私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(370)

Album: The Ballad Of Purple St. James
Artist: Yahzarah
Genres: R&B, Hip-Hop, Electronica

The Ballad Of Purple St James

アメリカ、バージニア州ワシントンD.C.出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー。
1980年生まれ。2010年作の3rd。本名はDana Nicole Williams。

7歳の頃に教会の聖歌隊で歌い始め、the Kennedy Centerで行われたタレント発掘プロジェクトで
有名となった彼女は、地元でライブ活動を行う傍ら、ハイスクールではデュークエリントン音楽学校に
通い、大学はノースカロライナ中央大学でジャズを専攻していました。

1999年ごろからDirty Soulと言うバンドでレコーディングを始め、
2000年にネオソウル、オーガニックソウルを代表するシンガーソングライターである
Erykah Baduのバックコーラスとして起用され、彼女のレコーディングやライブに参加するようになった
ことをきっかけに、頭角を現すようになります。

その後はレコード会社をKeo Music Records, Three Keys Music, +FE Musicと
移籍しながら現在までに3枚のオリジナルアルバムを発表しています。
フィーチャリング・ボーカリストとしての活動も多く、Chaka Khan, Musiq Soulchild,
The Roots, R. Kelly, Q-Tip, Anthony Hamiltonなど名だたるアーティストのツアーや
レコーディングに参加しています。
当サイトで紹介した作品ですと、Little BrotherのThe Minstrel Show(Little Brotherの項を参照)
にもゲストとして参加しています。

特にThe Foregin Exchange Music(2009年グラミー賞ノミネート), Little Brotherのメンバーであった
ラッパーのPhonte(1978-)とは親交が深く、本作でも彼のラップを聴くことができます。

サウンドとしては、エレクトリック、とりわけミニマルテクノの感触が強い硬質な電子音と、
肉体的なファンクバンドのグルーブに近い生音によるリズム構築が特徴的で、
R&Bと都会的なネオソウルに電子音がアクセントとして混じったような感じと考えてよいと思います。
中にはStevie Wonderのカバー#5Come Back As A Flowerなども収録されており、
彼女自身のMinnie Ripertonに影響を受けたという煌びやかで透明感のある高音域の歌唱が映えています。
中音域では張りがありながらもうるさくなく、爽やかで柔らかさに満ちています。

#1Strike Up The Bandは、薄く配置されたコーラスと乾いたドラムにホーン、
レイドバックしたメロディが絡みつくジャジーなソウル。
ストレートなグルーブでロック色の極めて強いシングル曲#2Why Dontcha Call Me No Moreは
後半になるにつれてギターのオブリガートが激しくなって行きます。
Phonteのラップが取り上げられた#3Cry Over Youは、ピコピコしたシンセのリフと、
コズミックなシンセによる白玉、ハンドクラップ、フランジャーが掛かったようなハット、
薄く聴こえてくるコーラスが合わさって耳を優しく撫でていきます。
Phonteの音数少ないラップ、気怠い感じで歌うボーカルもクールです。最高。
同じ大学の出身であるDarien Brockingtonがフィーチャーされたミドルテンポのバラード
#4All My Daysは、全編にわたって囁くようなコーラスがドリーミーで、
かなり強くレイドバックしたリズムと噛み合ったネオソウル。
#5Come Back As A Flowerは、ピアノとハイの出たシンセベースにコーラスとシンプルなトラックに、
ちょっとしたリップノイズや柔らかいチェストの歌唱に癒されます。お気に入り。
#6Dedicated To Youは、ドゥーワップスタイルのシンプルなアカペラによるスキットで、
ハイファイな音でこれをやられると、また違った魅力があります。
高音の伸び、ホイッスルボイスも凄いです。
#7The Lieは、四つうちの金属的なキックにオルガンやストリングスなどが代わる代わる重なっていく
ダンサブルでありながらリッチな音遣いのトラックで、サビから後半へのキャッチ―な展開は
往年のディスコサウンドを思わせます。最高。
スローテンポのバラード#8Last to Leaveは、枯れたギターのカッティングがレゲエ的な味わいを
生み出しつつもメロディにはフィラデルフィアソウルのような哀愁があって良いです。
Ernie Isleyを思わせるようなブルージーなフレーズを弾く歪んだギターソロのイントロから始まる
#9Have A Heartは、クリーントーンのクリスピーなアルペジオが心地良い静かなパートへと変化し、
再び弾きまくりのギターソロへと戻っていきます。最高。
一転して電子音中心に構成された#10Change Your Mindは、残響がカットされ断片化された
機械的なビートと、不気味な神聖さを演出するオルガン系のシンセが耳に残る頽廃的な雰囲気がある一曲。
暖かいピアノとローファイで淡く、遠くで鳴っているストリングスに、スポークンワーズで展開していく
#12Shadowもどことなく神聖な、ヨーロピアンな魅力があってお気に入り。
#3と同じ路線のエレクトロソウルな#13Love Come Save The Dayは、パーカッションに生音を取り入れたり
しながら、迫ってくるようなシンセのリフレインが心地いいです。
妖しげな音遣い、コーラスの中でフリューゲルホルンのソロに癒されます。
はたしてバックに流れてるホイッスルボイスのロングトーンはサンプリングなのかどうか…気になります。最高。

Erykah Baduのバックという事で注目される側面もあるとは思いますが、実際にはBaduの作品とは異なって
エレクトロミュージックをまた独特なテイストで取り込んで創り上げられており、
アタック感のあるシンセの音選びやストリングスなどの定位感のセンスの良さ、
生音によるファンキーなグルーブが見事にマッチングした佳作だと思います。

Cry Over You

The Lie

Have A Heart

Shadow

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  1. 2015/02/14(土) 01:23:18|
  2. Yahzarah
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  4. | コメント:0

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
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