私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(364)

Album: Changing Times...
Artist: Head Quarters
Genres: Club Jazz, Acid Jazz, Blue-Eyed Soul

Head Quarters

イギリス、ロンドン出身のジャズファンク、ポスト・ディスコバンドである
Central Line(1978-1984)のボーカリスト/キーボーディストであるSteve Salvariを
中心とするアシッドジャズ、クラブジャズユニット。1997年作の1st。
本作の他にオリジナルアルバムが存在するかどうかは確かめられませんでした。

現在、Steve Salvariはロンドンに拠点を置くMoondance Musikというプロダクション会社を
設立し、音楽プロデューサー、スタジオミュージシャンとしてRobert Palmer,
Barry White, Sheena Easton, Lulu, Chaka Khan, Incognito, Ronny Jordanなどを
手掛けた実績もあるということです。最近はR&B, ヒップホップ系のミュージシャンを
多く手掛けているようで、シンガーソングライターのChidiなどの楽曲提供を行っています。

幼少の頃から音楽に親しんでいた彼は、学生時代から弟のBurt Salvari(G)とバンドを組んで
活動していました。その頃にはStyle CouncilのベーシストであったCamelle Hindsと
TFB (Typical Funk Band)というバンドを結成、一年間の活動の後、
メンバーを入れ替え、Central Lineとして活動、代表曲のWalking Into Sunshine(1981)は
本国イギリスよりもアメリカでヒット(USBlack#14, USClub#5)することとなります。
Central Lineでは Roy Ayers, Grover Washington Jr., Fat Larry's Band, The Real Thing
など錚々たる面々のツアーに参加し、ライブを行っていました。
Central Line解散後、Camelle Hindsは1996年にソロアルバムを発表、ここでも
Steve Salvariはプロデュース、作曲を行っています。

この直後にセルフプロデュースとして発表されたのが本作で、彼にとっては初の本格的な
ソロアルバムと言うことになります。ボーカリストにはDepeche Mode, George Michael,
Barry White, David Bowie, Joe Cocker, Paul Young, CJ Lewis, Beats Internationalなどの
作品に参加してきたJordan Baileyをゲストに迎え、全編でソウルフルなボーカルを聴かせます。

音楽性としては、当時全盛期から少し過ぎていたBrand New Heavies, Incognito,
Jamiroquaiなどのアシッドジャズ的なサウンドで、ドラムは打込み然としており、
ハウスに近い音像の楽曲もありますが、歌唱の技術が素晴らしく、
エモーショナルなサックスソロなど、人間味のある肉体的なサウンドに仕上がっています。
Steve Salvari自身によるキーボードもファンキーで、フリーキーなソロが聴き所です。

イントロのリフを繰り返すエレピがファンキーなアシッドジャズ#1Feel So Highは、
ストリングスは遠くに定位されていてSwing Out Sisterを思わせるようなデジタルな音で、
サックスソロからはブラジリアンなテイストのあるパートへと変化します。最高。
打込みによるキックと、徐々に下降していくエレピのコードバッキングが歯切れの良い
#2All My Loveは、サビではソウルフルなコーラスとホーンのサンプリングが彩ります。
レトロな音作りの女性コーラスがループされて始まる#3Take A Chanceは、
サビに向かって徐々にストリングスが入ってくる大仰なアレンジがされています。
うねりのあるベースラインと妖しげなハーモニーに掴まれるスムースジャズ~クラブジャズな
#4Come To My Worldは、メロディに歌謡っぽい情感があります。お気に入り。
インストによるインタールード的な一曲#5Groovin For The Leshは、ソロ回しを中心に据えた
ファンキーなフュージョンに仕上がっています。サックスソロ、エレピソロが熱いです。
ローファイなシンセのストリングスとデジタルな打込みドラムスに、
巧みなファルセットを絡めたボーカルがソウルフルな#6Summertimeもお気に入り。
#7Wishing Wellは、アコギのカッティングと、ブラコンを思わせるようなキラキラしたシンセが
絡みつくダンサブルな一曲。長めのトランペットソロが入っています。
ワウの掛けられたシンセベースによるオクターブ奏法を絡めたリフと歯切れの良いコーラス、
四つ打ちを基本にしたキックによる音数の少ないイントロから一気に盛り上がっていく
80s的なディスコチューン#8Give Me Loveは、メロディにネオソウル的な翳りが垣間見えていて、
冷ややかな魅力のある一曲だと思います。
間奏になると打込みリズムのハウスっぽさが強調されて最高。
表題曲の#9Changing Timesは、EWFばりのホーンのオブリガートが激しく決まるイントロから、
コズミックな魅力のあるボーカルパート、そして派手なキメを起点に再び
ブラスとパーカッションの強調されたインストのパートへと切り替わります。
中間部ではSteve Salvariによる流麗なエレピソロがフィーチャーされています。最高。
#10Prayer For The Worldは、Steve Salvariによるピアノとサックスだけによる
静かな哀愁漂うインストのバラードで、Burt Bacharachを思わせるようです。これもお気に入り。
#11は#6のリミックスバージョン(Cool Jazzy Version)で、よりレイドバックした
アレンジとなり、グロッケンシュピールによるソロが入り、
リズムはR&Bっぽい打込みへと変化しています。これも良いです。
#12も#6のオリジナルバージョン(デモバージョンのことでしょうか)となっており、
他のトラックと比べるとローファイな音ですが、四つ打ちのキックとリズムギターの
単音カッティングが強調され、ラップにピアノソロもありと、
より肉体的なサウンドとなっています。これもお気に入り。

全体として爽やかなアシッドジャズ~UKソウルと言う感じですが、
音に翳りのある感じ、リズムによりハウスっぽい打込みが多用されている部分などが
彼らの個性を感じます。Brand New HeaviesやIncognito,Swing Out Sisterなど
好きな人には堪らないサウンドだと思います。佳作。

音源が見つからなくなったので、紹介ページを貼っておきます。

HMVの紹介ページ

Discogsによる紹介

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  1. 2015/01/26(月) 15:21:24|
  2. Head Quarters
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プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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