私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第58回「歌唱音楽としての90sR&B特集、女性声優特集」

私的名盤放送第58回「歌唱音楽としての90sR&B特集、女性声優特集」

私的名盤放送#58 1

私的名盤放送#58 2

「放送アーカイブはこちらから」

M1 ヤングアダルト /マカロニえんぴつ 『season』 (2019)
M2 Gorgeous /ZOO 『Gorgeous』 (1992)
M3 Up, Down /Jamm 『Jamm』 (1988)
M4 BITTER /西恵利香 『Love Me』 (2019)
M5 星のステージ /戸松遥 『Sunny Side Story』 (2013)
M6 見えないもの /SMAP 『朝日を見に行こうよ』 (1999)
M7 A Thang for You /A Few Good Men 『A Thang for You』 (1994)
M8 パパパ /斉藤朱夏 『パパパ』 (2019)
M9 You Lift Me Up /Dayton 『Cutie Pie』 (1981)
M10 My Desire /Lo-Key? 『Back 2 Da House』 (1994)
M11 More Than You Know /Dunn & Bruce Street 『Official Business』 (1982)
M12 A Melody of Hope /福冨英明 『Melodies of Hope』 (2003)
M13 I LOVE YOUR LOVE /Negicco I LOVE YOUR LOVE (2019)
M14 Gotta Get Back with You /Mind, Heart & Soul 『Mind, Heart & Soul』 (1995)
M15 Baby Come Back /Mosley & Johnson 『Mosley & Johnson 』 (1987)
M16 みっつ数えて /彩恵津子 『All I Need』 (1984)
M17 MILKY WAY /HALLCA(冨永悠香 ex Espesia) 『VILLA』 (2019)
M18 Baby Check Your Friend /Silk 『Tonight』 (1999)
M19 Waning Moon /Mellow Mellow 『Waning Moon』 (2019)
M20 Come and Get It /Yours Truly 『Truly Yours』 (1991)
M21 青空のラプソディ /fhána 『World Atlas』 (2018)
M22 Time! /障子久美 『Time!』 (1993)
M23 It's Heaven /駒形友梨 『[Core]』 (2018)
M24 ク・ルリラビー /柊かえ&本城香澄(KiRaRe) 『KiRaRe1stアルバム「キラリズム」』 (2017)
M25 She's Gone /Paul Laurence 『Underexposed』 (1989)

【放送後記】
また前回の放送から1か月余りが経ってしまいました。いかがお過ごしでしょうか。
だんだんと日も短くなってまいりました。相変わらず救急科での勤務が続いており、昼夜逆転の日々が続いています。
12月頭からは再び通常の勤務体制に戻り、内科専攻医としての日常が戻ってまいります。

しかし再び病棟主治医としての責任を負う役割になりますので、気が休まらない状態が続きます。
年末も待機、当直などがありますが体調を崩さないように頑張りたいと思います。

さて、久々の放送でしたので、2時間たっぷりと楽曲中心にお届けいたしました。
タイトルの通り、USR&Bが最も輝いていた90年代のバラードを中心に、深夜の時間に合った選曲をしてみました。

1曲目には2012年に神奈川県で結成されたロックバンド、マカロニえんぴつの5thEPから
ザクザクした単音リフと淡々としたリズムから、字余り気味に歌う歌詞は最近のあいみょんのスタイルに近いものを感じる
ヤングアダルトを選びました。かつてのAqua Timez/虹やフジファブリック/若者のすべてを
思い出させてくれるような甘酸っぱいサビが最高です。

EXILEや中西圭三(セルフカバー)などのバージョンで知られる"Choo Choo Train"の一発屋と言われてしまいがちですが、
当時流行のNJSをJPOPに取り入れた代表的なダンスボーカルグループ、ZOOの92年作EPから、
鋭いドラムンベースなイントロと大仰なホーン音色のシンセが多幸感あふれるスウィンギーなトラックです。

クワイエットストームではディスコグループ、Arpeggioのメンバー、Fred Sawyersと
Fredi Grace And Rhinstoneで活動していたKeith Rawlsの2人組ボーカルグループ、Jammの1988年作から
BCMからニュージャックスウィングへと移り変わる時代を感じさせるUp, Downを選びました。
シンセの硬く透き通ったコードバッキング、音数の少なさがこの時代特有の暖かみを与えます。

埼玉県出身のシンガー、タレント、アイドル(AeLL.のメンバーとして活動)の西恵利香(1989-)の
今年発売されたフルアルバムLove Meから、最近はやりのElla Mai/Bod Upを彷彿させる
クワイエットウェイブ、Bitterを。作家にはMONJOE(DATS)、shin sakiura、Mori Zentaro、PARKGOLFなどを迎えています。

最近結婚したばかりの声優、戸松遥の2013年の2ndソロから、flumpoolや、近年ではAimerの楽曲で
主にアレンジャーとして活躍する古川貴浩のペンによる星のステージです。
豪華なホーンのアレンジとフュージョン的なドラム、素朴なボーカルが可愛らしい爽やかな一曲です。
サビの多重コーラスやフィリーソウル的な展開が女性声優のソロアルバムにはなかなかないテイストでした。

SMAPの99年のシングル、朝日を見に行こうよのB面見えないものです。8cmシングルでしか聴けない少しレアな楽曲です。
イントロ部分から非常に生々しいキーボードのリフ、アシッドジャズ的なリズム構成が少し懐かしい。

90年代R&Bを語るうえでは絶対に外すことのできない偉大なプロデューサー、Babyfaceプロデュースにより
94年にLa Faceからデビューしたボーカルグループ、A Few Good Menの1stフルから表題曲のA Thang for Youです。
少しダーティーでヒップホップソウルの影響下にあるビートと、
ゴスペル直系の分厚いコーラスが絡みつく絶品のスロウジャムです。

放送中のテレビアニメ、「俺のこと好きなのはお前だけかよ」のOPテーマとなった女性声優、斉藤朱夏の
ニューシングル、「パパパ」も最高にキャッチーでした。デビューシングルとなった「くつひも」はaikoの楽曲を思わせるような
バックの演奏が印象的でしたが、同じチームで制作されていて、全体の音のバランスは近いものを感じさせます。
4つ打ちのイントロから複雑なフィルインを繰り返し重い8ビートを刻むドラムスが最高に気持ちいいです。
まだフィジカルが手に入っておらずPersonnelが不明ですが、フレーズの組み立て方は佐野康夫さん的だといえると思います。
しかし音作りはもう少し低域の出た重いタッチです。
2番からは部分転調を加えたり、メロディーもトリッキーなリズムでソロデビューしたばかりのシンガーにはかなり難しい
曲かと思いますが、見事に歌いこなしていて将来が楽しみです。

名前の通りオハイオ州デイトン出身のファンクバンド、Daytonの1981年作から、ヘヴィーなリズムに
滑らかなストリングスと柔らかいコーラスが被さったメロウなYou Lift Me Upを選んでみました。
間奏部分のピアノソロはジャジーな感触もあり、ごりごりのファンクが苦手な方でも楽しめるかと思います。
もともとはSunというファンクバンドとして活動しており、David Shawn Sandridge, Chris Jonesらがこの
Daytonを結成したようです。SunのアルバムもLPは高騰していますが良盤揃いです。またお掛けしようと思います。

続いて少し時代を進めて、Lo-Key?はJam & Lewisが立ち上げたレーベルのPerspective Recordと契約し、
デビューアルバムを発表した4人組のボーカルグループです。メンバーのLance AlexanderとTony "Prof-T" Tolbertは
作曲家としても活躍しており、Alexsander O'Neal/Love Makes No SenseやNext, Shanice/I Wish, Smooth/Strawberries
などを手掛けたことでも知られています。彼らの94年作、2ndからポコポコしたリズムマシンと
ぶっとく重低音の太いシンセベースに柔らかいファルセットが絡みつく、ヒップホップソウル以降の感覚がある
スロウジャムです。後半のギターソロや、かすかに聞こえるシンセのリフレインはChris Jasperのようなセンスを感じさせます。
商業的にはヒットしなかった作品ですが、良質なベッドタイムR&Bが数多く収録されています。

ファズの掛かった荒々しいギターソロから始まるブギー、Dunn & Bruce Streetの唯一作、82年作からOfficial Businessを
選びました。Dunn Pearson JrとBruce Grayの2人組で、現在のTuxedoなどにいかにも影響を与えていそうな
B2Shout for Joyや、甘茶ソウル的なこみ上げるメロウ、A1If You Come With Meなど、良質なトラックが並ぶレアグルーブです。

最近、金山のSOUNDBAYで見つけたアルバムでは、1963年生まれのシンガー、キーボーディスト、
福冨英明の2003年作のフルからアシッドジャズ~ジャズボーカルの間を行くファンキーな
M1A Melody of Hopeも素晴らしかったです。Original Love/スキャンダルを思わせる性急な16ビートと
ソウルフルでスモーキーな太いボーカルが圧倒的な存在感を放っています。

新潟県出身のアイドルグループ、Negiccoの最新シングルについては最近のレビューで書きましたので
そちらをどうぞ。

90年代はMotownにとって不遇の時代でしたが、その中でも「本物の歌唱力」を持った大人のためのグループを
いくつかデビューさせていました。Mind, Heart & Soulはそんなグループのうちの一つで、4人組の
男性ボーカルグループです。唯一作となった1995年作から80sのブラックコンテンポラリーの香りを残したクールなキメから
始まるM1を取り上げました。Jermine Jacksonに才能を見出され、自身もMotownでソロアーティストとして
活躍したMichael Lovesmithがプロデュースを務めています。フロントマンのDaveon Overtonによる
圧倒的な伸びを見せるハイトーンが炸裂しています。

少し時代が前後しますが、91年にMotownからデビューし、Ricky Jonesが所属していた3人組ボーカルグループ、
Yours Trulyも、BCMの流れをくむオーセンティックなR&Bを指向したグループでした。
彼らの唯一作となった1stフルから、16ビートの少しハネたシンセのリフレインが
Remind Me/Patrice Rushen的なグルーブを生み出すメロウなニュージャックスウィング、
Come and Get Itを選びました。ほかにも夢を見るような繊細なファルセットがたまらないクワイエットストーム、
M2I Wanna Make Love To You, 女性シンガーのDionnaをフィーチャーした、Keith WashingtonやFreddie Jacksonの
ソロ作に負けずとも劣らぬM6Gonna Miss The Oneなど、都会の夜にぴったりなバラードが並ぶ名盤です。

Staxの流れを汲み、80年代のサザンソウルレーベルとして知られるMalacoでソングライターとして活動していた
2人組、Mosley & Johnsonの87年作から、George Benson/Turn Your Love Aroundや
Michael Jackson/Baby Be Mineを思わせるブラコン必殺のコード進行なブギー、Baby Come Backを選びました。
いかにもサザンソウルな泥臭いボーカルも、アーバンなトラックと合わさって聴きやすく仕上がっています。

「LIGHT MELLOW 和モノ669 / SPECIAL」、「JAPANESE CITY POP」、吉沢dynamite.jp監修「和モノ A TO Z」に
掲載されたシティポップの人気作、彩恵津子の85年作も東京遠征で手に入れました。
角松敏生のバックコーラスとしても知られる彩恵津子の本作はLAレコーディングで、
Tim Weston(G), Carlos Vega(Ds), Bill Champlin(Chorus)などが参加しています。
桐ヶ谷仁のペンによるキュートなミッド、みっつ数えてをどうぞ。
その他、BUZZの東郷昌和や笹路正徳、岸正之などが参加しています。見つけたら即買いです。

解散してしまった大阪市堀江出身のアイドルグループ、Espesiaは、リゾートミュージック~シティポップリバイバル、
Vaporwaveなどの影響を受けた楽曲を時代に先駆けてリリースしていました。
解散後、ソロ活動で活躍しているメンバーもおり、脇田もなりさんは特にAOR、NJSなどから影響を受けたJPOPを
生み出しており、VIVID SOUNDから数作、作品をリリースしています。私的名盤放送でも何曲かお掛けしております。
Espesiaのリーダーだった冨永悠香さんもソロ活動を続けており、1stフルを発表しています。
HALLCA名義のアルバムから、グロッケンのようなシンセや、フリューゲルホルンのゆったりとした
バッキングが心地よいクワイエットウェイブ、Milky Wayを取り上げました。
アレンジャーではEspesia時代から協力してきたPellycolo、Rillsoulなどのアレンジャーが参加しています。
今年のアイドル系ポップスの中でも特に見事な完成度の一枚だったと思います。
かつてのEspesia時代の楽曲がお好きな方は必聴です。

同じくアイドルポップスでは2018年にデビューしてからグルーヴィーなディスコ~JPOPを生み出している
3人組、Mellow Mellowの最新シングル、Waning Moonも素晴らしかったです。
Jackson 5/I Want You Backな進行を軸にして煌めくJPOPへとアレンジする手法は、
星野源/Sunや亜咲花/Shiny Daysにも通ずるものがあります。
明るくもどこか淋しく切ない香りがする、不思議な一曲です。
前作のDear My Star収録のNJSなC/W, Trap of Loveも見事なトラックでした。(過去回で放送しています)

90年代のR&Bを代表するプロデューサーというと、Jam & Lewis, Babyface, Teddy Riley, R Kellyなどということに
なるでしょうが、Keith Sweatももちろん忘れてはいけません。
アトランタで結成された5人組ボーカルグループ、Silkも彼によって見出されました。
1999年作の3rdから柔らかなコーラスと複雑なメロディを見事に歌いこなす
ダークなスロウジャム、Baby Check Your Friendです。

京都アニメーションの楽曲にはポップ&キャッチーなテーマソングが無数にありますが、
その中から「小林さんちのメイドラゴン」のOPとなったLantis所属のポップロックバンド、fhanaの2017年のシングル、
青空のラプソディです。ドラマティックなストリングスが前面に出るサビ、ディスコビートにぶりぶりとした
ベースラインが目立つイントロ、目まぐるしく展開が変化する、まさにアニソンだからこそ
出来る壮大な名曲です。アニメも最高でした。

フォロワーの@telepath_yukariさんに教えて頂いた、
松任谷正隆に見出されたレアなシティポップ系SSW, 障子久美の93年作のシングル、Time!も素晴らしかったです。
広瀬香美/GROOVY!(本間昭光プロデュース)を思わせるようなディスコからの影響も感じられる楽しげなトラックです。
今聴くと少しチープな録音ではあるものの、古内東子的なジャズ由来のコード進行も適度に加えながらも、
複雑になり過ぎない塩梅が素晴らしい。木村恵子、具島直子などと合わせて是非どうぞ。

最近、アニメソング、アキシブ系、Flying Dog系のアーティストを沢山教えて頂いている
@jamuireijiさんに教えて頂いた、スペースクラフト所属の女性声優、駒形友梨のソロ1stミニアルバム、
[Core]から滑らかな邦楽シティポップ~アシッドジャズなIt's Heavenを選びました。鋭いカッティングとうねるベース、
クラビネットのリフを組み合わせるセンスは、声優さんのソロアルバムではなかなか見られないと思います。
しかしながらメロディは非常にポップで、後半の歌のメロディを変奏したピアノソロも見事です。最高。
その他にも、ブルーペパーズ/6月の夢に負けずとも劣らぬ滑らかなグルーブで満ち満ちたAORのクロックワイズは、
後半のブラジリアンなフルートソロやギターソロも含めて見事な編曲です。
クリスマスソングなストリングスの豪華なオールディーズな香りもするポップス、Talk 2 Nightは、
槇原敬之や竹内まりやの90年代の傑作群を思わせるようなオーセンティックなJPOPです。これも息をのむほど美しい。
2ndEPはまだ配信が解禁されていないようで、早速購入しようと思います。

ポニーキャニオンとコンプティークによる女子中学生アイドルを描いたメディアミックス作品の
Reステージ(アニメは今年の夏放映していたようです)内のアイドルグループ、KiRaReの1stフル、
「キラリズム」から、トランスやハウスに影響を受けた90sJPOPをそのままに蘇らせたような
ク・ルリラビーです。イントロのオリエンタルなシンセリフとコケティッシュなボーカル、
TR909のような歯切れのいいドラムマシン、うねうねしたコードバッキングが心地いいブギーです。
1番終わりのシンセソロから2番の始まり部分は少しモーダルな質感があって、これも憎い演出です。

最後には、 Freddie Jackson/Rock Me Tonight(Jacksonとはデュオ名義で活動していました)
, Stephanie Mills/(You're Putting) A Rush on Me,
Meli'sa Morgan/Do Me Baby、その他Evelyn KingやLilo Thomasなどを手掛け、
ブラックコンテンポラリーの一時代を築き上げたハーレム出身のプロデューサー、Paul Laurence(1958-)の89年作のソロ、
Underexposedから絶品のクワイエットルーム、She's Goneを取り上げました。
シンセのキャッチーで耳から離れないリフ、センシュアルで囁きかけるようなファルセットのボーカル、
端正で音数の少ないリズムとシンプルなサビと、クワイエットストームの魅力が凝縮されたトラックです。

得意のスロウジャム、クワイエットストームと女性声優ソングをたっぷりと2時間お届けした
私的名盤放送第58話、いかがでしたでしょうか。次回は手に入れたアナログや新譜なども多めに絡めて
お送りしようと思います。良い夜を。









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  1. 2019/11/16(土) 02:11:30|
  2. 私的名盤放送セットリスト
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私的名盤放送第57回「現代AOR, クワイエットストーム特集」

私的名盤放送第57回「現代AOR, クワイエットストーム特集」

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「放送アーカイブはこちらから」

M1 Always Love You /Ole Borud 『Outside The Limit』 (2019)
M2 守りたいもののために /伊藤美来 『PopSkip』 (2019)
M3 Just Let Me Love You /Stroke 『Stroke』 (1985)
M4 Baby, You Belong to Me /Magic Touch 『Baby, You Belong to Me』 (1973)
M5 Freezing Midnight /高尾直樹 『A Voice of Love & Peace』 (2000)
M6 Lock Me Up /Robert Winters and Fall 『L-O-V-E』 (1979)
M7 Don't Stop /Dr. York 『New』 (1985)
M8 ターミナルセンター /春野 『CULT』 (2019)
M9 Never Gonna Give You Up /Kere Buchanan 『Goodbye Yesterday』 (2014)
M10 Get At Me /Smooth Approach 『You Got It』 (2000)
M11 Special Part of Me /Lloyd Price 『The Nominee』 (1978)
M12 Lines /Norman Saleet 『Here I Am』 (1982)
M13 流星タクシー /ベルマインツ 『流星タクシー/ケセラセラ』 (2019)
M14 You /Billy Preston 『Late At Night』 (1979)
M15 エゴアイディール /水樹奈々 『SMASHING ANTHEMS』 (2015)
M16 リフレイン /浜崎容子 『BLIND LOVE』 (2019)
M17 Right from Wrong /Henrik Hansson 『Right from Wrong』 (2018)
M18 Give A Little Love to Me /Maxine Nightingale 『It's A Beautiful Thing』 (1982)
M19 Would You Please Be Mine /Rose Royce 『Golden Touch』 (1980)
M20 Love Me All My Life /Cool'r 『Cool'r』 (1989)
M21 ジャンクション /あっぷるぱい 『あっぷるぱい』 (2012)

おまけ30分
M22 ラッキー・ガールに花束を /山下達郎 『SONORITE』 (2005)
M23 Part Time Kiss /SMAPPIES 『SMAPPIES - Rhythmsticks -』 (1996)
M24 あつい気持ち /One Step communicate 『あつい気持ち』 (1996)
M25 こわれそうよ /ACO 『Lady Soul』 (1998)

【放送後記】
またしばらくぶりの放送となりました。いかがお過ごしでしょうか。
来月末日まで救急科での勤務が続くため、相変わらず不規則な生活が続いております。
今回の放送は、主に90年代以降のAORとクワイエットストームを中心に取り上げました。

80年代のAOR全盛期が過ぎると、CCM系のアーティストが優れた作品を残しましたが、
メインストリームとしてのAOR人気は落ち込んだ時期が続きました。
90年代末からは、北欧で一部メロディックハードロック、AOR系のアーティストが現れるようになりました。

Ole Borudはノルウェー出身のSSW/ギタリストで、構築的な楽曲と卓説した演奏力、ライブパフォーマンスで、
何度か来日公演もこなしている、北欧AORの代表的なアーティストの一人です。
今年リリースされたニューアルバムからタイトなリズム隊と、Steely Dan以降のジャジーなコード進行の中にも
スリリングなホーンはEWF的で、スピード感あふれるAlways Love Youを選びました。
ギターソロ前の展開はTOTO直系のキーボードのバッキングが素晴らしいです。
その他にもBCM的なアプローチの楽曲もあったりと、飽きさせない造りです。名盤。

北欧ではありませんが、ニュージーランド出身のドラマー、プロデューサーのKere Buchananも、
希少な現代のAOR系アーティストかと思います。ドラマーとしてはJeff Porcaroからの影響を強く感じさせるタイム感ですが、
より80年代後半のスムースジャズにも繋がるようなプレイです。
Steely Dan, TOTOからの影響を公言する一方で、楽曲はよりブラックミュージックよりのものが多く、
2014年作の2ndからBill Champlinをゲストに加えたNever Gonna Give You Upを選びました。
多重コーラスによるイントロから始まり、シンプルな8ビートのリズムパターンでありながら、
鋭いハイハットの刻みで緊張感をもたらしています。80年代のRod Tempertonの楽曲を思わせるタイトさですが、
Bill Champlinのボーカルが加わることで黒過ぎない出来になっています。

マイナーなアーティストでは、おそらく名前から北欧出身と思われる仙台在住のSSW, Henrik Hanssonの
唯一作と思われるシングル、Right from Wrongです。詳細は全く不明ですが、録音状態などから
自主制作と思われるものの、楽曲自体はさきほどのKere Buchannanに通じる、
Steely Danフォロワー好きには堪らない一曲です。Bernard Purdieの得意としたシャッフルのリズムパターンに
音数少ないピアノ、ディストーションギターのバッキングが組み合わさった透明感ある一曲です。
音のテクスチャーと合わせてJay Graydon/Airplay for the Planetにも収録されていそう。

以前にも紹介した声優、伊藤美来の2ndフル、PopSkipからとびきりAOR/シティポップ色の強い「守りたいもののために」です。
シタールのオブリガートと細やかなドラムスの作るゆったりとしたグルーブ、
松任谷由実/中央フリーウェイを思わせるサビの展開(いつものわたしさん@karonsenpaiからご指摘頂きました)に、
彼女のキュートなボーカルが載り、ソウルフルなブラスの組み合わせで現代的な音にアップグレードされています。
ラストサビの直前の部分は平井堅/片方ずつのイヤフォンのような90sポップスの香りも感じさせます。
本作は、今年の聴いてきたアルバムの中でも抜群におすすめの一枚です。昨年の早見沙織/Junctionに負けずと劣らぬ傑作。

続いてはRose Royce, Jean Carneなどの作品をリリースしたOmni Recordsから発売された
詳細不明の男女混成5人組のボーカルグループ、Strokeによる1985年作のセルフタイトルから、
イントロのハーモニカを思わせる安っぽいシンセリードのフレーズ、シンプルな繰り返しのサビ、切ないメロディと、
完璧なクワイエットストームの一曲です。

中高生時代から聴き続けている山下達郎さんのサンデーソングブックですが、最近になってDiscogsで
レコードを買い漁るようになり、達郎さんが掛けているレコードたちが如何にレアなものが多いのか思い知らされています。
今回は、詳細不明のボーカルグループ、Magic Touchが唯一リリースした1973年作のシングル、Baby You Belong To Meを
手に入れました。甘く蕩けるファルセットボーカルに、スネアのタメの効いたフィルインを起点にして、
流麗なストリングスが包み込むサビへつながっていくスウィートソウルです。

さらに、デトロイト出身の鍵盤奏者、シンガーのRobert Wintersによるグループ、Robert Winters and Fall
も山下達郎レコメンド(アルバムMagic Manをサンデーソングブックで取り上げたようです)ですが、
今回は1982年作のL-O-V-Eから、クラップの入った、スラップベースの粘り付くブギー、Lock Me Upを選びました。
リズムパターンはシカゴソウルに代表的なそれですが、メロディアスなベースラインと鋭いホーンが
合わさってシティソウルな1曲に仕上がっています。

続いてニューヨーク出身のシンガー/プロデューサーのDr.York、1985年作からKashifがプロデュースを務めた
アーバンダンサー、Don't Stopも最高です。シルキーなストリングスと爽やかなコーラスを中心にしたフック、
時代を感じさせるシンセのリフレインなど、Michael Wycoff, Starship Orchestraなどに近い
重いグルーブに満ちた一曲です。軽いサウンドになりがちなこの時代のBCMの中でも異彩を放ちます。

ボカロPとしての活躍でも知られるトラックメイカー/SSWの春野による春野名義の1stEP、CULTから
リードトラックのターミナルセンターです。Vaporwave~最新のローファイヒップホップの影響を受けた、
ぼやけたテクスチャーのエレピと、生々しいリズムマシンの組み合わせが都会の夜を思わせるトラックです。
メロ部分の展開は歌謡曲的な懐かしさがありながら、BCM的なサビのハーモニーへと繋がる、
現代版クワイエットストームの佳作だと思います。Nujabesなど好きな方には堪らないサウンドだと思います。

続いて、R&Bではオハイオ州クリーブランド出身の4人組コーラスグループ、Smooth Approachの00年作, 2ndから
Isley Brothers/For The Love Of You~アメリカ大好き!/今田耕司(tofubeats/流星とも言いますが)
を思わせるシンセのリフを中心として、当時流行りの変則ビート、
NJSに多く使われるホーンのSEを加えたスロウジャム、Get At Meです。
本作のヒットでO'Jays, Zhane, KCi & Jojoとの共演を果たしますが、グループとしては短命に終わることとなりました。

1933年生まれ、ルイジアナ州出身のベテランシンガー、Lloyd Priceの1978年作からフィリーソウル全盛期の
サウンドそのままなダンサー、Special Part of Meも最高です。この時代ならではの生演奏の分厚さを楽しめます。

Air Supply/Here I Amをプロデュースしたことで知られるプロデューサー、/SSWのNorman Saleetによる
唯一のソロ、1982年作から、TOTO直系な熱くハードなギターソロが見事なLinesです。

関西学院大学の軽音サークルでMr. ChildrenやBUMP OF CHICKENの非常にハイクオリティなコピーをされているのを
発見し、見つけ出したバンド、ベルマインツは、ここ最近の邦楽ポップス~ロックの中でも特にお気に入りです。
Gt/ボーカルを務める盆丸一生さんの耳から離れない個性的なトーンの伸びやかなボーカルと、
シャキシャキしたカッティング、角松敏生以降のシティポップ/リゾートミュージックの香りも漂うシングル、
流星タクシーは一押しです。先日新たにEPをリリースしており、ブルー・ペパーズと並んで今後の活躍が楽しみです。
デビュー間もないのにも関わらず自身のサウンドを確立していて、スロウのB面ケセラセラではジャリ付いたギターを
バックにフォーキーなサウンドと、正統派JPOP/ロック復権の兆しを感じさせます。

「5番目のビートルズ」とも呼ばれ、Rolling Stones, Ray Charles, Sam Cooke, King Curtisなど
数多くの大物のバックを務めた鍵盤奏者、シンガーのBilly Prestonが1979年にMotownからリリースしたソロから
Gloria Jonesと共作のこみ上げる切ないメロウグルーブ、Youを選びました。David T. Walker(G), Paul Jackson Jr.(G),
Chuck Rainey(B), James Gadson(Ds)などが参加しています。シンプルなフックが繰り返される構造ですが、
メロディアスでモコモコとしたベースラインや枯れたギターソロで飽きさせません。

水樹奈々さんの楽曲からは、2015年作のSMASHING ANTHEMSより自身による作詞/作曲のテクニカルフュージョン、
エゴアイディールをどうぞ。上松範康作曲のNext Arcadiaに次ぐ演奏難度の高いトラックですが、
ライブでも完璧な再現度でただただ驚かされます。

ニューウェーブ、テクノポップを基調として様々なテイストの楽曲を残している
2人組音楽ユニット、アーバンギャルドのボーカリスト、浜崎容子の最新ソロアルバムも取り上げました。
角松敏生プロデュースでありながら、アーバンギャルド特有の暗く陰鬱な空気を残した独特なサウンドに仕上がっています。
森俊之(Key), 鈴木英俊(G), 本田雅人(Sax)などのほかに、
山内薫(B), 荒山諒(Ds, Jacob Collier, 寺井尚子、中島美嘉etc)など角松敏生のレコーディング、
ライブサポートで関わるスタジオミュージシャンが複数参加しています。
インストBCM~マシンファンクといったイントロから始まり妖艶なAメロへ移っていくバイブルは特に不思議な一曲。

何度かお掛けしているUK出身のシンガー、Maxine Nightingaleの1982年作(USR&B#35)から
ポップで多幸感溢れるアーバンブギー、Give A Little Love (To Me)です。曲ごとのクレジットは記載されていませんが、
James Gadson(Ds), Ed Greene(Ds), Cornelius Mims(B), Bob "Boogie" Bowles(G)などが参加しています。
良い意味で黒過ぎないすっきりとしたグルーブ、コケティッシュなボーカルの組み合わせが
UKソウルらしい爽やかさを生み出しています。これも名盤です。
以前お掛けしたGemini/Risingなどと並べて楽しみたい一枚です。

サイケデリック・ソウルと言われた1970年前後のTemptationsをプロデュースしたことで知られる
Norman Whitfieldがプロデュースした代表的なグループが、LA出身のRose Royceです。
彼らの1980年作からKenny Copelandの圧倒的な声量の太いファルセットで聴かせるメロウ、
Would You Please Be Mineを取り上げました。
その他にもUS Pop, R&Bで1位となった標題映画のタイトルソング、Car Washや、
BeyoncéのカヴァーしたWishing on a Starなどを収録した傑作です。

最後には2010年に結成されたインディーポップバンド、あっぷるぱいのセルフタイトルです。
SUGAR BABEが演奏しそうな楽曲をコンセプトとして、タイトルからサウンドの全てまで
当時に近づけた愛を感じる一枚です。ジャンクションはパレードを思わせるイントロ、本家よりも
もう少しジャジーなハーモニー、ウォーキングベースで彩る涼しげなトラックです。

おまけの30分では、管理人のこれまでの音楽遍歴を振り返りながら、「昨今のストリーミングサービスについて」、
思うところを気ままにお話ししました。

先日は名古屋市内のハードオフを回ったり、都内へ買い出しへ出かけたりと新たにアナログレコードを
掘り起こしておりますので、放送に反映できればと考えております。次回もお楽しみに。

前編

中編

後編

おまけ


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  1. 2019/10/25(金) 11:48:19|
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私的名盤放送第56回「録り溜めシティポップ、ブラコンで棚から一掴み」

私的名盤放送第56回「録り溜めシティポップ、ブラコンで棚から一掴み」

私的名盤放送56回1

私的名盤放送第56回2

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M1 If You're Ready /Beau Williams 『Beau Williams』 (1982)
M2 Blue /阿川泰子 『MS.MYSTERY』 (1987)
M3 Show Me What You Got /The Dramatics 『Somewhere In Time』 (1985)
M4 Shine The Light /Collage 『Shine The Light』 (1985)
M5 She's Gettin' Married /さかいゆう 『She's Gettin' Married』 (2019)
M6 Tonight's The Night /Harold Melvin & The Blue Notes 『The Blue Album』 (1979)
M7 Let You Know /Backman Johanson and the Others 『At Last』 (2018)
M8 ゆらゆら /岡本真夜 『Hello』 (1998)
M9 抱擁 /THREE1989 『抱擁』 (2019)
M10 Giving It Away /Angela Clemmons 『Angela Clemmons』 (1982)
M11 Give It Up /Pleasure 『Give It Up』 (1982)
M12 Get Together Again /CHEMISTRY 『CHEMISTRY』 (2019)
M13 Wise Woman /Moonchild 『Little Ghost』 (2019)
M14 Come To My Party /Eugene Record 『Trying To Get To You』 (1978)
M15 Many Mistakes /Bar-Kays 『Contagious』 (1987)
M16 (Baby) Love is a Two-Way Street /Addrisi Brothers 『Addrisi Brothers』 (1977)
M17 マジックアワー /STUTS, BIM, RYO-Z 『マジックアワー』 (2019)
M18 Why Did You Turn Me On /Maxine Nightingale 『Bittersweet』 (1980)
M19 For a Week Story /MILK 『MILK』 (1987)
M20 Doesn't That Mean Something /Geoff Mcbride 『Do You Still Remember Love』 (1990)
M21 Joy's Coming In The Morning /Paul Beasley 『My Soul Is Free』 (1983)

「放送アーカイブはこちらから」

【放送後記】
また1ヶ月ほど間が空いてしまい申し訳ありません。現在は内科での研修を一時的に離れ、救急初療室で日々を送っています。
12時間交代の2交代制で勤務しており、夜勤が連続することもままあります。昼夜逆転の勤務のため
なかなか更新できずにおりました。しかしその分自宅で過ごす時間が長くなり、音楽に触れる時間は今まで通り以上に
確保できています。

特にLPを聴く時間が長くなり、クレートも順調に出来てきておりますので、その点はご安心ください。
先日、東京へ久々に買い出しへ出掛けました。神保町のイーストレコード、渋谷のFACE RECORDS,
新宿のディスクユニオンソウル・ブルース館、下北沢のフラッシュディスクランチとGeneral Record Store、
Record Stationと周り、得意の80sソウルを中心にかなりの枚数買い揃えました。近いうちに放送に反映させますので、
ぜひお楽しみにされてください。

さて、今回も前回に引き続き、レコードで集めた作品から、そのエッセンスをお届けしました。
まずテキサス出身のゴスペル系シンガー、Beau Williams(1950-)の82年作1stから、SLAVEを思わせるような重い
グルーブが堪らないダンサー、If You're Readyで始めました。彼のレコードは比較的安く手に入れられて、
かつ鋭いカッティングギターの入ったファンキーな楽曲が多く、どれもおすすめです。

続いて、神奈川県出身のジャズ系シンガー、阿川泰子(1951-)のLA録音による1987年作からジャジーミッド、
Blueを選びました。George Bensonとの仕事で知られるRonnie Fosteや、同じくLAのフュージョン界きっての
鍵盤奏者、プロデューサーのDavid Garfieldを迎えて制作されています。彼らの人脈で
Nathan East(B), Michael Landau(G)が参加しています。ドラムスのフィルインなど多分にJeff Porcaro的なニュアンスで、
前に出過ぎずかつ非常にメロディアスなベースラインが素晴らしい。

Temptationsの影響下にあるグループとして称されることが多い、デトロイト出身の5人組、The Dramaticsの
87年作もどうぞ。同時期のWhispersにも引けを取らない、爽やかな高揚感溢れるシンセのバッキングが堪らない
Show Me What You Gotです。野性味あふれるリードボーカルに少しチープなシンセのリフレインと
トレブリーなカッティング、スラップベースのベースラインが合わさることで、この時代にしかない軽やかさが生まれます。

SOLARレーベル関連では、LA出身のボーカルグループ、CollageのひときわAOR色の強い85年作も最高の一枚です。
AOR~ブルーアイドソウル畑では、編曲にLenny Whiteが絡んでいます。表題曲Shine The Lightは
優しくファルセットに抜いたボーカルとフュージョン的なサックスソロ、David Fosterプロデュース期の
Earth, Wind & Fireの夢見心地な作品を思わせるようです。名曲。

ブラックミュージックに影響を受けたJPOPの中でも、特にもっと評価されても良いと思うSSWの代表格がさかいゆうさんです。
CM, ドラマタイアップなどありますが、それらに縛られ過ぎず、常に良質でグルーヴィー、キャッチーな曲を
生み出し続けていると思います。彼の最新シングルは90sアシッドジャズのブームを支えたIncognitoの
メンバーを迎えて制作されています。

少し時代を戻して、フィラデルフィアソウルを代表するグループの一つ、Harold Melvin & The Blue Notesの
1979年作、Tonight's The Nightです。Teddy Pendergrassが所属していたことでも知られるグループです。
テディペン脱退後のシングルですが、円熟したフィリーダンサーと言える一曲で、4つ打ちのディスコビートに
70sソウルの穏やかで上品な上物が載っているバランスが、この時代にしか実現できなかったバランスだと思います。

昨今のシティポップ/シティソウルの注目は大変嬉しいことなのですが、その中で、当時の邦楽だけでなく、
ヨットロックやフュージョン、ブルーアイドソウル、ブラックコンテンポラリーなど洋楽にも注目が
集まれば、と思う今日この頃です。Backman Johanson and the Othersは北欧出身の現行AOR系バンドで、
City Soulのコンピレーションにも取り上げられました。AORの人気が低迷していた90-00年代においても、
北欧ではその人気が続いており、Tomi Malm(Key, 彼のソロ作もBill Champlinが参加していたりと素晴らしいです)や
Ole Borudのバックバンドも参加しています。TOTO/AIRPLAY直系のCut and Pasteもよいですが、
ウェストコーストの音ととファンクグルーブを見事に融合したLet You Knowも最高です。

90年代という日本のポップスの黄金期の中でも、1998年と言う特別な年にリリースされた岡本真夜のHelloから、
彼女の普段作り出す陽だまりのような優しいポップスとは一味違うアーバンファンクなゆらゆらを選びました。
編曲には森俊之が関わっており、同時期のスガシカオや椎名林檎のバックを思わせるような繊細な
グルーブを作り出すドラムスが最高です。背景にはAverage White BandやRufasなどの影響が窺われます。
案外忘れられがちなJPOPレアグルーブの筆頭だと思います。

最近の邦楽ポップスには好きな曲が非常に多く嬉しい限りです。特にtofubeatsやPUNPEE周辺の人脈、アーティストには
自分の好きなサウンドが多く、掘り起こしがいがあります。THREE 1989は1989年生まれの3人組
(マルチプレーヤー、DJ, ヴォーカリスト)で、80sソウルやディスコからの影響が非常に強く表れています。
ニューシングルの抱擁は少し時代を進めてLeVertなど80年代末から90sR&Bのスロウジャムをお手本にした
蕩けるような一曲です。90s~アメリカ時代の久保田利伸や、Skoop of Somebodyがお好きな人には嵌ること間違いなしです。
今の時代の録音をもってすれば、TR808の音も非常にぶっとく、Giorge Pettusのクワイエットストームにも匹敵します。

その他、松尾潔さんのもと再び再結成しセルフタイトルアルバムを発表したCHEMISTRYの最新作から、
tofubeatsが手掛けたダンサー、Get Together Againも一緒にどうぞ。

レアグルーブからは、Kashifのバックコーラスを務めたヴォーカリスト、Angela Clemmonsの82年作を。
Minnie RipertonやLinda Lewisを思わせるような少しコケティッシュ声質のボーカルと、シャープなリズム隊と
サビへと向かって行く妖しげな高揚感が堪りません。

もう一つレアな一枚では、オレゴン州ポートランドで結成された6人組ファンクバンド、Pleasureの
特にAOR~ブルーアイドソウル色の強い82年作から表題曲のGive It Upです。70年代後半から80年代に掛けて
ファンク/レアグルーブ界隈での評価が高いバンドで、のちにメンバーはCOOL'Rの名義で活躍することとなります。
この82年作はGlenn Jones/I Am Somebody, Fonzi Thornton/The LeaderをプロデュースしたRobert Wrightが手掛けています。
表題曲はMichael McDonald参加前後のDoobie Brothersをディスコ寄りにしたような一曲です。
それ以外にももっとファンク色の強いメロウグルーブ、What's It Gonna Beも最高です。見つけたら即買いましょう。

近年のブラックミュージックからは、南カリフォルニア大学で結成された3人組、Moonchildの最新作から、
クワイエットウェイブ、アンビエントソウル、ネオフィリーの中間を行くWise Womanです。
アンビエントソウルはビート感が希薄でなかなか楽しみ切れていなかったのですが、
彼らの楽曲は音作りがカラフルで聴きやすいと思います。

山下達郎さんのサンデーソングブックを聴いて知ったアーティストやプロデューサーは数知れませんが、
その中でも、学生時代に心に刺さったのがChi-Litesのリードボーカリストであり、その後プロデューサーとして
メロウなシカゴソウルの傑作を数多く生み出したEugene Recordです。ソロ名義でのアルバムは3枚あり、
最近ようやく揃いました。1979年作の2ndでは彼とco-writerとしてヒットを生み出したBarbara Acklinが
コーラスで参加し、Earth, Wind & Fireのホーンサウンドを司ったアレンジャー、Tom Tom 84を迎えています。
その中から独特のリラックスした感じがいかにも彼らしいCome To My Partyを。

80年代に入り、リズムマシンやシンセサイザー、デジタル録音の技術が向上するにつれて、
もともと大所帯で活躍していたバンドが人数を減らして活動するパターンは、比較的多くみられました。
CameoやBar-Kaysはその代表格ともいえますが、80年代後半の彼らのアルバムには、
今振り返られるべきデジタルファンクやクワイエットストームが数多く収録されています。
87年作から粘っこいボーカルと単音カッティング、強くリヴァーブの掛けられたスネアが時代を感じさせる
Many Mistakesを選びました。

今回の放送で一番お掛けしたかったのが、PUNPEE feat. STUTS/夜を使い果たしての元ネタとなった、
マサチューセッツ州出身の兄弟2人組によるブルーアイドソウルユニット、Addrisi Brothersの77年作の1stから、
A面5曲目にひっそりと収録されたBaby, Love Is A Two Way Streetです。オリジナルアルバムは僅か3枚しかない
グループですが、そんなところから、息を呑むような美しい冒頭のテーマと、暖かさに満ち溢れたアレンジの名曲を
見つけ出すPUNPEE/STUTSはやはり天才だと思わされます。モータウン直系のメロディアスなベースラインと、
冒頭のテーマとなるメロディを様々に変奏しながら進んでいく、豪華な編曲でありながら爽やかな質感がある、
不思議な魔法の掛けられた一曲だと思います。Discogsでスウェーデンからレコードを取り寄せたかいがありました。
それに引き続いて、STUTSがBIM, RYO-Z(RIP SLYME)と組んで発表した新曲、マジックアワーも素晴らしいです。
ジャケットのような夏終わりかけの夕暮れを思わせるイントロ部、サウスのヒップホップ的なドラムの音色、
後半のギラギラとしたトラップビートとジャジーなコード進行など、目くるめく変わっていくサウンドスケープが
素晴らしい。

もう一曲、AOR系では1952年、ロンドン出身のシンガー、Maxine Nightingaleの1980年作を取り上げました。
70年代末にミリオンヒットを幾つか持つ彼女ですが、80年前後の楽曲はいい意味で黒過ぎず、
当時のフュージョン系のスタジオミュージシャンが参加しているものも多いです。
BittersweetではAbraham Laboriel, Bobby Watson, Jerry Knight(B), John Robinson(Ds)などが参加しています。
特に、ジャジーなハーモニーとAbe Laborielと思われる繊細なベースライン、Rhodesのファンキーなバッキングが堪らない
A2 I'm Givin' It All To Youと、たゆたうボーカルとストリングスに多幸感溢れるサビが最高に
メロウなB4 Why Did You Turn Me Onなど、シティソウルの観点から今振り返られるべき一枚です。
彼女の他の作品も鋭意収集しております。

続いて、和モノではRecord Store Day限定盤として再発されたボーカルデュオ、MILKの自主制作版7インチシングルから
For a Week Storyです。西城秀樹や河合奈保子、亜蘭知子のバックボーカルを務めたことでも知られる
RitsukoとRieによる姉妹ユニットで、その他の詳細は不明です。George Benson/Turn Your Love Aroundを
思わせるようなイントロフレーズが印象的なミッドファンクで、
うねうねしたシンセベースと少し薄い音のバッキングが最高。

Gelard Levertのプロデュースで唯一のアルバムを発表したボーカリスト、Geoff McBrideの90年作は、
ソングライターでGarry Glenn(Anita Baker etc)が参加した艶やかなNo Sweeter Loveや、
明るいシンセのバッキングとどこかもの悲しいメロディの組み合わせが切ないDoesn't Mean That Somethingが出色です。

そして最後には、Mighty Clouds of Joyというソウルグループのボーカリストとしてデビューした
Paul Beasleyというゴスペルシンガーのソロ、83年作です。あまりそれ以上の情報が出てこない、
ややマイナーなアーティストですが、いわゆるジャケ買いで大成功した一枚でした。
Joy's Coming In The Morningは繊細なファルセットボーカルと、端正なグルーブ、ウェストコーストの
フュージョンを思わせるサックスソロなどが組み合わさった、AOR的な視点から見ても楽しい一曲です。
AORファン的には、CCM(Christian Contemporary Music)系のバンドとして知られるWhite Heartの
ギタリスト、Dann Huffが参加している点も見逃せません。
ほかにもメロウソウルなA1 My Soul is Free、Jim SchmidtとPagesの2人がタッグを組んだ、
Love Has Taken It All Away(前回お掛けしました)のカヴァーなど、思いがけない発見が沢山ある一枚でした。

私的名盤放送、第56話もいかがでしたでしょうか。引き続き、全ての録音はTweetCastingホームページ、
このブログの記事のどちらからも聴くことが出来ます。

皆様のおかげで毎回200-300人ほどのお客様に見て頂いております。大変嬉しく思っております。
コメント、リクエストなど可能な範囲でお答えしますので、Twitter DMまたはブログのコメント欄まで、ぜひお寄せ下さい。
次回もお楽しみに。

前編

中編

後編


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  1. 2019/10/05(土) 18:22:43|
  2. 私的名盤放送セットリスト
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私的名盤放送第55回「録り溜めLP音源で送るシティポップ、レアグルーブ特集」

私的名盤放送第55回「録り溜めLP音源で送るシティポップ、レアグルーブ特集」

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「放送アーカイブはこちらから」

M1 MIRACLE TOUCH /ブレッド & バター 『SECOND SERENADE』 (1984)
M2 Step by Step /Terry McCullough 『Step by Step』 (1985)
M3 Patience /Grady Harrell 『Romance Me』 (1990)
M4 Night Flight Telephone Call /一十三十一 feat. PUNPEE 『Snowbank Social Club』 (2014)
M5 City Night /中原めいこ 『ココナッツ・ハウス』 (1982)
M6 You're Gonna Get Served /Gene Rice 『Just For You』 (1991)
M7 秘密 /Maica_n 『秘密』 (2019)
M8 iをyou /フレンズ 『iをyou』 (2019)
M9 A train to chuncheon /김태연 『A train to chuncheon』 (2019)
M10 Don't Wanna See You Cry /Clifford Coulter 『The Better Part Of Me』 (1980)
M11 Once In A Life /Joe Chemay Band 『The Riper The Finer 』 (1981)
M12 Seaside Romance /島谷ひとみ 『briliant』 (2019)
M13 Yearning for Your Love /PJ Morton 『PAUL』 (2019)
M14 So You Are Love /The Dells 『I Touched A Dream』 (1980)
M15 リバーシブルで恋してる /彩恵津子 『Delication』 (1986)
M16 Love Has Taken It All Away /Jim Schmidt 『Somethin' Right』 (1983)
M17 Repeat /FlowBack 『do not hesitate』 (2019)
M18 (Every Time I See) A Pretty Lady /Gemini 『Rising』 (1981)
M19 I'm in Love /亜蘭知子 『浮遊空間』 (1983)
M20 恋のマメチシキ /尾崎由香 『MIXED』 (2018)
M21 I Believe in You /Enchantment 『Soft Lights, Sweet Music』 (1980)

【放送後記】
私的名盤放送、またしばらく間が空いてしまいました。
医師生活3年目を迎えて半年間が経ちましたが、この1, 2ヶ月の間はこれまでで最も多忙な時間となりました。
夜間、休日の呼び出しや深夜に渡る勤務も多く、重症の集中治療室の患者さんを担当したりと、
研修医時代には経験しなかった緊張感や責任感を感じる場面が多く、正直疲労も溜まっております。
今月末からは救急初療室での専従業務が始まり、未熟ながら救命の第一線で働くこととなります。

しかしながら私的名盤放送は自分のライフワークとして続けていくつもりですので、どうかお楽しみ頂ければと思います。
前回はゲストにDJゆか坊を迎えての放送でしたが、今回はこれまでに集めてきたアナログレコードの音源を中心に、
シティポップ、ブラックコンテンポラリー、レアグルーブをお送りしました。

和モノからはまず、岩沢幸矢と岩沢二弓の2人組フォークデュオ、ブレッド&バターの9thフル、Second Serenadeから
シャッフルのリズムのメロウグルーブ、ミラクル・タッチです。シングルコイルの枯れたトーンのギターソロ、
気怠い歌い方のボーカルと幾重にも重ねられたコーラスワークが素晴らしい。
山下達郎ファンとしては「ピンク・シャドウ」の収録されたBarbecueも必聴盤です。

その他、ラテン音楽、フュージョン、同時代的なAORの影響も感じられながら、それらをあくまで昭和歌謡曲の観点で
纏め上げ、いなたい歌詞の世界も個性的な中原めいこ(1959-)の82年作、1stからCity Nightです。
Jay Graydonを思わせるような強めのリヴァーブが掛かった今剛のギターから始まるイントロが印象的です。

角松敏生プロデュース期の杏里の楽曲を思わせるような彩恵津子のモダンブギー、リバーシブルで恋してるです。
彩恵津子は1961年生まれで1986年作の3rdからの一曲です。グロッケンのような音色の煌めくシンセのバッキングと、
少しチープなホーンのオブリガートが時代を感じますが、リズムのスクエアさやメロディには
作曲者の崎谷健次郎らしい節回しを感じます。

同じく角松敏生/オメガトライブの流れを汲んだリゾートミュージックな一曲に、
島谷ひとみの最新EPからSea Romanceを選びました。作曲には佐原陽と七海光が参加し、
編曲には管理人一押しのシティポップ~AOR~ブルーアイドソウルユニット、ブルーペパーズの井上薫が参加しています。
細やかなヴィブラートが掛かった表現やファルセットへの抜き方など、どこか水樹奈々さんに近いものを感じさせる
島谷さんのボーカル、Raw Stylusなど90sアシッドジャズの香りがする間奏のハーモニーや手数の多いドラムスに、
歌謡曲的なメロディが載ることで独特の魅力が生まれます。アウトロの懐かしいシンセソロはブルーペパーズの楽曲への
相似形を感じさせてくれます。

さらにもう一曲、杏里/角松敏生を思わせるシティポップを、KPOPを代表するアイドルグループ、
少女時代のテヨン(김태연)のニューシングル、A train to chuncheonです。元のバージョンはKim Hyun Chulの
1989年作と思われます。これもまとめてどうぞ。

そのほか、シティポップ系レアグルーブとして海外での評価が高い亜蘭知子の1983年作から、
現在、水樹奈々のバッキングを務める北島健二らが所属したFENCE OF DEFENSEが参加したメロウ, I'm in Loveです。

この頃のシティポップの楽曲の相似形を、現代の声優ソングにみることができると思いますが、
TVアニメ「けものフレンズ」、サーバル役の出演で知られる尾崎由香の1stフルから、
現代シティポップ~AOR, 80sソウルリヴァイバルを代表するバンド、NONA REEVESの西寺郷太によるプロデュースの
恋のマメチシキです。気の抜けたラップとNONA REEVESの代表曲、Love Togetherを思わせるような
ハーモニーの組み合わせが現代版「恋愛サーキュレーション」ともいえるグルーヴィーな一曲です。

さらに現代JPOPからは、おかもとえみをヴォーカリストとする5人組バンド、フレンズの最新シングル、
iをyouを取り上げました。00年代半ばにいきものがかりが作り出したJPOPサウンドを、
もうすこしブラックミュージック的なグルーブを下地にして演奏したような、ありそうでなかったグループだと思います。
とにかく全ての楽曲がキャッチーで、地上波のドラマの主題歌にも採用されているようですが、
あいみょんやOfficial髭男dismに次いで、今後有名なグループになるのではないかと思っています。

もう一人、徳島県出身の大学生SSW, Maica_nの1stEPからSMAP, 今井美樹、鬼束ちひろなどのレコーディングに
関わった富樫春生を編曲に迎えた秘密です。丸の内サディスティックに代表されるような80sソウル進行を下敷きとした
ムーディーな一曲で、後半はディストーションギターのソロとブレイクからエレピが前に出てくるアレンジなど、
短い循環コードの楽曲でありながら、飽きさせない工夫に富んでいます。
そのほか時間の都合で紹介できませんでしたが、ボサノヴァのリズムの弾き語り「タバコと私」は
彼女の脱力した歌の魅力をたっぷりと楽しめます。メロディはこちらの方が美しく、必聴です。
これと併せて水樹奈々/LOOK AWAYも是非どうぞ。

現代の邦楽シティポップ歌姫の一人として、クニモンド瀧口プロデュースのもと、流線型のフルやCity Dive以降の
一連の作品でも知られる一十三十一の「冬」をテーマにした一枚から、今のノリにノっているPUNPEEをゲストに
迎えたNight Telephone Callです。

続いて、人生で初めてDiscogsを使って購入したレコード、ノルウェー出身と思われる詳細不明なシンガー、
Terry McCulloughの唯一のミニアルバム、1985年作から表題曲のStep by Stepです。
ディスクガイドなどにも全く載っていませんが、新宿「カブキラウンジ」のAOR系イベントで耳にした記憶があります。
バリトンヴォイスの太いボーカルの優しい表現と意外なほどにクリアな音質、フィリーソウル的なバッキングの組み合わせが
渋いブラコンです。その他、Patti Austin/ I've Got The Melodyのカヴァーなどが収められています。

レアグルーブ系ではBill Withersのバッキング、ギタリストのClifford Coulterによるソロアルバム、1980年作(Columbia)です。
John Lee Hookerの人脈によってBill Withersに見いだされた人のようで、
Bill Withers自らプロデュースとキーボードで全編に参加しています。
オハイオファンクにも負けないねっとりとしたグルーブがアルバム全体に満ち満ちており、
特にクラヴィネットのリフレインとスラップベースが頭から離れない最高のレアグルーブ、Don't Wanna See You Cryです。
本作は以前にも紹介していますが、全ての曲をラジオでお掛けしたいくらいお気に入りです。

NJSでは80年代末にRCAから何枚か作品を残しているBCM系のシンガー、Grady Harrellの1990年作、Romance Me
(放送本編ではシングルオンリーと言いましたが、アルバム収録曲でした、失礼しました)から
Teddy Riley直系のキャッチーな一曲です。意外と知られていないですが最高です。サビに向かって行く高揚感が堪りません。
Grady Harrel自身は非常に器用なシンガーで、一般にNJS系のシンガーはあまりパワーや情緒の表現力が無い人が多い中で、
歌い上げる楽曲も、こうしたシャープな歌い方も出来る貴重なタイプだと思います。

髭をたっぷりと蓄えた風貌はまるでTeddy Pendergrassを思わせるブラコン系シンガー、Gene Riceの1stフルアルバム、91年作
Just for YouからBy All Means一派プロデュースによる絶品のクワイエットストーム、
You're gonna Get Servedです。重く溜めの効いたマシンビートが堪りません。

TOTOやKarizmaなど、80年代にはスタジオミュージシャンを集めたスーパーグループが数多く結成されました。
その中で、今回はLAを拠点としてLeon Russell, Beach Boys, Elton John, Christopher Crossなどのレコーディングに
参加したベーシスト、Joe Chemayを中心としたJoe Chemay Bandを取り上げました。唯一作で81年作です。
のちにJoe Chemayはウェストコースト系AORを代表する名盤、
Frankie Bleu/Who's Foolin' Who?をプロデュースすることになります。(Frankie Bleuの所属したGabrielの75年作も希少盤です)
粒ぞろいの楽曲の中でも今回は一番メロウなOnce In A Lifeを取り上げました。

Maroon5のツアーへの参加で知られ、India Arieへの楽曲提供でグラミーを受賞したキーボーディスト、SSWのPJ Mortonの
新譜から、とりわけ80sのクワイエットストームの流れを感じるYearning for Your Loveです。

大きく時代を遡り、シカゴで結成され1950年代から長い歴史のあるボーカルグループ、The Dellsの
1980年作はEarth, Wind & Fireのアレンジを手掛けたTom Tom 84と、Chi LitesのEugene Recordを制作に迎え、
オーセンティックでありながら泥臭くない仕上がりです。間奏部分の豪華なアレンジと盛り上げ方が素晴らしいSo you are loveです。

CCM系(Contemporary Christian Music)ではJim Schmidtの83年作を選びました。PagesのRichard Page, Steve Georgeのほか、
Roby Duke, Paul Jackson Jrなど参加しており、AORがお好きな方なら名前を聞いただけでサウンドが想像できるかと思います。
エレピの音の揺れる感じやペキペキしたカッティング、コーラスワークなどPages好きなら確実に嵌る一曲です。

SME系のレーベル、キューン・ミュージックからデビューした5人組ダンスボーカルグループ、Flowbackの
ニューアルバムから、松尾潔プロデュース期のEXILEを思わせるような、Chris Jasperが前面に出ていた頃の
Isley Brothersからの影響も感じる90sJR&Bなブギー、Repeatです。

そして、もう一枚以前にも紹介したレアグルーブ、詳細不明の2人組によるユニット、Geminiの1981年作から
(Cornelius "Hot Lix" Mims(B), James Gadson(Ds), Ed Greene(Ds)などが参加しています)
蕩けるようなファルセットのフックが堪らないスロウです。

最後には70年代後半~80年代初頭に活躍したフィリーソウルのグループの中でも、
最も好きなグループの一つ、Enchantmentはデトロイト出身の5人組で、今回は80年作の4thから
重厚なグルーブに朗々としたリードボーカル、コーラスが載った、70sソウルと80sディスコの美味しいところが
見事なバランスで混ざった一曲、I Believe In Youを選びました。本作と83年作、Utopiaは何度聴いても飽きない傑作です。

今回はトーク少なめ、楽曲多めでお送りいたしました。いかがでしたでしょうか。
皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように。おやすみなさい。

前編

中編

後編


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  1. 2019/09/18(水) 23:30:23|
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私的名盤放送第54回「昭和歌謡特集 ゲスト:DJゆか坊」

私的名盤放送第54回「昭和歌謡特集 ゲスト:DJゆか坊」

「放送アーカイブはこちらから」

M1 ハリウッド・スキャンダル /郷ひろみ
M2 思いは必ず届く /佐藤聖子
M3 嵐のマッチョマン /とんねるず
M4 Slaughter of the Soul /At The Gates
M5 ファンタスティック・ウーマン /大橋純子
M6 JODAN JODAN /海援隊
M7 北風と太陽 /久保田利伸
M8 アダムとイブ・スーパーライブ /ピンク・レディ
M9 フリースタイル /水樹奈々
M10 恋する惑星 /花澤香菜
M11 ホットラインは内線424 /中原めいこ
M12 LOVE AFFAIR /サザンオールスターズ
M13 片方ずつのイヤフォン /平井堅

私的名盤放送第54回は久々のゲストを迎えての放送となりました。
名古屋で昭和歌謡曲DJとして活躍するDJゆか坊さんをお招きして、選曲頂きました。
市内のレコードショップ談義や昭和歌謡曲のおすすめをお掛けしています。ダンサブルな楽曲多めのラインナップです。
直近では
①9/22(日) 栄FLOW lounge(名古屋市中区)にて昭和歌謡 レコード限定イベント「昭和アナログモード」開催(17:00-22:00)
②9/27(金) 昭和歌謡曲バー スウィートメモリーズでの「のすたるじっく・フライデー」単独DJ (19:00-23:00、毎月1回あり)
に参加されるとのことです。

9/22のイベントには私も参加できそうな状態ですので、病棟の業務などが無ければお伺いすると思います。
名古屋在住の私的名盤紹介読者様はぜひ、お越し下さい。参加される方はTwitter DMへご連絡下さい。

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  1. 2019/09/07(土) 22:06:36|
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
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フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。
※放送企画として「私的名盤放送」というラジオを配信しております。
ツイートキャスティングホームページをご覧下さい。不定期に配信、Twitterにて情報を呟いております。ハッシュタグは「#私的名盤放送」です。宜しくお願い致します。
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