私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(312)

Album: American Love
Artist: Bad Rabbits
Genres: R&B, Funk, Soul

American Love


アメリカ、マサチューセッツ州ボストン出身のR&B, ソウルバンド。2007年結成。
メンバーはFredua Boakye(Vo), Sheel Dave(Dr), Salim Akram(G), Graham Masser(B),
Santiago Araujo(G)の5人で、Bad Rabbits結成以前はThe Electric Collectiveという名義で、
多くのホーンセクションを有するクロスオーバーのバンドとして活動していました。
その当時はジャズ・フュージョン色の強い音楽性であったようで、
2006年と2007年に合計2枚のアルバムを残して解散しています。
Sheel, Santiago, Freduaの三人は、インド系、アルゼンチン系と西アフリカ系の混血のようです。
2007年から2010年にかけては、ロンドン出身でニューヨークで活動していた
伝説的なラッパーの一人であるSlick Rick(1965-)のバックバンドを務めていました。
2010年にはBoston Music AwardでBest Pop/R&B bandに選出されるなど、
徐々にその名が知られるようになっていった彼らは、同年に、80年代後半から90年代にかけて、
R&Bを動かした一大ムーブメントであるニュージャックスウィングを創り上げた
シンガーソングライター/音楽プロデューサーのTeddy Riley(1967-)との邂逅を果たします。
彼らが働いていたセレクトショップの店長が偶然Teddyと知り合いであったことから
紹介を受けて、という何とも奇跡的な出会いを果たした彼らは、
デジタル配信が行われたDance With Youをリリースします。
ただ彼らの音楽が注目されたのは、このシングルがリリースされる(日本盤にはボーナストラック
として収録されています)よりも前で、2013年には同じくBoston Music Awardで
Artist Of The Yearに選ばれ、iTunes DownloadのR&B Chartで1位を獲得するなど、
徐々に活躍の場を広げていくこととなります。
プロデューサーにはオークランド出身のB. Lewisを迎えて製作されています。
The Electric Collection時代よりもファンクやディスコミュージック、或いはヒップホップ
寄りのビートの強く、太いベースの特徴的な、ダンサブルで肉体的なグルーブのある
音楽性へと変化しており、リードヴォーカルを務めるFredua Boakyeの荒々しく
パワフルなボーカルもそれに非常に良くマッチしています。
キーボードを務めているのは元The Electric CollectionのRP Thompsonで、
ダイナミックで緩急の付いたプレイは明らかにニュージャックスウィングを
意識したものとなっています。
スペイシーなシンセと女性コーラスでモダンに始まると、強烈なハイトーンが炸裂する
イントロへと一気に展開する#1We Can Rollは、重くもたれ掛かったドラムスと、
強く歪んだキーボードがロック色の強い一曲です。
#2Can't Fool Meは、揺れのありながらラウドなドラムスが作るグルーブは
往年のディスコミュージックのようであり、か細いファルセットと、ワイルドなチェストの
対比が鮮やかなFredua Boakyeのボーカルは最高です。シンセの音は80sよりはもっと
生々しい現代的な音で、リズム隊の作るファンクネスを上手く中和しています。お気に入り。
#3Dance Movesは、印象的なベースリフと、細やかなハイハットの刻みが疾走感を作るNJSです。
曲後半にかけて左右に散りばめられたパーカッシブなギターが前に出てきます。
柔らかなコーラスがドリーミーなパートではシンセのエスニックなフレージングが耳に残ります。
#5Take It Offは冒頭のギターの単音リフを中心にしながら、キーボードなど他のパートが
それを変奏していく展開になっています。スラップを中心としたベースラインも手伝って、
ダークな雰囲気を醸し出すパーティーチューンといった趣に仕上がっています。
#6Dirtyは、キャッチ―なサビのリフレインが真っ先に飛び込んできますが、
キレッキレで手数の多いキックと、クリーントーンのリズムギターが歯切れの良い音で
個人的にはそちらに耳が行ってしまいます。
テンポダウンした#7Fall In Loveも、ブルージーな泥臭さのあるボーカルが切々と歌う中でも、
へヴィな音のリズム隊と鮮やかなシンセ技のお蔭で静かなバラードにはなっておらず、
ノリの良さは維持されています。
懐かしい音のシンセの流麗なプレイで縦横無尽に活躍するNJS#8Doin' Itも、
このボーカルの男クサさと言うか泥臭さが彼らならではの個性を演出していて最高です。
ノイズにまみれた中で、ニューウェーブのような東洋的なシンセのリフと、ラップから
入るイントロが印象的な#9Sayonaraは、曲の入りからは静かな音遣いになっていき、
ギターのシャリシャリした音が気持ち良いメロと、日本語をあしらった
哀愁のあるサビのメロディもポップで良いです。お気に入り。
#10Royal Flushは、ぶっといシンセベースのフレーズが曲全体のノリを決めており、
対照的な物哀しく浮遊感のあるシンセのフレーズと合わさると不思議な高揚感があります。
アウトロにかけて堅いグルーブへと変化していきます。
Teddy Rileyとの共作#11Dance With Youは、ロボットヴォイスを取り入れた巧みなコーラスと、
入り組んだリズムパターンを中心として、ディスコライクなフィルが特徴的なベースが
曲を引っ張っています。勿論素晴らしいです。
非常に中毒性の高い音楽性ですし、ディスコファンやNJSファンの方は勿論、
ロックファンにも訴えかけるダイナミズムのあるバンドだと思います。
これは、良いバンドに出会えました。超、お勧めです。

We Can Roll

Can't Fool Me

Fall In Love

Sayonara

Dance With You

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  1. 2014/07/08(火) 15:13:10|
  2. Bad Rabbits
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  4. | コメント:0

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
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