私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(176)

Album: The Way I See It
Artist: Raphael Saadiq
Genres: R&B, Soul, Neo Soul

the way i see it


アメリカ、カリフォルニア州オークランド出身のシンガー・ソングライター、音楽プロデューサー。
1966年生まれ。R&BトリオのTony! Toni! Toné!の元ボーカリスト。
本作はソロ活動開始後の4th。2008年作。
プロデューサーとしてもTLCやWillie Max、Ronald IsleyのEternal, The Rootsなど、
数多くの作品に関わっています。
最も有名なのはD'AnjeloのVoodooやBrown Sugarといった作品でしょう。
前作のInstant Vintageではネオ・ソウル色が強く前衛的な作風が目立っていましたが、
本作ではモータウンのような60s的なオールド・スクールに回帰したような作風になっていて、
聴きやすい作品に仕上がっていると思います。
ラファエルのボーカリゼーションも良い意味でラフなものになっており、
アナログ・レコードのような温かみのあるMotownのアレンジャー、Paul Riserアレンジも手伝って
60年代の北部にタイムトラベルしたかのような感覚に陥ることができます。
#1Sure Hope You Mean Itからスタックス直系のレトロで緩いグルーブに
伸びやかなボーカリゼーションが絡みつきます。
#2 100 Yard Dashは子供の声のようにトーンコントロールしたボーカルが
印象的な短いファンク風のナンバー。
#4Big Easyは、The Infamous Young Spodie & The ReBirth Brass Bandによる
ブラスのタイトで大仰なバッキングとハンドクラップ、ベースが混然一体となった
如何にもアナログな(音が塊になって迫ってくる感じとでも言いましょうか)
アレンジが心地よいミドル・アップ。
#5Just One Kissは、ハスキーで情感溢れるJoss Stoneとのデュエットで、
柔らかいストリングスと透き通ったコーラスが曲のノリを作っています。
もろにSmokey Robinsonの影響を受けた#6Love That Girlは、
軽快なアップ・テンポのソウルです。丸く優しいタンバリンやビブラフォンの音色がリラクシングです。
スペイン語での歌唱とスパニッシュなアコギに始まり、
ソリッドなリズムと太いベースラインが印象的でメロウな#7Calling、
#8Staying in Loveは、Stevie Wonderバンドのようなレイド・バックした
グルーブを生み出すリズムと、クリーントーンのチャキチャキしたカッティング、
スピード感溢れるコーラスとの掛け合いが素晴らしい!
#9Oh Girlは、ノスタルジックで歌謡っぽい濡れたメロディに、
セクシーなファルセットのコーラスで絶品のバラードに仕上がっています。エロいですねぇ…
Stevie Wonderがハーモニカでゲストとして参加している#11Never Give You Upは、
CJ Hiltonの低音の響きの素晴らしいシルキーなボーカルと、
ハスキーで密度の小さく枯れたラファエルのボーカルが非常に好対照をなしています。
ストリングスも曲の随所随所で目立って曲の展開をドラマティックなものにしています。
またこのハーモニカ・ソロが本当に美しいです。見事に楽曲に溶け込んでいます。
こんな曲を書ける才能もアレンジ力も凄まじいと思います。
Jay Zの参加した#13Oh Girlは、普段の彼の作品からは想像もできないような
リラックスしたラップを聴くことができます。
60sソウルにヒップ・ホップが乗ったら、こんなにドリーミーで柔らかいグルーブを生み出すのかと
思わず感心してしまいます。
オールド・スクールなR&Bへの深い憧憬と理解あってこそ、本作のような作品を作れるのでしょう。
決して陳腐な焼き直しに終始せず、現代の、将来のR&Bの行方を見つめ直すきっかけとして、
耽美的で爽やかでグルーブに溢れた教訓を示唆してくれる貴重な名盤。

Sure Hope You Mean It

100 Yard Dash

Big Easy

Staying In Love

Oh Girl

Never Give You Up

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  1. 2013/07/30(火) 02:12:39|
  2. Raphael Saadiq
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今日の一枚(175)

Album: Extraction
Artist: Greg Howe, Victor Wooten, Dennis Chambers
Genres: Jazz, Fusion

extraction.jpg


本サイトでも何度か取り上げているGreg Howeですが、本作は2003年作の
Victor Wooten, Dennis Chambers という何とも贅沢なトリオで録音した作品です。
小柄な体に比して巨大な大砲のような「暴虐的な」音と、立ちくらみするほどのグルーブをを叩き出す
Dennis Chambers(Dr)はBrecker BrothersやP-Funkで、
フォデラのベースを抱え、ロータリースラップを駆使しながら速弾きにコード弾きと自由自在な
ティクニックを駆使して強烈なファンク・グルーブを創出する
Victor Wooten(B)はBela Freck & The Freckstonesの
バックバンドとして、それぞれ聴いてきた私としては、
三人とも大好きなプレーヤーという、何ともわくわくせずにはいられない作品です。
Greg Howe(G)のフレージングもお得意のタッピングによる高速フレーズから
アウトフレーズの応酬と、何時にも増して絶好調です。
この面子ならではの技術のぶつかり合ったハードなフュージョン曲は勿論ですが、
ジャジーで柔らかな楽曲も収録されており、ファンク・メタル寄りのハードフュージョンという
ソロ作の傾向よりはむしろジャズ色が強く、その点で他の一般的なフュージョンのアルバムよりも
難解に聴こえる作品であると言えるかもしれません。
#1Extractionの冒頭からDennis Chambersの高速ドラミングに脳漿をぶちまけそうになります。
本作で一番暴れているのはGreg Howeではなく間違いなく彼だと思うのは、
私だけではないはずです。
地鳴りのようなバスドラムで、思わず「地震が起きたのか!?」と思って間抜けな顔をして
ヘッドフォンを外してしまう始末です(笑)
随所随所に取り入れられる「らしい」ハーモニクスやジャム・セッションに近い即興性の高い
流麗なフレージングやタイム感の良さという点で、Greg Howeのプレイは非常に高いレベルで
バランスが取れていると思います。何気にスペイシーな音色のキーボードがいい仕事しています。
#2Teaseではシャキッとしたクリーントーンのカッティングとミニマルなリフから
どんどん複雑に展開していくというロック色の強い曲です。
バック・ビートの効いたファンキーなドラミングに、
Victor Wootenの澄んだトーンのベース・ソロ、
ワウの掛かった歪みのエモーショナルなギターソロと特にダイナミックでお気に入りな一曲です。
#3Crack It Way Openは後半部でまたしても人間リズムマシーン・デニチェンの
他の2人への挑戦とでも言わんばかりの強烈なソロをこれでもかと堪能することができます!
#4ContigoはAl Di Meolaの楽曲を彷彿とさせるようなエキゾチックで、
アコースティックで温かみのある音像が特徴的です。
轟音のドラムの中、キーボードのサポートで参加しているDavid Cook(Key)が
エモーショナルで長いソロを弾き倒しています。
Allan Holdsworthのカヴァー(と言ってもかなりマニアックな選曲ですが)の
#5Proto Cosmosは、さらに緊張感のあるアレンジになっており、
完全に自分の曲として昇華している感すらあります。メロディックで動きまくりの
ベースラインも最高にグル―ヴィーですね。
何度聴いてもこの重厚なフィルとメランコリックなフレージングには鳥肌が立ちます。
#7Lucky 7は如何にもGreg Howeのお得意なファンク・フュージョンという感じの楽曲で、
メンバーが全員黒人の本作では、正に彼らのためにあるようなドス黒い
(かつテクニカルでキメの高揚感が堪らない)パワフルなテクニカルフュージョンになっています。
リズムの間を縫うようにして掻き鳴らされるカッティングや、
同じ音高でも指を充てる角度を絶妙に変えながら多彩な音色を
丁寧に紡ぎ出していくベース・ソロが緻密で腰に来る重いグルーブを聴かせてくれます。
どんなに速弾きしても、それが音の薄っぺらさにつながっていないところが、
このリズム隊がいかに優れているかということをよく表していると思います。
#9Bird's Eye Viewは、冒頭のテーマで雨垂れのように随所に挿入される絶妙なゴーストノートに
思わずドラムばかり聴いてしまいます。上手すぎて溜息が出ます・・・
後半部からはギターもどんどん加速していき、メロディックで歌心溢れる
ソロを弾きだしています。ジャキジャキしたカッティングもキメも、本当に耳が気持ち良いです。
テクニカルなフュージョンの作品数あれど、本作は最高峰に位置すると言っても過言ではないでしょう。
最高のメンバーと楽器同士の最高のインタープレイ(=対話)が心行くまで楽しめる傑作。

Extraction

Tease

Contigo

Proto Cosmos

Bird's Eye View

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関連記事
  1. 2013/07/30(火) 00:07:23|
  2. Greg Howe
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  4. | コメント:2

今日の一枚(174)

Album: Power
Artist: TRIX
Genres: Fusion

power.jpg


熊谷徳明(ex Casiopea)、須藤満(ex T-SQUARE)を中心として2004年に結成された
日本のフュージョンバンド。本作はギタリストとして菰口雄矢が参加してからの作品です。
2012年作の9th。日本のフュージョン界を支えてきたリズム隊の鉄壁な演奏と、
若き菰口のテクニック満載のフレーズで、プログレッシブでキャッチ―なフュージョンを
聴かせてくれます。現代では長らく聴けなくなっていた、いい意味で「古き良き」フュージョンの音像を
残しながらも、音作りは現代的なものとなっており、厚みのある音像と
奇想天外な難解フレーズ(特にドラムスはアスリート的なと言っても過言ではないほどの
激烈さです)でフュージョン・ファンを虜にしてくれること間違いなしと思います。
表題曲の#1Powerから、驚くべきほどの手数のドラムスと、4~6弦スウィープに高速フルピッキングと
弾きまくりです。左手も最早嫌がらせ(褒め言葉)とも言われかねないような
物凄いことになっています。普通の人だと弾けてもタイム感が合わないと思います・・・
シルキーで現代的なトーンが耳触りよく、速弾きも厭らしさを全く感じさせません。
チョーキングから始まるテーマ部分は全盛期のCasiopeaを思わせるような
素晴らしいキャッチ―さで、恐ろしく抜けの良くパーカッシブなベースラインが引き締まった
精悍なグルーブを創出しています。
#2夢風は、一転してSQUAREの楽曲にありそうな爽やかで流麗なキーボード・ソロと
いかにもフュージョンライクで軽快なドラミングにスラップベースのバッキング、
ツボを押さえた泣きのあるギターワークの本作の中でも聴きやすい一曲だと思います。
#3Espanaはエスニックなコード感と裏拍を強く感じさせるタムが効果的に用いられた
リズム面で聴いて楽しいラテン風の一曲です。
#4Hysteric Dramaはジャリジャリとした歪みのリフからツーバスドコドコと
メタル・フュージョンとでも言うべき異色な楽曲に仕上がっています。
ドラムスだけ聴いているとDream Theaterを思い起こさせるようなリズムワークです。
もっとへヴィ―なドラミングの方が楽曲には合っているのかなとは感じます。
イングヴェイ顔負けの速弾きフレーズを高音部まで詰まりなく透き通ったトーンで聴けます。
リフも意外と音程差が大きく難しいと思います。
それにしても単音の粒立ちの良さがつくづく恐ろしいです!ミュートの歯切れの良さが半端ないです。
#6Welcome Homeはスロウ・テンポで、須藤満(B)のスラップでメロディが演奏される
メロウなバラードです。この位の音数の方が、堅めのスネアの音色とか、
煌びやかな窪田宏のキーボードの音色がよく耳に染み込むようにして聴こえてきます。
#8久保田はダンス・ミュージック風のドンシャリなエレキドラムのリズムから始まり、
背後を流れるクリーントーンのカッティングやジャジーなキーボードソロ、
そしてまたトランス展開になっていくという、なんともカオスな楽曲となっています。
菰口作曲のスムース・ジャズ風#9うつろひは、スウィンギ―なリズムと
饒舌なピアノが印象的な軽やかな曲に仕上がっています。
日本の誇るべきキャッチ―でテクニカルでパワフルなフュージョンを、
彼らは提供し続けてくれています。
確かな実力が無ければ決してできない音楽だと思います。ただただ尊敬するばかりです。

Power

久保田

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  1. 2013/07/29(月) 22:27:44|
  2. TRIX
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病名・薬剤対応早見表

病名薬剤 早見表 (種類・作用点・作用機序・副作用)

1.鬱血・浮腫
(1) ループ利尿薬 
ヘンレのループ上行脚 Na+-K+-2Cl共輸送阻害
(2) サイアザイド系利尿薬 
遠位尿細管 Na+-Cl-共輸送阻害
【副作用】聴器毒性、高尿酸血症、低血圧、低K+,Mg+血症(副作用は共通)

2. 高血圧
(1) サイアザイド系利尿薬
遠位尿細管 Na+-Cl-共輸送阻害
(2) カリウム保持性利尿薬
遠位尿細管、集合管 Na+チャネル阻害

3. 消化管潰瘍
(1) プロトンポンプ阻害剤
壁細胞 プロトンポンプ阻害
(2) H2受容体遮断薬
壁細胞 H2受容体(ヒスタミン受容体)を阻害 
(3) 粘膜保護剤
酸性化で負電荷の重合体形成→潰瘍底のタンパクに結合→粘膜保護作用
(4) PGE製剤
NSAIDs服用患者に与える。
PGEの胃酸分泌抑制、胃粘膜血流増加、胃粘液分泌促進効果を期待。

4. 狭心症
(1) 硝酸薬
血管内皮細胞 代謝でNOとなる→sGC活性化→cGMP↑→平滑筋弛緩→血流増大
(2) Ca2+チャネル遮断薬(拮抗薬)
血管平滑筋細胞上の電位依存性L型Ca2+チャネル 
Ca2+のカルモジュリンとの結合↓→ミオシン軽鎖キナーゼ活性化↓
(3) β受容体遮断薬
交感神経β1受容体 心筋収縮力の低下→心筋の酸素需要が低下
【副作用】プロプラノールはβ1,2を共に阻害→β2による気管支狭窄

5. 高血圧
(1) サイアザイド系利尿薬
遠位尿細管 Na+-Cl-共輸送阻害
(2) β受容体遮断薬
交感神経β1受容体 心筋収縮力の低下→心筋の酸素需要が低下
(3) α受容体遮断薬
血管平滑筋の交感神経上にあるα1,2受容体 血管平滑筋の弛緩
(4) ACE阻害薬
(5) アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬
アルドステロン分泌低下、血管平滑筋収縮抑制
(6) Ca2+チャネル遮断薬(拮抗薬)
血管平滑筋細胞上の電位依存性L型Ca2+チャネル 
Ca2+のカルモジュリンとの結合↓→ミオシン軽鎖キナーゼ活性化↓

6. 高脂血症
(1) スタチン系
HMG-CoAレダクターゼ阻害
肝細胞におけるアセチルCoAからコレステロールの合成反応を阻害
(2) 陰イオン交換樹脂
消化管内 胆汁酸と結合し脂質の乳化→吸収を阻害
(3) 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
小腸末端のトランスポーター阻害 胆汁酸の再吸収を阻害
(4) フィブラート系
核内転写因子PPAR-α 
β酸化などの脂質代謝に関わるタンパク合成の調節→HDL↑、TG↓

7. 糖尿病
(1) スルホニル尿素薬 ATP依存性K+チャネル
(2)インスリン抵抗性改善薬 PPAR-γ活性化による遺伝子発現調節
(3) αグリコシダーゼ阻害薬 小腸上皮にある多糖や二糖類を分解して単糖類にするαグリコシダーゼを阻害薬

8. アレルギー
(1) ステロイド剤(プレドロニゾン、メチルプレドニゾロン)
脂質、タンパク質の異化促進、グルコース取り込み抑制、糖新生促進、骨量減少
炎症性サイトカイン↓NOS↓ホスホリパーゼA2、COX2↓
【副作用】 糖尿病、消化性潰瘍、骨粗鬆症、高血圧(NOS↓)、満月様顔貌

9. 気管支喘息
(1) β2受容体作動薬
気管支平滑筋の交感神経β2受容体 cAMP↑→PKA活性化→カルモジュリンとの結合↓→ミオシン軽鎖キナーゼ活性化↓
(2) 吸入ステロイド剤
気管粘膜 グルココルチコイド作用による気道炎症の抑制

10. 臓器移植、骨髄移植、自己免疫疾患
(1) シクロスポリン
カルシニューリン 
TCRを介するシグナル伝達経路の中間分子カルシニューリン阻害→細胞性免疫低下
【副作用】感染症の増悪、臓器障害、高血圧

11. 腎性貧血(人工透析による腎不全)
(1) エリスロポエチン(尿細管間質細胞で産生)
Epo受容体 Jak-Stat系活性化→遺伝子発現の調節
【副作用】ショック、高血圧、血栓症、肝障害

12. うつ病
(1) 古典的抗うつ剤(モノアミン再吸収阻害剤)三環系、四環系
ノルアドレナリン神経の再吸収ポンプ、後シナプス性受容体の脱感作
【副作用】抗コリン作用(口渇、便秘、頻脈、排尿障害)
(2) セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
(3) 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミン、パロキセチン
ノルアドレナリン神経抑制性のセロトニン神経末端 
セロトニン神経伝達↑→NA神経抑制
(4) MAO阻害剤
モノアミン酸化酵素 神経細胞内のノルアドレナリン濃度上昇

13. 統合失調症
(1) 定型的抗精神病薬 
中脳辺縁系のドパミンD2受容体 

(2) 非定型的抗精神病薬
セロトニン受容体の遮断

14. パーキンソン病
(1) L-DOPA
ドパミン前駆体 
(2) ドパミン受容体作動薬
シナプス後膜のドパ民受容体に結合。
(3) MAO-B阻害薬
ドパ民分解酵素を選択的に阻害。
(4) ムスカリン受容体拮抗薬
コリン作動性神経の過剰な興奮状態を是正。

15. アルツハイマー病
(1) アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(塩酸ドネぺジル)
シナプスにおけるアセチルコリン濃度を高める。
(2) NMDA受容体遮断薬

16. 悪性腫瘍
分子標的治療薬
(1) イマチニブ(CML)
キメラタンパクBCR-ABL チロシンキナーゼ活性を阻害。
(2) ゲフェチニブ(小細胞癌)
EGF受容体 チロシンキナーゼ活性を阻害。
(3) トラスツマブ(乳癌)
Her2受容体 
(4) ベバシツマブ(大腸癌)
VEGF受容体
(5) リツキシマブ(CD20+ホジキリンパ腫)
B細胞CD20
従来型抗癌剤
(1) 核酸アナログ(メトトレキサート、5-FU)
正常な核酸に取り込まれ、DNA鎖の伸長を阻害。
(2) 植物アルカロイド
微小管形成阻害、微小管安定化 βチューブリン分子に結合
(3) トポイソメラーゼ阻害剤 
DNA鎖のねじれを解消するトポイソメラーゼを阻害

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関連記事
  1. 2013/07/25(木) 01:31:16|
  2. 薬理学
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NSAIDs・カフェインの薬理作用・内分泌薬理

1.消炎剤インドメタシンの作用機序と作用点、副作用について

インドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、アラキドン酸からプロスタグランジンを
合成する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害剤である。
浮腫に関与するのはCOX-2で、炎症や外傷によって遊離したアラキドン酸から、炎症増強・痛みの誘発・血管拡張などの作用を持つPGE2や浮腫を増強するPGI2を合成する。PGI2は血管内皮細胞で作られ、血管拡張、痛覚過敏、他の因子による血管透過性作用の
促進、発熱を主な作用とする。インドメタシンはCOX-2を阻害することでこれらの生成を抑え、浮腫を抑制する。
浮腫の第一相はヒスタミンやセロトニンが関与し、第二相はアラキドン酸カスケードの産物であるプロスタグランジン類、ロイコトリエン類などが関与するので、COX阻害剤であるインドメタシンでは浮腫の第二相に対して有効である。
副作用としては、頭痛や嘔吐といった中枢症状を生じやすい。
消化性潰瘍や出血傾向がある場合にはNSAIDsは用いずステロイドを短期間使用すべきである。

2.インドメタシンの作用機序と、浮腫にはどのようなケミカルメディエーターがどの程度関与しているか

第一相には肥満細胞、血小板、血漿に由来するヒスタミン、セロトニンが関与し、
第二相にはプロスタグランジン、ブラジキニン、ロイコトリエンなどのケミカルメディエーターが関与している。インドメタシンはプロスタグランジンの生成を抑えるが、ブラジキニン、ロイコトリエンの生成を阻害する作用はない。インドメタシン投与群で第二相の浮腫の抑制がみられ、
カラゲニン足蹠浮腫にはPGE2やPGI2といったプロスタグランジンが大きく関与していると考えられる。

3. カフェインの作用機序と作用点、副作用について知るところを記せ。
【作用機序】精神運動興奮薬のうち、カフェインはメチルキサンチン類に分類される。
作用機序としてはいくつかの説が提唱されている。
(1) カフェインは細胞外のCa2+イオンを流入させることでホスホジエステラーゼを
抑制する。これによりcAMP、cGMP濃度を上昇させる。
(2) アデノシン受容体を遮断する。 等がある。
【作用点】
中枢神経においては大脳皮質を刺激し疲労を減少させ、覚醒作用をもたらす。
循環系においては筋収縮と心拍数増加作用をもたらす他に、気管支平滑筋を弛緩させる。
(↑β作動薬と似た作用)
Na+, K+, Cl-の尿中排泄量を増加させる軽度の利尿作用を持つ。
胃粘膜において胃酸分泌を促進するので、消化性潰瘍患者は摂取を避けるべきである。
【副作用】
中用量では不眠、不安、興奮を起こす。
高用量では毒性を生じ、嘔吐と痙攣が現れる。

4. 内分泌薬理

(1) 種々のシグナル伝達経路において、First Messengerとしての働きを担うホルモンには、大きく分けてモノアミン、ペプチドホルモン、ステロイドホルモンがある。その受容体であるホルモン受容体にはGタンパク共役型、チロシンキナーゼ共役型受容体、核受容体などがある。
以下ではシグナル伝達
(1)-1 Gタンパク受容体
細胞外シグナル分子が膜7回貫通型に結合すると、三量体Gタンパクが活性化され、αサブユニットとβγサブユニット複合体に分離する。
これによりαサブユニットに結合したGDPがGTPに交換され、
アデニル酸シクラーゼが活性化されて、cAMP濃度が上昇する。
これによりプロテインキナーゼAが活性化され、標的タンパクをリン酸化する。
他にも、活性化αサブユニットからホスホリパーゼCが活性化され、
イノシトールリン酸を分解してイノシトール三リン酸とジアシルグリセロールとし、それぞれがメッセンジャーとしてシグナルを下流に伝える経路がある。
Gタンパク共役型受容体に対するアゴニストとしてはインクレチン関連薬が挙げられ、膵ランゲルハンス島のβ細胞におけるATP濃度を上昇させることでインスリン分泌を促進する。

(2) -2チロシンキナーゼ共役型
増殖因子が受容体チロシンキナーゼ(RTK)に結合すると、
二量体化し、互いのリン酸基化して活性化する。活性化型RTKに
アダプター分子(Grb2)を介してRas活性化タンパクが結合し、Rasが活性化する。活性化型Rasがマップキナーゼ系を活性化する。

活性型マップキナーゼが標的タンパクをリン酸化して酵素活性や
遺伝子発現パターンを変化させる。
チロシンキナーゼ共役型受容体のアンタゴニストとしてはトラスツマブやリツキシマブが挙げられ、
それぞれ乳癌組織の内因性チロシンキナーゼ活性を有するHer2受容体と非ホジキリンパ腫における
Bリンパ球のCD20抗原に結合する。

(2) 2型糖尿病におけるインスリン抵抗性は、
末梢組織がインスリンの作用によりグルコースを取り込む機構のいずれかの箇所が障害されることにより生じる。
i) 末梢組織に存在するインスリン受容体にインスリンが結合すると、受容体のβサブユニットの自己リン酸化が促進される。
ii) PI3キナーゼ系、MAPKカスケードが活性化される。
iii) PI3キナーゼ系はGLUT4を含む小胞の膜表面への露出を誘導し、
グルコースの細胞内への取り込みが促進される。
一方膵ランゲルハンス島のβ細胞におけるインスリンの分泌過程は

i) 細胞表面のGLUT2からグルコースを取り入れ、
ミトコンドリアでの代謝の後ATP濃度が上昇する。
ii) ATP依存性K+チャネルが閉じる。
iii) 細胞膜の脱分極により電位依存性Ca2+チャネルが開き、
インスリン分泌小胞の膜融合を促進してインスリンを放出する。
以下では糖尿病治療薬の種類と作用点を記す。
i) スルホニル尿素薬 ATP依存性K+チャネル
ii) インスリン抵抗性改善薬 PPAR-γ活性化による遺伝子発現調節
iii) αグリコシダーゼ阻害薬 小腸上皮にある多糖や二糖類を分解して単糖類にする
αグリコシダーゼを阻害薬

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  1. 2013/07/25(木) 01:29:30|
  2. 未分類
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今日の一枚(173)

Album: Roger Nichols and the Small Circle of Friends
Artist: Roger Nichols and the Small Circle of Friends
Genres: Oldies, Soft Rock, AOR

Roger Nichols


普段から愛聴している山下達郎氏のFMラジオの番組Sunday Songbook(オールディーズ専門で取り上げる
数少ないラジオ番組の一つ)でも度々紹介されるRoger Nicholsの作品を取り上げて見たいと思います。
この番組をきっかけに知ることになった特にスウィート・ソウルやファンクの数多くの名盤は、
私にとっても大切な作品ばかりです。
つい先日も、本作の#1Don't Take Your Timeをラジオで聴くこととなったのですが、
何とそれは私がファンとして活動を追いかけ続けている歌手・声優の水樹奈々さんのラジオ
(確かオールナイト・ニッポンに出ていた時なので本当につい最近のことです)ででした。
丁度彼女のバックバンドを務めるCherry Boysのメンバーたちが世代ということもあって、
デビュー当初からオールディーズの名盤を勧められ、漁るように聴いているとのことです。
その中でも本作はお気に入りのようで、まさか奈々さんがRoger Nicholsの、当時としては
大変先進的な(68年作)音楽性について語るなどとは思わず、とても嬉しかった記憶があります。
彼女の歌唱で是非こういう洒脱なソフト・ロックの楽曲が聴きたいと、
おそらく彼女のファンとしてはなかなかにニッチな願いを胸に抱いていたりします。
前置きが長くなりましたが、Roger Nicholsはアメリカ、モンタナ州ミズーラ出身の
シンガー・ソングライター/マルチプレーヤーで、
Roger Nichols and the Small Circle of Friends名義での本作は68年作の数少ない
個人名義としてのオリジナル・アルバムです。因みに本国でもヒットには至らず、
日本では87年(!)の発売までその名を知る人すらほとんどいないという状態でした。
発売から30年ほどたって素晴らしさが他ならぬ「渋谷系」というムーヴメントの中で
小山田や小西といった優れた才能たちによって認知されるようになった、というまさに
ソフトロックの隠れた名盤の「代表格」とも言えるような稀有な作品というわけです。
基本的には作家としての人気の高い人ですが、Paul Williams(作詞)との共演や、
The Carpentersによるカヴァーで有名だと思います。
全12曲の本作は6曲がオリジナルで、残りはThe BeatlesやLovin Spoonfulのカヴァーで
構成されています。オリジナルのうち4曲はBeach BoysのPet Soundsで作詞を務めた
トニー・アッシャーというなんとも豪華なメンバーです。
#1Don't Take Your Timeの冒頭からヴァイオリンの印象的なフレーズと性急なビート、
曲間の楽しげなブラスのメロディが楽しめる洒脱な一曲に仕上がっています。
コーラスの重ね方もどんどん複雑になっていきます。なかなか真似できないセンスだと思います。
Beatlesのカヴァー#2With A Little Help From My Friendsは、
原曲とはがらっと違う雰囲気になっていて、良く動くベースラインがメロディアスでクールです。
#4I can See Only Youはアコギの透き通ったリフに、ノスタルジックなメロディと
ゆったりとしたストリングスのアレンジが神々しい輝きを放つ良曲です。
ピチカート・ファイブの楽曲の基礎にあるに違いない#6Love So Fineは、
短い曲ですが、コーラスのハーモニーの心地よさや手数の多く軽快なドラミングが印象的な
キャッチ―な一曲です。
#8Just Beyond Your Smileはシンプルなポップスですが、ここでもストリングスの細やかな
アレンジとグル―ヴィーなリズム隊の演奏が爽やかに仕上げています。
Lovin Spoonfulのカヴァー#10Cocoanut Groveは、コーラスの重ね方の工夫で聴かせるアレンジに
なっていて、浮遊感のある音色になっています。
#12Can I Doはシンプルなアコギのリフと粒だったベースラインがソリッドなミドル・テンポの
楽曲です。激しく煽るようなストリングスとドラムスとは裏腹に爽やかに歌うボーカリゼーションが
好対照をなしています。
紛うことなきソフト・ロックの永遠の聖典の一つといって、全く言い過ぎではないと思います。

Don't Take Your Time

I Can See Only You

Love So Fine

Just Beyond Your Smile

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  1. 2013/07/18(木) 01:49:37|
  2. Roger Nichols and the Small Circle of Friends
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今日の一枚(172)

Album: Breakin' Away
Artist: Al Jarreau
Genres: Pops, R&B, AOR

Breakin Away


アメリカ、ウィスコンシン州ミルウォーキー出身のシンガー。1940年生まれ。
1981年作の6th。1980代にJay GraydonやNile Rodgers、David Fosterなど、
クロスオーヴァ―・ミュージックの最前線で活躍していた数多くのプロデューサーと
タッグを組み、ジャズ色、R&B色溢れる良質なポップスのアルバムを作り出しています。
本作はGrammy Award 1982のBest Male Pop Vocal Performanceを受賞しています。
本作もプロデュースはJay Graydon(Producer,G)が行っています。
David Fosterはストリングス・アレンジで手腕を振るっています。
バックを固めるミュージシャンもSteve Lukather(G), Jeff Porcaro(Dr), Steve Gadd(Dr),
Abraham Laboriel(B)と、知る人ぞ知る鉄壁の布陣です。
フュージョン系のプレーヤーが揃っていることもあり、
演奏もタイトで洗練されています。80年代らしいシンセの音が懐かしさも感じます。
アル・ジャロウのボーカルも適度に脱力していていながらも非常に正確なピッチ感と
スキャットによるメロディのアレンジ(#4Easy, #8Blue Rondo a la Turkなど)も
クールに嵌っていて洒脱なサウンド・スケープを感じさせてくれます。
#1Closer to Your Loveからフュージョン色満載のスムースでシルキーなボーカリゼーションです。
Steve Gaddのボスッとしたドラムスと緻密なアレンジにポップなメロディーと完璧な出来ですね。
透き通ったバックコーラス(Steve George, Richard Page ex Pages)のスロー・バラード
#2My Old Friends、#5Our Loveは如何にも80年代的な3分弱のバラードですが、
へヴィ―なドラムスと大仰なストリングスのアレンジ、シンセの煌びやかな音使いが、
サビでのメロウな歌唱を最大限に引き立てています。
#4EasyはSteve Gaddの引き締まった16ビートに、マイナーな進行から一気にポップになっていく
展開が非常に面白い一曲です。
表題曲の#6Breakin' AwayはJeffの代名詞とも言えるグル―ヴィーなハーフタイム・シャッフルに
正にTOTOという感じのホーン・アレンジと、蕩けるようなファルセットの歌唱が見事に噛みあって
極上のポップスに仕上がっています。
#7Roof Gardenはベースの印象的なリフレインとシャッフルのリズムがミニマムで
ファンキーなグルーブを定位する一曲で、後半部のアドリブが冴えわたっています。
Dave Brubeckの変拍子ジャズ#8Blue Rondo A La Turkは本作の中でも
最も演奏何度の高い楽曲と思います。
殆どアドリブでコード感に合わせてトーンと音を選択して紡いでいく、真の構成力の高さと安定感があり、
緊張の糸が張りつめた疾走感溢れる歌唱を堪能できます。
周囲の音をよく聴き、瞬時に必要とされているトーンやメロディを取捨選択し、
正確に歌唱するという、声を真の意味で「楽器」として使いこなしている
素晴らしいシンガーだと思います。

Closer To Your Love

My Old Friends

Easy 

Breakin' Away

Blue Rondo A La Turk

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  1. 2013/07/18(木) 00:44:16|
  2. Al Jarreau
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今日の一枚(171)

Album: The Trees Are Dead & Dried Out Wait for Something Wild
Artist: Sikth
Genres: Progressive Metal, Metal Core, Screamo

The Trees Are Dead Dried Out Wait for Something Wild


イギリス、ハートフォードシャー州ワトフォード出身のプログレッシブ・メタルバンド。
2001年結成。現在は活動休止中。2003年作の1st。
変拍子やポリリズムを多用したような、リズム面でのアプローチ完はプログレメタルと言えますが、
Mikee Goodman(Vo)のスクリーモ系(というよりカオティック・ハードコア
とでも言うべきでしょうか)の軽めのデスヴォイス/スクリームを用いていて、
なかなか個性的な音像を作り出しています。
クリーンでの歌唱はメロディが綺麗で丁寧に歌っているので聴きやすいと思います。
高速でメロディックなリフとフィルの引き出しの多く手数と変化に富んだドラミングを見せる
Dan 'Loord' Foord(Dr)のリズムワークが強烈な疾走感を生み出しています。
James Leach(B)の太いスラップやツーバスドコドコの気持ち良さは群を抜いていると思います。
カオティックで雑多な音楽性を有していますが、アンサンブルが非常に緻密で、構成も二転三転して
飽きさせず楽しいアルバムだと思います。
アルバム冒頭の#1Scent of the Obsceneからテクニカルなフレーズ満載のタイトで正確な演奏で、
メロディーもキャッチ―で素晴らしい!
低音のザクザクしたリフと、ブレイクの後に左右からツインボーカルが脳天を直撃する
#2Pussyfootは何故か曲の最後にメェーと鳴き声が聴こえてきてシュールです(笑)
#5Emersonのようにピアノソロを挟んできたり、
フュージョン臭のするフレーズを挟んできたりとどのバンドにも似ていない個性があると思います。
敢えて言うなら、ギターリフや歌のメロディがSlipknotに近いとは感じます。
一曲4~5分くらいでまとまっていてこの手のバンドに馴染みのない方でも楽しめると思います。
曲の最後の様々なトーンのデスヴォイスやスクリームが狂気を感じさせる#7Wait for Something Wild、
雨のSEから始まるプログレ色の強いスペイシーなニック・ケイヴのカヴァー#8Tupelo、
2:40にも及ぶ悲痛な慟哭の連続から、分厚く幻想的なシンセと女性コーラスが
緩やかなグルーブを作り出す不気味でアンビエントな#9Can't We All Dream?と
ピアノソロの#10Emerson(Pt.2)とスタティックな曲もあります。
一転して#11How May I Help You?では変拍子ありブラストありのゴリゴリのリズムに
対照的なツインボーカルの壮絶なバトルが堪能できるハードコアな一曲になっています。
左チャンネルのトレブリーなリフが印象的な#12(If You Weren't So) Perfectは、
ぶった切るようにして目まぐるしく展開が変わり驚くことでしょう。
ここでもやはり音作りの多彩さがパートごとの雰囲気を見事に演出しています。
様々な音楽性を持っていますが決して散漫にせず、
肉体を持つ人間の狂気を、正確無比な演奏と音作りを通して描き出した、
現代型プログレメタルの傑作。

Scent of the Obscene

Pussyfoot

Can't We All Dream?

How May I Help You?

(If You Weren't So) Perfect

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  1. 2013/07/14(日) 00:11:41|
  2. Sikth
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今日の一枚(170)

Album: Alter Native
Artist: Stevie Salas
Genres: Funk Rock, Heavy Metal

Alter Native


アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴ出身のギタリスト、シンガーソングライター。
ネイティブ・アメリカンの血を引く。1964年生まれ。
1996年作の7th。P-Funk, ParliamentのリーダーであるGeorge Clintonに才能を見いだされ、
彼のソロアルバムであるR&B Skeletons in the Closet('86)にギタリストとして参加したことが
デビューのきっかけとなります。
基本的にはFenderのストラトかワッシュバーンのシグネチャーモデルを使用しています。
シングルコイルの音で、揺れ感のある歪みの音が特徴的です。
プレイスタイルとしては、真っ先にファンクの影響が挙げられると思います。
コード・カッティングの前のめりで攻撃的なグルーブが非常に印象的です。
音色自体はモダンなハードロックの歪みの音でありながら、
このドス黒いノリで一つ一つの音を鳴らしていて、一聴して彼と判る個性的なギタリストだと思います。
ソロではブルースの影響を色濃く残したペンタ中心のフレーズが多く、
歌心のある音使いです。
アドリブでは、ジャズ系のプレーヤーのように理論に乗っ取って
コード進行に合わせて弾くというより、感覚的に音を選んでいるようです。
本作ではStevie Salas (Vo, G), Melvin Brannon (B), Dave Abbruzzese (Dr, ex Pearl Jam)
の3ピース編成で演奏されており、肉体感と疾走感のあふれる演奏を堪能できます。
#1Break It Out(The Legend of Johnny Pverco)から荒々しいファンク・ロック色全開のバッキングに
引き締まったドラミングのハネたリズムが絡みついてテンション上がりっぱなしです。
#2Make Me Blankの如何にも70sのハード・ロック的なリフに粘っこいソロも素晴らしい!
他にも、ワウの絡んだ、揺れの大きいサイケデリックなトーンが印象的な#3Fear、
左チャンネルの、ガラスの弦を弾いているような、弾けるようなトーンのブルージーなリードが
キャッチ―な#4I'm Missing Youなど、ファンキーで熱い楽曲が続きます。
冒頭にアナログ・レコードのスクラッチ・ノイズが入る#6Hootchie Toadは、
ワウの掛かった荒々しいソロや鬼のようなカッティングにシャウトするボーカルと、
正に現代のJimi Hendrix"Crosstown Traffic"とでも言うべき無尽蔵のエネルギーが爆発しています。
アルバム後半部には、前作のBack From The Livingにはあまり収録されなかったような
バラード系の楽曲が収録されています。
ミドル・テンポのキャッチ―なロック・バラードの#7May God Bless Youや、
アコギのザクザクとしたリフに、メロトロンのジェット機の飛行音を模したような
スペイシーな空気を生み出す#8Alter Nativeがこれに当たります。
JBのようなクリーン・トーンのカッティングにホーンが重厚なグルーブを形成する
#11What Do I Have To Do Prove, My Love To Youも、お気に入りの曲の一つです。
声の歪んだエフェクトでさらにオールドなファンクの雰囲気を感じることができて
思わず体が動いてしまいます。
超絶なテクニックを持ちながら、ファンクの、頭をからっぽにして聴けるような分厚いグルーブや
ノリをこれほどまでに弾き出すことのできるギタリストは、彼をおいていないと思います。
大好きなギタリストの一人です。

Break it Out

May God Bless You

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  1. 2013/07/06(土) 18:09:24|
  2. Stevie Salas
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  4. | コメント:0

今日の一枚(169)

同人誌とゲームと音楽のにっこにっこブログ」への書下ろし

Album: LOVER“S”MILE
Artist: LiSA
Genres: Pop Rock, Pops, Alternative Rock

LOVER S MiLE


岐阜県関市出身の女性ボーカリスト、1987年生まれ。
元々はロック・バンドのLove is Same Allのボーカルとして活動していましたが、
2010年に放送されたテレビアニメ"Angel Beats!"の作中に登場する架空のバンドである
Girls Dead Monster(詳細はGirls Dead Monsterの項を参照)のボーカルとして抜擢され、
(声優は喜多村英梨)一躍有名になりました。
2011年にもスマッシュ・ヒットを記録したテレビアニメ"Fate Zero"の主題歌に採用された
シングル"oath sign"はアニメソング界隈のアンセムともなるほどのヒットを記録し、
順調に活動しています。本作は2012年作の1st。
本作は、LiSAのボーカリストとしての魅力を引き出すことに見事に成功していると思います。
ハリのあり瑞々しいhiC~hiEの音域での歌唱は勿論得意技ですが、
低音域での歌唱もピッチ感が増していて、メロからサビにかけての抑揚のつけ方も上手く、
ドラマティックなギター・ソロやキーボードの音作りに絡んでメロディに説得力を与えています。
そういった意味で、彼女は良い意味でアニソンに向いた才能を持ち合わせたシンガーだと思います。
作曲は基本的にタッグを組んでいるスマイル・カンパニーの渡辺翔氏が手掛けており、
アニソン界隈ではClariS(コネクト、プロミスなど)への楽曲提供で知られています。
#2oath signのような、とく氏によるストリングス・アレンジと刻みの多いギターによる
分厚いバッキングで、ハイ・トーンを連発するようなサビへとノンストップで繋がっていくような
直線的なグルーブのある楽曲が印象的です。
#3now and future,ラップとコール&レスポンスが楽しい#7ROCK-mode,
目の覚めるようなアカペラから始まる甘酸っぱいポップ・ロックの#10ジェットロケットは
日本のロックバンド、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也氏が提供しており、
手数の多いドラミングと轟音のリフの中で甘いメロディでポップにするという
如何にも彼らの楽曲という感じです。
演奏は肉体感があってソリッドで、ほのかに甘いボーカルと好対照をなしています。
とても相性の良いタッグだと思いました。
#4EGOiSTiC SHOOTERは、ボーカロイドを使用した楽曲を作り出しているwowaka氏作曲で、
モダンな歪みのギター・リフが印象的な一曲です。
前半部のゴリゴリとした展開での低音での歌唱も安定感があって、悪戯っぽい歌い方で素敵ですね。
#6花とミツバチは、アコギのゆったりとしたリフとベースラインが緩いグルーブを作り出す
ミドル・テンポの楽曲です。ノスタルジックな歌詞とマッチして良質なロック・バラードになっています。
#8笑ってほしくてはLove Is Same Allがアレンジを担当するガールズ・ロックで、
ガルデモの楽曲に近いパンク・ロック色の強い曲になっています。
麻枝准作曲の#12終わりのない歌は、9分越えの大作で、
ストーリー性のある歌詞を語るように歌う前半部から、シンフォニックかつクラシカルな後半部へと
展開していきます。
ピアノのループが流れ、低音で呟くように歌う静的なパートと
緻密なストリングスのアレンジの印象的な動的なパートが綺麗にシンメトリーになっています。
楽曲ごとのアレンジや曲展開の差が大きく、多彩な変化を楽しむことができます。
その中でも、LiSAのボーカリゼーションはロック・シンガーらしく密度の高く一貫したトーンで、
ビブラートが少なく伸びやかです。
全編通して一際凛とした存在感を放っています。
アニメソングのファンは勿論ですが、現代の女性ロック・シンガーとしても、
強烈な訴求力を持った数少ないシンガーだと思います。

oath sign (Live Version)

EGOiSTiC SHOOTER

Rock-mode (Live Version)

Written By Systematic Chaos

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  1. 2013/07/01(月) 02:03:52|
  2. LiSA
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
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こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
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可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。
※放送企画として「私的名盤放送」というラジオを配信しております。
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