私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(253)

Album: Larsen-Feiten Band
Artist: Neil Larsen, Buzz Feiten
Genres: Soft Rock, AOR, Blue-Eyed Soul

Larsen-Feiten Band


アメリカ、フロリダ州サラソタ出身のキーボーディスト、アレンジャー、作曲家の
Neil Larsenと、ニューヨーク、センターポート出身のギタリスト、シンガーソングライターの
Buzz Feitenの二人によるAOR, ソフトロックユニットの1st。1980年作。
Neil Larsenは、70年代前半から当時の東海岸を代表するスタジオミュージシャンとして、
George Harrison, Kenny Loggins, Whitney Houston, Jimmy Cliff, Rickie Lee Jonesなど
150を超えるアルバムレコーディングに参加しています。
80年代後半から90年代にかけては Al Jarreauのツアーサポートとして、
00年代以降はB.B. Kingのソロアルバムに参加したりRobben FordやGregg Allman、
Rickie Lee Jonesらのツアーに帯同したりと活発に活動しています。
Buzz Feitenは、後期Rascalsへの参加やそのメンバーであるFelix Cavaliere's group
(Felix Cavaliereの項を参照)、ジャズドラマーのDave Wecklのバンドメンバーとしての活動で
知られています。彼もまた東海岸を代表する超一流のスタジオミュージシャンとして、
Bob Dylan, Aretha Franklin, The Brecker Brothers, Gregg Allman,
James Taylor, Chaka Khan, Olivia Newton-John, Rickie Lee Jones, Stevie Wonder, David Sanborn,
Kenny Loggins, Jeff Lorber, Boz Scaggs, Mr. Mister(Pagesの項を参照)など、
数限りない超有名アーティストの作品で切れ味鋭い演奏を聴くことができます。
エレキギターをやっておられる方であれば、一度は聞いたことのあるであろう
Buzz Feiten Tuning System(BTS)も、彼の発案によるものであることは、
自分の世代の界隈では意外と知られていませんでした。
Neil LarsenとBuzz Feitenの二人は非常に長い付き合いで、
Neilがニューヨークへと移住した1971年当初に知り合ったようです。
ファンの方ならば知っていることと思いますが、Nielは、NY移住後すぐに、Buzzのバンドである
Full Moonという、エレクトリック・ジャズからフュージョンが生まれる前夜であった
当時としては、極めて革新的な音楽性であったジャズ・フュージョンバンド
(元々はBangという名前でした)に参加し、活動するようになります。
Full MoonはNY界隈では人気を博したものの、短命に終わってしまいます。
(現在ではFull Moonのアルバムが2008年に待望のCD化を果たし、私たちにも手に入るようになりました)
その後Neilは、Nick DeCaro/Italian Graffiti('74)のプロデュースでその名を知らしめた
プロデューサーのTommy LiPumaに見出され、ソロ1stのJungle Feverをリリースするに至ります。
このソロ1stと、2ndのHigh Gearのレコーディングの際にNeilはBuzzを呼び寄せ、
共にレコーディングしました。レーベルの活動停止と言う不遇のためワーナーへと移籍した
Neilは、再びLiPumaをプロデューサーとして迎え、Willie Weeks(B,ex Donny Hathaway,
The Doobie Brothers), Art Rodriguez(Dr),Lenny Castro (percussion, background vocals)を加えて、
Larsen-Feiten Bandを結成することとなります。サポートにはLarry E. Williams (Tenor Sax)や
David Sanborn(Alto Sax),Chuck Findley(Trumpet)など優れたホーンセクションを擁しています。
全米29位のヒットとなった#1Who'll Be The Fool Tonightは、極めて粒立ちの良い単音カッティングの
リフと、ブルージーなソロが最高に歌っていて素晴らしいです。
緩いグルーブを感じるドラミングは如何にもブルーアイドソウル的です。
#2Danger Zoneは、パーカッシブなRhodesのリフと、シルキーな歪みのリードギターが
歌の間を埋めるように饒舌にフレージングしていくファンキーな一曲。
2分40秒くらいから長いギターソロがあります。
キーボード中心のフュージョンライクでキャッチ―なインスト曲#3Further Noticeは、
Willie Weeksのモータウンっぽいメロディアスなベースラインが最高にクールです。
シンセの音はさすがに時代を感じさせますが今の時代に聴くと逆に(何が逆なんでしょう…)
また不思議な魅力があります。
#4Overは、透き通ったコーラスが印象的でメロウな冒頭から、サビに向かってハードロック的な
ギターリフが入って来ます。
ダンサブルなビートと、オクターブ奏法にスラップを絡めたベースラインの作る、
腰に来るグルーブで一気に掴まれる#5She's Not In Loveは、明らかにディスコを意識した音で、
これも時代の先を読んでいる音で驚かされます。サビのコーラスも少しジャジーで素晴らしい。
ギターソロもクサクサでお気に入りです。
レゲエを意識したクリーンのカッティングと、パーカッションの織り成す異色なノリに、
ウェストコーストっぽいノスタルジックな香りのするメロディと、オルガンのバッキングが
心地良い#6Mornig Starも名曲。夕暮れに聴きたい一曲です。アウトロのギターソロは白眉。
無駄な音が一音たりとも無い、弾き過ぎの一歩手前で完璧に止まる美学を、
Buzz Feitenのソロ全てに感じます。最高。
ホーンセクションが緊張感のある緻密なアンサンブルを見せる#7Make itは、
テーマの大仰な感じがまた良いです。
#8Aztec Legendは、壮大なテーマを弾く饒舌なキーボードと、重いリズム隊で
ドラマティックに終わっていくインストです。
8曲収録で歌ものとインストのバランスも良くて聴きやすい作品ですが、
全ての曲に、ポップス、ハードロック、R&Bやソウル、ファンク、ジャズ、レゲエと
様々な音楽への深い洞察が感じられ、今聴いても全く色褪せることのない音だと思います。
70年代末から80年代初頭の、クロスオーバーミュージックのスタンダードとして、
広く聴かれるべき重要な作品の一つだと、私は思います。

Who'll Be The Fool Tonight

Danger Zone

She's Not In Love

Morning Star

この記事をはてなブックマークに追加

スポンサーサイト
  1. 2014/02/04(火) 21:53:34|
  2. Larsen-Feiten Band
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

総閲覧者数(ユニークアクセス)

アクセスカウンター(PV数, 2013/12/26より集計)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

にほんブログ村 CDレビュー

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村

Feedly(RSSリーダー)で「私的名盤紹介」を読む

RSSリーダーとは、Google, Feedlyなど複数あるアプリまたはサイトを用いて自身で登録したブログの更新を自動で確認し、さらにブログ記事をテキストと画像、リンクのみの軽い状態で見ることができるツールです。 管理人も便利ですので積極的に使っております。 Feedlyにはスマホ向けアプリもありますが、PCはブラウザで操作でき動作も軽いため使っております。

follow us in feedly

「私的名盤紹介」管理人Twitterをフォローする

私的名盤紹介トップページをはてなブックマークに登録する

「私的名盤紹介」トップページをはてなブックマークに追加

「私的名盤紹介」管理人によるはてなブックマークを見る

管理人が普段見ている音楽系サイトで、気になる記事について、日々 「はてなブックマーク」を使ってコメントを付け、まとめております。 当サイトであまり取り扱わない音楽ジャンルの記事、年間ベスト、評論など雑多に取り扱っています。フォロー頂けると嬉しいです。

私的名盤紹介はてなブックマーク

「私的名盤紹介」管理人Twitter

TweetsWind

にほんブログ村ランキング(CD Review)

もし記事を楽しんでいただけましたら、お手数ですが 下の「このブログに投票」のところをクリックしていただけると大変嬉しいです。 投票はランキングに反映されます。

RSSリンクの表示

Ninja Tools(アクセス解析)

検索フォーム

相互リンク 音楽系レビューサイト

このブログをリンクに追加する

現在の閲覧者数

現在の閲覧者数: