私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(343)

Album: In The Pocket
Artist: The Commodores
Genres: R&B, Funk, Disco

In The Pocket

アメリカ、アラバマ州タスキギーのタスキギー大学の学生であったLionel Richie(1949-)
を中心として1968年に結成され、現在までメンバーを様々に変えながら活動しているファンクバンド。
オリジナルメンバーはWalter Orange(Vo,Dr,Key), William King(Trumpet,G,Key)
Lionel Richie(Vo,Sax,Key,Dr),Thomas McClary(G), Milan Williams(Key, Trombone, G),
Ronald La Pread(B)で、全員が分担して作曲を行っています。

バンド結成後、1972年にはモータウンと契約し、翌年、1973年にJackson 5のツアーの
バックバンドとして活動を開始しました。結成当初Lionel Richieはサックスを担当しており、
1974年に発表された1stアルバムであるMachine Gunではインスト中心のファンクを演奏していましたが、
彼のボーカルをフィーチャーしたバラードである1977年作のシングル、EasyがUS Hot100で首位を
獲得したことをきっかけに、その後はバラードを中心とした楽曲でヒットを飛ばしていきます。
70年代後半から80年代半ばにかけて、Three Times a Lady, Nightshift, Brick House, Fancy Dancer,
Lady (You Bring Me Up), Too Hot ta Trotなどが有名曲で、バラードに加えて、当時流行の
ディスコミュージックを取り入れたサウンドで成功を収めます。

Lionelは1982年にグループを脱退した後、We Are The World(1985)の作曲を務めたり、
Kenny RogersのLady(1980)は全米1位, Dianna RossとのデュエットEndless Love(1981)も
全米1位となり、一躍ポップスターとしてその名が知れ渡るようになりますが、
Commodoresの方は80年代後半、1985年にNightshiftでグラミー賞を受賞して以降は
活動が停滞気味となり、オリジナルアルバムのリリースは滞っています。

本作は1981年作の9thで、Lionel Richieが所属していた時期の最後のアルバムです。
シングルの"Oh No"(US#4), "Lady (You Bring Me Up)"(US#8)は共にヒットを博しています。
とりわけLady (You Bring Me Up)はディスコ・クラシックとして取り上げられることの
多い楽曲で、Kool & The Gang/Celebrateなどと並び称されます。
ちなみに、このLady(You Bring Me Up)はWilliam KingとHarold Hudson,
Williamの妻であったShirley Hanna-King共作の楽曲で、
Lionelは作曲に関わってはいません。Oh Noの方はLichieによる作曲です。

乾いたエレピとシンセのイントロが繰り返されて一気にサビへと突入する
#1Lady(You Bring Me Up)は、遠くで鳴る歯切れの良いホーンと、
フランジャーの掛かったような揺れた音のリズムギターが印象的です。
リズムはひたすらにシンプルで、肉体的ですが黒さは薄められています。
大仰なコーラスのパートがあり、再びサビへと戻っていきます。最高。
クワイエットストームなバラードの#2Saturday Nightは、
ワウの掛けられたシンセベースと、エレピの作る太いグルーブと、
クリーントーンのギターのトレブリーで細いバッキング、
細切れに挿入されるシンセのオブリガートが緊張感を生み出しています。これも良い。
一気にテンポアップしたダンスチューン#3Keep On Taking Me Higherは、
フィリーソウル的な美麗なストリングスと、疾走感あるフィルで煽り立てるドラムス、
ギターのカッティングとハモンドオルガンのリフがユニゾンしたフレーズも派手で、
ギラギラしたサウンドにマッチしています。スライドの気持ち良いスラップの入った
ベースライン、ベースソロも素晴らしい。
Lionelのソロ作品の空気を強く感じるブラコンなバラード#4Oh Noは、
温かみのあるコーラスと、淡々と歌うボーカル、牧歌的なギターソロが聴き所です。
ぶっといベースと僅かに歪ませたリズムギターの絡みつき、パワフルなキックが重厚な、
ダークなダンスチューン#5Why You Wanna Try Meは、
コズミックな音のシンセソロにニューウェーブを感じます。お気に入り。
粘りつくようなドラムスと、ファルセットボーカルが炸裂する#7Been Loving Youでも、
アレンジはさほどドロドロし過ぎず、ホーンの音はさながらEWFのようです。
ピアノ弾き語りによるバラードの#8Lucyで終わっていきます。

ヒット以前の濃厚なファンクを演奏していた時代のファンも多いことはよく知られていますが、
本作のようなダンサブルで、白人にも受け入れられやすいサウンドと言う意味で、
本作は非常にスタンダードな佳作だと思います。

Lady (You Bring Me Up)

Saturday Night

Keep On Taking Me Higher

Why You Wanna Try Me

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  1. 2014/11/02(日) 19:17:53|
  2. The Commodores
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
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