私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(302)

Album: Urban Renewal
Artist: Ramsey Lewis
Genres: Jazz, Fusion, Hip Hop, R&B, Funk

Urban Renewal

アメリカ、イリノイ州シカゴ出身のジャズピアニスト、作曲家、ラジオパーソナリティー。
1935年生まれ。DePaul大学卒。キャリアの中で7つのゴールドディスクと、3度のGrammy Awardを
受賞しています。4歳の頃にピアノを始め、15歳のときにThe Cleffsというジャズバンドを
結成し、そのメンバーであったIsaac "Redd" Holt(Dr)とEldee Young(B)とともに、
Ramsey Lewis Trioとして1956年に1stアルバムを発表し、活動を開始します。
その後、彼のトリオはCleveland EatonやEarth, Wind & Fireを結成する以前のMaurice Whiteなど、
様々なメンバーを迎えて活動し、恐るべき多作家ぶりを発揮して作品をリリースしています。
特に1965年作のThe In Crowdは、それまでのストレートアヘッドなジャズからポップ路線へと
切り替え、全米2位のヒットを記録し、Grammy AwardのBest Jazz Performanceを
受賞しています。70年代に掛けてはColumbia Recordsへと移籍して、
エレクトリック・ピアノを中心としてRoy AyersやHerbie Hancockなどがそうしたように
ファンクやR&Bへと接近していき、1966年と1973年にはR&Bのアーティストとしても
Grammy Awardを受賞しています。1974年作のSun Godnessはプロデューサーとして
かつてのバンドメンバーであるMaurice Whiteを迎えて制作されています。
本作はColumbiaからGRP Recordsに移籍する直前期の作品で、1989年作の59th。現在は廃盤。
この時期の彼は、Hip Hopの台頭と、その影響を受けたニュージャックスウィング
(ニュージャックスウィングについてはKaryne Whiteの項を参照)のサウンドへと接近しており、
打ち込み然としたリズムトラックや、スクラッチを効果的に取り入れたサウンドを
指向しながらも、Steve Cobbによる生ドラムやElliott Randall(Steely Dan)のギター、
自身によるテクニカルなピアノソロやBill "The Buddha" Dickens(B)の
ベースプレイによる強烈なグルーブもあって、スリリングなサウンドに仕上がっています。
プロデュースはWynton Marsalis(Art Blakey & The Jazz Messangers, Herbie Hancock)と
タッグを組んでいることで知られるDr. George Butlerが担当しています。
#1Jagged Edgeは、リバーブの掛かったカッティングと、打ち込みによるソリッドなドラムスで
ファンキーに進んでいきますが、スクラッチが効果的に入ってヒップホップに近いグルーブを
創出します。ピアノは明瞭で力強いタッチで、巧みにスケールアウトしています。
ウネウネしたサステインの短いシンセベースも歯切れが良くキレッキレです。お気に入り。
如何にもフュージョン的(往年のジャパニーズフュージョンのよう)なテーマを吹くホーンと
女性ボーカルが断片的に登場する#2Eye on Youは、Steve Cobbの鋭く切り裂くような
スネアがストレートなグルーブを見せ、最後にはロボットボイスも出てきて楽しい。
冒頭の速弾きから、ハンドクラップとドラムスの作る複雑なリズムの中で
軽妙に歌うボーカルのポップな#3Dr. Ramseyに続いて、
クリーントーンのギターとドラマティックなピアノのフレージングのバックで、
抑揚の付いたシンセが大仰でニュージャックスウィング的な#4 2-Slamは、
後半でRamseyの長いキーボードソロが用意されています。
サンプリングされたヴォイスが短くループされ、ビシビシとしたキックが多く刻まれる中で始まる
#5Livin' Largeは、男女のツインボーカルが妖しく歌う前半部から、
弾きまくりのピアノソロを中心にした後半部へと展開していきます。
一転して甘美でゆったりとしたバラードの#6Bernieceは、ここまでのシンセバリバリなサウンドから
一気にアコースティックになっています。フィリーなストリングスと、
低音が良く出ていて輪郭の滲んだBill Dickensのベースが素晴らしい。
ギターソロはおとなしいですがこれも繊細で透き通った音で、曲のクライマックスに向かって
激しくなっていきます。電車の走っていくSEが入って終わっていきます。お気に入り。
晩年のMiles Davis/Do Bopを思わせるようなトランペットのイントロが印象的な
#7Make A Wishは、高音の硬質な音が印象的なピアノのテーマのバックで微かに聴こえて来る
ギターのバッキングも素晴らしい。
ピアノソロによるバラードの#8There's No Easy Wayは、穏やかな前半から徐々に
左手のパートが激しくなり、一気にへヴィーなリズム隊が入ってきます。
そして再びピアノソロへと戻ったりしつつ、絶妙にリズムチェンジしながらストーリーを
作っています。お気に入り。
Elliot Randallの、穏やかなアコギのバッキングに、ブライトで力強いピアノがテーマを
絶妙に崩しながら弾く#9Love Songも前曲に続いて抑揚の付いたSteve Cobbのドラムスに
耳が行ってしまいます。
耽美的で暖かいバラード曲と、キレキレでソリッドな曲が絶妙なバランスで
織り交ぜられていて、すっきりと聴けてしまいます。
スムースジャズ・フュージョンとポップス、ヒップホップの間で巧みに揺れ動く
都会的なクロスオーバー作品。

Eyes on You

Berniece

There's No Easy Way

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  1. 2014/05/28(水) 14:34:03|
  2. Ramsey Lewis
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  4. | コメント:2

プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
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