私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

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今日の一枚(54)

Album: Tilt
Artist: Richie Kotzen & Greg Howe
Genres: Fusion, Hard Rock, Funk
Tilt, Contusion (Stevie Wonder Cover)
tilt.jpg


多くの超絶技巧を持つギタリストを輩出してきたシュラプネル・レコードからデビューしたリッチー・コッツェンとグレッグ・ハウのコラボレーションにより生まれた、テクニカル・フュージョンの傑作。1995年作。変拍子のタイトなリズムに乗せて、代わる代わる超絶なソロをかましていくという、まさに「ギターバトル」と呼ぶに相応しい出来だと思います。右チャンネルにはRiche、左チャンネルにはHoweというように、割り振られているので、それぞれのプレーを対比しながら聴くことができて楽しいですね。
ジャズを匂わせるようなスペイシーなプレイを、厚みのあるトーンに乗せ、正確無比な速弾きに、スケールを絶妙に外した個性的なプレーで魅せる(カッティングのリズム感も特筆すべきものがあります。)Howeと、ロックギターらしいブルース基調で、アルペジオやカッティング、レガートによるノン・ピッキングフレーズに特出したエモーショナルなフレーズを繰り出すRichie、どちらも大好きなギタリストです。
二人のプレーに共通していることは、いずれもファンクの影響が色濃く感じられる、ということです。
この作品の中でも白眉なのは#5のContusionかと思います。もともとはStevie Wonderの大名作である
Songs In The Key Of Lifeに収録されているインストの楽曲ですね。こちらの原曲で聴ける
マイケル・センベロ(G)のファンキーでアーシーなプレイも是非、聴いて頂きたいですね。
フュージョンと一口に言っても、本作はジャズ、ファンク、ブルースと、あらゆる音楽の良いところを凝縮したかのような味わいの中に、張り詰めた緊張感が漂っています。「聴きやすく覚えやすい」フュージョンとは全く対極にあるような作品ですので、
軽はずみな気持ちで聴いてヤケドしないように気を付けましょう(笑)

Tilt

Contusion

Contusion (Stevie Wonder Original)

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  1. 2012/12/28(金) 22:45:34|
  2. Richie Kotzen & Greg Howe
  3. | コメント:0

今日の一枚(53)

Album: Sit Down Think
Artist: Talc
Genres: Soft Rock, Neo Aor
Garden Of Dance

sit down think

00年代の代表的なネオAORバンド。2006年にロンドンにて結成。Steely Dan直系とでも言うべき
練りに練ったコード進行に、抜けの良いアレンジで聴かせるタイプ、とでも言いましょうか。
(メロディーラインはもう少しポップで分かり易いものが多い印象です。)
以前紹介したOle Borudがプログレ・ハード寄りの音楽性だとすると、
こちらは70s末~80年代以降のダンス/クラブ・ミュージック(特にEarth Wind, & Fire)の色が濃いという感じだと思います。
ファルセットを的確に使ったボーカリゼーションは全盛期のBobby Caldwellや
後期Doobie Brothersを、ダンサブルかつジャジーな音使いはIncognito的なアシッド・ジャズの影響を感じます。
これらの要素を現代的なサウンド・プロダクションのもと、ポップスとして昇華させています。
デビュー間もないのにこのクオリティには驚嘆させられます!
AOR、ソフトロックの未知なる可能性を示唆した佳作。

Garden Of Dance

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  1. 2012/12/28(金) 16:05:35|
  2. Talc
  3. | コメント:0

今日の一枚(52)

Album: 夢の丘
Artist: KENSO
Genres:Progressive Rock, Fusion
月の位相Ⅰ
夢の丘

清水義央(G)を中心として1974年に結成された日本を代表するプログレッシブ・ロックバンド。(アマチュアバンド)
清水氏は、現役の歯科医師であり、大脳生理学者として博士号を取得していますが、
そのためかメンバーがライブで白衣を着用して演奏している姿をよく見かけます。
フュージョンの香りのする幻想的なシンセサイザーの音(ツインキーボード)と、
軽めのドラムス(村石雅行(Dr)は椎名林檎や松任谷由実のサポートでも知られています。
「勝訴ストリップ」での演奏は白眉だと感じます。)が小気味いいアンサンブルを生み出しています。
#1では変拍子バリバリのリズムに、ディストーションを強めにかけたギターがドライブ感を与えています。
ジャズ・ロック的(特に清水義央(G)のプレイは、Pat Methenyを思わせるようなフレーズを
かましてくれます。)なアプローチに加えて、随所に中近東調の音やアジア的(歌謡っぽい湿り)な音を
混ぜていったような個性的な音作りだと思います。アルバム全体を通して、統一されたコンセプチュアルな作品ですね。
#7 地中海とアーリア人では、フュージョン系の音からメタリックで攻撃的な音へと変わり、
多彩な曲調で、ダレることなく楽しめると思います。キーボードとギターの高速ユニゾンがテクニカルで素晴らしい!
アルバムごとに、様々な地域の音楽を取り込んでいて、良質でテクニカルで、前衛的な「プログレ」を作り続けている、希少な、日本が世界に誇れるバンドの一つだと思います。

月の位相 Part1

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  1. 2012/12/28(金) 16:00:02|
  2. KENSO
  3. | コメント:0

今日の一枚(51)

Album: On
Artist: Boom Boom Satellites
Genres: Techno Rock
Pill

on.jpg

1990年に結成された日本人のテクノ・ロック(ビック・ビート)ユニット。
1997年にヨーロッパでデビューして以来、大きなポピュラリティーを獲得している。
テクノとは言っても、音楽性としては、ケミカル・ブラザーズを代表とするように、電子音を主体として、ロックンロールの要素を取り込んだようなものとなっています。
日本での知名度はそれほど高くはありませんが、ヨーロッパでの評価は高く、英国のMelody Maker誌(1926年創刊の、世界最古の音楽系週刊誌)ではChemical BrothersやProgidy以来の衝撃が訪れたと評されています。
本作ONは、彼らの作品の中でも特にロック色の強く、ビートもダンサブルで、メロディもキャッチーなので、初めて聴くにはお勧めのアルバムです。
曲中に散りばめられた複雑なブレイクビーツとギターリフ、ディレイやフィードバックのかかった
激情を剥き出しにしたようなボーカルが個性的な彼らですが、今作ではブレイクビーツではなく、
より肉体的で削ぎ落とされたグルーヴを生み出す(音符と音符の間を意識させる)ためか、
生音のドラムが用いられています。それゆえ、ライブでの再現性の高いものに仕上がっていると思います。
トランスっぽいシンセの使い方や、ポップなメロディ、フィジカルなリズムのため、
個性的かつ覚えやすいからか、CMのタイアップとしても、このアルバムから多く採用されていたりします。
日本のエレクトロニカ、ポストロックの礎を築いた海外組の筆頭格。

Pill

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  1. 2012/12/28(金) 15:55:26|
  2. Boom Boom Satellites
  3. | コメント:0

今日の一枚(50)

Album:Blow By Blow
Artist: Jeff Beck
Genres: Fusion
You Know What I Mean
blow by blow


「三大ギタリスト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ブリティッシュ・インヴェイジョン(BeatlesやRolling Stonesに始まったブリティッシュ・ロックの
台頭)の一翼を担った、伝説的なブルース・ロックバンドであるヤードバーズ出身の
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ(後のLed Zeppelin(G))の3者を指していう言葉ですね。
三大ギタリストの中では、ジェフ・ベックはバンドマンとしての活動というよりも、
ジェフ・ベック・グループに代表されるようにソロアーティストとしての活動が殆どであるため、他の二人と比べて少し異色と言えるかもしれません。
使用楽器としては、白黒ツートンのFender Stratocasterが代表的です。
テクニックや、ピッキングの正確性は勿論卓越しています(独特のトーンで演奏難度も高いゆえに極めてコピーが難しい!)が、音楽性としては、ペンタトニック・スケールを中心とした、
シンプルですがブルージーなものと言えます。エフェクターはあまり使わず、ギター本体のボリュームノブやトーンノブを操作したり、ピックアップを変更したり、或いはタッピングやスライド・ギターを用いたりして、多彩な音を生み出している印象です。
彼の音楽活動は大きく分けて4つの時期に分けられます。
(1) ヤードバーズ期
(2) Jeff Beck Group期
(3) フュージョン期
(4) エレクトロニカ期
彼のソロワークとして最も名高い本作は、(2)のフュージョン期の作品にあたります。
1975年当時としては、ロックンロール側のミュージシャンが、ジャズへとアプローチしたこのスタイルは、非常に革新的なもので、インストアルバムとしては異例のゴールドディスク獲得に至りました。
録音状態も素晴らしく、CDの音質も繊細なピッキングのニュアンスまで聴こえてくるので、ギター・インストのお手本のような作品と言えます。
第2次ジェフベックグループからバッキングを務めるマックス・ミドルトン(Key)や、
当時弱冠18歳であったリチャード・ベイリー(Dr)の演奏もキレキレで思わず涎が出ます!(特にキーボードが曲に疾走感と演出する、変拍子プログレジャズ・ロックのScatterbrainはスリリングで堪りません。)
Stevie Wonderのカバーである#6,7のようなファンクネス溢れる演奏から、本曲のようにトレブリーなカッティングをバックにした都会的で洒脱な音まで、多彩なサウンドが楽しめます。

You Know What I Mean

Air Blower~Scatterbrain

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  1. 2012/12/26(水) 14:35:00|
  2. Jeff Beck
  3. | コメント:0

今日の一枚(49)

Album: Deep River
Artist: 宇多田ヒカル
Genres: Pops,R&B

deep river


90年代末から00年代にかけて常に日本のポップスシーンのトップを走り続けたシンガーソングライター。
1983年生まれ。2010年のライブ Wild Lifeを最後に現在音楽活動を休止している。
母は演歌歌手の藤圭子、父は音楽プロデューサーの宇多田照實。1998年のデビュー以来、
数え切れぬほどのヒット(言い換えれば、世に出した作品全てがヒットだった訳ですが)
を生み出してきた彼女ですが、特にアルバムの売り上げに関しては敵なしで、
活動中にリリースした全てのアルバムがミリオンを獲得しています。Ultra Blue('06)やHeart Station('08)のミリオンには1枚貢献してきました(笑)。デビュー当時からファンだった従姉妹に叩き込まれて、小中高とアルバムが出るたびに、ある時は家で、両親の運転する車のカーステレオで、桜通線の電車の中、ウォークマンで、幾度となく聴いてきました。僕にとってとても思い出深いミュージシャンの一人です。結局、一度もライブに参加することは出来ませんでしたが。
改めて今彼女の作品を聴き直してみて、一枚選ぶとしたなら、このDeep River('02,3rd)かなと思います。最大の理由は、サウンドプロダクションだと感じます。彼女の書く曲のメロディセンスは過去に類を見ないほどのものですが、それに加えてアレンジャーの河野圭氏が素晴らしい仕事をしています。大きな音圧と重低音が印象的な、いかにもR&B的な音像ではありますが、どの曲も、ボーカルの響きが「生々しく」も「独特の浮遊感」を湛えるようにアレンジされています。
彼女は、TV番組等で見せていた無邪気な一面に代表されるように、
ともするとメディアには「R&B系の歌姫」と取られがちですが、むしろ、
非常に内省的で哲学的な私小説家として捉えるべきだと思います。
Deep Riverというタイトルは、有名な黒人霊歌の望郷の曲から取ったのでしょうが、
このアルバムの持つ空気感にとても良く調和していると感じます。
Travelingのようにアップテンポの曲でも、どこか淋しげな響きを残していますし、儚さや無常観を醸し出していて、モノクロのジャケット写真とも対応しています。
1stや2ndも傑作ではありますが、今聴いてみると、より多くのリスナーを獲得するため、若干
オーバープロデュースになっていたと言えるかもしれません。そう言った意味でも、
この作品には彼女の内面性が最も色濃く表れています。4th,5thになるにつれ、
私小説家的な側面は薄くなり、より普遍的で、暖かみのある(音楽の受け手との関わりを意識した)作品を生み出して行くようになります。
さて、本曲ですが、曲名に自分の名前が付いているのは、曲を書き終えた瞬間に、彼女自身が「生涯最高傑作だ」と感じたからだということです。
「完成させないで もっと良くして」という一節は、作品を生み出しても生み出しても
満たされることのない焦燥感や渇きを暗示しているかのようです。人生でおそらく最も多感で、
二度と繰り返されることのない10代を生きた少女の神秘性をそのまま切り取って貼り付けたような、
冷ややかな、しかし安らかな暗闇に包まれた至高の芸術作品。



This Is Love(Live, 2006)

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  1. 2012/12/26(水) 14:27:04|
  2. 宇多田ヒカル
  3. | コメント:0

今日の一枚(48)

Album: Master Of Puppets
Artist: Metallica
Genres: Thrash Metal
Battery

master of puppets

1981年にロサンジェルスで結成されたスラッシュ・メタルバンド。
Metallicaとはラテン語で「金属」の意。スレイヤー、アンスラックス、メガデスと並んで
「スラッシュ・メタル四天王」と称される。スラッシュ・メタルの音楽性は、
NWBHO(70年代末に勃興した、ハード・ロックの流れを汲んだHR/HMのムーブメント。
Iron Maiden, Def Leppardが代表的)の影響下に、ハードコア・パンクの形式を取り込んだものと言えます。Van Halenのように、華美な早弾きのギターソロを見せ所とするような、
底抜けに明るい従来のLAメタルとは対照的に、ギターはソロよりも重低音を駆使したリフを刻むことに重点が置かれ、ボーカルもメロディを歌い上げるというよりは、リズムに合わせてシャウトを多用する攻撃的なものになっています。
初期のMetallicaの作品群(特に2nd)は、この路線を決定付けた重要なものばかりです。
3rdアルバムの本作は、単純なスピードという点では遅くなっていていますが、その分リフ職人、
ジェイムズ・ヘットフィールド(Vo,G)の編み出すヘヴィなリフが強調されてよりグルーヴィーになっています。メタリカの魅力は、この低音の効いた正確無比なバッキングにあると僕は感じます。
かなり速い曲でも、(BPM200以上)ダウンピッキングのみで演奏することで、粒の揃った音になっていますね。リードのカーク・ハメット(G)も、テクニックにはあまり長けては居ませんが、
曲ごとにピッタリと収まるようなソロを作り上げていて、非常にドラマティックで美しいメロディのフレーズを数多く生み出しています。
スラッシュと言ってもただ走るだけではなく、重厚なロック・グルーヴの中に煌めくバラード
(Welcome Home)あり、プログレ的な展開のインスト(Orion)ありと、
スラッシュ・メタルとしてのみならず、ヘヴィ・メタル史に永遠に残り続けるであろう傑作と言えます。

Battery

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  1. 2012/12/26(水) 14:20:24|
  2. Metallica
  3. | コメント:0

今日の一枚(47)

Album: Keep Movin'
Artist: Ole Bφrud
Genres:Neo AOR, Soft Rock
High Time

keep moving

AOR、クロスオーバーというジャンルは、70s後半から80sにかけて最も発展して来たと言えますが、
90年代に向かい、「ロックの産業化」が叫ばれるなかで、こうした音楽は産業化の象徴として、
真っ先に槍玉に上げられる事となりました。グランジを始めとするオルタナティブロックの台頭につれて、R
&Bやジャズの影響の色濃いソフト・ロックは衰退して行きます。
60年代にカウンター・カルチャーとして生まれて来たロックンロールは、
ローファイで、激情的で、アナーキーな音世界
(セックス・ピストルズに象徴されるような)を志向して行くようになります。
このムーヴメントは、HR/HMを、ロックのメイン・ストリームから没落させる事にも
繋がっていったのです。では、ロックンロールとは、一体何なのか?
この時代を生きたミュージシャン達は、この大命題に最も正面から向かい合ってきたのだろう、
と私は感じます。ロックが、黒人音楽と白人音楽のクロスオーバーという起源を持つ事が、
この問への重要なヒントを与えてくれていると考えます。言い換えれば、ロックとはある意味
「根無し草」なのです。「ルーツとなる音楽の素材」が先ずあり、
そこに既存のロックとのクロスオーバーが生まれて行く、その過程が只々あるに過ぎないということです。
そして、一つのムーヴメントがスタイルとして完成されると、新たなテーゼが生まれ、
既存のスタイルを否定したり、一昔前のスタイルを再評価したりして、
新たなスタイルが継ぎ足し継ぎ足し生まれる、といった具合です。
そう言うわけで、前置きが大変長くなりましたが、90s、00s前半というソフト・ロック不遇の時代を越えて、
00s後半から、徐々に全盛期のAORを髣髴とさせるような音を創り出すミュージシャンが、
登場してくるようになります。
今回紹介するオーレ・ブールードも、ポストAORの代表格と言えますね。
一聴して、Steely Danの強い影響を感じます。彼は、北欧ノルウェー出身の元スタジオ・ミュージシャンで、
かつては、日本でも人気の高いプログレッシブ・デスメタルバンドのエクストルで、
リード・ギタリストを務めたテクニカル系ギタリスト/ボーカリストです。結構苦労人なんですね。
肉体的なファンクネスはEWFを、ダンサブルなリズムはJamiroquaiを、
流麗なギターソロはAirplayを想起させるといったように、AORの持つ洒脱で
愉しげな空気感を凝縮したような好盤です。
有名なスタジオ・ミュージシャンを使っている訳ではないですが、
演奏も、よくお互いを知っている仲間で演奏している様で、息ピッタリのプレイです。
アレンジも抜けが良く、古臭さを感じさせない所が素晴らしいです。
ボーカルも、決して派手ではないですが、程よくクールで聴きやすいです。コーラスワークにも光るものがあります。
しかしながら、曲展開自体はファンキーで渋めに作られているので、
リアルタイムでAORに触れてきた大人の鑑賞にも十分耐え得る本物だと思います。
彼のようなミュージシャンが出て来て、まだAORは死んでいなかった、と心底嬉しく思って居ますし、
これからも彼には大活躍して欲しい、と願って止みません。

City Lights (Live)

Broken People (Niconico)

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  1. 2012/12/26(水) 14:08:01|
  2. Ole Bφrud
  3. | コメント:0

今日の一枚(46)

Album: The Changing Same
Artist: 平井堅
Genres: R&B
楽園
changing same


2011年11月12日に行われたツアーのライブレポートを兼ねまして、
日本のR&B,POPSで良質な楽曲を制作し続けてきたシンガーソングライター、平井堅を紹介します。
大きいキャパのアリーナでも、PAの努力からか、クリアでエッジのある音が聴けました。
ライブでも、CDと遜色ない、柔らかくて透明感のあるボーカルでした。セットリストは、
最新作、Japanese Singerからの曲が多くを占めていまして、最近のポップス志向のアルバムに比べると、原点回帰したようなR&B、ファンク色の強い曲(Candy, R&B)もあり、
バランスの良いラインナップでした。お得意のしっとりとしたスローバラードから、
ゴスペル的なコーラスワークを駆使したミドル・アップ(Sing Forever)ありと、
聴いていて退屈しない内容でしたねー。バンドの演奏力も素晴らしく、「楽園」のインストアレンジや、「片方ずつのイヤフォン」のカッティング等、肉体的なグルーヴ感溢れるファンキーな演奏です。
彼の出世作であるThe Changing Sameは、数ある作品(どれも傑作揃いですが)の中でも、
最もモダンなR&Bの路線を行くものです。歌唱は、情熱的になり過ぎることなく、
あくまでもクールで妖しい艶やかさが強調されています。それに調和するように、繊細で抜けの良いアレンジが鳴り響きます。
彼の音楽のルーツである、ゴスペルソングの「Love Love Love」の様に、荘厳で暖かみのある音から、「楽園」、「K.O.L」(録音ではこちらが上か)のように冷ややかでビート感の強調された音まで、
このCDの音質は文句の付けようのない(オーディオ専門誌に、数多のクラシック作品に交じって取り上げられるほどに)ものだと思います。日本のポップスの素晴らしき良心が残した'00年代ポップス屈指の傑作。


楽園 (Live)

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  1. 2012/12/26(水) 13:55:19|
  2. 平井堅
  3. | コメント:0

今日の一枚(45)

Album: Chasing Hope
Artist: Bonnie Pink
Genres: Pops
ナツガレ
Chasing Hope


2012年に行われたツアー、Chasing Hopeのライブレポートを兼ねて、Bonnie Pink第2弾です。
彼女の12thアルバムChasing Hopeに伴うツアーのため、基本的には本作の曲を演奏しています。
やはり彼女のバンドいつ聴いてもスリリングですね。特にBass&Drumsのタイトさは特筆に値します。ギターも、音数を絞った中にグルーヴがあり、オルタナ的な雰囲気を醸し出します。行ったことがない
会場だったので、施設老朽化の可能性を心配しましたが、音は想像以上に良いものでした。
小さなホールらしい、起伏のある太い音で、ボーカルも生々しく聴こえます。特に、
アコースティック編成での音像は彼女の曲に完璧にマッチしていて、(特にA Perfect Sky)
輪郭のはっきりしたクールな演奏でした。ボーカルも、本物は、声質から想像していたよりも、
かなりパワフルなものでした。本曲では、サビでのキャッチーなメロディは勿論のこと、
複雑且つ正確なリズムと、うねるベースラインの間を八橋義幸(G)の軽やかなギターが
縫って行く様は爽快そのものです!英語詞のMountain Highでも、渋いギターソロを聴かせてくれます。

ナツガレ

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  1. 2012/12/26(水) 13:50:44|
  2. Bonnie Pink
  3. | コメント:0

今日の一枚(44)

Album: Michael Schenker Group
Artist: Michael Schenker Group
Genres: Heavy Metal
Cry For The Nation

MSG.jpg

「神」(当アルバムの邦題)と呼ばれたギタリスト、マイケル・シェンカーは、
1955年生まれのドイツ人ギタリスト。(白黒ツートンのGibson Flying Vが著名な使用ギターですね。)ジャーマン・メタルの礎であるScorpions(彼の兄であるルドルフ・シェンカーはリーダー)
のリード・ギタリストとして、UFO、そしてMichael Schenker Groupのギタリストとして、
常にHR/HM界の先頭を走ってきた彼にふさわしい「称号」だと思います。
日本人であれば、かの松本孝弘が、彼から非常に強い影響を受けていることは、
よく知られていると思います。1980年に発表されたMSGとしての1stアルバムである本作には、
彼のプレイのおいしいところが詰まっています。テクニック的に物凄いことをしている
というわけではないのですが、彼のメロディックで疾走感溢れる「泣き」のプレイは、
いつ聴いても痺れます。作曲能力の高さも、見逃せないポイントだと思います。
激しいビートの中に埋め込まれた、甘美でキャッチ―なメロディは、日本人なら必ずハマると思います。
プログレッシャーの私としては、Lost Horizonの8分の7拍子も素晴らしい!
ペンタトニック・スケールを中心にした、シンプルで弾きすぎないソロも魅力的ですが、
リフの組み立ての上手さ、構成力には特筆すべきものがあります。

Cry For The Nations

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  1. 2012/12/26(水) 13:46:22|
  2. Michael Schenker Group
  3. | コメント:0

今日の一枚(43)

Album: Moanin'
Artist: Art Blakey & The Jazz Messengers
Genres: Jazz
Moanin'
moanin.jpg

ハード・バップを代表するドラマーのリーダー作。もともと、
かのマイルスやチャーリー・パーカーらのバックを務めていた彼は、
50年代半ばのJazz Messengers結成以来、伝説的ジャズクラブであるバードランドにて活躍しました。
トランペットにジャズ・ロックの傑作であるSidewinderを残したLee Morganを迎えた
メッセンジャーズは、58年に、N.Y.Cのタウン・ホールで初ライブを行いました。
作曲家としても、プレーヤーとしても天才的な手腕を発揮していたウェイン・ショーター
(Sax、後のWeather Reportメンバー)が59年に加わり、名曲「A Night in Tunisia」を、
彼のためにアレンジし、提供することになります。
そんな中、58年のライブで初めて披露された本曲では、
ジャズ・ドラマーとしてのお手本とも言うべきプレイを聴くことができます。
柔らかい音色のシンバルから、疾風怒濤の如く叩き出されるソロ、ファンキーで野趣に富んだグルーヴ(ソロに関しては、5曲目のThe Drum Thunder Suiteは特に素晴らしい!魂を揺さぶられます!)を聴けば、ジャズの持つダイナミック(動的)な部分を体感できると思います。
まだ20歳そこそこだったLee Morganのトランペットも、どこまでも澄んだトーンで、
力強いアドリブを決めてくれます。決められたコード進行と、ファンキーなビートに則り、
痺れるようなソロをブチかまして行く、この快感は、
ロックンロールを聴く時ととてもよく似ていると思うのは、私だけでしょうか?

Moanin'

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  1. 2012/12/26(水) 13:39:35|
  2. Art Blakey & The Jazz Messengers
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今日の一枚(42)

Album: The Museum Ⅱ
Artist: 水樹奈々
Genres:Pops
純潔パラドックス
the museum

水樹奈々さん第2弾です。昨日(2012年9月23日)に行われた「平安神宮奉納ライブ〜蒼月之宴」の
ライブレポートも兼ねて紹介したいと思います。ライブ自体は1時間30分と短いものでしたが、
それに比して待ち時間が本当に長かったので、なかなか疲れるライブでした。
立ち見席後方からの鑑賞だったため、ステージの様子はなかなか見えず、時折人の頭の間から
チラリとメンバーの姿がみえるのみでした。回る所が見れただけでも満足ですが。音質は、
やはり野外で、電圧が限られるため、若干音量不足が否めませんでした。それでも、北島健二(G)、
大平勉(Key)を始め、キレのある演奏を聴かせてくれました。セットリストは、
新旧織り交ぜたバランスの良いもので、皆さん満足したものと思います。ヒメムラサキ
(Wild Eyes c/w)が流れた時に「来て良かった」という声が周りのお客さん達から漏れて来たのが印象的でした。
僕個人として、このライブのハイライトと感じたのが、この「純潔パラドックス」です。
平安神宮の雰囲気とマッチしながらも、彼女らしいメタルボーカル、艶やかなギターソロが堪能できる
「和風シンフォニックメタル」と言えるでしょう。ストリングスが曲に疾走感を与える
効果的な例だと思います。この曲が歌謡的なアプローチを匂わせるのは、やはり彼女の独特な、
ビブラートの効いた高音部と、ファルセットを効果的に用いた発声のなせる業だと思います。
ブレスの入り方も艶があって、雰囲気を作るのに一役買っています。
(メタルでは、ファルセットよりもむしろ、ヘッドヴォイスを用いた、直線的で、突き抜けて行くような高音の発声が一般的であるのに対し)おそらく本人は意識していないと思いますけど。
正確でタイトなリズム隊、歌謡的なコード感などと組み合わさり、水樹奈々バンドにしか出来ないグルーヴを生み出しています。
今回のライブの模様は、12/12発売の9thアルバムに収録される模様です。
今回は、Great Activityを超えるようなハード・ロックの名盤の予感がします。楽しみです!

P.S ライブ後、京都駅で水樹さん本人とバンドメンバー、プロデューサーの三嶋さんと遭遇しました!最初は、「あ、なんか似てる人が居るなー」と、通り過ぎてしまいましたが、足を止め、「やっぱオカシイ!似過ぎだろ!!」と思い、ジッと見てみたら、なんとバンドメンバーが居るじゃないですか!
窓から手を振ってくれました(笑)。
身に余る光栄、良い思い出になりました。ありがたやありがたや!

純潔パラドックス (Live At Tokyo Dome)

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関連記事
  1. 2012/12/26(水) 13:22:15|
  2. 水樹奈々
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今日の一枚(41)

Album: Spacy
Artist: 山下達郎
Genres: Pops
Love Space
spacy.jpg

来る9月26日(Wed)に、山下氏のオールタイムベストアルバムであるOpus All Time Best 1975〜2012
が発売されます。それにあやかり(?)山下氏第二弾です。彼のオリジナルアルバムの中でも、
コアなファンに特に評価が高いのが、本作Spacy(2nd,1977)です。Spacyというのは、
英語で「ぼうっとした、夢うつつの」とか、「自由な」という意味がありますね。また、
ある曲の音像を説明するのに、カタカナで「スペーシー」などと形容することもあります。
(空間的な音の広がりが感じられる、或いは音が宙を舞っているイメージ、と言えば分かりやすいでしょうか。)
それはともかく、今作の「山下達郎バンド」の編成も、恐るべき超一流メンバーが揃っていますよ。
ちょっと紹介すると、
村上“PONTA”秀一 : Drums
細野晴臣 : Bass
松木恒秀 : Electric Guitar
吉田美奈子 : Background Vocals
坂本龍一 : Acoustic Piano
という感じですね。ヤバすぎます(笑)。一転変わってB面では、山下氏一人で全ての楽器を演奏している楽曲も、いくつか収録されています。予算、尽きたんでしょうかね。
で、本曲Love Spaceは、細野氏(はっぴいえんど、YMO) の天才的なグルーブ感のベースプレイを
堪能できる傑作です。勿論、ライブの定番で、ベストアルバムにも収録されます。達郎曰く、「Stevie Wonderの Isn't She Lovelyのような作品を、ニューヨークっぽい感じで作りたかった」ということらしいですが、Stevie大好きな僕にとっては嬉しい発言です。思わずニヤリとしてしまいます。村上“PONTA”秀一の叩き出す特徴的なフィルインと、ビアノの印象的なフレーズに始まり展開される変則的なリズムの上を、「スペーシー」に舞うベースと、山下氏のカッティング。透明感のある吉田美奈子(ニューミュージックを代表するシンガーソングライターの一人)のコーラス。岡崎資夫のメロウなアルト・サックスのソロ。全てが奇跡的に噛み合って出来た佳曲ですね。35年前にこんなクールなポップスが日本にあった、という事実に只々驚くばかりです。必聴盤。

Love Space

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  1. 2012/12/25(火) 03:49:13|
  2. 山下達郎
  3. | コメント:2

今日の一枚(40)

Album: Minute By Minute
Artist: The Doobie Brothers
Genres: Classic Rock
What A Fool Believes
minute by minute

1970年にアメリカ、カリフォルニアで結成された、ウェストコーストを代表するクラシック・ロックバンド。
71年にデビューしてから、現在に至るまで、メンバーチェンジを繰り返しながらも活躍し続けている。
彼らを代表する名盤の一つであるこのMinute By Minute(1978年、US#1)は、
トム・ジョンストン脱退後の作品です。新たに加入したマイケル・マクドナルド(Vo,Key、元Steely Dan)により、音楽性は、かつてのカントリー色の強い、野趣溢れるハード・ロックから、
ソウル色の強い洗練されたソフト・ロックへと、大きく変化して行った時期にあたります。
スリリングなリズム隊、流麗なピアノの旋律と、ソウルフルで力強いマイケルのボーカルが合わさり、
抜けの良い都会的なサウンドが生み出されました。'06年のリマスターにより、よりクリアで、
抜けの良い音で楽しめるようになりました。
本曲、What A Fool Believesは、グラミー賞の最優秀楽曲賞(1978)を受賞しています。
イントロの、印象的なピアノのリフに始まり、伸びやかなハイトーンボーカルに圧倒されます。
美しいメロディ、切ない歌詞(別れた男女の心のすれ違い)、艶やかでパワフルなボーカルと、ポップスとしての風格を完璧に備えた傑作だと思います。

What A Fool Believes

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  1. 2012/12/25(火) 03:38:04|
  2. The Doobie Brothers
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今日の一枚(39)

Album: Crystal Planet
Artist: Joe Satriani
Genres: Heavy Metal, Fusion
Crystal Planet
crystal planet

ニューヨーク出身のフュージョン/テクニカル系ギタリスト。1956年生まれ。かの「変態」ギタリスト、Steve Vaiの先生でもある。「悟り兄」ではないです。ある意味、グラサンにスキンヘッドなので、いかにも悟っている見た目ではありますが。他のミュージシャンとの交流も厚く、彼のジョイントライブであるG3では、スティーヴ・ヴァイ、
ジョン・ペトルーシ(Dream Theater)、エリック・ジョンソン、マイケル・シェンカーらの超一流ギタリストに加え、リズム隊にはビリー・シーン(B)やマイク・ポートノイ(Dr,from DT)を迎えるなど、夢のバンドが一夜限りで聴けるのです。彼の作品は、レコードショップ等に行くと、大抵HR/HMのコーナーに並べてありますが、実際に聴いてみると、ゴリゴリのメタルというよりも、ソリッドな音が印象的で、フュージョンの香りがします。
(T-Squareの安藤まさひろ(G)氏のトーンを想起しましたねー。使用ギターは日本の星野楽器製で、アイバニーズシリーズのシグネチャーモデルを使用しています。)
変拍子バリバリのリズムに、軽快に乗って行きますねー。気分爽快です。本作、Crystal Planetは、
彼の数あるギター・インストゥルメンタルアルバムの中でもExtremistと並んで最高傑作と言われています。
世界一、ブルージーで歌心のあるギターだと、僕は思います!

Crystal Planet (Live)

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  1. 2012/12/25(火) 03:26:34|
  2. Joe Satriani
  3. | コメント:0

今日の一枚(38)

Album: Toto Ⅳ
Artist: Toto
Genres: Soft Rock
Africa
toto4.jpg

言わずと知れたテクニカル・AOR/ソフトロックバンド。地上最強の「ソフト」ロックバンドですね。
まず、バンドメンバーは全員神のような人ばかりなわけですが、何と言っても、ジェフ・ポーカロ(Dr)の、
聴きやすさとテクニカルさを両立した、(特に名曲Rosanna に見られるような、16ビートのハーフタイムシャッフルは絶品です!)天才的なセンスの、ドライブ感に溢れるフィルは、何度聴いても鳥肌が立ちます。
選び抜かれたトーンと、正確無比な運指の、職人スティーブ・ルカサー(G)のプレイも、
歳を重ねて行くに従って、より味わい深いものになってきています。
シンセサイザーを活用した、聴きやすいサウンドのためか、商業的な成功が取り沙汰される事が多い彼らですが、
音楽性は様々なジャンルからの影響を受けています。
曲のイントロに映画音楽のようなSEを用いたり、変拍子をさりげなく入れてくる辺りは、
ハードロックやプログレの影響を感じますし、コード感はジャズ・フュージョンの香りを漂わせていますね。
また、代表曲の一つであるAfricaの世界観は、つい先日死去したSF作家のレイ・ブラッドベリに
インスパイアされて作られたと言われています。(「刺青の男」に収録されている「草原」という作品に影響を受けているらしい)
余談になりますが、このレイ・ブラッドベリに影響を受けた曲は数多く作られていまして、
同名小説を題材としたコンセプト・アルバムである、Weather ReportのI Sing The Body Electric(1972年)が挙げられるでしょう。これも、ジャズ・ロックを代表する前衛的な名盤です。

Rosanna (Live)

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  1. 2012/12/25(火) 03:18:37|
  2. Toto
  3. | コメント:0

今日の一枚(37)

Album: シンクロニシティーン
Artist: 相対性理論
Genres: Pops
ミス・パラレルワールド
シンクロニシティーン

2008年にインディーズ・デビューした日本のロックバンド。自称「全天候型ポップ・ユニット」。
CM音楽などのプロデュースを行うソングライターのやくしまるえつこ(Vo)によって作詞・作曲されている。
無機質でプラスティックのような棒読みなのに、倍音が多いのか、耳から離れないボーカル、
スペイシーでハイファイなギタートーン、それにタイトなリズム。言葉遊びを多用した歌詞もなかなか面白い。
前作、「ハイファイ新書」は、「ツンデレのコンセプト・アルバム」だというから驚きです。
まあとにかく、アルバム通して聴いチャイナ!一度聞くと頭の中が「パラレルパラレルパラレルパラレルパラレルパラレル・ワー」(笑)中毒性の高い佳作。

ミス・パラレルワールド

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  1. 2012/12/25(火) 03:11:50|
  2. 相対性理論
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今日の一枚(36)

Album: Hybrid Theory
Artist: Linkin Park
Genres: Alternative Metal
In The End
Hybrid Theory

1996年、ロサンゼルス結成のオルタナティブ・メタルバンド。ニューメタルの旗手としての扱いを受けることが多い。
メタル的なへヴィ―なリフと、ラップやシャウトを取り入れたツインボーカルが印象的で、最新作Living Thingsでは電子音楽寄りのアプローチも見せており、音楽性は多岐にわたる。打ち込みやサンプリングによる音作り、メロディックで伸びやかなチェスター・ベニントン(Vo)のクリーンヴォイスと、歯切れのいいマイク・シノダ(Vo,Key,G)のラップ、「静」と「動」の使い分けの絶妙な味付けなど、へヴィ―でありながらも、シンプルで、キャッチ―な万人受けする要素を備えていると思う。
ラップという歌唱の形式に躊躇いを感じる人も、これならすんなり聴けるでしょう。
演奏技術という面では、正直大したことはしていないのですが、そんなことはもはやどうでもいいと、僕は思いましたねー。ニューメタル/ラップメタル入門には最適の好盤。

In The End

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  1. 2012/12/25(火) 03:07:28|
  2. Linkin Park
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今日の一枚(35)

Album: Bitches Brew
Artist: Miles Davis
Genres: Jazz
Spanish Key~John McLaughlin(2曲続けてどうぞ)
bitches brew

ジャズにおけるクロスオーバーの先端を走っていた「ジャズの帝王」によって生み出された、
サイケデリック/プログレッシブジャズの傑作。
1970年発表。最初聴いたときは、「何?コレ?難解すぎて意味が解らん」と感じたのですが、
何度も聴いているうちに、(彼の作品はそう言うことはザラですが)「!!!」と思う瞬間がありました。
その曲が、このSpanish Keyです。きっと、当時のジャズ者たちは、この盤を聴いてさぞ驚いたでしょう。
8ビートを基調とした、ロックンロールのリズムと疾走感に、痺れます。
本来、スタティックな音楽としてのスタイルを持つジャズが、換骨奪胎され、ひずんだ音
(チック・コリア(Key)のFender Rhodesの音)に代表されるような、電子楽器によって演奏される、
カオティックなアドリブの応酬にとって代わられています。
しかし、よくよく聴いてみると、例えばジョン・マクラフリン(G、後のマハビシュヌル・オーケストラのリーダー)が全体のビート感をリードするようなキメのフレーズで、曲に躍動感を与えていたりして、
聴きやすい部分もあったりします。
手数の多いレニー・ホワイトと、ジャック・ディジョネット(Dr)のフィルインも、
マイルスの火花が散るようなフレーズに正面からぶつかっていく感じで、緊張感があります。
そのまま続きで、ジョンが主導になったパート(John McLaughlin)に突入していきます。
このアルバムは、よく「フュージョンの起源」だとか言われたりしますが、
私はあまりその意見には賛同できませんね。やはり、「サイケデリック・ロック」と「プログレ」そして
「エレクトリック・ジャズ」の3つが、ややファンク寄りのリズムを伴って融合した、
と捉えるのが妥当だと思います。Milesが当時Jimi Hendrixに相当影響を受けていたことは、
このアルバムを聴けば容易に想像がつきます。
まあともかく、これほど「神秘的」な空気の流れるアルバムは、なかなかないと思います。何度聴いてもそのたびに不思議な気持ちになる一枚。真に芸術的な音楽だと思います。

Spanish Key

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  1. 2012/12/25(火) 02:57:39|
  2. Miles Davis
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今日の一枚(34)

Album: The Dark Side Of The Moon
Artist: Pink Floyd
the dark side of the moon


今回は、アルバムの音楽性についてではなく横道に逸れますが、
「The Dark Side Of The Moon」(邦題:「狂気」)のジャケット(下図)について考えてみたいと思います。 
このアルバムの、音楽作品としてのテーマと、この、謎のプリズムが虹に照らし出されている様には、関連があるはずです。この絵を解釈するには、音楽作品としての、あるいは歌詞に込められたコンセプトを読み解くことが役に立つと考えられます。この作品は、メンバーであるGeorge Roger Waters(1943~)のほぼ一人によって作詞・作曲され、コンセプトも彼の発案によるものと考えられます。ウォーターズによれば、Dark Side Of The Moonのコンセプトは、「人間の内面に潜む暗い感情=『月の裏側』を描き出すこと」であると述べています。月の裏側は、地球に住んでいる私たちは見ることができない訳ですから、人間の内面や心理を描き出すメタファーとなっているのでしょう。 
次に、この作品には、歌詞にも哲学的な要素が多分に含められていると思います。絵画の分析が主題であるため、全文を解釈するようなことは控えますが、例えば、最後のトラックとして収録されている、Eclipseという曲があります。この曲の最後には、以下の意味深な台詞が入っています。
There is no dark side of the moon really.  Matter of fact it's all dark.
そのまま逐語訳的に解釈すれば、「本当は、月の光の当たらない側なんてありはしない。なぜかと言えば、全ては闇なのだから。」となるのでしょう。この言葉には、人間の作り出してきた社会・文化や、自然も含めた他者への「認識」や記号的な意味づけといった、「秩序」そのものに対して、疑念を抱かせるような力があると感じました。このAllという言葉が、人間存在(肉体と精神が混然一体となった)の全てを指しているのかどうか定かではありません。 
しかし、確かに、寿命の限られた私たちは肉体に縛られていますから、自分の内面を遍く照らし出すどころか、無意識=Darkという部分を抱えながら生きるしかありません。
だとすれば、私たちの、自己に対する解釈やアイデンティティーは、必然的に不完全なものとしかなりえませんし、「全ては闇に包まれている」と言えそうです。 
曲の中には、「時間」に注目したもの(有限の存在である人間が、「時間とは何か」考えるも、答えを見つけ出せずに、最期は絶望して一生を終える)や、「金」(生きることへの思索など目もくれず、自分の利益のみ考えている一人の金持ち)をテーマとしたものなどがあります。さながら、社会の縮図が幻想的でサイケデリックに(音楽的にはブルースの影響が強く感じられますが)描き出されているかのようです。 
以上のようなことを踏まえて、この絵に描かれているもの一つ一つを見ていきたいと思います。 
まず、注目すべきは真っ黒な背景でしょう。そして、その中に鎮座するプリズム。この絵を生み出したStorm Thorgerson(1944~)は、エジプトのピラミッドを見たとき、このジャケットの着想を得たと言ったそうです。三角形というと、私の心象では、何か「不完全なるもの」を表しているように感じます。(それに比べて、円=「完全なるもの」のイメージがあります。)黒い背景は、人間の内なる世界の広がりを指しているようです。Dark=無意識と考えるならば、有限で不完全な存在である人間(三角形)が、無限の闇の中にぼんやりと浮かび上がっていると言えるでしょうか。 
では、三角形にあたっている「光」は何を指しているのでしょうか。初め、絵の左側では白い一筋の光だったのが、「三角形」を出ていくのと同時に、虹色の鮮やかな光線となり、広がっていきます。この「三角形」が、「一人の人間の内面世界」を示唆しているのだとしたら、それに向かって入ってくる「光」は、何者かは判らないけれども、「他者」を表しているに違いないと判断できます。「他者」(人間とは限らない)と「私」はクロスオーバーし、そうすることによって互いに影響を与え合います。こうして、一つの光は七色となり、闇の中に広がっていきます。
今までは、中央やや上にある白い物体を「三角形」と呼んできましたが、光を分光するための「プリズム」と捉えることもできるでしょう。そう考えると、また新たな解釈が生まれてきます。「意味を持たなかった外なる光」が、「不完全なる人間」の中を通ることによって「屈折」し、屈折率(波長)の異なる色の光として「意味づけ」を行われ、外の世界へとアウトプットされていくといった具合です。 
ということは、もし、この空間に「プリズム」がなかったら、どうなるでしょう。やって来た一筋の光は、入る場所がないため、当然、屈折することなく、永遠に直進していきます。「色」も付きません。
そう考えると、この絵に含まれているメッセージは、案外前向きなものであるようにも思えてきます。「不完全な人間」だからこそ、私たちは、「意味づけ」をおこなう=他者と関わり合うのであり、鮮やかな色が生み出されていくのです。
ここに、「芸術とは如何なる意義を持っているのか」という深遠な問いへのヒントが隠されているように感じます。古代~中世では、「人間」と、唯一絶対なる「神」との間のやり取りとして、芸術は存在していました。(無論、それだけのために古代~中世の芸術があったなどとは決して言いませんが)近代では、機械論的自然観に則り、主体と客体を完全に分離した(デカルト的な)理性と人格を備えた「自我」がまずあり、「対象」を観察するため、写実的な表現がもてはやされました。現代では、盛んに肉体と精神の相互作用が論じられ(心身相関)、「他者」と「自己」の壁はどんどん曖昧なものとなっています。もはや「絶対的な真理など存在せず」、権力の構造によって個人が規定されるといったような思想までも台頭することになりました。(「無意識」というものを仮定する時点で、構造主義的であると言わざるを得ませんでした。)
ただ、これらの思想にも、共通点があります。それは「関わりあい」というものの存在です。ある時は「人」と「神」、「主体」と「客体」、「権力」と「個人」と言ったようにです。 
そういうわけで、芸術とは「何か」と「何か」を結びつけるもの、という、なんとも意味不明なイメージを、私は抱いています。つまり、芸術は、宇宙空間の、無風な、何億光年も離れた場所でひっそりと、一人の造物主の力によって生みだされたのではないだろうという事です。私たちは、日常で辛い事や楽しいことを経験しながら一生を過ごしていきますが、例えば、ふとした瞬間にiPodで音楽を聴いたとします。その瞬間に、「音楽」と「私」は繋がりを持ち、何らかの影響を受けることになります。 
勿論こういった事件は、何も「芸術」などという大仰なフォーマットに限って経験されるわけではありません。ですから、芸術は、こういった「純化された経験」を人に与えるような、結晶化されたものではないか、と私は思っているのです。 
人は芸術に触れたり、それを生み出したりすることによって、「関わりあい」を持ち、影響を受け合い、人生を淡々と死に向かって過ごしていく。そういった意味で、芸術は、私たちの人生に肉薄するような場所に「ある」ものだと、私は信じています。

Time

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  1. 2012/12/25(火) 02:42:45|
  2. Pink Floyd
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今日の一枚(33)

Album: Kid A
Artist: Radiohead
Genres: Post Rock
Everything In Its  Right Place
Kid a

1985年に、イングランド、オックスフォードで結成。'90年代以降のモダンロックを代表する
エレクトロニカ/ポスト・ロックバンド。彼らの音楽的ルーツは、オルタナティブ・ロックや、
ポストパンク/ニューウェーブ【単純に言えば、ガレージロック(グラムロックをイメージすると良いでしょう。例えばDr.Feelgoodなど)的なローファイなサウンドに、黒人音楽やレゲエ、クラシック等の影響を付加したもの。U2や、XTCが代表的】にあります。ポストパンク/ニューウェーブの音楽性に、
さらに従来のロックの範疇を大幅に逸脱するような電子音楽、ノイズミュージックのテイストが混ざった、
とでも言うべきでしょうか。彼らの作品を見ていくと、アルバムごとに、かなり音楽性が異なるため、
ここで全てを紹介するのは難しいですが、大きく分ければ、Kid A以前か、以降かということになると思います。
このアルバムの音楽性に最も影響を与えているのが、Aphex TwinやSquarepusher、Autechreなどの、
アンビエント・ミュージックでしょう。音楽の「機械的」側面に着目した(演奏という概念から対極にある)
音楽を電子音楽と呼ぶわけですから、ロックンロールという、(ジャズもR&Bもそうですけど)
ポピュラー音楽の中でもとりわけ「人力によるビート感」に頼る音楽とは相入れぬものがあるように、
誰もが感じることと思います。事実、The Bendsのようなギターロックを好むタイプのファンからは、
当時このアルバムは酷評されたようです。プラスティックのように無機質なトム・ヨークのボーカルに、
歪められた楽器の音というような、抽象的で難解なアンビエントの要素と、ポップで耳から離れないメロディが
不気味で冷んやりとした対照を成しています。
ともかく、古代ギリシャ(プラトンとアリストテレス)から現代に至るまで、哲学や芸術の重大なテーマであり続けてきた、「精神と物質の二項対立」という問題に、このアルバムは一つの答えを与えているように感じます。
「何が人間的で、何が機械的なのか?」(この音楽は、両者の境にあると僕は感じましたが)、そして、
「真理とは一体どこに(具象or抽象、すなわち肉体or精神)有るのか?」という問いを、投げかけていると言えそうです。
夜中に聴くと、背筋が寒くなります。

Everything In Its Right Place

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  1. 2012/12/25(火) 02:31:58|
  2. Radiohead
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今日の一枚(32)

Album: Just A Girl
Artist: Bonnie Pink
Genres: Pops
Take Me In
just a girl

日本のシンガーソングライター。1973年生まれ。Perfect Skyが資生堂の日焼けどめのCMで放映されたのが、
ヒットのきっかけとなりました。彼女の音楽の背景には、師匠であるトーレ・ヨハンソンの影響を受けた
スウィーデッシュ・ポップとしての要素があります。キラキラとしているけれども、どこか郷愁を感じます。
良質なポップミュージックを生み出すミュージシャンが少ない現代で、彼女はなかなか貴重な存在だと思います。
本来、ポップミュージックは、大雑把に言えば「ごった煮」の音楽な訳ですが、彼女の場合は、
広い音楽的素養を感じる曲が多くあります。80年代的なAORやフリーソウル、ファンク、オルタナティブ・ロックやR&Bに至るまで、全てが美しいメロディやコード感を失わずに同居している、といった感じでしょうか。
歌詞も、難解な言葉を用いず、自然体で、抜けの良い都会的なサウンドとよくマッチしています。
デビュー当初は、チェスト張り上げの、ロック的な歌唱が多かった彼女ですが、Present以降あたりからは、
ミックスの多い柔らかでソウル的な歌唱が増えている印象です。英語もキレイでなめらかな発音ですね。
バックバンドの上手さもまた、特筆すべきものがあります。特にタイトでヘヴィなドラムスが
良い個性を出しています。フィルの入れ方は、なかなか鳥肌ものです。
Back Roomというアコースティックライブアルバムがありますが、この演奏は白眉ですなー。(本人によるアコースティックギター、アイリッシュギターの音色も素晴らしい!)音質も良好ですし、こういうミュージシャンこそ、世代を超えて聴かれ続けて欲しいです。
ライブが楽しみです。

Take Me In

Take Me In (Live)

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  1. 2012/12/25(火) 02:20:48|
  2. Bonnie Pink
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今日の一枚(31)

Album: the best start here
Artist: ala
Genres: Funk Rock
the best starts here

Point Of View
日本のロックバンド。2003年結成。このバンドの音像は、僕好みです。ツインボーカルと、
ブラス隊の織りなすグルーヴが小気味いいです。このアルバムは音の抜けが良くてハイファイです。
音楽性としては、サザンロック+ファンクという感じで、山下達郎のBig Waveをさらにファンキーにした感じですね。三浦謙太郎(G)のカッティングもまろやかだ。ソロも弾きすぎず、疾走感を演出していて、
なかなかいい仕事をしている。テナー、アルトサックスが、軽いドラムと絡み合い、フュージョン的なオシャレ感があります。全編英語詞なのもまたニクいです。2011年に解散してしまったのが実に残念!ファンクは人気ないんでしょうか…

Point Of View

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  1. 2012/12/25(火) 01:57:45|
  2. ala
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今日の一枚(30)

Album: Nicheシンドローム
Artist:ONE OK ROCK
Genres:Punk
niche syndrome

完全感覚Dreamer
日本のパンク・ロックバンド。2005年結成。森田貴寛(Vo)は、演歌歌手の森進一、森昌子夫妻の実子で、元Newsのインディーズ時代のメンバーです。
山下達郎氏が、Tokyo FMのSchool Of Lock!に出演した時、「今、若手に凄いロックバンドがいる」
と鼻息荒く紹介しているのを聞いて、このバンドの存在を知りました。
(他には、Pay Money To My Pain, 相対性理論を絶賛していました。)
彼らも聴いた瞬間にたまげましたね。とにかく、ボーカルが素晴らしい!英語の発音も綺麗ですね。
力強く無垢なハイトーンは、若手の中でも屈指の上手さです。
バラードで見せる繊細でハスキーなヴォイスも素晴らしい。声量もありますしね。
演奏も(特にドラムス)タイトで隙がないです。音質も良好で、スネアドラムの音が耳に気持ちいいです。
こういうバンドがいる限り、Japanese Rock Will Never Die!!!と胸を張って言えますねー!



完全感覚Dreamer

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  1. 2012/12/24(月) 01:13:16|
  2. One OK Rock
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今日の一枚(29)

Album: Close To The Edge
Artist: Yes
Genres:Progressive Rock
Close To The Edge
close to the edge

プログレッシブ・ロックの大名曲。1972年作。イントロの水や小鳥のさえずりの音のように、
SEを用いたり、ドラマティックで、練りに練られた曲構成、変拍子を叩き出すドラムスと、
一糸乱れぬ正確無比な演奏等、プログレッシブロックの様式美を完璧に、端的に表現しています。
プログレッシブロック四天王(King Crimson, Pink Floyd, Yes, Genesis)の中でも、
Yesはキャッチーな曲が多くて大好きですね。18分が全く長く感じません。
クラシックの要素を大胆に取り入れながらも、ロックンロールの躍動感を失っていないのですな。
サイケデリックかつ七色のトーンを使い分けるSteve Howe(G)の、スペイシーな演奏が素晴らしい!
最後のパートに入る前のオルガンが、いい味しています。そして、残り4:30を疾走しまくるのですなー。
いやぁ、インテリ汁が溢れ出すぜー(笑)
This Is Prog-Rock!!

Close To The Edge

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  1. 2012/12/24(月) 01:04:46|
  2. Yes
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今日の一枚(28)

Album: Kind Of Blue
Artist: Miles Davis
Genres:Jazz
So What
kind of blue


モダン/モード・ジャズを代表する大傑作、1959年録音。レビューするのもおこがましいですね。
Milesの歴史は、そのままジャズの歴史であると言えます。数多い彼の作品の中でも、
この作品は外せません。スタジオライブの一発取りで収録された本作は、緊張感に満ち満ちています。
徐々に音数を増して行きながら展開する本曲は、無駄な音が全て削ぎ落とされ、
「一筆書きの墨絵」(Bill Evans談)の如き、どこまでも蒼く沈んだ、
クールでダークな雰囲気を醸し出しています。音数をとことん絞り込んだマイルスのトランペット、
「蒼く」静かに燃え上がるようなビル・エヴァンスのピアノ、
野趣に富んだコルトレーンのテナーサックス、不気味に蠢く、ポール・チェンバースのベース。
これらが渾然一体となり、静謐で物憂げな音世界が生まれるのです。
即興音楽としてのジャズの、一瞬の煌めき、これは、何者にも替えがたい魅力があります。
この一枚には、その煌めきが凝縮されています。真の「様式美」は、
緻密な計算によって生まれるのではなく、こういった一瞬一瞬の即興にこそ宿るのかもしれません。
夜更けに、目を瞑って聴いて欲しいです。モダンジャズはここから始まった。

So What

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  1. 2012/12/24(月) 01:00:47|
  2. Miles Davis
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今日の一枚(27)

Album: Great Activity
Artist: 水樹奈々
Genres:Pops,Heavy Metal
Orchestral Fantasia
great activity


日本の声優、歌手。1980年1月21日生まれ。
1stのsupersonic girlに収録されているTRANSMIGRATIONなど、
以前からハードロック/ヘヴィメタル的なヘヴィな歌唱を得意としていた彼女の素質が、
このアルバムで完全に開花した感があります。バックを固めるCherry Boysは、
特に、名手、北島健二(G)を始めとする一流のベテランスタジオミュージシャンばかりです。
ライブでの演奏も、溜息が出るほど上手いです。ライブでのインストパートは、
それだけで一つのインストゥルメンタルロックバンドとして成立しています。
アルバム冒頭のデスヴォイス、ヘヴィで歪んだ、金属的なギターリフ(Bring it on!)を聴いた瞬間、
彼女はメタルシンガーとなった、と感じました。抒情的なアコースティックギターから始まる本曲は、
シンフォニック歌謡メタルと呼ぶに相応しいクサさです。
(ストリングスの海で彷徨う、ってクサすぎやろ(笑))
次作の、Ultimate Diamondに収録されている、悦楽カメリアなんかは、陰陽座を髣髴とさせます。
(水樹は、陰陽座の「甲賀忍法帖」をカバーしています。)
他にも、シンフォニックスピードメタルのNext Arcadiaや、和風メタルな純潔パラドックス、
プログレ的なリズムと、エロティックなボーカルが艶やかなミュステリオンなど、
優れたメタル曲を生み出しています。彼女が言うところの「攻め曲」は、大抵メタルですね。
日本のハードロック史に残る名盤。



Orchestral Fantasia

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  1. 2012/12/24(月) 00:56:21|
  2. 水樹奈々
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今日の一枚(26)

Album: 放課後ティータイムⅡ
Artist: 放課後ティータイム
Genres:Pop Rock
いちごパフェが止まらない
放課後ティータイム


2007年結成の日本のガールズポップロックバンド。バンドメンバーは全員現役女子高生。
高校生のインディーズバンドとしては、初めてオリコン首位を獲得した。
ポップでキラキラとしたメロディーに、田井中律(Dr)と、秋山澪(B)のタイトなリズムセクションが噛み合い、10代を生きる彼女たちの可愛らしい歌詞が心をくすぐる。
しかしながら、使用機材、録音レベルはプロ並に高く、十分鑑賞に値します。
演奏も、高校生としてはかなり上手い方だと思います。ツインボーカルも、
まったりとしたHTTらしさを体現したような平沢唯(G)と、伸びやかでクールな秋山のカラーが
好対照をなしていて秀逸。電子音楽や、ノイズ等の機械的な音楽がもてはやされ、
(これらの音楽が、これからの音楽のフロンティアを開拓する足掛かりであるとは知りながらも)
現代のポップスに蔓延る今日、このような5ピースのシンプルなポップスを聴くと、
純粋に音楽を楽しむ気持ちになれます。ギター弾きたくなってきました(笑)


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  1. 2012/12/24(月) 00:51:28|
  2. 放課後ティータイム
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今日の一枚(25)

Album: Sing Along Songs For The Damned & Delirious
Artist: Diablo Swing Orchestra
Genres:Jazz Metal
A Tap Dancer's Dilemma
Diablo Swing Orchestra

2003年結成のニューメタル/ジャズメタルバンド。スウェーデン出身。
ヘヴィ・メタルは、これまで多種多様な音楽とのクロスオーバーを経験しています。
特にクラシックからの影響(ギタリストで言えば、リッチー・ブラックモア、イングヴェイ・マルムスティーンなど多数)が色濃いことも良くしられていますね。
その他にも、ファンクからの影響(Extremeら)、ヒップ・ホップからの影響(Rage Against The Machine, Linkin Parkなど)、プログレからの影響(Dream Theater, Protest The Heroなど)などがあります。そんな中で、彼らの鳴らす音楽は、特にスウィングジャズの影響を受けていますね。
良い感じにスウィングしつつ、変態的な上手さのリズム隊に、オペラ風な男女のツインボーカル、
そしてヘヴィなギターリフと軽やかなサックス。
ヘヴィ・メタルの、新たなスタイル、奥深さに気付ける好盤。

A Tap Dancer's Dilemma

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  1. 2012/12/24(月) 00:43:10|
  2. Diablo Swing Orchestra
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プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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