私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

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お世話になっております。
私的名盤紹介管理人のSystematic Chaosです。

普段コメントくださいます皆様、Twitterにて交流下さっています皆様、知人の皆様、ありがとうございます。
暑い日が続きますが御自愛下さい。

当サイトも320枚に及ぶ作品を紹介してきましたが、
記事を重ねるにつれ、アーティストのバイオグラフィーや時代背景、
音楽ジャンルに関する解説が長くなっている傾向にあります。
これは、雑食を名乗るブログとして、そのジャンルに初めて触れる方でも、
作品を実際に聴きながら記事を読むことである程度そのジャンルを概観できるように
するためです。

しかしながら、各ジャンルの中心人物やスタジオミュージシャンについての解説、
経緯の解説は重複する部分も多くあるため、
毎回解説することはしていないこともあります。

その度にWikipediaなどを見て頂いても良いのですが、
やはり手間にもなると思いますので、
できましたら画面左側中央の「検索フォーム」に気になる人物名、
用語等を入力して検索なさって見て下さい。


検索フォーム

解説が無い用語、人物(の共演者や有名作品など)には、
大抵過去記事に解説が載っていると思います。


というわけで、
もう少しこの用語が知りたい、気になるという方は是非検索ボックスを活用なさって下さい。
勿論面倒臭いと思う人は直接僕を捕まえて訊いて下さい。
覚えていることは喋りますが、ど忘れすることもありますのでご容赦下さい。

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  1. 2014/07/26(土) 15:54:44|
  2. 初めにお読みください
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今日の一枚(321)

Album: Everybody's Somebody
Artist: Kele Le Roc
Genres: Pops. R&B, UK Garage, Neo Soul

Everybodys Sombody


イギリス、ロンドン出身の歌手。1977年生まれ。
本作は1999年に発表された1stで唯一のアルバムです。UK#44。
ジャマイカ人の両親の元に生まれ、ブロードウェイのスターになることを
夢見ていた彼女は、イースト・ハムの中等学校を卒業した後、
17歳の時にインディーズデビューを果たし、翌年の1995年には、初めてのヒットである
Let Me Knowを発売し、UKクラブミュージックの界隈でその名が
知られるようになって行きます。
彼女はUKシングルチャートでトップ10をLittle Bit of Lovin'(1998),
My Love(1999)の2曲で記録(共に8位)しており、ポリドールから99年に本作を発売し、
同年のMOBO Awardでは最優秀新人賞と最優秀シングルを獲得しています。
その後はフィーチャリングの仕事が主になっており、Basement Jaxx
(共作のシングルRomeoがUK#6を記録)のようなエレクトロニカ系のミュージシャン、
Coolioのようなラッパー、ジャズミュージシャンでドラムンベースとの
クロスオーバーを指向しているCourtney Pineなど、多方面の作品、
とりわけUKガレージに近しいミュージシャンの作品にボーカリストとして参加しています。
活動のわりにソロアルバムは一枚しか発表しておらず、
レビューの類もあまり見かけられないのが不思議ですが、
内容としては非常にモダンなR&Bにエレクトロニカやハウスから派生し、
ブレイクビーツを取り入れたり(通例は4/4拍子でダンサブルなリズムが多く、
ブレイクビーツは稀にフィル的に用いられる)、よりファンキーでスウィンギーなサウンドを
指向したガレージハウスのサウンドがミックスされたもので、
00年代中期以降のダブステップへと派生していく音楽性であると考えれば良いと思います。
表題曲の#1Everybody's Somebodyは、囁くようなコーラスとアコギやブリブリしたベース、
レイドバックしたリズムがドリーミーなイントロダクションです。
#2Little Bit Of Lovin'は、コーラスの掛かったアルペジオと淡々としたリズムトラック
の中でブレスリーなボーカルが映えるミディアムで、非常にポップな仕上がりです。
#3Getting Down Tonightは、シンプルなピコピコシンセとベースリフの作るリズムを
中心としてゆったりと進行していきます。
クワイエットストームなコーラスと音数の絞られたギターや
タッチノイズが生々しいアコギのバッキング、後半にかけて音数の増えていく、
低域の出たベースやパーカッションがリズムに張りを与える#4Tell Me Where You Areは、
メロウで素晴らしいです。お気に入り。
歯切れの良いキックやスネアに、細かく刻まれたハイハットで強いビート感のある
#5My Loveも、他のアレンジはアコースティックな仕上がりでバランスが取れています。
冒頭のエレピのソロ、低音の響きの豊かなコーラスから妖しく始まる
#6Don't Wanna Be Lonelyは、ソリッドなスネアの打ち込みが非常に印象的です。
パーカッシブなシンセベースの作るグルーブで掴まれる#7I'm The Oneは、
オクターブを絡めたギターのバッキング、サビへのブレイクを挟んでメロディと
ユニゾンするシンセが心地良いです。エモーショナルでソウルフルな歌唱と、
コーラス、トラックの落ち着いた進行との温度差が堪りません。お気に入り。
#9You Did It Goodは、歌うような細やかなベースラインはモータウン的で、
軽快なドラムスが作り出すリズムはフュージョン的な面白さのある異色な一曲で、
中間部のベースとスキャットのユニゾンはノリノリです。
トレブリーなカッティングやアウトロのピアノソロも賑やかで素晴らしい。
本作のハイライトといった感もあります。最高。
ニュージャックスウィング的な、鮮やかでダンサブルなリズムトラック
(リバーブの掛かった音処理の感覚はUKハウス的か)と、
幾重にも重ねられたコーラスが#10Kiss Meは、下降していくラインが
洒脱で落ち着いた感じを与えてくれます。これもお気に入り。
一転して、テンポアップしたトラックと加工されたボーカルが
無機質に歌い上げる#11Joy、ビシビシ決まるドラムンベースが飛び出してくる
#12Love辺りは他の楽曲と比較してかなり実験的な作風になっています。
Coolioのラップやスクラッチ、トークボックスなどヒップホップ~エレクトロが積極的に
取り込まれた#13Just Think About Youは、シンプルなギターカッティングと
スクラッチの作るリズムに無垢なボーカルとCoolioの激しいMCが
対比的で素晴らしい。お気に入り。
再びテンポを落としたバラードの#14Magic Momentsは、虚空に響く鋭いリムショットと、
ワウにフェイザーの掛かったようなギターの音が混ざって幻想的な空気を出しています。
ラストを飾る#15Two WrongsもシンプルでポップなR&Bというではありますが、
スラップの多用されたベースライン、サスティーンの短いスネア音、
サンプリングやスクラッチなど効果的に用いて飽きさせない工夫があります。
全体的にポップで、難解さは無いのですが、
ネオソウル勃興の時期に当たる90年代末のUKソウルならではのどことない暗澹とした感じ、
それに伴って生じてくる、どことなく醒めた、冷ややかな感覚のある佳作。

Tell Me Where You Are

My Love

You Did It Good

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  1. 2014/07/26(土) 02:39:56|
  2. Kele Le Roc
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

今日の一枚(320)

Album: Everybody Got Their Something
Artist: Nikka Costa
Genres: Alternative Rock, Funk, Blue-Eyed Soul

Nikka Costa


日本、東京都生まれのアメリカ人シンガーソングライター、1972年生まれ。
父親はアレンジャー、プロデューサーのDon Costaで、
Frank SinatraのアルバムSinatra and Strings(1962)のプロデュースを行ったこと、
とりわけそのオーケストレーションの技術の高さで知られています。
他にもSarah Vaghun/Snowbounndや、Tony Bennett/If I Ruled the World:
Songs For The Jet Setなどを手掛けています。
夫はプロデューサー、作曲家のJustin Stanleyであり、
The Vines, Beck, Daniel Merriweaatherなどのプロデュース、
Noiseworks, Electric Hippiesの作曲などが知られています。
彼女自身は幼少期から父より音楽的な教育を受けて育ち、
父のソロアルバムで歌ったり、9歳の頃にはSinatraと共演しています。
81年に発売されたセルフタイトルのアルバムはヨーロッパと南米で1位を記録し、
ワールドツアーまで行っています。父の突然の死を乗り越え、
高校卒業後はポップスからモータウンに影響を受けたファンク、ソウルへと傾倒して行きます。
Justinとの結婚を期にオーストラリアへと移住した彼女は、自身で作曲を行うようになります。
そしてLittle Mona & The Shag Daddies, Sugarboneといったバンドを組んで活動した後、
オーストラリア国内のMushroomというレーベルと契約を結び、1996年にソロデビューを果たします。
本作は(オーストラリア移住後の)2001年作の2ndソロ(US#120, UK#53)。
その後はLenny Kravitzとのレコーディング、ライブと共演したり、
スタックスとの契約を結んで活動を続けています。
ファンクやソウルとは言っても、夫であるJustin Stanleyの助力もあって、
UKのオルタナティブロックのようなダイナミズムと、
彼自身によるエッジの効いた、激しく歪んだバッキングが特徴的な音像になっています。
他にも、リズム隊にはThe Roots(詳細はThe Rootsの項を参照)のドラマーとして、
ヒップホップのメインストリームやネオソウルの界隈で、
縦横無尽の活躍を見せているQuesolve
(Elvis Costello, Common, D'Angelo, Jill Scott, Erykah Badu, Jay Z, John Legend)、
John MayerとのトリオやThe RH Factorなどでの活動や、
The Who, Genesis, Eric Claptonのサポートの経験も豊富な
Pino Palladinoを起用しており、非常に緻密に計算され尽くした音作りとなっています。
ローファイなギターとエフェクトの掛かったボーカルがファルセット気味に
歌う中でベースリフを中心として展開していく#1Like A Feather、
乾いた歪みのギターが左右に振られたオルタナティブロックの#2So Have I For Youは、
Quesolveの澄んだ音のドラムスは、アウトロでこそ彼らしいフィルを叩いていますが
全体としてラフな感じがあり、Pino Palladinoのベースもいつもよりも太い音で、
クラシックロック的なドライブ感があります。素晴らしい。
#3Tug Of Warは、揺れのあるエレピのバッキングとソウルフルなボーカルに、
エレクトロなテイストもある前半部から、曲後半にかけてホーンが入り、
ハードな音へと変化していきます。その後はストリングスのサンプリングや
細やかなハイハットの刻みが不安感を煽るパート、そしてコーラスの艶やかな
定位が心地良いパートへと目まぐるしく展開します。
表題曲の#4Everybody Got Their Somethingは、抜けの良いベースと、
もたれかかったドラムスの作るグルーブに、心なしかSlyを意識したような
フェイクに遊び心を感じるコーラスでゴリゴリと進行していくファンク。
ホーンのサンプリングやコーラスの音処理は極めてモダンで面白いです。
David Campbellのアレンジによるチェロの低音が哀しさを湧き立たせる
バラードの#5Nothing、激しいスクラッチとラウドなドラムスが鳴り響く
インタールードの#6Nikka What?を挟んで、
本作の中でもとりわけパワフルなハイトーンの歌唱が印象的なファンクロック、
#7Hope It Felt Goodへと繋がって行きます。強くワウの掛けられたリズムギターに
メタル張ばりに歪んだディストーションギターのリフ、重いキックのドラムスが
絡みつきます。その中で緩いホーンのフレージングが目立ちます。お気に入り。
ひたすらにドロドロのファンクが満ちている#8Some Kind Of Beautifulのような曲でも、
やはりPino Palladinoのベースの存在感は凄まじいものがあります。
僅か5歳の時の歌声をそのまま流したインタールードの#9Nikka Whoを挟んで、
スローバラードの#10Just Becauseでは、The Beatles/Let It Be, Abby Roadの
二枚のオリジナルアルバムのレコーディングに参加した他、70年代にはThe Rolling Stonesの
サポートメンバーを務め、グラミーとUS#1を獲得したキーボーディストの
Billy Prestonがゲストで参加しており、華麗なストリングスとサザンソウル的な
(より音色はモダンですが)グルーブのあるトラックの中で、左チャンネルを
流れるワウの掛かったクラビネットがファンクネスを感じさせてくれます。お気に入り。
アメリカの市民活動家であるJesse Jacksonの演説がサンプリングされた
#12Coners Of My Mindは、重ねられたチェロ、ノイズの入ったコーラスが
作り出す頽廃的な空気が印象的です。
乾いたロックを基礎としながら、ファンクやソウル特有の泥臭さがサウンド全体を
貫いていて、アナログな音作りと相まって、時代に左右されない作品に仕上がっています。

Like A Feather

So Have I For You

Everybody Got Their Something

Hope It Felt Good

Just Because

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  1. 2014/07/26(土) 00:27:17|
  2. Nikka Costa
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今日の一枚(319)

Album: Affection
Artist: Lisa Stansfield
Genres: Pops, R&B, Soul, House, New Jack Swing

Affection.jpg

イギリス、グレーター・マンチェスター出身のシンガーソングライター、女優。
1966年生まれ。14歳の時に地元のテレビ番組、Search for a Starのコンペティションで
優勝を果たしたことで、様々なテレビ番組に出演するようになり、
子供向け番組などでパーソナリティを務め、シングルも一枚発表しています。
1984年にはIan Devany(後に彼女の夫となります), Andy Morrisの三人で
ポップスユニットであるBlue Zoneを結成します。
Blue Zoneは、数枚のシングルとアルバムBig Thingを発売しており、
Billy Steinberg, Tom Kelly(Madonna/Like A Virgin, Cindy Loper/True Colors,
Whitney Houston/So Emotiionalなどで知られる)がプロデュースを手がけたシングル、
Jackieは全米でヒット(US#44, US Dance-Club#37)を記録しました。
しかしながらアルバムは本国イギリスでは発売されることなく、
Blue Zoneは88年に解散することとなりました。
彼女がソロキャリアをスタートさせヒットするきっかけとなったのが、
イギリスのエレクトロユニットであるColdcut(Matt Black, Jonthan Moreによるユニット)の
シングル、People Hold On(1989, US Dance-Club#6)のゲストボーカルとして
起用されたことでした。他にもColdcutはThe Only Way Is Upのヒットで知られる
Yazzなどを自身のユニットの楽曲に起用するなどして、才能を発掘しています。
この繋がりのために、本作に収められたThis Is The Right Timeは
彼らがプロデュースしています。
本作はArista Recordsから発売された1989年作の1stで、
全世界で500万枚以上の売り上げを残しています。
内容としては、当時シカゴでの誕生の後、イギリス国内のDJ達による輸入で
流行し始めていたハウスミュージックの影響をリアルタイムに受けた、
派手な音色で揺れの少なく、堅いグルーブのある打ち込みによるリズムトラックと、
ニュージャックスウィング的なダイナミックなシンセのアレンジが特徴的です。
しかしながら、フィラデルフィアソウルを思わせるようなストリングスの
流麗なアレンジや、彼女自身のソウルフルでありながら都会的でクールな
フィーリングのあるボーカルは、70sまでのソウルにあったような、
血の通った躍動感を与えています。
90sレアグルーブ評価の波がUKクラブシーンで訪れる時代の作品として、
本作の先進性を感じ取れると思います。
冒頭のシンセのフレーズで一気に掴まれるダンスナンバー#1This Is The Right Timeは、
サビのリフレインに被さったコーラスの、音の混ざり方が気持ち良いです。
打ち込みのスネア音はかなり時代を感じる音ですがこのチープさが
無機質な感じでまた魅力的です。後半にかけて前に出てくるストリングスがコズミックな
シンセのバッキングの中で際立っています。お気に入り。
ポエトリーリーディングから始まる#2Mighty Loveは、歯切れの良いスネアと
ブリブリしたシンセベースにパーカッシブなピアノでファンキーに進行して行く中で、
高音の煌びやかなストリングスが生々しくダークな雰囲気のある一曲です。
テンポを落とした#3Sincerityは、エレピのリフと高音のパーカッションの
落ち着いたリズムトラックをバックにしてブリッジでの物憂げで囁くような歌唱が映えます。
ハットの刻みが疾走感を生み出す#4The Love In Meは、キラキラしたシンセが
絶妙にウネウネとコードを動かしながら続き、一気にサビでホーンが入って
ポップになる劇的な展開が中毒性高くて素晴らしいです。
後半にはサックスソロもあって楽しい。お気に入り。
本作の中でもとりわけソウル寄りの一曲#5All Around Youは、フィリ―ソウル顔負けの
柔らかいストリングスと、無機質で堅いリズムの調和が完璧に実現されています。
低音で語りかける冒頭、絞り出すようにして出される高音といい、
彼女のボーカルも無垢な感じと艶やかで妖しい感じが同居していて最高です。名曲。
歌うようなベースリフが強烈な存在感を放つアップテンポの
#6What Did I Do To You?は、2:55あたりからのフィルなんかを聴くと凄くアナログ的で、
フルートとかも生でやって、バンドでやっても違った魅力があって良さそうです。
軽い音のドラムスがフュージョンライクな#7Live Togetherは、ストリングスの音遣いに
同時代のSwing Out Sisterのそれを感じずにはいられません。
もたれ掛かったビートにモコモコしたベースにオルガンのようなシンセ、
バックで微かに鳴る歪んだギターのような音が肉体的な#9Poisonは、
2:40前後の語りのパートから短いインストパートが
正しくニュージャックスウィングしています。
サビもシンプルでキャッチ―で良いです。お気に入り。
切ない冒頭のコーラスから、ぶっといベースとドラムの中で語るように歌うメロから、
モダンなR&Bのサビへと展開していく#10When Are You Coming Back?も面白いです。
#12Wake Up Babyは他の楽曲に比べ抑制されたビートと、フレーズごとに巧みに
ビブラートの掛かった歌唱がスムースな感覚があります。
シンセの透き通ったリードプレイもジャジーで聴き所です。お気に入り。
全体を通して打ち込みのビートが覆っており収録時間も長いため、
少し冗長な感は否めないですが、どの曲もメロディーはキャッチ―で、
プラスティックのように無機質なドラムや、シンセベースの作る
堅いハウスサウンドに完璧にマッチしたボーカルの魅力、と言う意味で傑出した作品だと思います。

This Is The Right Time

The Love In Me

All Around You

Poison

Wake Up Baby

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  1. 2014/07/22(火) 23:35:25|
  2. Lisa Stansfield
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

今日の一枚(318)

Album: Le Polaroid
Artist: Andre Solomko
Genres: Soft Rock, Jazz Funk, Fusion

Le Poraloid


ウクライナ出身のサックス奏者、作曲家、編曲家。1965年生まれ。
現在はフィンランド、ウーシマ―県ヘルシンキを中心に音楽活動を行っています。
彼はスムースジャズ~フュージョンバンド、Vinyl Jamのリーダでもあり、
本作はソロ名義での2014年作、2nd。父親がクラシックの世界で活躍する
プロのトランペット奏者であったことの影響で、幼少期からミュージシャンを目指すように
なります。サックスを始めたのは、1987年に旧ソ連のオムスク大学に入学してから
のことでした。当時のゴルバチョフ政権の政策により積極的な援助を受けて
音楽にのめり込むようになり、大学を中退してプロとして活動するようになります。
旧ソ連国内でEquinoxというバンドを組み、音楽活動をしていましたが、
ソ連崩壊に伴う財政難の影響を受けて支援が得られなくなった彼は、
やむを得ずバンドを解散し、フィンランドへと移住することを余儀なくされます。
その後、音楽を学ぶため専門学校に通う傍ら食いつなぎ、自身のスタジオである
Vinal Jam(70年代当時と全く同じヴィンテージの機材を用いた、
アナログレコーディングの設備を備えた)を設立した頃には、
彼は既に40歳となっていました。2007年, 2008年にはVinal Jamとして
アルバムを2作リリースし、マニアたちの間でその名が知られるようになって行きます。
フランスのFavorite Recordings(http://www.favoriterec.com/を参照)
というプロジェクトのリーダーであるPascal Riouxにその才能を見抜かれ、
ここから1stソロアルバムであるOù es-tu maintenant ?(2012)をリリースする
することとなり、P-Vine Recordsの支援もあって、日本でも少しずつ
認識されるようになっていきました。今回も前作同様Favorite Recordingsからのリリースで、
プロデューサにはPascal Riouxを迎えて製作されています。
本作では女性ボーカリストとしてStiinaが三曲で歌っていますが、
彼女の切々とした歌唱がこの完璧なアナログの音の混ざった感じにマッチしていて堪りません。
アナログシンセの音も、当時を思わせるエフェクターの掛かり方まで
非常にそのままで最高です。とても2014年の作品とは思えない音をしています。
#1Teasing Youは、Fender Rhodesのアタック音やジャリっとしたスラップのトーン、
手数の多いドラムスが鋭いバッキングを見せる中で、シンセの音の柔らかさ、
波に揺蕩うような感覚があるジャジーな一曲。Timo Vihavainenのオクターブを
絡めた長いギターソロが個人的には最高です。
曲の中間部4:40あたりからはサックスソロがあり、バックで鳴るストリングスの
安っぽい音、ノイズの混じった感じが堪りません。最後はAlain Mionの反復の多い
エモーショナルなピアノソロで終わっていきます。お気に入り。
#2Last Day At Home-Melancolieは、Andreによるファミコンのシンセ音のようなトーンでの
短いソロから始まり、哀愁漂うサックス、長いブレイクを挟みつつ、
トレブリーで枯れたトーンのギターソロがやはりかなり良いです。
フランスを代表するブラジリアン~ジャズロックバンドであるCortexのキーボーディスト、
Alain MionのRhodesでのソロをフィーチャーした#3Paraphraserは、
録音の関係もあってか、本作の中でもかなりモダンな音像になっていて、
少し雰囲気の異なる一曲です。
ダンサブルでビートの強い#4Living in a paper houseは、Andreによる
サックスソロが中心となった、キメの多いフュージョンライクな一曲で、
アーミングの絡んだギターソロを起点にリズムチェンジした後は
クラビネットのフレージングもさらにファンキーになって行きます。お気に入り。
表題曲の#5Le Poraloidは、高音が若干歪んでノイズが生じたシンセ、
ゆったりとしたカッティングとリムショット、Lili Wagnerの囁くような歌唱の作り出す
グルーブの危うげな空気は、この録音でこそ表現されるという感があります。
#6Afternoonは、Stiinaのボーカルをフィーチャーした一曲で、
アウトロのエモーショナルなロングトーンの嗄れた感じ、激しさを増すドラムのフィルが
良い味を出しています。
ボーナストラック扱いとなっているインストバージョンの#8Teasing Youは、
ワウの掛かったカッティングや蕩けるようなサックスのリードプレイが
際立ちます。後半からはトークボックスによる加工されたボーカル音が導入されていて
遊び心を感じます。
兎にも角にも、今の時代に、この音とアレンジでジャズファンクを
やるために、彼がどれほどの努力と歳月を賭けて、執拗なまでの拘りを見せて
制作してきたかは想像に難くないと思います。
これからも古い音の素晴らしい「新作」を作り続けていってほしいです。

Le Poraloid

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  1. 2014/07/20(日) 16:10:00|
  2. Andre Solomko
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  4. | コメント:0

今日の一枚(317)

Album: Connected
Artist: Family Stand
Genres: Soul, R&B, Acid Jazz, Blue-Eyed Soul

Connected.jpg

アメリカ、ニューヨークを中心として1980年代末から1990年代初頭に掛けて
活動していたアシッドジャズ/ソウルバンド。1986年結成。
Atlantic RecordsとEast West Recordの二つのレーベルから
4枚のオリジナルアルバムを発表しており、
2007年と2010年にもデジタル配信のみのアルバムを含めて作品を
リリースしているようです。本作は91年からの6年の活動休止期間から
復帰してリリースされた1997年作の4th。
彼らの作品は、政治や社会問題、国際関係間の緊張、男女平等を
歌った社会派な詞世界と、当時流行していたアシッドジャズの音像の中に
ロック色の強いギタープレイが光る個性的な作風を有していましたが、
あまりセールスには恵まれなかったようで、1990年にシングル
Ghetto HeavenがUK#10のヒットを記録したことが知られている程度です。
その他には、サンフランシスコ出身の女性シンガーソングライターである
Paul Abdul(1962-)の、ニュージャックスウィング、
ダンスポップを中心とした、大ヒットアルバムSpellbound
(1991, US300万枚、Billboard200#1など)を制作したことで知られています。
メンバーはSandra St. Victor(Vo), Peter Lord Moreland(Key, Vo),
V. Jeffrey(Vo, G, Sax, Key)の三人で、Sandraは91年の活動休止後離脱、
ソロアルバムをリリースするなど活動を続けていました。
Sandraは元々コーラスシンガーとしてChaka KhanやFreddie Jackson
(Chaka Khan, Freddie Jacksonの項を参照)のバッキングを務めており、
JefferyとPeterの二人は元々NYのセッションミュージシャンで、
JefferyはDaryl HallのソロアルバムSoul Aloneなどのプロデュースも行っています。
Sandraの離脱後、新たな女性ボーカリストとしてグループに加入したのが、
Keith Sweat/Make It Last Forever(1988)のレコーディングに参加、
デュエット曲を発表しUS,R&B#2を獲得したJacci Mcgeeでした。
本作は、前作のMoon In Scorpioのファンクロック路線から少し離れ、
もう少し甘美なソウルテイスト、とりわけCurtis Mayfieldを
初めとするシカゴソウルを思わせる音像に仕上がっています。
揺れたリズムギターに、落ち着いた進行の中で巧みなコーラスワークが映える
JacciとPeterのツインボーカルによる#1Keepin' You Satisfiedから
この緩いグルーブが素晴らしいです。
#2Butterは、細やかなハイハットとリムショットを多用したリズムパターンに、
スラップの鋭いトーンが印象的でダークなファンクですが、サビはポップで、
ドロドロし過ぎることなくモダンな音で冷ややかな感触があります。
#3When Heaven Callsは、Erine Isleyの(Live It Upのような)
70年代のトーンを思わせるような歪みのエレキギターが入ってくるイントロから、
ハネたパーカッシブなオルガンが印象的なメロ、
そしてキメを起点にして、コーラスのスムースな定位が瑞々しい、
ポップなR&Bへと展開していきます。名曲だと思います。
ギターソロもブルージーで素晴らしい。
表題曲の#4Connectedは、ドラムロールからの一発目のフレーズと言い、
流麗なストリングスの音処理と言い、完全にCurtisを意識した一曲に仕上がっています。
レイドバックしたドラミングやぶっといベースで完全にあの時代の音を再現し切っていますが、
キメを起点としてサビへと繋がって行くパートからは、一転して生々しい音のコーラスが入り
非常にポップになって行きます…お気に入り。
スロウテンポのバラード#5It Should've Been Me (That Loved You)は、
Stevie Wonderを意識したような張りのあるボーカルが堪能できます。
ギターソロは繊細なアタック音がパリッとしていて心地良いです。
#6What Must I Do Now?は、アコギの荒々しいストロークにチェロの低音が強調された
ストリングスで進んでいくR&Rナンバーですが、後半からはリズム隊が入って来て
荒々しいボーカルとブルージーなギターソロが聴き所です。
音の揺れが特有の浮遊感を創出するオールドスクールなエレピのフレーズと、
強調されたキックと軽いスネアのモダンなリズムをマッチさせた
#7You Don't Have to Worryは、90年代R&Bならではの陰鬱な雰囲気を湛えています。
本作の中でもとりわけ黒光りしている#8Fienin'は、エロティックなボーカルと、
リズムギターの鋭さは特筆すべきものがあります。アウトロではスラップベースが
前に出たアレンジになっています。フレーズは教科書的ですが勿論良いです。
#9You're Mineは、レイドバックしたリズムとソウルフルなボーカル、
フィリーなストリングスに、歪んだギターのバッキングがUKインディーを思わせる音色で、
ロック的なダイナミズムのある異色な一曲。
#10Don't Ask Whyは、アフリカンなパーカッションやアコギの生々しい音色と、
クラシックロック的なベースリフの中で、薄く膜が張ったようなエフェクトの
掛かったボーカルが好対照を成すパートから、フォーキーで暖かいサビへと展開します。
アウトロではワウの掛かったギターが妖しげなソロを聴かせます。
ぐっとテンポを抑えたファンクの#11More And Moreは、
輪郭のくっきりとしたスラップベースや、トレブリーなクリーントーンのカッティング、
タメの効いたボーカリゼーションと、シンプルな繰り返しのサビでの
熱いスキャットがソウルフルで素晴らしい。お気に入り。
現代のネオソウルに繋がる先進的な音処理やアレンジが散見され、
一時的なブームということで放っておくには余りにも勿体ない良作だと思います。

Keepin' You Satisfied

Connected

Fienin'

More And More

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  1. 2014/07/17(木) 21:28:26|
  2. The Family Stand
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  4. | コメント:0

今日の一枚(316)

Album: Second Nature
Artist: Linda Lewis
Generes: Pops, Soul, Rock, Funk, Ska, Latain, Brazilian

Second Nature

イギリス、ロンドン東部ウェスト・ハム出身のシンガーソングライター、ギタリスト。
1950年生まれ。10代の頃には女優として映画界に入り、いくつかの作品に出演していましたが、
1965年には学生仲間でWhite Rabbitsというバンドを組んで音楽にのめり込むようになっていきます。
その後は1970年にソウル/ロックバンドであるThe Ferris Wheelのメンバーとしてデビューを
果たします。The Ferris Wheelは67年と70年に二枚のアルバムを残しただけで
解散していますが、60年代中期に最もロンドンのクラブで活躍していたグループとも称され、
The Fifth Dimensionにも繋がるようなサイケデリックポップとソウルの融合
という革新的な音楽性を有していたバンドでした。
The Ferris Wheel解散後はセッションシンガーとして幾つかのグループを渡り歩いた後、
1971年にソロデビューを果たします。その後、70年代から80年代初頭にかけて
オリジナルアルバムを8枚発表していますが、とりわけ音楽性として評価されているのは
Lark(1972)とFathoms Deep(1973)の前後の時期と言われています。
レコーディングのメンバーには、Wiredなど、当時フュージョン期の真っただ中にいたJeff Beckの
バックバンドを務めていたRichard Bailey(Dr), Max Middleton(Key), Robert Ahwai(G)などが
参加しており、本作でも彼らの演奏を聴くことができます。
Jeff Beck Groupのメンバーの他にも、73年ころからLindaの全盛期の作品でバッキングを務めていた、
Gerry Conway(Cat Stevens, Jethro Tull, Fairport Convention etc)も参加しています。
本作は彼女が音楽界の表舞台から暫く消えてから、カムバックを果たした直後に
発売された1995年作の8thです。
私生活ではRod StewartやFamily, Steve Harley & Cockney Rebelとの活動で知られる
ギタリスト/プロデューサーのJim Creganと1977年に結婚していますが、後に離婚しています。
80年代中ごろからは活動が停滞気味であった彼女ですが、93年には時の人であった
Jamiroquai/Too Young To Dieでのコーラス参加や、イギリスのシンガーソングライターである
Joan Armatradingのソロアルバム、Square The Circle(1992)のレコーディング参加などで
徐々にその名前が浮上するようになったようで、90年代UKクラブ界隈でのレア・グルーブ
発掘の波に乗ってかは分かりませんが、再び彼女に注目が集まるようになりました。
そもそも彼女の音楽性が注目を集めたのは、彼女自身の5オクターブにも及ぶ音域と、
可愛らしいトーンのボーカリゼーションという部分の他に、音数の絞られたすっきりと
洗練されたアレンジ、そしてファンク・ソウルの他にラテンやスカなど、
今でいうところのワールドミュージック的な要素が積極的に取り込まれていながら、
それをポップに落とし込んでしまうという天才的なセンスがあったからでした。
活動休止を挟んでの本作でも、このセンスは全く失われておらず、
澄み渡ったボーカルとポップなメロディの中に、ブラジリアンのテイストが
存分に取り入れられた作りになっています。
他にも、中近東の音楽で用いられるウードと呼ばれる弦楽器や多種多様なパーカッション、
アコーディオンなど、特徴的な音色を持つ楽器が効果的に散りばめられ、
アコースティックで暖かみのある音像に仕上がっています。
#1So Sixtiesは、タッチノイズの音が生々しいアコギと、捻りのあるメロディを
流麗に歌いこなしていきます。一曲目から強烈なブラジリアンの香りが湧き立っています。
後半にかけてベースのスラップの音が前に出て行き、トレブリーな音が印象的です。
#2What's All This Aboutは、Richard Baileyの引き締まったドラミングと、
シンコペーションの多用されたアコギのストローク、圧倒的な音域を見せつける
テクニカルなボーカリゼーションの中で、B.J. Coleによる
柔らかいペダルスティールの無音程的なバッキングは緩やかで、緊張感を中和しています。
ブラジル国内のスタジオミュージシャンであるSylvian Lucによるアコギのソロが
際立つ#3More Than Enoughは、サビでのコーラスの定位や、
アウトロのスペイシーなアレンジが素晴らしい。お気に入り。
左チャンネルのワウを掛けた16ビートのファンキーなエレキのカッティングと、
右チャンネルのアコギのカッティングを中心に展開し、エレピが前に出た中間部、
そしてソプラノサックスのソロへと繋がって行く#4For Lover's Sakeは如何にも
ライブ映えしそうな一曲。お気に入り。
#5Love Insideと、続く#6Love Plateauは、それまでのLindaには無かった
ボサノヴァの曲で、#5ではSylvianのギターソロに、微かに配置された
アコーディオンの暖かな音をバックにハイトーンボーカル、
#6では分厚いホーンと性急なパーカッションのクールな音をバックに
巧みなビブラートが印象的な低音の響きが特徴的です。お気に入り。
#7Soon Comeは、サビにかけて激しくなっていくGerry Conwayのスウィンギーなドラムスと、
Reg Webbのハモンドオルガンのバッキング、裏拍でカッティングするリズムギター、
モコモコしたトレブリーなベースが合わさって浮遊感のあるグルーブを作ります。
アウトロでは強烈なホイッスルボイスが登場します。
#9Sideway Shuffleは、冒頭のテーマを何度も繰り返していきながら、
Kzam Gamaのブリブリしたベースリフと、饒舌なエレピソロ、
リズムギターで疾走するファンクチューン。Greg Boneによるアウトなギターソロは白眉。
#10Do Ya Know Dino?は、タメの効いたリズムやフリューゲルホルンの穏やかなトーンが
アクセントになったミドルテンポの一曲。
80年代的な大仰なイントロで掴まれる#12Moment Of Diamondは、Richard Bailey(Dr)と
Randy Hope-Taylor(B)のリズム隊でフュージョン的な軽快さのあるリズムと、
フェイザーとワウの掛かったカッティングで疾走する前半部から、
フルートの流麗なソロへと繋がって行きます。キーボードはMax Middletonです。お気に入り。
最後を飾る#13In The Heatは、アコギの弾き語り中心としたバラードですが、
ここでもコントラバスのピチカートがパーカッシブで、
隙間を埋めるようにに入るアコーディオンの牧歌的な音が、
甘美な歌詞世界に明るい陽の光を差し込ませているかのようです。
個人的には、Larkよりもこちらの方が好き、と言いたくなってしまいます。
彼女にしか作れない、極めて個性的でグル―ヴィーな、
UKクロスオーバーミュージックの傑作です。

What's All This About

More Than Enough

Sideway Shuffle

Moment Of Diamond

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  1. 2014/07/16(水) 00:12:31|
  2. Linda Lewis
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今日の一枚(315)

Album: Knock The Walles Down
Artist: Steve Kipner
Genres: Soft Rock, AOR

Knock The Walls Down


アメリカ、オハイオ州シンシナティ出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー。
1950年生まれ。40年以上の長きに渡って、プロデューサーとして、
Olivia Newton-John/Physical, Chicago/Hard Habit to Break(グラミー賞ノミネート)
Christina Aguilera/Genie in a Bottle, Natasha Bedingfield/These Words,
98 Degrees/The Hardest Thing, Dream/He Loves U Notなど、そして最近では、アメリカの
オーディション番組である"American Idol Season 8"で優勝を果たしたKris Allenのシングル
Live Like We're Dyingや、Cheryl Cole/Fight for This Loveなどのプロデュースを
行うなど、ヒット曲を出し続け、活発に活動を続けています。
彼の父であるNat Kipnerは同じく音楽プロデューサとして
Johnny Mathis & Deniece Willams/Too Much, Too Little, Too Late(US#1)を
生み出した人物として知られています。
この父の力もあってBee GeesのMaurice Gibbらと知り合い、1965年にSteveは自身初の
グループとなるSteve and The Boardのアルバム...And The Giggle Eyed Goで彼の楽曲が
収められています。しかしながら、Maurice Gib関連でToast And Marmalade For Teaなどが
ヒットを記録するものの、なかなか彼自身の知名度は上がらず、グループ名を
Steve & Stevie, Tin Tinなどと変えつつ活動を続けていました。
Bee Geesの全米ツアーへの帯同、自身の参加していたグループFriendsのアメリカでの
レコーディングとリリースなどもあって、彼は幼少期から住んでいたオーストラリアから
アメリカへと、活動の拠点を移していくこととなります。
渡米後もなかなか成功には至らなかった彼は、セッションの場で偶然若き日のJay Graydonと
知り合う事となり、彼のプロデュースを得てRSO Recordからシングルを発売します。
これも売れず仕舞いでしたが、必死の働き掛けでアルバム制作の権利を得ます。
シングルの権利を買い戻して、アルバムは1979年に発売されることとなります。
Steveがソロ名義で発売したアルバムは後にも先にも今作だけ、ということとなりました。
そして本作は、Jay Graydonにとっても初めてのプロデュース作品という事になります。
彼のコネクションの力で、Steve Lukather(G), Larry Carlton(G), Michael Omartian(Key),
David Hungate(Key), Jeff Porcaro(Dr), Bill Champlin(Cho), Tom Kelly(Cho)という
錚々たるスタジオミュージシャンが集まり、勿論Jay自身によるギタープレイも
しっかりと収録されています。
#1The Beginningは、キラキラしたハイの音が気持ち良いリズムギターのリフと、
曲間に入ってくるGraydonのリードギター、スラップを絡めたベースラインで
ソリッドに展開する前半から、分厚いコーラスでスペイシーにして変化を付けます。
表題曲の#2Knock The Walls Downは、バリバリした歪みのイントロリフが如何にも
Graydonらしい音ですね…サビではストリングス系の音を出すキーボードが幻想的です。
コーラスの掛かったような音のギターソロも蕩けそうです。素晴らしい。
ダンサブルなベースラインと軽快なロールが入ったリズムパターンが太いグルーブを作る
#3Lovemakerは、短い一曲ですが当時の黒人のパターンミュージックの影響が垣間見えます。
テンポを落としたダークな#4School Of Broken Heartsは、サビでの女性コーラスの
スムースさの中で、少し鼻にかかったようなSteveのボーカルが際立っています。
サビの前のギターのフレーズはお約束、と言う感じですが当然良いです。
キメの後は大仰なゴスペルライクなコーラスがあって壮大に終わっていきます。
サビでのロングトーンが印象的な#5War Gamesは、曲のアウトロに爆撃の音のようなSEが
入っており、繊細な男性を描く歌詞と強烈な対照を成しています。
キラキラしたアコギはSteve Lukatherが弾いています。
Steveの一人多重録音によるコーラスで始まるバラード・シングルの
#7Love Is Its Own Rewardは、全体を通して配されたコーラスと、
エモーショナルな歌唱のバックでGraydonのギターが唸る、本作の中でもとりわけ
ポップス寄りな一曲に仕上がっています。お気に入り。
#8Cryin' Out For Loveは、Jeff Porcaroの得意とするシャッフルのリズムが
心地良い一曲で、スネアのアクセントによって生まれる揺れ感は正しく職人技です。
サックスソロの直前から徐々にボルテージが上がっていき激しくなっていく
フィルにはニヤニヤが止まりません。お気に入り。
#9Guiltyは、Michael Omartianによるピアノとストリングスに、切々と歌うボーカルで始まり、
切ないファルセットのロングトーンを起点に、ファンキーなカッティングと
Jeff Porcaro(Dr)のハードなドラミングで上昇していく進行とともに熱量は最高潮に達して…
再び冒頭の弾き語りに戻っていきます。お気に入り。
表題曲の#2のテーマの中で#10The Endingは、歌いながらバンド紹介をしたのち、
Jay Graydonの、生涯最高の名演の一つと言われている、
一分以上にも及ぶ超ロングギターソロが収められています。
あのシルキーで太いトーンと、ハイフレットでのどこまでも突き抜けるような
チョーキングの音を聴いているだけで、幸せな気持ちになってしまいます…
トーンの良さも勿論ですが、絶妙にアウトした音を織り交ぜたフレーズの構成力、
弾き過ぎないギリギリのところでフレーズに間を作って走り抜ける疾走感といい…
もうホント、最高です。
万人に訴求力のあるキャッチ―なメロディと、最高のギタープレイに緊張感のあるリズム隊、
紛れもないソフトロックの名盤だと思います。
Graydonのギターの音を、思う存分浴びることができます。

Knock The Walls Down

Love Is Its Own Reward

Cryin' Out For Love

Guilty

The Ending

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  1. 2014/07/13(日) 20:47:19|
  2. Steve Kipner
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今日の一枚(314)

Album: Mythology
Artist: Derek Sherinian
Genres: Progressive Rock, Progressive Metal, Fusion

Mythology.jpg


アメリカ、カリフォルニア州ラグナビーチ出身のキーボーディスト。1966年生まれ。
自身のソロ活動に加えて、ドラマーのVirgil Dotaniを加えた
プログレッシブロックバンドPlanet X(詳細はPlanet Xの項を参照)での活躍や、
Alice Cooper, Billy Idol, Yngwie Malmsteen, Kiss, Black Label Societyなどでの
レコーディング、その他にはプログレッシブメタルを代表するバンドの一つである
Dream Theaterのメンバーとして、1994年から1999年にかけて活動していました。
ソロアルバムでは、 Slash, Yngwie Malmsteen, Allan Holdsworth,
Steve Lukather, Joe Bonamassa, Billy Sheehan, Zakk Wylde and Al Di Meolaなど、
ジャズフュージョンからHR/HM系に至るまでの優れたギタリストを多く迎えて
制作されており、ギタリストのファンからの人気も高いと思います。
本作では、ドラマーには現代のフュージョン系プレーヤーを代表する存在の
一人となったSimon Philips(詳細はSimon Philipsの項を参照)、
ベーシストにはTony Franklin, Marco Mendozaという、
John Sykes(G, Whitesnake, Thin Lizzy, 彼も本作に参加しています)を
中心としたハードロックバンド、Blue Murderのメンバーが参加しています。
Derek自身の演奏は、Dream Theater時代にはライブ中のミスの多さ、演奏のブレが
あったという批判もありますが、ストリングス系の派手で分厚い音色と、
ピッチベンドやワウ、荒々しい歪みなどを効果的に用いた極めて攻撃的で、
力強いタッチから繰り出されるロック寄りのフレーズで、
彼ならではの強烈な個性を見せてくれます。
Brian Tichy(Whitesnake, Billy Idol, Foreigner, Ozzy Osbourne)のへヴィなドラムスと、
Zakk Wyldeのハーモニクスを絡めた骨太なリフで始まる#1Day Of The Deadは、
プログレらしい浮遊感のあるキーボードソロがあって、その後に
かのAllan Holdsworthの気味の悪いロングソロが待ち受けている…という
何とも豪華な一曲です。その後のSherinianのソロも見事にHoldsworthのものを踏襲した
作りになっており、バックでザクザクしたスラッシーなリフが流れてきます。最高。
抜けの良いSimon Phillipsのドラムスが際立つ#2Alpha Burstは、
ブリブリしたシンセのリフを中心として、Steve Stevensの艶のある歪みのギターが、
合わさることでJeff BeckのGuitar Shopのあの音、あのプレイに極めて近いものに
仕上がっています。上質なプログレを演出します。Sherinianのキーボードプレイも
勿論速弾きながらブルージーな香りを残していて、コズミックなパートとの対比が面白いです。
John Sykesの荒い歪みが特徴的な、バリバリしたギタープレイと、派手にチョーキングを
かましてネオクラシカルなソロを弾くエモーショナルなソロがハードロック的な
#3God Of Warは、メインテーマとなる部分でのオルガンの大仰な音作りは、
さながらゲームミュージックのよう。
スキャットとフレットレスベースを組み合わせたMarco Mendoza(B)のプレイが
心地良いラテンナンバー#4El Flamingo Suaveは、Steve Stevensもギターを
アコギに持ち替え、Sherinianも生ピアノで答えています。Simon Phillipsのドラムスは
まさに本領発揮の感があって、鋭いスネアと豊かな響きのある
タムの音が涎ものです。勿論お気に入り。
バラードの#5Goin' To Churchは、Steve Lukatherの豊饒な泣きのギターが堪能できる
一曲で、Sherinianのストリングスの音も荘厳な雰囲気を見事に演出します。
Tony FranklinにSimonのリズム隊にLukatherとはまた…何と言う豪華な組み合わせでしょう。
良いに決まっています。インストなゴスペルソングといった趣です。
前曲の箸休めから一気に気味の悪い変拍子で満たされた#6One Way or the Otherでは、
上原ひろみのバッキングで何枚も作品を聴いていると、Simonのドラミングは
凄すぎて何だか驚かなくなってきてしまいましたが、当然すさまじいことになっております。
基本的にはJerry Goodmanのバイオリンと、Sherinianの壮絶なバトルが展開されていますが、
後半ではまたしてもAllan Holdsworthが降臨してきて、
戦いはさらに激しくなっていきます。最後は長いバイオリンソロです。
Liquid Tension Experimentを思わせるようなザクザクのリフと、パワフルなドラミングで
疾走感たっぷりな#7Trojan Horseは、何とギターをBrian Tichyが弾いているというから
驚きを隠せません。アウトロではMarco Mendozaのベースソロが聴けます。
#8A View from the Skyは、Steve Stevensのギターが甘美でかつスペイシーなフレーズを
紡いでいきます。メインテーマでのユニゾンや、静かにバックを支えるSimonのドラムも最高。
アウトロのソロは、シンプルな繰り返しのフレーズですが、ワウの掛け方といい
コードヴォイジングの気持ち良さといい、本当に素晴らしいプレイです。
#9The River Songは、Zakkのしゃがれたボーカルが独特な味わいを生み出すハードロックで、
彼の爆音のバッキングに乗せてSherinianが激しいソロを見せます。
ジャンルのところにはプログレメタルと書きましたが、
楽曲によってフュージョン寄りのものやバラード、サルサもあったりと、
かなり振れ幅のある作品で、長尺曲もなく、さらりと聴けてしまいます。
その割に個々の曲の演奏のテンションが異常に高く、かなり密度の高い
作品に仕上がっていると思います。ギタリストの方にも自信を持ってお勧めできます。

Day Of The Dead

Alpha Burst

El Flamingo Suave

Goin' To Church

One Way or the Other

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  1. 2014/07/12(土) 00:37:54|
  2. Derek Sherinian
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今日の一枚(313)

Album: It Must Be Love
Artist: Alton McClain & The Destiny
Genres: R&B, Soul, Disco

It Must Be Love

アメリカ、カリフォルニア州ロサンジェルス出身のソウル/ディスコグループ。1978年結成。
オリジナルのメンバーはAlton McClain, D'Marie Warren, Robyrda Stigerの三人で、
当時活躍していたThe Emotionsとかと同系統のガールズトリオと考えてよいと思います。
彼女たちは1979年から81年までの間に僅かにアルバム3枚を残して解散していますが、
後にメンバーの一人であるD'Marie Warren, Robryda Stigerを中心として、
Krystolというグループ名で1984年から89年まで活動していたこともあります。
本グループの解散後、Altonは音楽プロデューサーとして活動していたSkip Scarboroughと
結婚し、一時的に音楽活動を休止しますが、90年代からはゴスペルシンガーとして
再び活動を開始、オリジナルアルバムも残しています。
そしてKrystolで活動していたD'Marie Warrenは85年に交通事故で32歳の若さで急逝しています。
本作はAlton McClain and The Destiny名義でポリドールから発売された1979年作の1st。
本作に収録されている表題曲にして「至高の」ディスコ・チューン、
It Must Be Loveは1979年のUS,R&B#10を獲得するなど
スマッシュヒットを記録し、同じくUS,R&B#69であったCrazy Loveは、
レアグルーブ評価の中で、Free Soulなどのコンピレーションでもお馴染みな一曲だと思います。
プロデューサーはMotownでその名を知らない者は居ないFrank Wilson(1940-2012)で、
Brenda Holloway, Marvin Gaye, The Supremes, The Miracles, the Four Tops,
The Temptations, Eddie Kendricksなどを手掛けています。
やはり一番の聴き所はAlton McClainの鋭く、パワフルでどこまでも伸びていくハイトーンと
いうことになるのでしょうが、リズム隊の堅い演奏や緻密に作りこまれたストリングスの
アレンジも、当時の最高峰の音が詰め込まれていると思います。
これでセールスが伴わず、3枚アルバムを出すだけで解散してしまったというのは
俄かに信じ難い話のように、筆者は感じます。
#1Crazy Loveは、歌謡的な哀愁を感じるハーモニーに、乾いたカッティングが
引き締まったグルーブを作ります。動きの多いベースラインと、フィラデルフィアソウルの
影響が色濃くみられるストリングスの音が、時代を反映した典型的な一曲ではありますが、
Alton McClainの鋭いハイトーンも炸裂しており、素晴らしい一曲です。名曲。
#2Sweet Temptationは、ミニマルなベースリフを中心として、ワウの掛かったカッティングや
パーカッシブなホーンがリフレインするドロドロしたファンクで、
随所に挟まれるホイッスルボイスが強烈な存在感を放ちます。
ゆったりとしたバラードの#3Taking My Love For Grantedは、ブラッシングの音が心地良い
ギターとキャッチ―なサビでのコーラスワークが最高です。
ポコポコしたタムを巧みに絡めたドラムのフィルは曲後半にかけて盛り上がりを
見せていて、これも聴き所です。
続いてさらにフィリー色の強くなったバラードの#4My Empty Roomは、
コーラスの二人の音が前に出たアレンジになっていて、コーラスの掛かったギターの
バッキングがドリーミーです。
クワイエットストーム的なイントロと、リムショットの響きが印象的なリズムに
ピアノ、ストリングスとすっきりした音像の#5Power Of Love,
Slyを思わせるようなクネクネしたカッティングと歪みのギターリフの入った
スロウなファンクロック#6Push and Pullは、歯切れの良いホーンや
ブルージーなギターソロが最高です。お気に入り。
そして表題曲の#7It Must Be Loveは、Cheryl Lynn/Got To Be Realに近い
キーボードのフレージングと、The Emotions/Best Of My Love,に代表されるような
ディスコの定番リズムパターンであるスウェイ・ビートを合体した一曲で、
勿論腰に来る強烈なグルーブがあり、ストリングスのテーマを起点にして
サビにかけて一気に盛り上がり、透き通ったコーラスが包み込みます。
インストパート直前のロングトーンは圧巻です。やはりいつ聴いても最高の一曲です。
最後を飾るのは三拍子の異色な一曲#8God Said "I Love Ye One Another"で、
フュージョンライクな手数の多いドラムスと、パーカッシブなピアノ、
複雑なコーラスワークで爽やかに終わっていきます。
ディスコミュージックと言うと、シンセのベタベタした音が思い浮かぶかもしれませんが、
本作は、野性的な黒さを湛えた本物のファンクと、フィリーで幻想的な香りを放つ本物のソウルを、
LAのスタジオミュージシャンの演奏による、身体が自然と動くような強いビートと
鋭いバッキングで表現し切っています。
洗練された印象を与えるボーカルのトーンや、
隙のないコーラス、McClainのパワフルなハイトーンの歌唱も合わさって、
非の打ちどころのない名盤に仕上がっていると思います。
リマスターで音も良くなりました。愛聴盤です。

Crazy Love

Sweet Temptation

Push and Pull

It Must Be Love

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  1. 2014/07/10(木) 23:57:14|
  2. Alton McClain & The Destiny
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今日の一枚(312)

Album: American Love
Artist: Bad Rabbits
Genres: R&B, Funk, Soul

American Love


アメリカ、マサチューセッツ州ボストン出身のR&B, ソウルバンド。2007年結成。
メンバーはFredua Boakye(Vo), Sheel Dave(Dr), Salim Akram(G), Graham Masser(B),
Santiago Araujo(G)の5人で、Bad Rabbits結成以前はThe Electric Collectiveという名義で、
多くのホーンセクションを有するクロスオーバーのバンドとして活動していました。
その当時はジャズ・フュージョン色の強い音楽性であったようで、
2006年と2007年に合計2枚のアルバムを残して解散しています。
Sheel, Santiago, Freduaの三人は、インド系、アルゼンチン系と西アフリカ系の混血のようです。
2007年から2010年にかけては、ロンドン出身でニューヨークで活動していた
伝説的なラッパーの一人であるSlick Rick(1965-)のバックバンドを務めていました。
2010年にはBoston Music AwardでBest Pop/R&B bandに選出されるなど、
徐々にその名が知られるようになっていった彼らは、同年に、80年代後半から90年代にかけて、
R&Bを動かした一大ムーブメントであるニュージャックスウィングを創り上げた
シンガーソングライター/音楽プロデューサーのTeddy Riley(1967-)との邂逅を果たします。
彼らが働いていたセレクトショップの店長が偶然Teddyと知り合いであったことから
紹介を受けて、という何とも奇跡的な出会いを果たした彼らは、
デジタル配信が行われたDance With Youをリリースします。
ただ彼らの音楽が注目されたのは、このシングルがリリースされる(日本盤にはボーナストラック
として収録されています)よりも前で、2013年には同じくBoston Music Awardで
Artist Of The Yearに選ばれ、iTunes DownloadのR&B Chartで1位を獲得するなど、
徐々に活躍の場を広げていくこととなります。
プロデューサーにはオークランド出身のB. Lewisを迎えて製作されています。
The Electric Collection時代よりもファンクやディスコミュージック、或いはヒップホップ
寄りのビートの強く、太いベースの特徴的な、ダンサブルで肉体的なグルーブのある
音楽性へと変化しており、リードヴォーカルを務めるFredua Boakyeの荒々しく
パワフルなボーカルもそれに非常に良くマッチしています。
キーボードを務めているのは元The Electric CollectionのRP Thompsonで、
ダイナミックで緩急の付いたプレイは明らかにニュージャックスウィングを
意識したものとなっています。
スペイシーなシンセと女性コーラスでモダンに始まると、強烈なハイトーンが炸裂する
イントロへと一気に展開する#1We Can Rollは、重くもたれ掛かったドラムスと、
強く歪んだキーボードがロック色の強い一曲です。
#2Can't Fool Meは、揺れのありながらラウドなドラムスが作るグルーブは
往年のディスコミュージックのようであり、か細いファルセットと、ワイルドなチェストの
対比が鮮やかなFredua Boakyeのボーカルは最高です。シンセの音は80sよりはもっと
生々しい現代的な音で、リズム隊の作るファンクネスを上手く中和しています。お気に入り。
#3Dance Movesは、印象的なベースリフと、細やかなハイハットの刻みが疾走感を作るNJSです。
曲後半にかけて左右に散りばめられたパーカッシブなギターが前に出てきます。
柔らかなコーラスがドリーミーなパートではシンセのエスニックなフレージングが耳に残ります。
#5Take It Offは冒頭のギターの単音リフを中心にしながら、キーボードなど他のパートが
それを変奏していく展開になっています。スラップを中心としたベースラインも手伝って、
ダークな雰囲気を醸し出すパーティーチューンといった趣に仕上がっています。
#6Dirtyは、キャッチ―なサビのリフレインが真っ先に飛び込んできますが、
キレッキレで手数の多いキックと、クリーントーンのリズムギターが歯切れの良い音で
個人的にはそちらに耳が行ってしまいます。
テンポダウンした#7Fall In Loveも、ブルージーな泥臭さのあるボーカルが切々と歌う中でも、
へヴィな音のリズム隊と鮮やかなシンセ技のお蔭で静かなバラードにはなっておらず、
ノリの良さは維持されています。
懐かしい音のシンセの流麗なプレイで縦横無尽に活躍するNJS#8Doin' Itも、
このボーカルの男クサさと言うか泥臭さが彼らならではの個性を演出していて最高です。
ノイズにまみれた中で、ニューウェーブのような東洋的なシンセのリフと、ラップから
入るイントロが印象的な#9Sayonaraは、曲の入りからは静かな音遣いになっていき、
ギターのシャリシャリした音が気持ち良いメロと、日本語をあしらった
哀愁のあるサビのメロディもポップで良いです。お気に入り。
#10Royal Flushは、ぶっといシンセベースのフレーズが曲全体のノリを決めており、
対照的な物哀しく浮遊感のあるシンセのフレーズと合わさると不思議な高揚感があります。
アウトロにかけて堅いグルーブへと変化していきます。
Teddy Rileyとの共作#11Dance With Youは、ロボットヴォイスを取り入れた巧みなコーラスと、
入り組んだリズムパターンを中心として、ディスコライクなフィルが特徴的なベースが
曲を引っ張っています。勿論素晴らしいです。
非常に中毒性の高い音楽性ですし、ディスコファンやNJSファンの方は勿論、
ロックファンにも訴えかけるダイナミズムのあるバンドだと思います。
これは、良いバンドに出会えました。超、お勧めです。

We Can Roll

Can't Fool Me

Fall In Love

Sayonara

Dance With You

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  1. 2014/07/08(火) 15:13:10|
  2. Bad Rabbits
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  4. | コメント:0

今日の一枚(311)

いつも私的名盤紹介にお越しくださっている皆様、
コメントくださっています皆様、Twitterにて交流下さっております皆様、お世話になっておrます。
管理人のSystematic Chaosです。
ここ一週間ほど更新が止まっておりまして申し訳ありません。
少し私生活がストレスフルでしたので滞っておりましたが、色々とまた素晴らしい作品に出会っておりますので、
また地道に更新して参ります。どうぞ宜しくお願い致します。
それでは、いつも通りどうぞ。今日はヒップホップです。

Album: The Low End Theory
Artist: A Tribe Called Quest
Genres: Alternative Hip Hop, Jazz Rap

the low end theory


アメリカ、ニューヨーククイーンズ出身の4人組ヒップホップグループ。
MC/プロデューサーのQ-Tip(1970-)を中心として1985年に結成されました。
以前De La Soulの記事にも書きましたが、彼らやJungle Brothersなどと並んで、
80年代後半から90年代にかけて、ジャズ・ラップ/オルタナティブ・ヒップホップとも言われた、
いわゆるNative Tonguesを代表するグループとして知られています。
Jungle Brothers, Kool DJ Redalert(1956-)らに才能を見いだされた彼らは、
1989年にシングルDescription Of A Foolでデビューを果たします。
東海岸のオルタナティブ・ヒップホップグループの中では最も商業的な成功を収めており、
90年代の中で最もインテリジェントでアーティスティックなグループであると評されています。
De La Soulのメンバーとはデビュー以前から交流があり、98年の解散、2006年の再結成後には
Kanye Westのツアー2013 The Yeezus Tourに参加したり、Esperanza Spaldingの
アルバムプロデュースを手掛けたりなど、リリースはありませんが現在でも活動を続けています。
音楽性としては、Cannonball Adderleyのようなストレートアヘッドなジャズや
Roy AyersやRamsey Lewisのようなジャズファンク、Lee MorganやWeather Reportのような
ジャズロック/フュージョン、の作品を大胆にサンプリングしたサウンド、
とりわけウッドベースの倍音の多い鳴りが印象的なリズムトラックに鋭いスネアと、
リヴァーブの大きいキックが特徴的で、レイドバックしたラップは、拍のずらし方、
フレーズの歌わせ方に強烈な個性を感じます。
他にもAretha FlanklinやP-Funk, JBなど勿論ソウルやファンクの大御所も名を連ねており、
ジャズファンク~ファンク界隈ではKool & The Gangの作品からの引用が目立つ印象があります。
ラップの内容はリアルタイムな社会問題を取り上げたもの、
菜食主義について歌ったものや幼少期の記憶を辿ったものなど様々ですが、
過激で反社会的なものや、左翼的思想の強い内容は含まれていないようです。
Raphael Saadiq(Raphael Saadiqの項を参照)やD'Angelo, Beastie Boysらも
彼らの作品の制作に関わっており、与えた影響の大きさは計り知れない部分があります。
本作は1991年作の2nd。
A Chant For Bu/Art Blakey & the Jazz Messengersをサンプリングした
#1Excursions, Young and Fine/Weather Reportを用いた#4Butter,
Aretha Franklinの名曲Rock Steadyの入った#6Show Business,
The Steam Drill/Cannonball Adderleyの#8The Infamous Date Rape,
挙句の果てにJimi HendrixとMilesを同じ曲にぶち込んで調和させてしまうという
#14Scenarioなど、非常に特徴的なサンプリングが施されています。必聴盤。

Excursions

Butter

Show Business

The Infamous Date Rape

Scenario

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  1. 2014/07/06(日) 14:29:14|
  2. A Tribe Called Quest
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プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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※Twitterもやっております。
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