私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(276)

Album: Karyn White
Artist: Karyn White
Genres: R&B, Pops, New jack swing

Karyn White


アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身の女性シンガー。1965年生まれ。
元夫はJimmy Jam and Terry LewisのTerry Lewisです。
(Janet Jacksonや、日本では宇多田ヒカルのAddicted To You, Wait&See ~リスク~の
プロデュースでも知られる)
80年代後半から90年代前半にかけて、Bobby BrownやWhitney Houston, Soul Ⅱ Soul, Brandy,
Tom Jones, R. Kelly, Cheryl Lynnなどのプロデュース、楽曲提供を務めたTeddy Rileyによる、
いわゆるニュージャックスウィングと呼ばれるジャンルのシンガーの一人として
(日本ではブラック・コンテンポラリーと呼ばれることが多かったようですが)知られています。
このニュージャックスウィングというのは、80年代におけるヒップホップの台頭をきっかけとして、
リズムマシーンによるリズム構築と、シンセサイザーによるバッキングを中心としながら、
打ち込み然としたサウンドの中で、既存のファンクに近いグルーブを生み出したり、
或いはゴスペルや洗練されたソウルのハーモニーの重ね方をも取り込んだR&Bを指しています。
Michael JacksonのDangerous(1992)などを代表する、当時としては革新的な音楽性であり、
現在のR&B系シンガーのサウンドプロデュースにまで深い影響を与え続けるムーブメントとなります。
Karyn Whiteはもともとジャズ/フュージョンを代表するキーボーディストであるJeff Lorber
(詳細はJeff Lorber Fusionの項を参照)のバックコーラスとして、シングルFacts of Love(1986)などで
レコーディングに参加していました。本作でも#8Tell Me Tomorrow, #9One WishはJeff Lorberが
プロデュースしています。1988年作の1st。Top R&B/Hip-Hop Albumsで1位、
Billboard 200では19位の大ヒット作となりました。
プロデュースは、本作でのヒットをきっかけとして、90年代R&Bを代表する
ソングライター/プロデューサーチームとなり、TLCやBoyz Ⅱ Men, Mariah Carey, Jay-Z
Justin Bieber, Rihanna, Kanye West, Usher, Ne-Yoなどの楽曲を手掛けることとなる、
L.A. & Babyface( L.A. Reid(1956-)とBabyface(1958-)による二人組)が担当しています。
今挙げたようなアーティストの楽曲からすると、本作のイメージとは少し異なりますが、
初期のBabyfaceの作風を窺い知ることができる貴重な作品だと思います。
ダンサブルで、ギラギラとした潔い打ち込みのサウンドは、80年代末と言う
ディスコブームの空気感をまだ色濃く残しています。
#1The Way You Love Me(US R&B#1)は、冒頭から脳天を直撃するシンセの音の雨に、抜けの良いスネアと
細かく入ったキックの作るグルーブに対して、タイトなリズム感の伸びやかなボーカルが絡みます。
シンセベースの存在感や、サビに入る瞬間のコーラスの定位感もど真ん中です。最高。
続く#2Secret Rendezvousは、如何にもMichael Jacksonの曲にありそうな進行と、
ブレス音のエロティックさ、メロディとユニゾンするシンセが時代を感じさせるダークで
キャッチ―なパターンミュージックです。ここでもやはりシンセベースが良い仕事しています。
中盤ではBabyface自身によるギターソロが光ります。アウトロのパワフルな歌唱は、
ソウルフルさの中にシティ・ミュージックの香りが湧き立っていて、これもカッコ良いです…
Steve Harveyプロデュースによる#3Slow Downは、少し落ち着いたリズムトラックと、
Steveのエスニックな香りを漂わせるフレージングが印象的なキーボードが聴き所です。
テンポを落として彼女のボーカルがフィーチャーされたバラードの#4Superwoman(US R&B#1)は、
高音域で僅かに歪むトーンのリードヴォーカルと、透き通った柔らかいコーラスが対比的です。
再びダンサブルな#5Family Manは、シンフォニックなBabyfaceのキーボードが耳に残ります。
Babyfaceとのデュエット曲#6Love Saw Itは、彼の、豊かなチェストから独特なファルセットへの
抜き方に耳を奪われます。その反面ハイトーンの伸びは非常にパワフルです。
#7Don't Mess with Meは、サビでのコーラスが疾走感を作る一際ファンキーな一曲です。
ドラムスの音も一層大きくなっています。
Dann Huff(G, Taylor Swift, Celine Dion, Mariah Carey, Michael McDonald etc)の
一点の曇りもないトーンのバッキングが映える#8Tell Me Tomorrowは、クワイエットストームな
バラードですが、ドラムは結構手数が多いです。
シンフォニックなシンセの分厚い音も良く合っています。
飛び切りポップなJeff Lorberの#9One Wishは、彼自身のガラスの弾けるようなキーボードのバッキング、
ハーモニカソロのような温かさのあるソロが最高です。
偶然中古CDショップで見つけて購入した一作ですが、時代の音と言う感じがして、
録音も良くてこれは文句なしの収穫でした。

The Way You Love Me

Secret Rendezvous

Superwoman

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  1. 2014/03/25(火) 02:36:03|
  2. Karyn White
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
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