私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

You Belong To Me/The Doobie Brothers(1977) 歌詞訳例

お世話になっております。管理人のSystematic Chaos(@privategroove)です。

深夜のこんな時間ですが、ふとやったことのない企画を思いついたのでやってみます。
それは、洋楽の歌詞を考えるというものです。

とは言っても、ネットを調べれば日本語訳は載っていることも多いのですが、
輸入盤しか持って居なくてブックレットがなく、ネットにも訳が転がっていないものもよくあると思います。

という訳で、僕の洋楽の原体験の一つであるThe Doobie BrothersのMichael McDonald在籍時のアルバム、
Livin' On The Fault Line(1977)から、You Belong To Meの歌詞の対訳を作ってみました。
適当な訳なので細かい間違いはご了承ください。

では、どうぞ。

You Belong To Me/The Doobie Brothers(1977)

Livin On The Fault Line500

Why'd you tell me this
While you look for my reaction
What do you need to know
Don't you know I'll always be the one
You don't have to prove to me you're beautiful to strangers
I've got lovin' eyes of my own
You belong to me
In this life
Anyone could tell
Any fool can see who you need
I know you all too well
You don't have to prove to me you're beautiful to strangers
I've got lovin' eyes and I can tell

君はどうしてあんなことを僕に言ったんだい
僕の答えを求めておきながら
君は何を解っておくべきなのか
僕が、どんなときも君の運命の人であり続けるということを、君は知らないのか
自分が綺麗だという事を、他の、僕の知らない誰かに証明なんてしないでいいんだ
僕は自分の視線に愛を込めて見つめているよ
君は僕のもの
この人生で
誰が見たってわかる
どんな馬鹿者が見ても、君が必要な人が誰か分かるだろう
僕は君のことを嫌というほど分かっている
自分が綺麗だという事を、他の、僕の知らない誰かに証明なんてしないでいいんだ
僕は自分の視線に愛を込めている、そして僕には分かる

【訳者註】
※Why'd=Why did
※be the one=be the only one who she lovesの意か。
※ 've got=have got=have

You belong to me
Tell him you were foolin'
You belong to me
You belong to me
Tell him he's a stranger
You belong to me

君は僕のもの
彼奴に馬鹿野郎と言っておくれよ
君は僕のもの×2
彼奴には赤の他人だと言っておくれよ
君は僕のものなんだ

☆試しにやってみましたけど、恥ずかしくて冷や汗が出てきました(笑)
やはり英語詞は英語だから良いってのもありますね、日本語だとメンヘラ感が凄い!

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  1. 2016/09/14(水) 03:23:46|
  2. The Doobie Brothers
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今日の一枚(403)※

Album: Head Quarters
Artist: Monkey House
Genres: Soft Rock, AOR

Monkey House

カナダ出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー、キーボーディスト
作家、音楽評論家のDon BreithauptによるソロAOR,ソフトロックユニット。
1992年活動開始。2012年作の3rd。バークレー音楽大学奨学生(ジャズ、作編曲)、
クイーンズ大学卒(フィルムスタディー)。

日本では今年の4月に国内盤が発売され、かなりクオリティーの高い
Steely Danに影響を受けたサウンドでその名が知られるようになりました。

彼は音楽評論に関わる作家としても活動しており、SDマニア、研究家の一人
として、「スティーリー・ダン Aja 作曲術と作詞法」(2007, DU BOOKS)という
Ajaの研究本を出版しています。以前私的名盤紹介で取り上げた
冨田恵一のナイトフライ本と合わせれば、Donald Fagen, Walter Beckerと
Steely Danがどのような軌跡を辿ってきたか、その録音技術、編曲、作曲、
ソロイストの扱い方や選び方、プログラミング、そして彼らの歴史を
かなり深いところまで学ぶことができるようになったと思います。
その他に、映画評論家としても活動しているようです。

SDの影響を強く受けたこのMonkey Houseは、1992年に1stアルバム、Welcome To The Clubを
発表しデビューということですが、編集盤を含めた3枚のアルバムは
今のところリイシューされておらず、手に入れるのは難しい状態が続いています。

また彼はキーボーディストとして、スタジオミュージシャンとしても
活動しており、Rik Emmett(Vo, G, exTriumph)、Kim Mitchell(Max Webster)などの
カナダ国内のハードロック系のミュージシャン、
ボーカリストではSass Jordan(1962-)、Wendy Landsなど、
多くのアーティストのバッキング、レコーディングに参加しています。

作曲家としては、テレビ番組の音楽を多く手掛けており、
2009年には6teenという人気アニメ番組の音楽を手掛けてエミー賞、
カナダの主要音楽賞であるSOCAN Awardで3つの受賞歴もあります。
テレビ音楽の制作では、AOR関連ではMarc Jordanとの共演も知られており、
本作でも作曲に参加しています。

ソングライティングに関しては、彼の兄である作詞家のJeff Breithauptと
共に活動することもあるようです。

スタジオミュージシャンは、基本的には彼の見知っているカナダ国内の
スタジオミュージシャンが中心となっており、これは1stの頃から大きくは変えていません。
ゲストには本家SDのサポートを務めていた
Michael Leonhart(Trumpet)とDrew Zingg(G)、
前作にも参加したPat Metheny Group出身のDavid Blamires(Vo)、
それにRik Emmett(Vo, Triumph)を迎えて制作されており、非常にリッチな音を
楽しむことができます。優れたソロに一糸乱れぬバッキングと、
殆どすべてを生演奏で収録しており録音状態も良いため、
パッと聴くとSDと殆ど遜色ないほどに作り込まれた曲が並んでいます。

Right About Now
ファンキーで粘りのあるビートとさっぱりしたアレンジで近年のDonald Fagenソロを思わせるような一曲です。

I Could Do without the Moonlight
シンセのリフを中心としながら動きの少ないメロディでサビにかけて盛り上げていく展開は80s的で、
グルーブの中にトロピカルなスイング感を出しているのが面白いです。

Checkpoint Charlie

Lazy Nina
Greg Phillinganesのソロアルバム、Pulse(これも隠れた名盤)に収録されているDonald Fagenプロデュースの一曲の
カヴァーバージョンというマニアックなトラックですが、原曲よりもレイドバックしたアレンジになっていて、
自然と身体が動いてしまうグルーブです。サビもキャッチーで最高。

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  1. 2015/11/27(金) 00:31:09|
  2. Monkey House
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今日の一枚(400)

Album: The Second One
Artist: State Cows
Genres: Soft Rock, AOR

Second One

スウェーデン、ヴェステルボッテン県ウメオ出身のDaniel Anderson(Vo, G, 1980-),
Stefan Olofsson(Key, B, 1976-)の二人によるAOR, ウェストコーストロック、ソフトロックユニット。
2010年にメロディックロックを扱うドイツのレーベルAvenue Of Alliesからデビュー。2013年作の2nd。

ルレオ工科大学ピテオ校の在学中に出会った2人は、The Beatlesとウェストコーストロックが
共に好きだったということで意気投合し、BeatlesとSteely Danのトリビュートバンドを
組むなどしていました。

2003年には交換留学の制度を活用して二人は憧れのLAへと渡ります。
Stephanの母親がJay Graydonのオフィシャルホームページの運営を行っていた
というコネクションもあり、驚くべきことにJay Graydon, David Foster, Bill Champlin,
Jason Scheff(Chicago), Jimmy Haslip(Yellowjackets)といった西海岸のAOR~フュージョンに関わった
超一流のミュージシャンと会うことができました。

帰国後DanielはDays In L.A.(2008)というソロアルバムを制作、ここにもStefanが参加しており、
2010年にはユニットState Cowsを結成、欧州デビューを飾ることになります。

1stアルバムはデビューと同じ2010年に発売され、基本的には地元のスタジオミュージシャンを集めて
制作されましたが、ゲストにJay Graydonが一曲ギターソロで参加しているなど、
新たなネオAOR界を担うミュージシャンとして注目されていることが伺われます。

2ndアルバムとなる今作では、選び抜かれた地元のスタジオミュージシャンに加えて、
ファイル交換という形でJay Graydon(G), Michael Landau(G), Bill Champlin(Vo), Ian Bairnson(G),
Peter Friestedt(G)などがゲストとして参加しています。

Ian Bairnsonは1953年生まれのスウェーデン出身のスタジオミュージシャンで、
The Alan Parsons Projectというプログレッシブロック、ソフトロックバンドの
中心メンバーとして活動していたギタリストです。
Peter Friestedtは二人と同じくスウェーデン出身のスタジオミュージシャン(ギタリスト)で、
自身のAORプロジェクトであるThe L.A. Projectで、00年代からBill Champlin, Joseph Williams,
Yellowjackets, Abraham Laboriel, Michael Ruff, Bill Cantos, John Robinsonなどが
参加したオリジナルアルバムを2枚発表している、言わば彼らにとって
北欧ネオAOR界の先輩にあたる人物です。

本作のサウンドとしては、もともとコピーバンドをやっていたこともあり、凝ったコード進行など
Steely Danに近いとも言えるのですが、それよりもさらに近いと思われるのが、
Pages(AORタブを参照)のサウンドと言えると思います。
Earth, Wind & Fire的なホーンの使い方など、ファンクネスに溢れた曲、
Airplayなどメロディックハードロックよりのもの、ボーナストラックではDonald Fagenの
ソロにも近いようなジャジーさに振った楽曲や、長めのインスト曲など、
AORファンには堪らないアレンジと曲展開がぎっしりと詰まった一枚になっています。
1st(これはこれで良かったですが)よりも本作ではさらに洗練されたアレンジになっていて、
最近のJaR(Jay GraydonとRandy Goodrumのユニット, AORタブ参照)にも近い、
モダンな音にもなっています。

#1This Timeは、冒頭からコーラスの掛かったハードなリードギターでAirplayの
如くメロディアスに始まり、テクニカルなキメ、リズムチェンジを挟んでシンセの音が
メロディアスハードを思わせるようなメロ、サビではSDっぽいジャジーな展開を挟んだ一曲。
スウィンギーなドラムスはJeff Porcaroを強く思わせるものになっています。
Michael Landeuのギターソロは速弾きも入っていますが基本的にはブルージーです。お気に入り。

シンセのソロから始まりサビではダンサブルに仕上がっているミドルテンポ
#2In The Cityは、右チャンネルを流れる単音カッティングを中心としたリフがクリスピーです。
薄くかけられたストリングス系のシンセ、ホーンの音の薄さが逆に80sを思わせる音づくりになっています。
Jay Graydonのギターソロは得意のピッキングハーモニクスに滑らかなレガートが絡んだ流麗なソロです。
シンセベースとピアノソロによるブラコン風味のインストパートを挟んで、再びEWFを思わせるような
サビへと展開しながら部分転調を繰り返していきます。最高。

#3Mister Whiteは左チャンネルを流れるアフリカンなパーカッションをアクセントにしつつ、
Pagesっぽいコーラスワークと、ピアノのコードリフを中心にしたジャジーな一曲。
音の密度も小さくなり、ピアノのリフの休符が生かされてグルーブが生み出されています。お気に入り。

#4Hard Goodbyeはウェストコーストロック的な哀愁漂う冒頭部から、サビにかけて意表を突いた
展開はDary Hall & John Oatesを思わせるような面白い一曲。
サスティーンの短いシンセベースの音はブラコン的です。
Sven Larssonのギターソロは音数少なく、渋くてBuzz Feitenのようなプレイで素晴らしい。最高。

#5Scofflowsはフランジャーの掛かったシンセの跳ねたコードバッキング、
フルートのような音のシンセが前に出たミステリアスな雰囲気を湛えた一曲。
ギターソロは90sのアシッドジャズに近い音遣いです。

#6I Got Myself Togetherは滑らかなコーラスワークの生かされたサビ、ツインギターによる絡み、
テクニカルなギターソロがフィーチャーされた一曲。

ゲスト参加したBill Champlinが歌う#7Finally Fair And Balancedは、冒頭からソリッドなR&B的な
アレンジから始まったかと思うと、徐々にファンキーで肉体的なサビへと変貌していきます。
13Cats辺りが好きな人には堪らないサウンドだと思います。そして途中で謎のアンビエントパート
が挿入され、ラストサビへと盛り上がっていきます。

SD感満載でHome At Lastを思わせるような展開に思わずニヤニヤしてしまう
#8Center Of The Sunは、左右に揺らしながら東洋的なメロディで聴かせるシンセソロが面白いです。

本作では唯一となったスローテンポの#9California Goldは、 Goran Turbonのギターソロが
しっかりとフィーチャーされた一曲で、ピッキングニュアンスまで伝わってくる
繊細さで最高です。お気に入り。

#10Nineteen Eighty Oneは、タイトル通り1981年の音楽シーンを思い出させるキーワードが
そこら中に散りばめられた一曲です。タイトなドラムスとジャストなシンセベースのバッキング、
カラリとしたギターによる前半部から、一気にテンポアップして不気味な女性コーラスの
サンプリングを入れたプログレ的な後半部への変化が変わり種です。

ここからは日本盤のボーナストラックとなります。

インスト曲の#11Calf Stoutness Twoはワウの掛かったシンセの妖しげなリードフレーズが
ウネウネしていて楽しいです。シンコペートしたピアノのバッキングはブラジリアンフュージョン的な
グルーブを湛えています。StefanによるRhodesのロングソロがファンキーで最高。

#12Into Something Goodは、ヴォコーダーによるボーカル処理とスライドギターも入った
異色な一曲。牧歌的な雰囲気も良いです。

#13Careful With The Chainsaw, Dearは、Donald Fagenのソロ作からの影響が強い一曲で、
Bernard PurdieのようなシャッフルのタメのあるPeter Olofssonのドラムスが作り出す
グルーブが堪りません。Samuel Muntlinのサックスソロはメロディアスで最高。

1stアルバムのために録音したという#14Tinseltownは、The Doobie Brothersの
AOR期を彷彿とさせるコーラスワークの美しさが際立っています。お気に入り。

近年再び注目が集まりつつあるAOR、特にアメリカ西海岸のサウンドが凝縮された
一枚で、1stと共に外れなしの佳作だと思います。
以前紹介したOle Borudなどと合わせて、今後もAOR好きを盛り上げていってくれたらと
願ってやみません。

This Time

In The City

Mister White

Hard Goodbye

Finally Fair And Balanced

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  1. 2015/10/12(月) 23:09:56|
  2. State Cows
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今日の一枚(385)

Album: promenade
Artist: 北園みなみ
Genres: AOR, Fusion, Pops

Promenade.jpg


長野県、松本市出身、在住のシンガーソングライター、マルチプレーヤー、
ベーシスト、アレンジャー。1990年生まれ。2014年作の1stミニアルバム。

年齢と出身地以外についてはほとんどの情報が伏せられているため、詳細は掴みきれませんが、
幼いころから鍵盤ハーモニカを用いて身近なCM音楽などを耳コピするようになってから音楽に目覚め、
専門学校に通う傍ら、一人多重録音によって全ての生楽器を一人で演奏してオリジナル曲を
制作するようになります。専門学校時代にはバークレー音楽院の奨学金を獲得するも
行ってはいないようです。

当初はインストゥルメンタルの楽曲が中心だったようですが、
3年ほど前に自分でボーカルも取るようになり、SoundcloudやYoutbeに音源を
アップロードして行きます。

Soundcloudにアップロードされた自作曲の、緻密で洗練されたアレンジと複雑な楽曲構造が
話題を呼ぶようになり、Lampのメンバー(永井祐介、榊原香保里)などをゲストに迎えて
本作が制作されました。

本作では自身でストリングスやホーンのアレンジまで手掛けており、
全てスコアまで一人で書き上げてしまうほどということらしく、
自身が演奏する楽器では特にベースのアーティキュレーションやフレーズはJacoを思わせるような
部分があり、ジャズ~フュージョン指向のプレイが楽しめます。

楽曲の構成は変拍子(奇数拍子)や転調の多い構造で、一番近いのは初期のキリンジ
ということになると思います。楽曲は複雑でありながらもメロディラインはポップさがあり、
歌詞も大きく捻り過ぎていない部分に個性を感じます。
それに加えて、重ねられている楽器の数がかなり多く(聴き方によっては音を
詰め込み過ぎと感じるかもしれません)各楽器の音色を生かして、単旋律を複数配置して
より音の混ざったコード感、積極的に新たな音色の響きを生み出そうとしていることが窺われます。

残念と感じたのは、録音状態があまり良くないため、各楽器の分離が明瞭でなくモコモコした
音になってしまっている点、(マイクの性能、マイキングの仕方が良くないのではないかと思いますが)
と、彼自身のボーカルの表現がまだ訥々としており、メロディが前に出てこないために、
一曲一曲の印象が残りにくい、どこを聴かせたいのか若干分かりにくくなってしまっています。

しかし、そういった些末な問題を除けば、かなり高品位で良質なシティポップに
仕上がっていることは間違いなく、今後のさらなる活躍が楽しみで仕方がない才能だと思います。
またインタビューでも、音楽で大金を稼ぎたいというタイプでは決してなく、
職人気質でこだわりの強いタイプと見受けられ、山下達郎や大瀧詠一とダブって見えます。

冒頭を飾る#1ソフトポップは、イントロからエレピのコードとストリングスの不穏なパートから、
複雑なキメを連発してフィラデルフィアソウルのようなストリングスが舞うという多彩さで、
サビ部分の展開にはやはりキリンジを思わせます。フュージョンライクなギターソロに
エレピのソロと、インスト部分の展開の多さ、緊張感はプログレ的と言ってもいいと思います。最高。
#2電話越しには、エレピによる東洋的、ニューウェーブ的なフレーズをモチーフにしながら、
ギターとベースのユニゾンによるオブリガートが絡みつく展開が面白いです。
それに対してリズムは非常にストレートで揺れが少なく、生々しいアコギのアルペジオが
デジタル感あるトラックの中で映えています。電話機のベルの音が入ったインストパートから、
女性コーラスをフィーチャーした後半部へと移り変わっていきます。最高。
単音カッティングとホーンが左右に振られ、ピアノの流麗な#3Vitaminは、
メロ部分では音数が減っていきエレピのサスティーンの短いコードと、スライドの多いクリーンの
リードギターが自在に動き回っており、ソロも長めです。お気に入り。
音頭のリズムから始まって目まぐるしくリズムチェンジして、7拍子の中東音楽っぽくなったり
ワルツになったりと、最もプログレ的な側面の強い#4プラスティック民謡は、
ドライブ感のあるドラムスの抑揚のついたプレイが素晴らしいと思います。
音頭部分での主旋律はかなりクラシカルです。最高。
かなり入り組んだホーンのアレンジが施されており、ピアノによってしっかりとコードが
提示される構造は80sのAORの空気を感じさせる#5ざくろは、一番SDに近い一曲だと思います。最高。

僅か5曲のみのミニアルバムですが、既に非常に完成度が高く、各楽器の演奏やアンサンブルの
堅さも文句の付けようがないクオリティーです。
兎にも角にも恐ろしい若い、同世代の才能が誕生したと思います。
心から応援して行きたいと思います。管理人イチ押しの一枚です。傑作。

ソフトポップ

公式のダイジェスト動画 全曲のハイライトがミックスされています。

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  1. 2015/04/05(日) 02:39:24|
  2. 北園みなみ
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今日の一枚(372)

Album: Starting Over
Artist: Kere Buchanan
Genres: AOR, Soft Rock, R&B, Fusion

Starting Over

ニュージーランド、クライストチャーチ市出身のセッションドラマー、音楽プロデューサー。
1968年生まれ。2009年作の1stソロアルバム。日本では2011年に発売されました。

幼いころからTOTO, Steely Danを始めとするAORの楽曲に合わせてドラムを叩いていた彼は、
ニュージーランド国内で12歳の頃にはセッションドラマーとして活躍するようになり、
ジャズのビッグバンドを中心に演奏、カナダで行われたバンクーバー万博では国の選抜バンドの
一員として演奏していた様です。作曲家として最も影響を受けたのはQuincy Jonesであると話しており、
他にもJay Gradon, David Fosterなど、本作は70s後半から80s前半にかけてのアメリカ西海岸の
音楽に強く影響を受けたサウンドとなっています。

87年にセッションドラマーとして本格的に活動を始め、翌年88年にはオーストラリアに移住、
David Mathewsのバッキングなど、オーストラリア国内でのセッションワークをこなす傍ら、
約10年間の歳月をかけて曲を書き溜めて行ったようです。彼自身とボーカリストのGlenn Bidmeadの
ユニットであるKeroscene, Quincy JonesのトリビュートユニットBack On The Block,
Steely DanのコピーバンドBodacious Cowboysと言ったプロジェクトの中で交流を深めてきた
スタジオミュージシャン達による息の合った演奏が楽しめます。
ボーカリストは曲によって変えるスタイルを取っており、自身はボーカルを取っていない辺りも、
ドラマーのリーダー作らしい冷静さが見受けられます。

彼自身のドラムのニュアンスやフレーズ構築の傾向は、明らかにJeff Porcaroのそれに影響を
受けており、スネアやタムの音色や重厚なグルーブはかなりJeffのそれに近い音で、
かなり手数を抑え目に叩いており、まず歌、曲構造の緻密さを聴かせようという意図窺われます。
ゲストボーカリストの選択も素晴らしく、繊細で透明感のあるMichelle Martinez,
ソウルフルでDonny Hathawayを思わせるような暖かみのあるKimi Tupaea,
伸びやかでパワフルな中高音で器用さも兼ね備えたGlenn Bidmead(幾つかの曲では
co-produceも担当しており、本作での貢献度の大きさを物語っています)、
滑らかなハイトーンと煌びやかで軽い声質の中に、Bobby Caldwellを思わせるような、
ブルーアイドソウル色豊かな、表題曲を歌うGeoff Robertsonなど、どれをとってもクオリティの高い
歌が詰まっていて、素晴らしいと思います。

ディストーションの掛かったギターが唸りを上げている#1Never Be Another Next Timeは、
ギターの単音リフを中心に重厚に進行していきます。ギターソロもSteve Lukatherを思わせるような
弾きまくり泣きまくりで素晴らしいです。
続いてTOTOの2ndを思わせるようなジャジーで物憂げなミドルテンポの#2More Than You Knowは、
クリーントーンのシャキッとしたカッティングと単音リフ、枯れたギターソロも良いです。最高。
#3Waiting For Loveでは、へヴィーで存在感の強さを見せるドラムス、
ハモリの心地よいドラマティックなサビ、サビ前の捻った展開が洒脱です。
フリューゲルホルンの柔らかい音のソロもあってお気に入り。
再びウェストコーストロック色の強くなった#4Heartbreaker、
スロウテンポのバラード#5Love's Strongerは、単音カッティングとリムショットの乾いた音が
印象的なリズムパターンで渋く進んでいき、中間部でコーラスが入り一気に盛り上がっていきます。
ピアノの煌びやかなバッキングやコーラスの音処理には、Bobby Caldwellのそれを思わせるような
懐かしさが漂っています。お気に入り。
表題曲の#5Starting Overは、スウィンギーなドラムスとメロディアスでモータウン的なベースラインに
暖かいバラードのメロディ、ハーモニーが乗った一曲。
アウトロに入ったギターソロも弾き過ぎずエモーショナルで最高。
#8Easy Does Itは、James Mullerによる歯切れの良い単音カッティングと多人数による分厚いコーラス、
ハーモニカによるロングソロが入った妖しげな一曲。Kere Buchanan自身による
Rhodesの音も良いです。お気に入り。
ブラスによるメロディアスなイントロで掴まれる#9Through The Tearsは、意表を突くキメを取り入れ
SD風のサウンドにしつつ、遠くで鳴っているギターのコードバッキングはハードロックよりな歪みで、
このバランスが素晴らしいです。ギターソロの出来もNightwalker, Brother To Brotherなど
Gino Vanelliのソロアルバムを髣髴とさせるようで最高。
#10Preludeは、Bill RisbyによるFender Rhodesとシンセによる幻想的なスキットで、
そのままシームレスに打ち込みのリズムとBuchanan自身によるスキャットを
中心としたメロウな#11Hymn For Andresへと繋がって行きます。
やはりここでもオクターブ奏法を効果的に用いたJames Mullerのギターソロが
ジャジー、メロディアスで好みの音です。その後はCraig Waltersによるテクニカルな
サックスソロが交互に収められています。

David Foster流のバラードあり、コード進行の複雑なSD風の楽曲もあり、
70sハードロックに近いサウンドのものもあり、ギターソロなど演奏の完成度も高く、
かなり密度の高い、高品位な本物のAORだと思います。佳作。

Waiting For Love

Starting Over

Through The Tears

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  1. 2015/02/20(金) 14:38:03|
  2. Kere Buchanan
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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