私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(282)

Album: 証×明 -SHOMEI-
Artist: 喜多村英梨
Genres: Melodic Metal, Power Metal, Pops, Visual

証×明


東京都出身の日本の声優、歌手。1987年生まれ。
以前1stフルが出た際にも記事をお書きしました(詳細は喜多村英梨の項を参照)が、
先日2ndが出たばかりですので、こちらも早速紹介したいと思います。
今作も、前作に引き続いて山崎寛子と河合英嗣がメインで作曲(山崎寛子は作詞も)を
担当し、一部山口朗彦も提供しています。
それ以外には、新谷良子のプロデュースや鈴木達央とのユニット、OLDCODEXでの活動で知られる
R.O.N.(飯田龍太)が参加するなどしており、
作詞ではけいおん!シリーズの楽曲で知られる大森祥子が参加しています。
ジャケットの色鮮やかで華やかな絵柄から想像させるようなサウンド、と言うべきなのかは
分かりませんが、今作は前作以上にメタル色の濃いクロスオーバーとしての風格を備えた作品と
なっており、シンフォニックメタルもあれば三味線の音を導入した陰陽座流のメタルなど、
メロディックでありながら、メロコアっぽい前のめりな雰囲気の強かったリズム隊の演奏は、
より重くチューニングされたドラムの音も相まってへヴィなものとなっている印象があります。
元Galneryusのベーシスト/ギタリストであるLedaや、GRANRODEOのベーシスト瀧田イサム、
T.M.Revolution, Acid Black CherryのサポートベーシストであるIKUOなど、
今作も腕利きのスタジオミュージシャンが参加しています。
#1証×炎-SHOEN-から明らかにドラムスの音色がより重いものへ変わっており、
元GalneryusのLeda(yu-to)の如何にもモダンなハイゲインの歪みの音によるリフが心地良い
スピードメタル。ストリングスのアレンジやコーラスの存在感が大きく、
アウトロの三味線やバッキングの尺八で日本風のテイストを感じさせます。
ユニゾンチョーキングをかましたギターソロはクサクサですがそれがいいんです。お気に入り。
前作のデモ音源として作られたバラード#2月詠ノ詩は、ピッキングハーモニクスを絡めた
ハードな歪みのギターのバッキングや、ピアノとフレーズが重なるようにして効果的に
用いられた、和琴のような音色のシンセフレーズで味付けされていますが、
ボーカルの表現はあくまでも柔らかく女性的です。軽くワウを掛けたギターソロは白眉。
雨だれのようなSEから入るスウィングジャズ風の#3Nonfictionistaは、
低音の艶やかな響きがあるボーカルの魅力が存分に引き出されています。
ほんの少しファルセットに返る時のエロさは半端ではありません。
ピアノのパーカッシブなフレージングや左チャンネルで角の取れた箱ものっぽい音の
リードギターがなかなかに弾きまくっていて良い味しています。
ドラムスは手数の多くロックっぽいハッキリとしたフィルが聴けて、
これが良くマッチしています。これもお気に入り。
先行シングルのシンフォニックメタル#4Destinyは、タムを派手に回したドラミングが
気になりますが、サビ前の切ない進行は少し変化球になっていて良いです。
トレモロとチョーキングしまくりの泣きのギターソロがあり、ベースのフィルがあって
ピアノソロからラウドになっていく後半の展開は非常にダイナミックです。
ゴスペルライクなコーラスと、テーマとなるギターのイントロからピアノ弾き語りとなる展開で
一気に掴まれる#5Birthは、一瞬の部分転調で変化が付いた起伏のあるサビが特徴的です。
こちらも音はへヴィですがアウトロなど内容はキャッチ―なアニソンで聴きやすいです。
最近のJohn Petrucciを思わせるようなデジタル感のある歪みの、河合英嗣(G)のバッキングが
楽しめる#6Sha-le-laは、デジタルなシンセサウンドと派手な打ち込みのキック
で盛り上げていきます。
#7PIXYは、歪みをかけたボーカルとエフェクトの掛けられたコーラスの印象的な、
疾走感のある爽やかでR.O.N.氏の個性が出たハードロックテイストのポップスに仕上がっています。
ドラミングも軽く、ギターのカッティングの音もパンキッシュです。
続いてR.O.N.作曲の#8STARLET SEEKERは、メロコアっぽいリズム隊の演奏、とりわけボスっとした
スネアの心地よいドラムスと、歌メロに寄り添いながら動くピアノのバッキングで爽やかに
聴かせるポップロックな一曲です。こういう曲調は外れ無しです。
ヴィジュアル系への傾倒がはっきりと出たロックバラードの#9sentimentは、
本人による作詞の一曲です。オケがスッキリしていてベースやクリーンのカッティングが
良く聴こえる音像で一服の清涼剤と言う感じです。
こちらも先行シングルの#11Miracle Glidersは、アンビエントなイントロから、
一転して柔らかい歌唱で、大森祥子のサビの可愛らしい歌詞が非常に良く合っています。
シンセの散りばめられた音像の中で、ギターのバッキングがキラキラしていて
適度なアクセントとなっています。カッティングソロも入っていてこれもまろやかで良い音です。
それを起点にして後半のプレイがハードになっていくのも面白い。名曲だと思います。
高い音にチューニングされたスネアが響くドラムスの作る疾走感が駆け抜ける
#12Pleasure→Linkは、ボーカルの甘く丸いトーンが心地良いシンプルなポップスです。
やはりギターソロは音数が多く、後半ではコール&レスポンスのできる構造になっています。
ライブ楽しそう…行きたくなって来たじゃありませんか…
意味深(?)な台詞が散りばめられた#13\m/(メタルピース)は、サビ後のブレイクダウンの
パートが完全にメタルになっていて、おそらくライブでは怒号が飛び交うのだろうと
思うと少し頬が緩んでしまいます。モロにネオクラなソロを弾く河合英嗣もノリノリです。
リフのスラッシーさ、挿入されるツーバスのエグさと言い、これはこれで面白い曲です。
最後はボーカロイドのように加工された声が活用されています。
ボーカルも歌いやすいメロディなのもあってパワフルです。
今作も、全体として非常に均整の取れバンドサウンドとボーカル表現で佳作に
仕上がっていると思います。ますますライブに行きたくなってきました。

証×炎-Shoen-

Nonfictionista

sentiment

Miracle Gliders(Short Version)


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  1. 2014/04/15(火) 01:27:21|
  2. 喜多村英梨
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(256)

Album: Re; Story
Artist: 喜多村英梨 
Genres: Pops, Melodic Metal, Power Metal, Visual

Re;Story


東京都出身の日本の声優、歌手。1987年生まれ。
声優としてのデビューは2003年で、それ以前には子役としてテレビドラマ、特撮作品などに
出演した経験もあります。デビュー当初からキャラクターソングを多く残している他に、
2004年には、早くもポニーキャニオンからソロ名義で2枚のシングルを発表しています。
その後ランティスからも2枚のシングルを発表していた彼女ですが、事務所の移籍問題もあったのか、
フルアルバムはスターチャイルド(キングレコード系レーベル)に
移籍してからのシングルを中心とした、2012年作の本作が1stとなります。
2011年にスターチャイルド移籍1stシングルBe Starters!をリリースして以来
ハイペースでリリースが続き、3枚目のシングルHappy Girlはオリコンシングルウィークリーで
初登場5位、本作も週間アルバムランキング5位とスマッシュヒットを記録しています。
音楽的には本人が普段から愛聴しているというパワー・メタルやメロディック・メタル
とりわけシンフォニック・メタルの影響が色濃く見られますが、
サウンドのアレンジやボーカルのスタイルから想像するにヴィジュアル系への指向性が窺われます。
実際は声優のソロアルバムらしく、へヴィな音像の作品(アルバム前半)のみに留まらず、作家による
個性が多種多様に出た作風になっており、メインの作家である新進気鋭の山崎寛子に加えて、
テレビアニメ「みなみけ」シリーズなどの作曲でも知られる山口朗彦、ギタリストの河合英嗣を
迎えて、ダンサブルでデジタル色の強いポップスからバラード、
ジャジーでスウィンギ―な楽曲まで幅広く制作されています。
基本的に生演奏による録音で、スタジオミュージシャンは、表題曲#1re;storyでは
日本を代表するへヴィ・メタルバンドGalneryusのSyu(G, #1)が、ストリングスアレンジでは
現在のポップス界隈で最も忙しい人物の一人と目される室屋光一郎(#1,#5,#9,#11)、
他にも作家、アレンジャーとしても知られる黒須克彦(B, #1), 水樹奈々のバックバンドでも
知られる福長雅夫(Dr, #3)など名の通った御仁が部分部分でいい仕事をしておられます。
#1re;storyは、全編を流れる高域の透き通った流麗なストリングスと、かどしゅんたろう(Dr)の
手数の多く前のめりなドラミングが作る疾走感で一気に聴かせるシンフォニックスピードメタル。
ソロはSyuがいつも通りバリバリにピロピロ弾き倒しています。
低音の艶やかなボーカルのキー設定もダウンチューニングしたギターとかっちり嵌っています。
耽美的なウィスパーが入って緩急が付く展開もクールです。
#2Veronicaは、Ikuo(B)の作る太いベースラインとフュージョン系のプレーヤーならではのスラップ、
そして相変わらずツーバス踏みまくりのアグレッシブなドラムスが忙しないハードロック。
河合英嗣自身によるギターソロも弾き過ぎず見事です。
#3紋は柴崎コウの作曲で知られる市川淳によるキャッチ―で哀愁あるメロディに対して、
和琴によるサスティーンの短くパーカッシブなリードプレイと、単音リフでゴリゴリと展開する
ギターのフレージングが厚みのあるサウンドを作ります。ワウを強くかけたギターソロも
暴れていてこれも良いです。福長雅夫のドラムスは手数抑え目でジャストで、
端正なプレイでこれも好みの音です。
#4足跡は、Ikuoの音数の多いフィルで前に出てくるうねるベースラインと、
ピコピコしたシンセ、柔らかいコーラスの定位が瑞々しいポップロック。
サビ前の歌詞の引っ張り方が印象的。
#5aliveは、緩やかなイントロからストリングスがドラマティックに鳴り渡りながら
メロコアっぽく進行するメロ部分は、キメを繰り返しながら繰り出される河合英嗣(G)の
バッキングの音が心地いいです。この辺の展開は如何にもヴィジュアル系と言う感じ。
サビでのノートの曲げ方も器用で巧みなボーカリゼーションです。張り上げはもう少し
パワーが欲しいところです。
#6Baby Butterflyは、冒頭の喧噪のSEからピアノで一気に掴まれます。
佐野康夫(Dr)はキラキラしたシンバルレガートでしっかりスウィングしたあとは、
情熱的にタム回しで轟音を作りつつ手数多く、ホーンも入って賑やかになります。
間奏はお決まりのウォーキングベースとトランペットソロ、かと思いきや
ギターソロへと雪崩れ込んでいくという展開も楽しい。高音域に入るときに薄くなっていく
トーンの変化や、ブレスのエロさが伝わってきます。お気に入り。
#7LOVE&HATEは、シンセの分厚いバッキングに、デジタルな歪みのカッティングが歯切れの良い一曲。
サビのリフレインも印象的です。
#8brand-new bloodは、#1, 2にも増して更にリズム隊が硬質な音になっていますが、
オクターブとカッティングを絡めたギターソロもテンションを引き上げてくれます。
ここまでオケが重いと、歌い続けるライブ後半では声が負けそうになってしまう
可能性もあるかもしれません。
一転して山口朗彦作曲の1stシングル#9Be Starters!は、甘く、鼻腔共鳴の強いトーンで
柔らかく歌うスタイルへと一気に変わり、シンセのキラキラとしたポップロックになります。
サビメロのロングトーンの伸びやかさや切なさを内包したボーカルは表情豊かで素晴らしい。
ギターソロはやっぱりハードでそこが良いんです。
本人作詞の#10→↑(My Way)は、手拍子が入り、サビの軽やかに韻を踏んだ歌詞で覚えやすく、
ライブ向けに作られた曲でしょう。ただ彼女が歌うとこういう曲でもどこか淋しげな空気を
醸し出すのが魅力と思っている人は私だけだろうか…
ライブでLALALAと歌ってみたくなりました。これは術中に嵌っておりますね。
ヒットシングルの#11Happy Girlは、ますますキュートな声になって、スタッカートの効いた
メロディをスイスイと歌っていくメロ部分と、中毒性の高くダンサブルなサビのバランスで
心を掴まれます。
#12My Singingは、アコギのバッキングにスクラッチと電子音を上手く重ねたロックバラード。
ベースはRIZEのTOKIEが弾いています。
#13Be A Diamondは、メロコア風のドラムスにブリブリしたベースラインの作る
ソリッドなグルーブで聴かせるシンプルなガールズロック。
サビの歌詞はライブでのコール&レスポンスを意識したような展開になっています。
メタル曲にせよポップスにせよメロコアにせよ、どの楽曲もリズム隊が非常にタイトな演奏で、
ロックグルーブのある仕上がりになっています。
多くの曲でギターを担当した河合英嗣のギタープレイが素晴らしく、個人的にとても気になりました。
ボーカルは声優の方らしく引き出しの多さを見せており、楽曲に合わせてトーンを作っても、
それで完璧に歌いきってスタイルにしてしまうという能力は言うまでもありませんが、
耽美主義的な音像で音の密度の高い前半に限らず、ポップで甘くいい意味でアニメソング然とした後半も、
彼女自身の地声の低さゆえか、メロディに独特の切なさが付加されているような印象を受けます。
兎にも角にも、2ndアルバムも含めて今後の活躍が注目されるに違いない方だと思います。良作。
ライブにも参加してみたいです。 

re;story

Happy Girl (TV Spot)

Be Starters! [Live]

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  1. 2014/02/12(水) 23:57:45|
  2. 喜多村英梨
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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