私的名盤紹介―真の雑食を目指して

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今日の一枚(333)

Album: The Score
Artist: Fugees
Genres: Hip Hop, Soul, Reggae

The Score

アメリカ、ニュージャージー州サウスオレンジ出身のヒップホップグループ。1992年結成。
メンバーはLauryn Hill, Wyclef Jean, Pras Michelの三人で、三人ともラップを担当するだけでなく、
HillとMichelはボーカルも担当しています。活動期間は短く、結成5年目の97年で解散してしまいますが、
1996年作の2ndである本作は1700万枚を売り上げる大ヒットとなり、97年のGrammy Awardで
Best Albumを受賞、Roberta Flackの同名曲をサンプリングしたシングルである、
Killing Me Softly With His SongがBest R&B Groupを受賞しました。
この直後からメンバーはソロ活動を活発化させ、メンバーであったLauryn Hillはソロデビュー、
1stアルバムであるThe Miseducation of Lauryn Hill(1998)はGrammy Awardで11部門を受賞、
1200万枚を売り上げる結果となりました。
Wyclef JeanはDestiny Child, Carlos Santanaなどのプロデュース活動を中心として活動を続けています。
Fugeesとしては2004年に一度再結成を果たしており、そのライブの模様は
映画Dave Chappelle's Block Party(2004)に収録されていますが、ゲストとして
Kanye West, Jill Scott, Erykah Badu, The Roots, Common, John Legendなど、
ネオソウルやヒップホップ界隈の名だたるミュージシャンが参加しています。
大ヒットした本作では、サンプリングネタのセレクトに大ネタ(有名曲)が多く、
ソウル色、レゲエ色が濃厚な作品に仕上がっています。
オルタナティブ・ヒップホップ(Native Tongueとも言います, A Tribe Called Quest,
De La Soulの項を参照)を代表する作品として、Ramsey LewisやThe Headhuntersのような
ジャズファンクの作品や、The Flamingosのような1950年代のドゥーワップ、
スパニッシュギターの名手であるFrancisco Tarrega、レゲエの神様であるBob Marley、
ニューソウルではRoberta Flack、Enyaなどを取り上げて、独自の世界観を創り上げています。
ラップを中心としたメロ部分と、Lauryn Hillのソウルフルなボーカルを中心としたサビとの
対比が明確に行われた構造を持っており、ポップで聴きやすい作品に仕上がっているので、
これほどのビッグヒットになったのも納得できます。
短いピアノループと、サスティーンの短いスネアが乾いた感覚のある#1Red Introから始まり、
#2How Many Micsは、トレブリーなシンセのリフに幾重にも重ねられた訥々としたMC、
トンネルを走る車のブレーキ音のようなSE、咳の音が印象的です。
ヒット曲の#3Ready Or Notは、フィラデルフィアソウルの知る人ぞ知るグループとして、
Aretha Franklin, Jackson 5, Swing Out Sister, Manhattan Transferなど、
有名アーティストにカバーされることの多いThe DelfonicsのReady or Not, Here I Comeを、
EnyaのBoadiceaを用いて再構築するという試みが行われています。
フックの部分は原曲の雰囲気を余り崩さず、シンフォニックなアレンジが施された原曲よりも、
ソリッドで歯切れの良いドラムと、左右に揺れたストリングスが不穏な空気を醸し出しています。
Laurynの気怠いボーカルも最高。お気に入り。
#4Zealotsは、The Flamingosの1959年の名曲、I Only Have Eyes For Youからサンプリング
(日本人的には山下達郎がOn The Street Cornerというドゥーワップのカヴァーアルバムの
中で取り上げています)された、リヴァ―ブの掛かった美麗なコーラスをバックにして、
徐々にビートが強くなっていきます。パトカーのサイレンの音が入ってシームレスに
#5The Beastへと続いていきますが、こちらは冒頭の派手なスクラッチから始まって、
牧歌的なHeadhuntersのサンプルをバックにして、ドラムスの叩きだすグルーブにはカリブっぽい
香りがしていて素晴らしい。お気に入り。
Ramsey Lewisの浮遊感たっぷりなエレピの音と、ブルーアイドソウルを代表するシンガーソングライター
の一人であるTeena Marieのヒット曲、Ooo La La La(1988)のポップなフックをサンプリングした
#6Fu-Gee-Laなんかには、00s初頭のネオソウルに繋がっていく部分が多いように感じます。お気に入り。
ノイズ混じりのトラックとドライなラップ、アウトロのアコギのトレモロ奏法が
不安感を煽る#7Family Businessも良い。ファミコンのようなシンセを挟んで、
Roberta FlackのあのKilling Me Softlyの声がもう入ってきています。
#8Killing Me Softlyは、Lauryn Hillのボーカリゼーションが前面に押し出された一曲で、
無機質なドラムスのビートとボーカルのみでサビまで進み、元のレコードのリヴァ―ブの
感じを生かしたサビのバックに、巧みにラップが重ねられています。お気に入り。
表題曲の#9The Scoreは、70sに活動したファンクバンドのCymandeのDoveからサンプリングした
弾けるようなトーンのギターがアクセントになっていますが、トラック全体は非常に渋い魅力があります。
Everybody Plays The Foolのヒットで知られるThe Main Ingredientの楽曲を
サンプリングした#11Cowboysは、冒頭から入ってくるシタールのフレーズが頭から離れません。
アコギの弾き語りを中心にしたBob Marleyのカヴァー#12No Woman, No Cryは歌詞も変えられ、
原曲よりもジャジーなアレンジになっています。
最後を飾る#13Manifest/Outroは、80s末に結成したヒップホップグループである
Poor Rightenous Teachersの楽曲がサンプリングされており、
本作の中でもとりわけアグレッシブなラップと、フックでは激しいスクラッチが楽しめます。お気に入り。
サンプリング元の楽曲に有名作も多く、メロディックでポップな感触もあって、
ヒットするべくしてした作品だということをひしひしと感じます。傑作。

Ready Or Not

The Beast

Fu-Gee-La

Killing Me Softly

Manifest/Outro

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  1. 2014/09/10(水) 01:35:52|
  2. Fugees
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  4. | コメント:0

プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
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これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
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