作品では(相変わらず)ありませんが、確実に水樹奈々は進化しています。

※今回どうして長い記事を書いたのかといいますと、
ラジオやインタビューで水樹奈々自身から「サウンド」「曲の構成、メロディーの作り方、アレンジ」など、
非常に具体的なミュージシャンとしての思想や、現状の捉え方を聞く機会が増えたから、なのです。
つまり、彼女のアルバムレビューを書く上で、
少しでもサウンド面に着目してお話しする人間が居ても良いのではないかと思ったからであります。

SUPER☆MAN

禁断のレジスタンス

Exterminate

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  1. 2015/12/09(水) 01:18:34|
  2. 水樹奈々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(393)

私的名盤紹介にお越しくださっている皆様、お世話になっております。

そう言えば言い忘れていましたが、だいぶ前に
ユニークアクセスが3万人を超えました。
ありがとうございます。

別にそれほど忙しくなった、という訳でもないのですが、一時に比べて更新頻度が落ちていて申し訳ないです。
3万人達成ということで何かしら企画をやろうかどうか考え中です。
(音楽とは全く関係ないネタ記事になるかもしれません。)

という訳で、今日は、

筆者自身がファンクラブに所属している水樹奈々さんの作品を、
最近暫くレビューしていませんでしたので、今回は新しいシングル2つを、
遅ればせながら紹介したいと思います。

バイオグラフィーや以前のレビューは水樹奈々(ポップスタブ)の項を参照して下さい。

Album: エデン
Artist: 水樹奈々
Genres: Alternative Rock, Pops

エデン


愛媛県新居浜市出身の歌手、声優。31枚目の4曲入り全A面シングル。
2015年作。オリコン週間チャート2位。

表題曲のプロデュースは今回初めてとなる1999年結成の日本のパンクバンド、藍坊主のリーダー、
藤森真一が担当していることが注目されていたかと思います。
残りの楽曲に関しては、#2No Limitを陶山隼(1979-, 他にV6など、水樹奈々の曲では
Astrogation, FATEの作編曲のほか、多くの曲で編曲を行っています)が、
#3終末のラブソングは、愛の星など、アルバム曲でバラードを任せることの多い
吉木絵里子が作曲、編曲にはElements Gardenの藤間仁というお馴染みのメンバーが担当しています。

参加しているスタジオミュージシャンも、国内の腕利きが多数参加しており、
彼女のライブでのサポートでも知られる渡部格(G)の他に、江口信夫(Dr), 佐野康夫(Dr),
増崎孝司(G), 遠山哲朗(G, 1978-, 松任谷由実、MISIA etc), 山本陽介(G, 1986-), 須永和広(B),
今野均(strings arrangement), 室屋光一郎(strings arrangement)など
ベテランと若手の優れたメンバーを起用しています。

水樹奈々の歌だけから始まりクリスピーなドラムが徐々に重さを増しながら鋭く入り、
クランチのギターがラウドにコードをかき鳴らすイントロから、
これまでのメロディを詰め込みがちだった彼女の曲には珍しくロングトーンの多い
メロディラインが特徴的な#1エデンは、インスト部のギターソロもシンプルなオルタナ路線
(音はモダン)で、これも彼女にとってかなりブレイクスルーと言った感のある一曲だと思います。
アウトロにかけてはピアノの音が徐々に大きくなるようにミックスされていて、
轟音の中で良いアクセントになっています。
素晴らしいです。ここ最近のシングルで一番好きかもしれません。最高。

陶山隼の#2No Limitは、増崎孝司の分厚いディストーションギターのバッキング、
端正なソロが映える一曲。デジタルな感触の強いビートとストリングス、
動きの多いメロディーというお馴染みの一曲と言う感じです。サビ前半の展開は
少し予想を裏切るような作りですが、ラストのロングトーンでしっかりアニソンしています。
歌唱も慣れている感じでビブラートが心地良いです。これも良い。

#3終末のラブソングは、同じくデジタルなシンセ、ストリングスが目立つ
ミドルテンポの激情バラードと言う感じで、高音部でストリングスが良く動くので、
ギターは控えめなミックスになっています。ライブでは一番激しくサイリウムを
振ることになるのでしょう。

松井五郎の歌詞の日本語の綺麗さが素晴らしいバラード#4Necessaryは、
ピアノ弾き語りで、ビブラート抑えめの歌唱から始まり、ストリングスの波と
シャキシャキした渡部格のアコギが入ってきて、ファルセット気味のロングトーンの
柔らかさが堪らないサビへと盛り上がっていきます。
ストリングスの音は大きいのですが、ミックスの具合が素晴らしく、
ミュートの強くデッドな江口信夫のタムやスネアの音色は非常にくっきりとしていて
全体の中で際立って聴こえてきます。速弾きのギターソロも、いつも通り、
弾き過ぎるギリギリで止めている感じが最高です。最高。

エデン[short ver]

Album: Angel Blossom
Artist: 水樹奈々
Genres: Pops, Hard Rock

愛媛県新居浜市出身の歌手、声優。32枚目の3曲入りシングル。2015年作。
オリコン週間チャート4位。

Angel Blossom


3ヶ月間という短い期間の間に出されたニューシングルは、タイアップ曲が多く、
表題曲はTVアニメ「魔法少女リリカルなのはViVid」のOPテーマとして、
#2レイジーシンドロームは自身が出演しているラジオの冠番組TOKYO FM「水樹奈々のMの世界」、
#3「あしたgraffiti」は愛媛銀行のTV-CFソングとして採用されています。

作編曲、作詞には若手の作家を多く起用しており、
光増ハジメ、EFFY、ヨシダタクミ(2011年から活動している北海道出身のロックバンド、
phatmans after schoolのリーダー, #2レイジーシンドロームを担当)、
加藤裕介(1972-, 藍井エイル、嵐、Hey!Say!Jump etc)といったメンバーが参加しています。

前作のエデン(藍坊主)に引き続いて、トイズファクトリー所属のロックバンド、
しかも今作に関しては2011年結成と言う若手を起用しているあたり、
新しい作家と次々組んでいた前作のアルバム、Supernal Libertyからの流れを感じさせます。

参加しているスタジオミュージシャンには、佐野康夫(Dr),
吉田太郎(Dr, あさき、DIMENSION(あさき、DIMENSIONの項を参照)
増崎孝司(G), 山本陽介(G, 1986-), 須永和広(B), 今野均(Violin),
クラッシャー木村ストリングス(Strings arrangement)などがおり、基本的には
エデンのメンバーの一部と言うことになっています。
個人的には、以前レビューしたDIMENSIONやあさきなど、プログレメタルやフュージョン系の
ドラマーとして活動している吉田太郎が気になっています。

#1Angel Blossomは、今まで難しい曲の連続だった彼女の曲の中でもかなり動きの多い
メロディー、ハイトーン連発でブレスのできる場所も少ない、まさに本人が言うところの
「ジェットコースターのような」一曲となっており、それに合わせてベースラインも
かなり動きが激しいです。一方でこの手の曲だと、今までのアレンジの傾向ではドラムは
手数が多くなりやすかったのですが、吉田太郎のドラムスは低音寄りのチューニングで、
へヴィーなグルーブにしていて、キュートな歌に対して、うるさすぎずも
強烈にボトムを支えています。ラストサビに向かう展開でジェットコースターの角度は
最も激しくなっていくように作られています。頑張って振付を覚えようと思います。お気に入り。

如何にも佐野康夫といった感じの、ハイハットの自在な遊びによるパターンが
ファンキーなグルーブを付加しながらも、要所要所では揺るぎのない直線的で堅い
グルーブを生み出すリズムワークに聴き惚れてしまうロックバラード#2レイジーシンドロームは、
メロディーラインもこれまでの曲には無かったような短いリフレインを積み重ねる
形となっているのが面白いです。ギターも、リズムがファンキーなメロではカッティングで
ハネた感じを出しながら、展開が変わると即座にディレイを掛けたポストロックっぽいトーンに、
四つ打ちのリズムとなるサビ直前からサビにかけては、バックへと下がって轟音をかき鳴らします。
途中ではテンポのゆっくりさを感じさせないようにか、疾走感のあるラップパートが
挿入されており、ここでは音数を絞った密室的な音作りになっていて、
左右に振られたギターがスペイシーな感じを出しています。まさに計算され尽くした
バンドサウンドになっていて、一瞬も耳が離せません。これも稀に見る名曲だと思います。最高。

加藤裕介作曲の#3あしたgraffitiは、矢吹敏郎プロデュース時代の90sポップスライクな
歌い方がキュートなボーカルと、サビ前の特徴的なキメ、ミュートのきいたメタリックなギターが
変わり種な一曲で、後半部にはコーラスの掛かったドラマティックな増崎孝司のギターソロは
Jay Graydonを思わせるようです。メロ部分の爽やかなギターポップな感じは
アオイイロを思わせるようで、ライブやファンクラブのイベントなどで
アリーナの周りを乗り物に乗って周回しながらやったら盛り上がりそうな一曲だと思います。

Angel Blossom[short ver]

というわけでかなり長くなってしまいましたが、

前回のアルバムに引き続き、ミックス、録音編曲がバンドサウンド指向となる傾向が続いていて、
削ぎ落とされて、すっきりとした感じになっていると思います。
優れたスタジオミュージシャンの力もあって、モダンにアップデートされたサウンドと、
ドラマチックでキャッチーなアニソンの濡れたメロディーとの融合が高いレベルで成立しています。

万人に受けるサウンド、歌とは言えないと思いますが、「新たな」彼女らしい個性ある
音を作り上げている過程に立ち会えて、ファンとして嬉しい限りです。
今後も目が離せません。おすすめです。

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  1. 2015/06/02(火) 23:54:06|
  2. 水樹奈々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

今日の一枚(284)

Album: Supernal Liberty
Artist: 水樹奈々
Genres: Pops, Rock, Heavy Metal, Funk, R&B

Supernal Liberty


愛媛県新居浜市出身の歌手、声優。1980年生まれ。
2014年作の10th。本日が公式の発売日となっていますが、昨日からレコードショップでも
店頭に並んでおり、新参者のFC会員である自分も昨日手に入れて聴いております。
初回プレス盤には東名阪の3会場で行われる握手会の抽選チケットが入っています。(※)
ただ一人当たり1回しか参加できない仕様になっています。
何枚買った人がいるのか知りませんが…
遊園地を模したジャケットと「天上の自由」というタイトルには、
本作が収録された過程が反映されていると考えて、まず間違いないでしょう。
というのは、前作のリリースから本作までの間に既発のシングルがVitalizationの
1枚のみで、(名バラード、愛の星はカップリングでした)ほぼ完全新作となったから
であると思います。楽曲も、本人の予告通りほぼ全ての楽曲が異なる作家により
提供されており、多忙を極め、前作前々作と、短いレコーディング期間で
制作せざるを得なかった彼女ではありますが、10枚目の区切りともなるこの新譜に
かける思いは非常に大きいものがあったのかもしれません。
その作家陣ですが、これまで組んだことのない名前が続々と挙がっており、
おなじみの上松範康(Elements Garden)や2nd以降、特に初期のプロデュースを全面的に
行ってきた矢吹俊郎、近年提供曲の多い吉木絵里子の他に、(以下少し長くなりますが)
flumpool, 戸松遥のソロ作のアレンジャーである古川貴浩(1979-)
倖田來未やBoAなどの女性シンガーへの曲提供で知られるh-wonder(1968-, 和田弘樹),
艦隊これくしょん~艦これ~の音楽プロデュースで知られる宇佐美宏,
ハヤテのごとく!シリーズやみなみけシリーズの音楽制作を行った丸田新,
ロマンシング サ・ガシリーズ、FINAL FANTASYシリーズや聖剣伝説シリーズで
その名を知らないものはいないイトケンこと伊藤賢治(1968-),
京大卒の新進気鋭の作家として、ももいろクローバーZや私立恵比寿中学、AKB48,
SMAPなどのアイドルグループへの提供からアニメ「日常」の楽曲制作、
はたまた渋谷系界隈ではPizzicato Fiveの野宮真貴のプロデュースなどで
縦横無尽の活躍を見せる前山田健一(1980-)、
といった若く、才能のある多様な人材が投入されています。
全15曲というボリュームのある内容ながら、前作からさらに生バンドの音、
とりわけリズム隊が生演奏の曲が増えており、打ち込みポップス然とした
サウンドからは離れている傾向が続いています。
さらにサウンド面では、Hybrid Universe(2006)以降顕著になってきた、
Elements Gardenのメンバーたちによる煌びやかなストリングスのアレンジが
(以前と比べれば)影を潜めており、過剰装飾が排されてすっきりとした音になっている
印象を受けました。一方で録音の面でも飛躍的に音質が向上しており、
ベストアルバムThe Museumの頃の録音と比べると、全く別物になっています。
音域のバランスがよくて解像度も高く、ベストの音像だと思います。
アルバムのリードトラックとなった#3アパッショナート(Appassionato,
イタリア語で情熱的にの意)は水樹奈々自身による作曲で、ギターの
バッキングは完全なるメタルであったり、#6Fun Fun☆PeopleではJBマナーの(ドラムスはTower Of Powerと言うべきか)
ゴリゴリのファンクをやっていたり、或いはDreams Come Trueのヒット曲のカヴァー
#4笑顔の行方、生バイオリンのフィーチャーされたバラードの#7FATEなど、
多彩な楽曲が収録されています。では個々に見ていきます。
アルバム冒頭としてはおなじみのHibikiX上松という面子の#1Virgin Codeは、
サイバーな電子音の応酬からシンセのリフが流れて来ます。
室屋光一郎のストリングスアレンジと、SHiN(大凶作)のアグレッシブなドラムスで
疾走感たっぷりに進んでいきます。歌メロは革命デュアリズムやアヴァロンの王冠への
オマージュのようです。サビ前のタメた感じの歌唱がテクニカルで、
抑揚の付いた展開も良いです。歌の入るタイミング、キメが難しく、
いきなりライブでの再現はかなり難易度の高い曲だと思います。
強力な声門閉鎖によるハイトーンは少し鼻腔の鳴りが強いように感じます。
ピアノソロで静かに終わります。佳作。
ハウスっぽい打ち込みから始まり、歪んだギターのバッキング、
80s後半のニュージャックスウィングを思わせるような激しく抑揚の付いたストリングスが
R&Bっぽいグルーブを作り、サビではド派手なトランスになってしまう#2Guiltyは、
茅原実里のPrecious Oneを作曲した藤末樹作です。作詞の嵌め方が聴いていて面白い。これも良いです。
水樹自身による作詞作曲の#3アパッショナートは、三嶋章夫プロデューサーからの指示も
あったようで、完全なるへヴィメタルになっています。冒頭からブラストしまくりの
青山秀樹(Dr, 昨年亡くなられた日本を代表するドラマーであった青山純氏の息子)の
プレイが一番の聴き所です。軽めの音であるため、歌謡っぽい湿りのあるメロディを歌う
ボーカルを邪魔していません。
サウンドのアクセントとなるアルパを上松美香が弾いており、
ツインギターによるバッキングはさながらPanteraのようなリフで、
タッピングを絡めたフレーズも安定していて良いです。自身で作曲した初の楽曲である
SEVENを思わせるようなイディオムもあって、ファンならニヤリとさせられると思います。
インスト部のバリバリとしたサウンドでボーカルが無いのが少し淋しい気もします。
思いっきりメタルするなら、シャウト気味にブツ切りの歌詞を歌っても良かったかもしれません。
稗田隼人(G, 作曲家)のフラメンコギターがアレンジのカギを握っていて、
曲の展開や雰囲気を決定づけています。素晴らしいです。お気に入り。
Dreams Come Trueのカヴァー、稲垣潤一とのコラボレーションでも話題になった
#4笑顔の行方(1990)は、派手にブラスが入っており、ダンサブルな打ち込みのリズムで
一気に聴かせます。二番ではサウンドがよりすっきりとしたものに変化し、
ベースラインが前に出たかと思いきや、ブラスの存在が出てくると言うように
変化が付いていて飽きさせません。パワフルなロングトーンを起点にして、
コーラスの分厚さが心地良いラストサビに入って盛り上がっていく展開が良いです。
いつもよりビブラートを抑えたメロ部分と、サビでの
揺らし方の上手さは職人芸としか言いようがない見事な歌唱です。
ドラムンベースの如く、セクションごとに激しくリズムチェンジを繰り返すリズムトラックと、
ゴシックっぽい進行と普段の彼女の曲からは余り想像出来ない#5アンティークナハトムジークは、
室屋光一郎の細やかなストリングスアレンジも、ライブでどう表現されるか気になるところです。
米米Clubのギタリスト、林部直樹(G, いきものがかり、ポルノグラフィティ)の冒頭から続く、
スライドを効果的に絡めた、鬼のような16ビートのカッティングで始まるJBマナーなファンクの
#6Fun Fun★Peopleは、h-wonderによる提供の一曲で、彼はこういう曲調が得意なのでしょうか、
打ち込みによるベースラインも凄くアーティキュレーションの付いたものでグル―ヴィーです。
ドラムスはもっと黒いプレイでも良いのかもと思います。
Brecker Brothersのようなフュージョンの香りが漂うトランペットとトロンボーンの、
ミュートが効いた鋭いプレイも白眉です。それにしてもギターが良い音過ぎて…堪りません。
最高。兎にも角にも好みど真ん中の一曲です。
サビに向けて煽っていくようなボーカルワークもライブで観たいところです。
坂本竜太がこれをスラップ絡めながら弾いたりした日にはアドレナリンが全身を駆け巡るでしょう。
打ち込みR&B然としたリズムトラック(ベースはEXILEへの曲提供、中村一義のサポートなどで
知られる山口寛雄です)の#7FATEも、普段のシングルカップリングとは違ってバンドサウンドが
的確に取り込まれていて、結城貴弘のチェロや、今野均のバイオリンとこれだけでも豪華ですが、
佐藤竹善や田村ゆかりのバックバンドでも知られる黒田晃年のブルージーなアコギソロが特に
素晴らしい仕事をしておられます。これも勿論良いバラードです。
#8Vitalization-Aufwachen Form-はシングルのレビューをご覧ください。
宇佐美宏作曲の#9哀愁トワイライトは、近藤達郎のスウィンギーなピアノと太いベースライン
(角田文子さんと言う方でしょうか…とっても好みのプレイですが存じないです)で
ジャジーに進行するこれまた今までなかったような一曲です。宇佐美氏本によるギターソロも
コンパクトながらツボを押さえています。
若き作曲家丸田新の#10セツナキャパシティーは、門脇大輔のストリングスと藤間淳平の
アレンジと言う鉄壁のコンビで近年定番となった、ドラマティックな水樹ポップスを鳴らしています。
有明コロシアムでのファンクラブイベントで初披露された中野領太作のロックンロール
#11Ladyspikerは、ライブで聴いたときは余り嵌らなかったのですが、
こうしてスタジオバージョンを聴くと圧倒的にグルーブがあって素晴らしいです。
楽器類は打ち込みですがギターのバッキングは非常にリアルな音で、
言われなければわからないほどです。こういう曲もライブで今後テイクを
重ねるうちに輝くタイプの曲でしょう。渡辺格のアレンジしまくったソロが聴いてみたいです。
遠藤直弥作曲のポップロック#12Rock You Baby!は、本作の所々で演奏に参加している
作曲家、マルチプレーヤーの角田崇徳のギターベースと、近年では黒夢のライブサポートや
喜多村英梨のレコーディングでも活躍する楠瀬拓哉のパワフルなドラミングで、
ポップで切ないメロディや進行にもかかわらずダイナミックな音になっています。
コール&レスポンスが頭からあるというファンのための一曲と言う感じ、
きっとタオルを振って応援することになるのでしょう。準備しておきます。
イトケン×ヒャダインという、二人の個性が出まくった#13Million Ways=One Destinationは、
渡辺格(G)と坂本竜太(B)といういつものCherry Boysメンバーが参加しています。
まさかこの曲で弾くとは思っていませんでしたが、良いプレイです。
Aメロの歌謡感なんかはもうどう聴いても前山田の曲と言う感じです。
そのバックで存在感を示すベースラインと、弾き過ぎず限界で止めた渡辺格のギターソロも、
艶やかで何と上品な音なんでしょう。ユニゾンかましたクサいプレイも熱い。
矢吹俊郎作曲の#14僕らの未来は、なのはの曲ですと言われても分からない既視感を感じますが、
本作の中で聴くと溢れる90年代っぽい香りがアグレッシブです。
矢吹氏本人によるギターソロも待ってましたと言う感じで思う存分ピロピロしておられます。
初期の楽曲にかなり頻繁に入っていたあのソロの音を思い出します。
上松美香のアルパとボーカルのみで進んでいく#15愛の星-two heats-は、
巧みなアルペジオや滑らかな上昇下降のフレージングが耳を優しく撫で、
時にトレモロで情熱的に弾いていくプレイを堪能できます。
音域的にもリズム的にも、この曲は歌の内容に集中できる楽曲なのか、
歌唱も最高の出来だと思います。力強いヘッドヴォイスから微かにファルセットに抜けていったり、
低音での息の漏れが少しある感じ、そこから滑らかに繋いで力強くハイトーンへと向かっていく、
或いはフレーズの最後に少しエッジボイスが入って切なさを表現したり…
細かな表現の全て一つ一つが非常に丁寧で、この歌に込めた彼女の思いがそれだけ大きいもので
あることを物語っています。キャリアの中でも何度も巡り合う事はないであろう名曲だと思います。
昨日の時点でフライングゲットし聴いてはいますが、これですべてを語りつくしたかというと、
そんな感じは余りしないというのが本音です。
そして、あまりシングルを出さずに迎えた前作、今作は彼女のキャリアの大きな
ターニング・ポイントになるであろうと、強く感じていましたが、やはりそのようです。
ファンとしての評価を差し引いても、私は大成功だと感じています。
ライブの興行成績も国内トップクラスで、レコーディングに大きな資金を投入できるように
なるにつれて、どういう方向性に進んでいくか、レーベルに飼い殺しにはされないかと
一抹の不安を感じていた時期もありましたが、やはり彼女を支え続けてきた三嶋プロデューサーを
始めとするスタッフの方々は、極めて優れた見通しと審美眼を持っておられたようでした。
そして、水樹奈々という歌手は、そのどんな期待にも見事な化学反応を見せ、調和した音を作るだけの
能力を有しているという事も、改めて証明されたように感じます。
もう心配することは無くなりました。
最高傑作かもしれません。でもそんなことはどうだって良いんです。
ライブで、思いっきり弾けて楽しみたい、今はそれだけです。

※握手券ですが、何と高倍率を潜り抜け、当選を果たすことができました。
 大変光栄に思っております。これからも、私的名盤紹介は水樹さんを全力で応援して参ります。

アパッショナート

Fun Fun ★ People [Live]

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  1. 2014/04/16(水) 23:47:59|
  2. 水樹奈々
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今日の一枚(217) by Systematic Chaos

同人誌とゲームと音楽のにっこにっこブログ」への書下ろし

Album: 革命デュアリズム
Artist: 水樹奈々×T.M.Revolution
Genres: Heavy Metal, Hard Rock

革命デュアリズム


発売されてから期間が空いてしまいましたが水樹奈々の最新シングルです。
前回のPreserved Rosesからかなり短い期間での西川貴教氏とのコラボレーション・シングルとなりました。
初回限定盤ではPVを収録したDVDが収められています。
#2にはテレビにオンエアされた別バージョンが収録されています。
すっかりメタルシンガーとして安定したボーカリゼーションを見せている彼女ですが、
#1革命デュアリズムは、上松範康氏(Elements Garden)作曲の完全なる水樹さんの楽曲という感じで、
シンフォニックなスピードメタルの色が濃い一曲です。
ギターの歪みの音作りは今流行のデジタルな歪みですが、派手にソロは取っておらず、
スラッシュっぽい刻みや随所に入るハーモニクスでスピード感を出すことに重点が置かれています。
とんでもなく手数の多いドラムスも、バスドラムで結構遊んでいて軽くなりすぎず聴きごたえがあります。
サビでのキー設定の関係上、どうしても水樹さんの方が前に出ているように感じます。
相変わらず倍音の多い西川と少なく鋭い水樹のトーンが対照的で面白い組み合わせです。
定番化するかもしれませんね。良曲と思います。

Written By Systematic Chaos

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  1. 2013/11/10(日) 22:49:19|
  2. 水樹奈々
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今日の一枚(196) by Systematic Chaos

同人誌とゲームと音楽のにっこにっこブログ」への書下ろし

Album: Vitalization, 戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング1,4
Artist: 水樹奈々(日笠陽子)
Genres: Pops

Vitalization.jpg


久しぶりにこちらのブログに寄稿させて頂きます。
水樹奈々さんのニューシングルVitalizationと、テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」の
キャラクターソングの記事です。
シンフォギアGに関しては、H.T氏がアニメ本編やキャラクターソングに関して
詳細に記事を書いて下さっていますが、改めてサウンド面から
これらの楽曲の曲目解説を書こうと思います。
まずシングルVitalizationのレビューからです
前作のBright Streamから約1年という長い期間を経てのシングルのリリースとなります。
本作は3曲入りのマキシシングルですが、タイトル曲はElements gardenから上松範康氏が、
#2愛の星は吉木絵里子氏、#3ドラマティックラブはKOUTAPEI氏が作曲しています。
アレンジは最初の二曲がElements Garden、#3は齋藤真也氏が担当しています。
いずれの方もこれまで担当してきた面子による提供ですが、
3曲共に違った音像を作り出そうという意図が見られます。
A面の#1Vitalizationは、シンフォギアの1期のOPであるSynchrogazerからの流れに従った
打ち込み色の強くテンポの速いトラックにハイトーンボーカルが暴れまわるという王道の展開
という感じです。シンセの電子音と煽るようなストリングスという得意のアレンジで、
歌唱難度はSynchrogazerと比較すれば若干歌いやすいと言えるかもしれません。
ロングトーンはいつも通り圧巻ですが、張り上げ気味の歌唱よりは抜き気味に歌おうという意図が
見られて聴きやすいトーンになっていると感じます。
トラックの複雑なキメに対して歌唱をうまく合わせるのはかなり難しいと思います。
歌詞は当て字が頻繁に出現する何とも個性的なもので健在です。
#2愛の星は、個人的には一番お気に入りの曲です。宇宙戦艦ヤマト第七章のEDとしての提供曲です。
歌詞も綺麗な日本語で聴き取りやすく、音域的にもこの位が一番安定して出し切れていると思います。
アレンジでは近年彼女の多くの作品に関与している室屋光一郎氏によるストリングスが
ゆったりとして、かつオケを覆い過ぎない定位感で非常に好みの音です。
須長和広のベースがもう少し前に出てきても面白いかなと思います。
ハープやフルートも随所に用いられていて起伏のあるアレンジになっています。隠れた名曲の予感。
#3ドラマティック・ラブはシンセの音色がちょっと懐かしく90sを思わせるダンサブルなポップス。
ラストサビの直前のピアノの音色で少し変化があってホッとさせてくれます。
サビのリフレインがキャッチ―で良いです。

続いてキャラソンです。

戦姫絶唱シンフォギアGキャラクターソング1
マリア×風鳴 翼(CV:日笠陽子×水樹奈々)

シンフォギアGキャラソン1


日笠陽子とのコラボレーション・シングルである#1不死鳥のフランメは、
水樹奈々(高音パート)のボーカリゼーションの個性の強さや鋭いトーンゆえ、
日笠陽子(低音パート)のプレーンで清澄なトーンがどうしても存在感に欠けてしまう感があります。
寄り添って歌うために強くビブラートを掛けようとしていますが、
自然に歌うとあまり揺れない声質のためか揺れ方が少し危うげに感じます。
勿論声量は十分にあるように聴こえますし、ピッチも安定しているようです。
スパニッシュな香りがするアコギのソロが素晴らしいです。

戦姫絶唱シンフォギアGキャラクターソング4
風鳴 翼(CV:水樹奈々)

シンフォギアGキャラソン4


#1月煌ノ剣は、所々に挿入されるコーラスと堅い言い回しの多い古風な歌詞、
それに打ち込みのリズムトラックと歪みの強いギターのバッキングに三味線ソロと、
非常に個性的なアレンジが面白いです。
#2恋の桶狭間は、まさかフル・コーラスで収録されることになろうとは、驚き呆れることであります。
内容は完全なる演歌で、正に水樹奈々の本領発揮という感じのこぶし(ビブラートではない)に
タメの効いたボーカリゼーションがあふれ出る情念を表現しています。
語りのパートでは思わず吹き出しそうになりますが、ベースの音色が非常に好みで良いです。
フレーズもなかなか遊んでいて面白いですし、一番聴き所と言っていいと思います。

不死鳥のフランメ 

月煌ノ剣

恋の桶狭間

by Systematic Chaos

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  1. 2013/09/20(金) 02:02:02|
  2. 水樹奈々
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
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可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。
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