私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(258)

Album: Ⅱ Grande Gioco
Artist: Albero Motore
Genres: Progressive Rock, Fusion, Jazz Rock, Psychedelic Rock

2 Grande Gioco


ギタリスト、プロデューサー、シンガーソングライターとして60年代初頭からイタリアン・ロックの
黎明期に活動を開始し、現在まで活発にリリースを続けているRicky Gianco(1943-)に見出され、
イタリア、ローマで1973年に結成されたプログレッシブ・ロックバンド。
メンバーはMaurizio Rota (Vo, Per), Adriano Martire (Key), Fernando Fera (G)
Glauco Borrelli (B, Vo), Marcello Vento (Dr,後のCanzoniere Del Lazio(72年から78年
まで活動していたフォークロック、プログレバンド)のメンバー)
という、後にイタリア国内で腕を振るう事となるスタジオミュージシャン5人です。
Albero Motoreとは、イタリア語でピストンの往復運動を回転力に変えるための
軸であるクランクシャフトを指すようです。
1974年作の1stにして彼らの唯一の作品です。本作は新宿のDisk Unionでたまたまジャケ買いした
作品の一つで、色々と調べてはみましたが情報のソースの殆どがイタリア語しかなかったため、
正確な情報をお書きできるかどうか定かではありませんが御了承下さいませ。
発売年に関しては、店頭の商品紹介では67年と言う手書きの表示があり、
Disk Unionの公式ウェブサイトによっては69年作品とも書かれていたのでもともと
ハッキリとしていないのであろうと思います。
私の持っているCDは2007年にリマスターされたイタリア輸入盤なので、
おそらく本国ではそれなりの知名度のあるバンドだと考えてよいと思います。
イタリアン・プログレと言って一般に思い浮かべられるようなスペイシーな音像ではなく、
むしろ作品の内容としてはロック色が強い作品で、
キーボードの派手な音遣いに見られるようなサイケデリック・ロックからの影響や、
アメリカのクラシックロックに多くあるようなギターリフの構造が見受けられます。
Marcello Ventoのドラミングは軽いながらも非常に手数が多く難しいことをやっていますし、
他のメンバーも当時としてはかなりテクニカルな演奏難度の高い曲が多いことも特徴と思います。
とりわけクラシック・ロック色の強い#4Landruや、カントリーからの影響が色濃い
#6Nel giardino dei LillaにはFrank Zappa或いはSteve Winwoodの在籍していた
ブリティッシュ・プログレバンドのTraffic(1967-1974)にあるようなイディオムが散見されるのも、
特徴的と感じます。
他にも#7Capodanno '73はロック寄りのフュージョンとも取れるような音を感じ取れて、
なかなか時代の先端を行っていた音であることを想像させてくれます。
#1Cristoforo Colomboは、左右に振られたパーカッシブなキーボードのリフと、
モータウンっぽい香りのするGlauco Borrelliのモコモコしたベースラインがクールです。
ギターソロはストラトらしい透き通った音色でブルージーで、
弾き過ぎていなくてかっちりしたグルーブがあります。 プログレじゃないですが良い曲です。
最後1分30秒はシャウトがあり、キーボードのファンキーなロングソロがあります。
フェードインと共に始まる#2Le Esperienze Passateは、フォーキーなストロークに乗せて
軽やかなキーボードソロが聴ける前半部から左右に分けられた歌の掛け合いと、
スペイシーなキーボードで静かに進行する後半へと展開してきますが、
バスドラムが生み出すリズムはかなり入り組んでいて、プログレ臭を漂わせます。
#3Una Vita Di Notteは、軽くはありますが切れ味鋭く攻撃的なフィルが印象的なドラムスが
暴れる中でピアノソロが光ります。コーラスのハーモニーにはBeatlesの影が見え隠れしていて
時代の音と言う感じです。
#4Landruはシャキシャキしたトレブリーなリズムギターと歌うようなベースラインが堪らない
クラシックロックですが、ドラムスは相変わらずフュージョン的な疾走感があり、
軽快で手数が多く、緊張感があります。ノリノリな女性コーラスと、Maurizio Rotaのパワフルで
しゃがれたボーカルが綺麗な対比をなしています。アウトロの饒舌なキーボードソロ、
ワウを絡めたサイケデリックなギターソロと熱いドラムが絡みつきます。最高。
カントリーっぽい速弾きのギターソロと、哀愁漂うメロディにイタリア語の巻き舌な発音で
掻き立てられる#5Israeleは、エフェクトの掛かったコーラスで不気味に進行したり、
激しくフランジャーの掛かったギターソロでサイケデリックに終わっていきます。
#6Nel Giardino Dei Lillaは、左チャンネルを流れるアコギの高音の透き通ったバッキングと、
消え入りそうなハーモニカによるフォーキーなソロが印象的です。
カンタベリーっぽい音像も魅力的です。
2分40秒の短いインスト#7Capodanno '73は、メンバーのテクニックが炸裂するフュージョンで、
クリーンのカッティングを絡めたリズムギターと、煽り立てるようなスネア連打が作る
疾走感あふれるリズムに、火花の散るようなキメを繰り返していきます。これもお気に入りです。
たまたま購入するに至った作品で、レコードから音を起こしたためか所々にノイズが
入ってしまっていますが、Sgt. Pepper'sのようなサイケデリックな前衛性もありながら
フュージョン風の洗練された曲や、フォーキーで温かい曲もあって、
今聴いても斬新さのあるサウンドだと思います。正に掘り出し物の名盤でした。
これだからジャケ買いはやめられません。

Cristoforo Colombo

Le esperienze passate

Landrù

Israele

Capodanno '73

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  1. 2014/02/19(水) 21:48:31|
  2. Albero Motore
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
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