私的名盤紹介―真の雑食を目指して

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今日の一枚(316)

Album: Second Nature
Artist: Linda Lewis
Generes: Pops, Soul, Rock, Funk, Ska, Latain, Brazilian

Second Nature

イギリス、ロンドン東部ウェスト・ハム出身のシンガーソングライター、ギタリスト。
1950年生まれ。10代の頃には女優として映画界に入り、いくつかの作品に出演していましたが、
1965年には学生仲間でWhite Rabbitsというバンドを組んで音楽にのめり込むようになっていきます。
その後は1970年にソウル/ロックバンドであるThe Ferris Wheelのメンバーとしてデビューを
果たします。The Ferris Wheelは67年と70年に二枚のアルバムを残しただけで
解散していますが、60年代中期に最もロンドンのクラブで活躍していたグループとも称され、
The Fifth Dimensionにも繋がるようなサイケデリックポップとソウルの融合
という革新的な音楽性を有していたバンドでした。
The Ferris Wheel解散後はセッションシンガーとして幾つかのグループを渡り歩いた後、
1971年にソロデビューを果たします。その後、70年代から80年代初頭にかけて
オリジナルアルバムを8枚発表していますが、とりわけ音楽性として評価されているのは
Lark(1972)とFathoms Deep(1973)の前後の時期と言われています。
レコーディングのメンバーには、Wiredなど、当時フュージョン期の真っただ中にいたJeff Beckの
バックバンドを務めていたRichard Bailey(Dr), Max Middleton(Key), Robert Ahwai(G)などが
参加しており、本作でも彼らの演奏を聴くことができます。
Jeff Beck Groupのメンバーの他にも、73年ころからLindaの全盛期の作品でバッキングを務めていた、
Gerry Conway(Cat Stevens, Jethro Tull, Fairport Convention etc)も参加しています。
本作は彼女が音楽界の表舞台から暫く消えてから、カムバックを果たした直後に
発売された1995年作の8thです。
私生活ではRod StewartやFamily, Steve Harley & Cockney Rebelとの活動で知られる
ギタリスト/プロデューサーのJim Creganと1977年に結婚していますが、後に離婚しています。
80年代中ごろからは活動が停滞気味であった彼女ですが、93年には時の人であった
Jamiroquai/Too Young To Dieでのコーラス参加や、イギリスのシンガーソングライターである
Joan Armatradingのソロアルバム、Square The Circle(1992)のレコーディング参加などで
徐々にその名前が浮上するようになったようで、90年代UKクラブ界隈でのレア・グルーブ
発掘の波に乗ってかは分かりませんが、再び彼女に注目が集まるようになりました。
そもそも彼女の音楽性が注目を集めたのは、彼女自身の5オクターブにも及ぶ音域と、
可愛らしいトーンのボーカリゼーションという部分の他に、音数の絞られたすっきりと
洗練されたアレンジ、そしてファンク・ソウルの他にラテンやスカなど、
今でいうところのワールドミュージック的な要素が積極的に取り込まれていながら、
それをポップに落とし込んでしまうという天才的なセンスがあったからでした。
活動休止を挟んでの本作でも、このセンスは全く失われておらず、
澄み渡ったボーカルとポップなメロディの中に、ブラジリアンのテイストが
存分に取り入れられた作りになっています。
他にも、中近東の音楽で用いられるウードと呼ばれる弦楽器や多種多様なパーカッション、
アコーディオンなど、特徴的な音色を持つ楽器が効果的に散りばめられ、
アコースティックで暖かみのある音像に仕上がっています。
#1So Sixtiesは、タッチノイズの音が生々しいアコギと、捻りのあるメロディを
流麗に歌いこなしていきます。一曲目から強烈なブラジリアンの香りが湧き立っています。
後半にかけてベースのスラップの音が前に出て行き、トレブリーな音が印象的です。
#2What's All This Aboutは、Richard Baileyの引き締まったドラミングと、
シンコペーションの多用されたアコギのストローク、圧倒的な音域を見せつける
テクニカルなボーカリゼーションの中で、B.J. Coleによる
柔らかいペダルスティールの無音程的なバッキングは緩やかで、緊張感を中和しています。
ブラジル国内のスタジオミュージシャンであるSylvian Lucによるアコギのソロが
際立つ#3More Than Enoughは、サビでのコーラスの定位や、
アウトロのスペイシーなアレンジが素晴らしい。お気に入り。
左チャンネルのワウを掛けた16ビートのファンキーなエレキのカッティングと、
右チャンネルのアコギのカッティングを中心に展開し、エレピが前に出た中間部、
そしてソプラノサックスのソロへと繋がって行く#4For Lover's Sakeは如何にも
ライブ映えしそうな一曲。お気に入り。
#5Love Insideと、続く#6Love Plateauは、それまでのLindaには無かった
ボサノヴァの曲で、#5ではSylvianのギターソロに、微かに配置された
アコーディオンの暖かな音をバックにハイトーンボーカル、
#6では分厚いホーンと性急なパーカッションのクールな音をバックに
巧みなビブラートが印象的な低音の響きが特徴的です。お気に入り。
#7Soon Comeは、サビにかけて激しくなっていくGerry Conwayのスウィンギーなドラムスと、
Reg Webbのハモンドオルガンのバッキング、裏拍でカッティングするリズムギター、
モコモコしたトレブリーなベースが合わさって浮遊感のあるグルーブを作ります。
アウトロでは強烈なホイッスルボイスが登場します。
#9Sideway Shuffleは、冒頭のテーマを何度も繰り返していきながら、
Kzam Gamaのブリブリしたベースリフと、饒舌なエレピソロ、
リズムギターで疾走するファンクチューン。Greg Boneによるアウトなギターソロは白眉。
#10Do Ya Know Dino?は、タメの効いたリズムやフリューゲルホルンの穏やかなトーンが
アクセントになったミドルテンポの一曲。
80年代的な大仰なイントロで掴まれる#12Moment Of Diamondは、Richard Bailey(Dr)と
Randy Hope-Taylor(B)のリズム隊でフュージョン的な軽快さのあるリズムと、
フェイザーとワウの掛かったカッティングで疾走する前半部から、
フルートの流麗なソロへと繋がって行きます。キーボードはMax Middletonです。お気に入り。
最後を飾る#13In The Heatは、アコギの弾き語り中心としたバラードですが、
ここでもコントラバスのピチカートがパーカッシブで、
隙間を埋めるようにに入るアコーディオンの牧歌的な音が、
甘美な歌詞世界に明るい陽の光を差し込ませているかのようです。
個人的には、Larkよりもこちらの方が好き、と言いたくなってしまいます。
彼女にしか作れない、極めて個性的でグル―ヴィーな、
UKクロスオーバーミュージックの傑作です。

What's All This About

More Than Enough

Sideway Shuffle

Moment Of Diamond

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  1. 2014/07/16(水) 00:12:31|
  2. Linda Lewis
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
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相当趣味が偏ってるということを
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