私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(364)

Album: Changing Times...
Artist: Head Quarters
Genres: Club Jazz, Acid Jazz, Blue-Eyed Soul

Head Quarters

イギリス、ロンドン出身のジャズファンク、ポスト・ディスコバンドである
Central Line(1978-1984)のボーカリスト/キーボーディストであるSteve Salvariを
中心とするアシッドジャズ、クラブジャズユニット。1997年作の1st。
本作の他にオリジナルアルバムが存在するかどうかは確かめられませんでした。

現在、Steve Salvariはロンドンに拠点を置くMoondance Musikというプロダクション会社を
設立し、音楽プロデューサー、スタジオミュージシャンとしてRobert Palmer,
Barry White, Sheena Easton, Lulu, Chaka Khan, Incognito, Ronny Jordanなどを
手掛けた実績もあるということです。最近はR&B, ヒップホップ系のミュージシャンを
多く手掛けているようで、シンガーソングライターのChidiなどの楽曲提供を行っています。

幼少の頃から音楽に親しんでいた彼は、学生時代から弟のBurt Salvari(G)とバンドを組んで
活動していました。その頃にはStyle CouncilのベーシストであったCamelle Hindsと
TFB (Typical Funk Band)というバンドを結成、一年間の活動の後、
メンバーを入れ替え、Central Lineとして活動、代表曲のWalking Into Sunshine(1981)は
本国イギリスよりもアメリカでヒット(USBlack#14, USClub#5)することとなります。
Central Lineでは Roy Ayers, Grover Washington Jr., Fat Larry's Band, The Real Thing
など錚々たる面々のツアーに参加し、ライブを行っていました。
Central Line解散後、Camelle Hindsは1996年にソロアルバムを発表、ここでも
Steve Salvariはプロデュース、作曲を行っています。

この直後にセルフプロデュースとして発表されたのが本作で、彼にとっては初の本格的な
ソロアルバムと言うことになります。ボーカリストにはDepeche Mode, George Michael,
Barry White, David Bowie, Joe Cocker, Paul Young, CJ Lewis, Beats Internationalなどの
作品に参加してきたJordan Baileyをゲストに迎え、全編でソウルフルなボーカルを聴かせます。

音楽性としては、当時全盛期から少し過ぎていたBrand New Heavies, Incognito,
Jamiroquaiなどのアシッドジャズ的なサウンドで、ドラムは打込み然としており、
ハウスに近い音像の楽曲もありますが、歌唱の技術が素晴らしく、
エモーショナルなサックスソロなど、人間味のある肉体的なサウンドに仕上がっています。
Steve Salvari自身によるキーボードもファンキーで、フリーキーなソロが聴き所です。

イントロのリフを繰り返すエレピがファンキーなアシッドジャズ#1Feel So Highは、
ストリングスは遠くに定位されていてSwing Out Sisterを思わせるようなデジタルな音で、
サックスソロからはブラジリアンなテイストのあるパートへと変化します。最高。
打込みによるキックと、徐々に下降していくエレピのコードバッキングが歯切れの良い
#2All My Loveは、サビではソウルフルなコーラスとホーンのサンプリングが彩ります。
レトロな音作りの女性コーラスがループされて始まる#3Take A Chanceは、
サビに向かって徐々にストリングスが入ってくる大仰なアレンジがされています。
うねりのあるベースラインと妖しげなハーモニーに掴まれるスムースジャズ~クラブジャズな
#4Come To My Worldは、メロディに歌謡っぽい情感があります。お気に入り。
インストによるインタールード的な一曲#5Groovin For The Leshは、ソロ回しを中心に据えた
ファンキーなフュージョンに仕上がっています。サックスソロ、エレピソロが熱いです。
ローファイなシンセのストリングスとデジタルな打込みドラムスに、
巧みなファルセットを絡めたボーカルがソウルフルな#6Summertimeもお気に入り。
#7Wishing Wellは、アコギのカッティングと、ブラコンを思わせるようなキラキラしたシンセが
絡みつくダンサブルな一曲。長めのトランペットソロが入っています。
ワウの掛けられたシンセベースによるオクターブ奏法を絡めたリフと歯切れの良いコーラス、
四つ打ちを基本にしたキックによる音数の少ないイントロから一気に盛り上がっていく
80s的なディスコチューン#8Give Me Loveは、メロディにネオソウル的な翳りが垣間見えていて、
冷ややかな魅力のある一曲だと思います。
間奏になると打込みリズムのハウスっぽさが強調されて最高。
表題曲の#9Changing Timesは、EWFばりのホーンのオブリガートが激しく決まるイントロから、
コズミックな魅力のあるボーカルパート、そして派手なキメを起点に再び
ブラスとパーカッションの強調されたインストのパートへと切り替わります。
中間部ではSteve Salvariによる流麗なエレピソロがフィーチャーされています。最高。
#10Prayer For The Worldは、Steve Salvariによるピアノとサックスだけによる
静かな哀愁漂うインストのバラードで、Burt Bacharachを思わせるようです。これもお気に入り。
#11は#6のリミックスバージョン(Cool Jazzy Version)で、よりレイドバックした
アレンジとなり、グロッケンシュピールによるソロが入り、
リズムはR&Bっぽい打込みへと変化しています。これも良いです。
#12も#6のオリジナルバージョン(デモバージョンのことでしょうか)となっており、
他のトラックと比べるとローファイな音ですが、四つ打ちのキックとリズムギターの
単音カッティングが強調され、ラップにピアノソロもありと、
より肉体的なサウンドとなっています。これもお気に入り。

全体として爽やかなアシッドジャズ~UKソウルと言う感じですが、
音に翳りのある感じ、リズムによりハウスっぽい打込みが多用されている部分などが
彼らの個性を感じます。Brand New HeaviesやIncognito,Swing Out Sisterなど
好きな人には堪らないサウンドだと思います。佳作。

音源が見つからなくなったので、紹介ページを貼っておきます。

HMVの紹介ページ

Discogsによる紹介

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  1. 2015/01/26(月) 15:21:24|
  2. Head Quarters
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(363)

Album: Problems
Artist: Lee Fields
Genres: Funk, Soul

Problems.jpg

アメリカ、ノースカロライナ州出身のソウルシンガー、1951年生まれ。
いわゆるJames Brownのフォロワーとして、ルックス、ボーカルスタイル共にかなり
近いものを持っていた彼は、Little JBという異名を取っていたようです。
デビューは1969年のことで、Kool and the Gang, Sammy Gordon, the Hip-Huggers,
O.V Wright, Darrell Banks, Little Royalなどのツアーに参加した経歴もありますが、
70年代はなかなかヒットに恵まれず、
ローカルでの活動が中心で、資料を探しましたがなかなか情報が集まりませんでした。

それから長い時が経ち、1990年代のレアグルーブ(ディープファンク)発掘の流れに乗って
彼も再評価の対象となります。まず1979年作品のLet's Talk It Overなどが
クラシックとして発掘(2010年にリマスター再発)されることとなり、
2000年代に入るとDaptone Recordsから数枚のシングルをリリースし、
Soul Fireから傑作の誉れ高い本作をリリースします。2002年作の10th。(Discogsによるデータ、
Soul Providersとのコラボレーションを除く。なお、彼のアーティストページを見ると合計10枚の
オリジナルアルバムが紹介されています。)今年もオリジナルアルバムを発表するなど、
Abanti Records, Desco Records, BDA Records, Truth & Soulなど12ものレコード会社を
転々としながら現在に至るまで活発に活動しています。
2006年にはフランス出身でプログレッシブハウスDJ、プロデューサーとして活躍している
Martin Solveig(1976-)とタッグを組みJealousyを発表、2008年にはI Want Youを発表しています。

近年は、The Expressionsと称するバックバンドとレコーディングを行っており、
ソロ名義の作品にも彼らが録音に参加しています。

表題曲の#1Problemsからゴリゴリで真っ黒なファンクで、録音のアナログ感溢れる
ローファイな感じが曲に完璧に嵌っています。荒々しくパワフルなドラムスのフィルや
ホーンの音色が堪りません。ファルセットの柔らかさなんかはJBよりも繊細な感じで最高。
#2The Right Thingは、さらに音質が劣悪になっているため聴くぐるしい部分もありますが、
ギターの単音リフを中心にして、James Jamersonを思わせるベースラインがクールです。お気に入り。
#3Rapping With Leeは、ポエトリーリーディングが流れる中で、ひたすらに同じパターンを
繰り返すギター、同音連打で押し切るホーンが合わさったインタールード。
乾いたリムショットの音が軽快な16ビートにワウワウカッティング、
音の大きさゆえにピリピリとノイズが入るシャウトが存在感十分の#4Bad Trip、
#5Get On The Good Footは、ワンコードでひたすらカッティングを繰り返すインストで、
左右に配置されたパーカッションが自在に歌っています。
#6I Don't Know Where I'm Goingは、ギターとベースのユニゾンするリフが休符を挟んだ同じ
パターンで繰り返され、Fieldsが金属的なシャウトをかまして行きます。
リムショットの残響が印象的なドラムソロからシンセの音の波が寄せては返すメロウな
#8Honey Doveは、情感たっぷりな嗄れ声が堪りません。最高。
#9I'm The Manでは再びドロドロとしたディープなファンクへと戻り、シャウト連発の
一曲となっています。後半のギターソロも聴き所です。爆発音のようなキックと、
もたれかかったドラムスは、アウトロに向かって存在感を増して行きます。
#10You Made A New Man Out Of Meは、手数の多いドラムスとミュートの効いた
フュージョンライクなグルーブがあります。

かなり直球なJBフォロワーですが、この作品と合わせて知名度の高いMy Worldでは
もう少しソウル寄りの軽やかな楽曲が増えているようで、そちらも手に入れたいと思います。
ホーンのアレンジも濃密になりすぎずそぎ落とされ、すっきりとしていて、
体が自然と動くグルーブに満ちています。

Problems

The Right Thing

Honey Dove

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  1. 2015/01/24(土) 21:29:20|
  2. Lee Fields
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今日の一枚(362)

Album: Exciting Comfort
Artist: Filur
Gemres: Acid House, Filter House, Techno, Funk

Exciting Comfort

デンマーク、コペンハーゲン出身のアシッド・ハウス、フィルター・ハウスユニット。
1997年結成。メンバーはコペンハーゲンでジャズ/フュージョン系のドラマーとして
活動していたTomas Barfordと、アート・ディレクター、DJのKasper Bjorkeの二人です。
2001年作の1st。筆者が所有しているのは日本盤でAvexからの発売、
ボーナストラックが収録されています。

基本的には二人による宅録ユニットなのですが、ヴォーカリストやギタリスト、ベーシスト、
キーボーディストなど多数のゲストを招いて制作されており、Daft Punkにも通じる
典型的なアシッドハウス~フィルターハウスの空気を漂わせながら、生音重視なアレンジになっています。
ライブでは7人編成のバンドを組んで活動しているようです。
97年の結成後、99年にデモテープTeenage Grooveを制作、Disco:Waxという新しいレーベルに
支えられつつ、2000年に発表したシングル、Crowdpusherが国内のクラブシーンで人気を博し、
MEGAと言うレーベルと契約の後、デンマーク人とイタリア人によるブレイクビーツユニット
であるPuddu Varanoによるリミックスが発表され、その名が知れ渡るようになります。

ギラギラとしたアナログシンセの音と、生音っぽいサンプリングによるブレイクビーツを効果的に
散りばめながら、全体としてはBrand New Heaviesを思わせるような当時の
UKソウル~アシッドジャズの香りが漂っており、生音のサックスの入ったジャズ寄りのもの、
ブラジリアン、ファンク、ソウル、ヒップホップ、ディスコ、フュージョンなどが
ジャンキーに、様々に散りばめられています。
ゲストのヴォーカリストにはStina Nordenstam, Pernille Rosendahl, Magnum Coltrane Price,
Simon Kvamm (Nephew), Daniel Agust (GusGus), Josephine Philip (Darkness Falls),
Nellie Ettisonなど女性ボーカルを中心に迎えています。

デンマークチャートでは38位でしたが、国内以外ではイタリアと日本でマイナーヒットを記録し、
日本での売り上げは4万枚程度ということだそうで、日本限定のアルバムでPeaceが2003年にリリースされ、
現在までに4枚のスタジオアルバムを発表しています。

ドラマーのTomas Barfodは、同じくコペンハーゲン出身のジャズギタリストである
Jeppe Kjellberg(今作では#5で彼のプレイを聴くことが出来ます)と
WhoMadeWhoというインディーロック/ダンスパンクバンドを結成し、活動を続けています。
こちらのユニットは2003年の結成以来、近年になってチャートインするようになってきており、
4th, 5thアルバムはそれぞれ12位、8位となっています。
ボーカリスト、DJのKasper Bjorkeは、DJ, ソロアーティスト、音楽プロデューサー、A&Rとして
活動しており、DJとしてはBrooklyn Electronic Music Festival, Trailer Park Festival,
Montreaux Jazz Festivalなどでパフォーマンスを行ったり、デンマーク国内で
ニューウェーブを中心として掛けるラジオ番組のパーソナリティを行っているようです。

#1It's Alrightは、オクターブ奏法を中心にしたベースと、シンバルの鋭い音色が印象的な
4つ打ちハウスで、強くワウとフェイザーの掛けられたカッティング、安っぽいストリングス系の
シンセが80年代ディスコ的な一曲。歌とベースだけのパートからハンドクラップが入って、
ラストに向かって盛り上がっていきます。ボーカルも熱過ぎず最高。
続いて東洋的なメロディーが耳から離れない#2Drop(TNT Edit)は、#1からのの流れで、
中間部からは分厚い多重コーラスによるドリーミーな展開が心地いいです。
重低音にチューニングされたベースとコズミックなシンセが散りばめられた#3Shameは、
アフリカンなパーカッションが曲のグルーブを決定しています。Shame Shame Shameと
繰り返しすサビがポップな一曲です。歯切れの良いカッティングソロもクールです。お気に入り。
ピコピコしたエフェクトの掛かったシンセとエレピのジャジーなソロをフィーチャーした
インストの#4Masters Of Rhythmから、典型的なアシッドジャズの#5Part Of Lifeへと繋がります。
#6は#1の別ミックス(Allstar Mix)で、インスト部分の長く、エレピのファンキーなソロ、
サックスソロが入っています。
ホーンによるテーマ、リズムのニュアンスにはブラジリアンのある#7Stay Tuffは、
音数少ないトランペットソロが存在感があります。
派手なスクラッチプレイがグルーブを創出する#8King Of The Beatは、
断片化されたビートにネオソウルのそれを思わせます。
トレブリーなトーンのベースがリフを流す中で、フルートのような音のオブリガートとストリングス、
犬や鳥など動物たちの鳴き声が混じっている妖しげなインスト#10Platypus Groove、
囁くようなボーカルと、オクターブ奏法を絡めたジャジーなクリーントーンのギターが
暖かみのある#11Feel For You、そして…ひたすらに女性の喘ぎ声の入っている#14Sunset Boulevardは…
うっかりスピーカーで掛けないように気を付けましょう…
気怠いボーカルと裏腹にサイバーでトランシー7なトラックが意外にマッチした
#15I Want Youはなかなか良いです。
#16は#2の別ミックス(Allstar Mix)で、激しく鳴り続けるパーカッションに揺れるエレピ、
ワウをかなり強くかけたブルージーなギターがフィーチャーされたアレンジになっています。
2:00あたりからボーカルが入ったりまたギターソロ、サックスソロへと向かったりと展開します。
#17は#3の別ミックス(Afro Mix)で、冒頭に長いパーカッションソロ、シンセが入って来てからは
定位が様々に動いてトリッキーなアレンジになっています。

一枚通して聴いているとかなりマンネリ感のあるギラギラした音
(フィルターハウスなので当たり前ですが)ですが、生演奏によるジャジーなソロなど取り上げられていて、
アシッドジャズ好きな方にはかなりおすすめできる一枚です。ドライブのお供には最高。

It's Alright

Shame

I Want You

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  1. 2015/01/24(土) 19:24:47|
  2. Filur
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今日の一枚(361)

Album: Change Your Way
Artist: Elisha La'Verne
Genres: R&B, Soul, Pops

Elisha Laverne

イギリス、ロンドン南部ブリクストン出身のR&B、ソウルシンガー、シンガーソングライター。
1971年生まれ。ドミニカ人の父とバルバドス人の母のもとに生まれ、西インド系の黒人が
多く住んでいたコミュニティの中で育ち、幼いころからソウル/R&Bに親しみます。

1994年に23歳でDugout RecordsからI Like What You Do To Meでデビューを果たします。
1996年にHer Name Isでアルバムデビュー。2ndのセルフタイトル作がヒットを記録します。
本作は2000年作の3rd。デビューアルバムは、日本人のプロデューサーである
倉卓治(T.Kura)によるプロデュースで、本作もまた彼がプロデュースを行っています。
日本でのリリースはAvexからです。本作発表の後、しばらく表舞台からは姿を消していましたが、
2011年にアルバム、361Degreesで復活を果たしています。

プロデュース担当の倉氏は、現在では安室奈美恵、AI, Crystal Kay, EXILEなどへの
楽曲提供、プロデューサーとしてはEarth, Wind & FireのPhilip Baileyをはじめとして、
アーティストしてはGIANT SWING名義で活動を行っているようです。

ちなみに、本作に収録されている表題曲Change Your Wayは、PlayStationのゲームソフト、
「ペルソナ2 罰」のエンディングテーマとして採用されています。
その他にはTeddy RileyプロデュースによるTammy LucasのIs It Good To Youのカバーも
収められています。音像としては、冒頭の一曲こそアコギ弾き語りによるバラードですが、
基本的にはモダンでアーバンなUKソウル、ネオソウルといった趣で、日本人受けするサウンドとも
折り合いをつけており、ニュージャックスウィングの影響も見られる、
キャッチーなメロディ、ポップな仕上がりとなっています。

#1You Are The Oneは、アコギのアルペジオと歌によるフォーキーなバラードですが、
コーラスのハーモニーにはモダンなR&Bの香りが湧き立っており、ブリッジのメロディなどは
邦楽ポップスのそれに近しい音遣いです。お気に入り。
続いて今度はアコギがスパニッシュなフレーズを弾いてリズムセクションが入ってくる
#2I Don't Mindでは、残響の少ないキックと軽い打込みのドラムスに、
流麗なピアノのオブリガートが絡みつくキャッチ―なR&Bです。
#3Should've Been Trueは、アコギの歯切れの良いカッティングと、サビでの幾重にも重ねられた
コーラスが心地良い一曲。
ダンサブルで70s末のパターンミュージックや同時期のMichael Jacksonを思わせる
#4So Very Hotは、サビ前のジャジーで、フィリーなストリングスのあるパートには、
Jill Scottのようなネオソウル的な感覚があります。熱くなり過ぎない歌唱も、
すっきりとしていて最高。
エフェクトの掛けられたボイスサンプリングがリフを作り、グル―ヴィーなベースラインに
ドライブ感のあるアップテンポの#5So Deliciousもお気に入り。
ブレイクビーツのようにリズムが重ね合わせられている表題曲の#6Change Your Wayでは、
他の曲に比べてロングトーンやファルセット混じりの歌唱と、熱の籠ったものとなっていますが、
若干パワー不足感があります。乾いた打込みのドラムス、もの哀しいアコギのアルペジオといった
トラックにはこのくらいの方が良いのかもしれません。
テンポを落としたクワイエットストームの#7That's All I Wantは、Marc Nelsonとの
デュエット曲で、Chris Jasper在籍時のIsley Brothersを思わせるような一曲です。お気に入り。
派手なストリングスによるイントロから始まる#8Ohhhは、ブルージーなアコギソロが聴き所です。
フルートによるリードプレイと、複雑に重ねられたコーラスの絡みつく
イントロで掴まれる#9One Dayは、シンセで鳴らされるフレーズにChris Jasperの影響を
感じ取ることが出来るようです。お気に入り。
#10No More Loveは、鳥のさえずりのSEと残響のカットされたカッティング、電子音、
ストリングスなどのサンプルがサウンドコラージュのように散りばめられ、
アコギが右チャンネルでバッキングしている密室的な音作りが印象的な一曲。お気に入り。
ゲストによる気怠いMCから始まる#11Don't Wanna Be Your Foolは、甲高い音色のリズムと、
単音カッティングによるギターがグルーブを作るファンキーな一曲。
一転してキャッチ―でメロディアスなR&Bの#12All I Doは、スクラッチされたキックが
そこかしこに配されてデジタルな感覚があり、ピアノやアコギの音も
ローファイな加工がされています。
Teddy Riley feat.Tammy Lucasによるニュージャックスウィングの名曲カバー
#13Is It Good To Youは、動きの少ないメロから、目まぐるしくコードの動いて
調性感の曖昧なハーモニーが中毒性があります。タメの効いたリズムトラックと、
軽くすっきりとした彼女のコーラスが爽やかです。アウトロのギターのカッティング、
シンセのコードリフのタイム感が堪りません。最高。
#1のリミックスバージョン#15You Are The One(Da Radio)は、フォーキーな#1のアレンジとは
打って変わってビートの強いアシッドハウス的なアレンジ、ドラマティックな展開になっていて、
こちらもお気に入りです。ジャジーなピアノソロが見事です。

メロディの感覚にどことなくJポップの香りがありながら、
それがNJSやネオソウルと綺麗に融合されていて、軽くてアクの強すぎないボーカルに乗って、
アーバンで落ち着いたサウンドに仕上がっています。
正に、日本のお洒落なTVゲームの音楽にはピッタリな佳作だと思います。

You Are The One(Remix)

So Very Hot

Is It Good To You

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  1. 2015/01/22(木) 15:52:09|
  2. Elisha La'verne
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  4. | コメント:0

今日の一枚(360)

Album: 椎名純平
Artist: 椎名純平
Genres: R&B, Soul, Neo Soul

椎名純平


埼玉県浦和市(現在のさいたま市)出身の日本のシンガーソングライター。1974年生まれ。
慶應義塾大学法学部中退。椎名林檎の実兄。(詳細は椎名林檎の項を参照)
2001年作の1stスタジオアルバム。事務所は椎名林檎が代表取締役を務める黒猫堂。

父の転勤の関係で静岡、福岡と引っ越しながら幼少期を過ごし、地道にライブ活動、
オーディションを行っていたようです。2001年にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
から遅咲きのデビューを果たします。

その後はソロ活動の傍ら椎名林檎とのデュエット曲も複数あったり、
篠原涼子とのデュエット、Time of GOLDはCMソングとして採用されています。
2008年には椎名純平&The Soul Force(現在はDezille Brothers名義)と言うバンドを組んで
活動を続けています。他アーティストとの共演ではZOOCO(ex Escalators), Rie fu, wyolicaなどがあります。

妹と比べるとメディアの露出や派手なヒットの少ない彼ですが、その声の魅力は
尋常ならざるものがあると個人的には感じています。一言で言ってしまえば渋く、
どこまでも深みのある声、官能的なファルセットにパワフルなハイトーンということですが、
フレーズのモタらせ具合と言うか独特のレイドバックした感覚は、日本人のシンガーには
なかなか見られない個性的な表現で、惹きつけられるものがあります。

トラックはジャジーなR&Bで、乾いたエレピのリフにカラりとしたドラムス、
太くうねるベースがあり、ミックスの関係上若干ボーカルが埋もれ気味に聞こえてしまいますが、
どこを切り取っても耽美的なサウンドです。頽廃的なサウンドとは裏腹に敬虔さ、潔癖さを
感じさせる歌詞には英語が少なく、トラックにうまく載せるため
かなり発音をアレンジして歌っていて、この点も聴き所だと思います。

バックを固めるスタジオミュージシャン達はEvil Vibrationsと名付けられ、
東京事変でギタリストを務める長岡亮介(G、別名義:浮雲),
同じく東京事変のドラマー、畑利樹(Perc、別名義:刄田綴色)、
大神田智彦(B), 波多江健(Dr, 田村ゆかり、古内東子、RIP SLYME),
SOIL&“PIMP” SESSIONSのTabu Zombie(Trumpet)がクレジットされており、
ストリングスアレンジは弦一徹ストリングス(#3)が担当しています。
取り分け、多くの曲で長岡亮介のギターソロがフィーチャーされているので、
彼のギターが好きな方にも堪らない一枚だと思います。

インストの#1EVは、アフリカンなパーカッションのソロから始まり、リムショットを中心とした
リズムパターンでヒップホップ的なグルーブを作っています。モーダルなインタールードです。
リバーブを掛けられたトランペットとコズミックなシンセが迫ってくる#2物語は、
コーラスが入ってくるとエレピのリフ、極端にレイドバックしたリズムが入ってくるD'Angelo的な一曲。
1stシングルの#3世界は、輪郭の滲んだシンセと右チャンネルを流れるコードカッティング、
乾いていて歯切れの良いスネアが音数少なく流れるクワイエットストームで、
サビにかけて遠めの定位でストリングスが入ってきます。艶やかなファルセットによるメロの歌唱の
バックには、消え入りそうな弱々しいコーラスが入っています。
サビではこのエロティックなこのファルセットに力強いロングトーンが絡んで圧巻です。
ギターソロはバリバリとした歪みでブルージーです。最高。
#4未来は、ワウの掛かったシンセとエレピがスペイシーでローファイなイントロから、
生々しい音色のドラムスが入ると、ミュートのきいたトランペット、太くうねったベース
でファンキーに変化する展開は鳥肌ものです。サビはストリングスやソウルフルな女性コーラスが
入っていて、ブリッジではEWFを思わせるようなフュージョンライクなキメを連発していきます。
低音成分が多く暖かみのあるボーカルの味わいも堪りません。ギターソロはかなり長めです。これも最高。
もたれかかっていて甲高いドラムスと地を這うようなベースにピアノ、ホーンが音数少なく
ワンコードでゴリゴリ押す展開を中心にした#5逃げろ!は、メロディの動きも少なく、
リズムの中でフロウするボーカルがグルーブを作ります。お気に入り。
人の叫びともつかぬSEとドラム、パーカッションがシームレスに続いて
#6仮面へと繋がっていきます。左チャンネルを流れるパーカッションと、右チャンネルを流れる
フェイザーの掛かったようなクリーントーンの16ビートカッティングが流れ、
ベースのリフがひたすら繰り返されるミニマルな作りです。
一人多重コーラスの多用された#7疑惑では、エレピはかなり遠くで鳴っており、
ハーモニーはコーラスで提示されています。メロでは殆どラップに近い歌唱になっています。
残り1:30でフェードアウトしてからは、足音のようなパーカッションが配され、別の展開となります。
パーカッションソロから始まり、揺れるエレピのコード弾きとエフェクトの掛けられたコーラス、
クッたパターンのベースリフが延々と続くイントロが印象的な#9無情は、
サビにかけてホーン、ストリングス系のシンセと音数が増えていき、ジャジーなサビでは、
キメを繰り返す構造になっており、サビのバックで
メロディックに動き続けるベースラインが良いです。最高。
スライドの入ったカッティング、サックスソロのバックでは松木恒秀を思わせるような
単音カッティングのフレーズが甘く蕩けるような感覚のあるギターが存在感を放つ#10白昼夢は、
本作の中でもとりわけソウルフルで熱い歌唱が楽しめる一曲です。
ギターソロもトレブリーでクリスピーな音でこれが一番好きです。最高。
フェードアウトしてからは、生々しいスネアロールのバックでシンセとコーラスが配された
エレクトロニカ的なアプローチがなされています。
その流れのまま#11朝では、ここまでの曲の満ち満ちた緊張感から少し解放されて、
初期のOriginal Loveを思わせるような、角の取れたホーンとレゲエ的なカッティングのまろやかな、
ゆったりとしたトラックになっています。かなり長めのギターソロが二つ入っており、
アウトロにかけて熱を帯びていくボーカルの捻くれ具合が癖になります。お気に入り。
ダンサブルで重いリズムと短い繰り返しのメロディによるディスコライクなパターンミュージックの
#12Music Makerは、サビでラップが入っており、リズムボックスと歌のみのパートと変化を付けながら、
ラストのフルートソロへと繋がって行きます。

アルバム全体として聴くと、サウンドがかなり統一された一枚であるため、疲れてしまうような
側面もあるかもしれません。しかしながら、彼の独特な癖のあるメロディセンスと、
太く、強力なエネルギーを持って迫ってくるボーカルワークは、
日本のR&Bが好きな方ならば、一度は聴いていて損は無いと思います。
枯れた生演奏と、密室的で音数の絞り込まれたトラックは、ネオソウルの音の成分を
たっぷりと吸い上げつつも、キャッチ―なメロディとグルーブに満ち満ちていて、
妖しげな、毒々しい魅力を放っています。傑作。

世界

逃げろ![Live]

無情[松尾潔プロデュースバージョン]

白昼夢[Live]

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  1. 2015/01/19(月) 23:14:53|
  2. 椎名純平
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(359)

Album: North From Here
Artist: Sentenced
Genres: Melodic Death Metal, Gothic Metal, Progressive Metal

North From Here

フィンランド オウル州オウル出身のメロディックデスメタル、プログレッシブメタルバンド。
1989年結成。2005年解散。本作は1995年作の2nd。

ギタリスト、マルチプレーヤーのMiika Tenkula(1974生まれ。2009年に心臓発作で惜しくも
亡くなっています)を中心として1989年頃からSentencedの名前で活動しており、
そのほかのメンバーもこのSentencedでの活動が初めてでメインであったということのようです。
本作発表時にはのちにThe Black Keague, Chaosbleedなどで活躍するTaneli Jarva(1975-)が
ボーカリストを務めています。他にはSami Lopakka(G, Key, 現在は作家として活動),
Sami Kukkohovi(B, 現在はフィンランドのドゥームメタルバンドであるKYPCKで活動),
Vesa Ranta(Dr)と言ったメンバーが所属していました。

1st, 2ndの時期はいわゆるメロデスの作風が強く感じられ、3rdではもう少し正統派なメタル、
4th以降は音数を絞ったドゥーミーなメタルへと音楽性は変化しており、
本作はその中でも曲の展開が激しく、プログレメタル的な側面の強い作品に仕上がっています。
Taneli Jarvaによるボーカルは基本的にデスヴォイスで、演奏もかなりハードですが、
影響を受けたのはIron Maiden, Motorheadなどということで、ツインギターのフレーズは
北欧メタルらしくかなりメロディアスに絡みついており、
どことなく暗澹とした空気を伝えるキーボードの音が陰鬱な気持ちにさせてくれます。
このあたりが、同じく北欧メロデスを代表するIn Flames, Dark Tranquility, At The Gatesなど
といったスウェーデンのメロデスバンドとは少し毛色が違うと言われる所以であるかもしれません。
3rdのAMOKでは本作よりも聴きやすくIron Maidenを思わせるようなギターソロもあったりと
もう少し正統的なアプローチへと変化しており、名盤の誉れ高い作品と言うことだそうです。

#1My Sky Is Darker Than Thineは、ストリングス系のシンセがベンドされ、
クサクサのギターがトレモロする耽美的なイントロから疾走感を煽って行き、
ボーカルが入って加速していきます。そこからは、グロウルするボーカルのバックで、
ドコドコのツーバスがかなりパワフルです。ここは典型的デスコアと言う感じ、
中間部からはリズムチェンジがありスウィンギーに展開したかと思いきや、ギターソロです。
最後の方のブラストしていく流れが滑らかでクールです。最高。
イントロから同時期のDream Theaterを思わせるようなミステリアスなギターのコードバッキングが
印象的な#2Wingsは、ボーカルが入るとダサかっこいいメタルコアに戻りますが。
インスト部分が長く、ギターソロはさらにラフな感じの速弾きがいい味しています。
水音のような電子音が入り#3Field Of Blood, Harvester Of Hateと言うすさまじいタイトルの
一曲へと繋がって行きます。これは、冒頭のドラムソロから各楽器の分離が明瞭で、
短い間に何度も何度もブレイクダウンを繰り返しながら、キックのタイミングが
かなりエグイインストパート、そして加工されたコーラスが入ってロングトーンのグロウルへと、
耽美的な雰囲気を纏って重々しく進んでいきます。ボーカルも苦悶と悲壮感が漂います。
ベースソロもがっつり速弾きしまくりで前に出てきます。最高。
#4Capture Of Fireは、極低音にチューニングされた刻みでゴリゴリ押すイントロから、
ブレイクを挟んで一気にテンポアップします。ギターソロは絶妙にハーモニクスを混ぜた、
メロディックで正確なフルピッキングに、カッティングが入っていて気持ち良いです。
アウトロにはテレビゲーム「Skyrim」を思い出させるようなボイスが入っております。お気に入り。
#5Awaiting The Winter Frostは、今作の中でも最速と思われるブラストビート連発の
一際過激な一曲ですが、メロディックなパートとの抑揚が綺麗についており疲れさせません。最高。
全曲からの流れを引き継いで疾走する#6Beyond The Fall Of Sleepは、もう少しメロディアスです。
#7Northern Lightsは、徐々に上昇していくマシーンのような高速リズムギターや、
アルペジオと風の吹きすさぶSE、語りの中でベースラインがくっきりと浮き出ていて、
メロディアスに動くのが良く分かります。お気に入り。
#8Epicは、ドラムスはツーバスを絡めながらも基本的なリズムパターンでどっしりと進めていく部分と、
変拍子の入ったパートが巧みにチェンジされており、グルーブを生み出しています。
クランチのギターが聴こえて、落ち着かせてくれるかと思いきや…再びブラストが入って疾走します。最高。

全8曲入りと短く、一曲一曲もそれほど長くはないため、すっきりと聴けてしまいます。
曲の展開の多さ、SEや静的なパートの活用など、プログレメタルを意識させるような構造もありますが、
それらのお蔭で激しいブラストビートやギターの轟音に緩急強弱のアクセントが付いています。
ギターサウンドのメロディックさではIn FlamesやArch Enemyなどのほうがクサクサですが、
これはこれで渋い魅力があります。佳作。

My Sky Is Darker Than Thine

Capture Of Fire

Awaiting The Winter Frost

Epic

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  1. 2015/01/16(金) 00:16:22|
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今日の一枚(358)

Album: Another Night
Artist: The Wilson Brothers
Genres: AOR, Soft Rock

Another Night


アメリカ、ミシガン州生まれ、アーカンソー州出身のSteve Wilson(1951-), Kelly Wison(1960-)の
兄弟によるAOR,ソフトロックユニット。1979年に発表された唯一のオリジナルアルバム。

地元のバンドでボーカルギターとしてバンド活動をしていた兄Steveの影響を受けて
Kellyも音楽を始めます。1974年頃から作曲を行うようになり、Nighthawksと言うバンドで
作ったオリジナル曲、If The World Ran Out Of Loveが、テキサス州ダラス出身の
カントリー、ソフトロックデュオであるEngland Dan & John Ford Coleyの二人に注目され、
当時彼らのプロデューサーであったKyle Lehningに紹介され、
これがデビューのきっかけとなります。Kyle Lehningは、有名どころではBobby Caldwellの
4th, August Moon(TOTOのメンバーが参加)やParker McGee, Karen Blakeなどを
手掛けています。

レコーディングは、Kyle Lehningが本拠地としていたテネシー州ナッシュビルで行われ、
Shane Keister(Key), Steve Lukather(G), Jon Goin(G, solo on #2), Kenneth Buttery(Dr),
Ernie Watts(Sax)などが参加しており、ブルーアイドソウルを基調としたサウンドの中にも、
どことなくカントリーっぽい暖かさを感じさせる部分があります。
Steve Lukatherのギターは後からオーバーダビングされたものと言うことだそうで、
殆どすべての曲で洗練された、普段よりも抑制されたギターソロ(曲によってはいつも通り弾きまくりです)
を聴かせてくれます。#7はTodd Rundgrenのカヴァーで、#9はブラックコンテンポラリー、
R&B系のシンガーであるStevie Woodsがカバーしています。

幾重にも重ねられた緻密なコーラスワークと、柔らかく、粗削りで線の細いボーカルの生み出す
ハーモニーは、テクニック的には多少見劣りするかもしれませんがPagesのそれよりも
声の混ざり具合、溶け込み具合が絶品で、血の通ったサウンドだと思います。
Steve Lukatherのギターは、当時の彼らしいサスティーンの長く、コーラスの掛けられた
艶のあるトーンですが弾き過ぎておらず、Ernie Wattsのサックスも同じくリッチで
シルキーな音で、いつまでも聴いていたくなる音です。

#1Feel Like We're Strangers Againは、カントリーっぽい暖かさを感じるハーモニーは、
John Valenti(John Valentiの項目を参照)のそれを思わせます。
歪みのギターによるミュートの効いたフレーズを起点に進行していきます。
歌の間で自由自在にオブリガートを弾きまくるLukatherのギターが堪りません。
チョーキングの伸びやかな音は鳥肌ものです。最高。
表題曲の#2Another Nightは、ブライトな音色のキーボードのリフ、へヴィ―なタムを絡めた
リズムパターンにアフリカンなパーカッションが絡むTOTO風な一曲です。
ソウルフルなバラードの#3Thanking Heavenは、ドラムスの軽くて乾いた音色の
スネアが良いです。ギターはワウを掛けたチャカポコのカッティングが印象的です。
ストリングス系のシンセが分厚い音作りで、Ernie Wattsのサックスソロも楽しげです。
テンポを上げたダンサブルな#4Shadowsは、激しくエフェクトの掛けられたエレピや
大仰なストリングスのアーティキュレーションがNJSのそれに繋がって行くような音です。
不気味に蠢いていてダークな雰囲気があります。繰り返しの多いサビはキャッチ―で、
今度はクリーントーンによるカッティングソロという、なかなか珍しいプレイが聴けます。最高。
#5Just Like A Lover Knowsは、冒頭から様々な定位で聴こえてくる浮遊感あるエレピ、
ギターのクリスピーな単音カッティングでミステリアスに始まります。
ギターソロは速弾きも入っており、泣きのチョーキングが連発されています。
#6Lost And A Long Way From Homeは、轟音のバリバリとした
歪みのギターによるコードバッキングと、溜めの効いたドラムス、
スウィングするキーボードのリフがグルーブを生み出すメロディアスなハードロック。
#7Can We Still Be Friendsは、美麗なストリングスのアレンジとコーラスワークが
包み込むバラードで、サビのバックで流れるコーラスの混ざり具合が素晴らしい。最高。
一転してハンドクラップとコンガの柔らかいバッキング、若干レイドバックした
ドラムがファンキーな#8Ticket To My Heartは、Ned Doheneyの曲を思わせます。お気に入り。
#9Take Me To Your Heavenは、リバーブの掛かったギターの重ねられたテーマが
印象的なミドルテンポの一曲で、サビからブリッジにかけての切なさの感じは、
どことなく邦楽ポップス的でもあると思います。歌詞もシンプルで、ひたすらに美しいポップスです。最高。
アルバム最後を飾る#10Like Yesterdayは、テンポをぐっと落として失恋の曲となっており、
Ernie Wattsの長いサックスソロの歌わせ方、高音の透き通った音は筆舌に尽くしがたく
甘く都会的で幻想的で、名演だと思います。最高。

ボーカルの単純なテクニックと言う点では、他にも優れたAOR系のアーティストはいますが、
彼らほど、こみ上げてくるような、胸が締め付けられるような暖かさを持った作品は少ないと思います。
Steve Lukatherのファンの方は必聴と言えますが、それ以上の価値がある名盤と思います。

Feel Like We're Strangers Again

Another Night

Shadows

Ticket To My Heart

Take Me To Your Heaven

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  1. 2015/01/15(木) 00:49:58|
  2. The Wilson Brothers
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管理人によるおすすめヘッドフォン・イヤフォン 【2万円・3万円台を中心に】

管理人によるおすすめヘッドフォン・イヤフォン

私的名盤紹介にお越し下さった皆様、お世話になっております。

最近アルバムレビュー以外の記事が続いておりますが、
レビューすべき作品には数多く出会っておりますので、機会を見て徐々に書いていこうと思っております。

さて、
普段、家族や友人など、かなり色々な人に「音楽好きでしょ?ならヘッドホンとかイヤホンのおすすめ教えてよ!」
声をかけて頂く機会が非常に多いため、(音楽好きとオーディオマニアの間にはジャンルとして
かなり乖離があると思いますが)いずれはこうした記事を書いてみたいと思っておりました。

まず最初に断っておきますが、自分自身オーディオマニアというわけでもなく、
イヤホン、ヘッドホンの材料工学や電気工学的特性を熟知しているわけではなく、
音響物理学の専門家でもないため、完全に「印象評」で紹介することをご容赦下さい。

完全に自分の音の好みと、自分の周囲の人が使用している機種を聴かせてもらった感想、
店舗で試聴できるものを適当に試聴してみた感想をもとにアナログに作ったレポートです。
ご参考になれば嬉しいです。

まずは、具体的な品番を挙げる(どんな製品にもいずれは必ず生産終了が訪れますので)、
ことより、どのような観点でイヤフォン、ヘッドフォンを選ぶと良いだろうか?という事を考えたいと思います。

勿論、最後には筆者お勧めの機種をいくつか取り上げたいと思います。
有名メーカーの商品が殆どですが、自分で実際に聴いて良いと思ったものばかりです。




☆ ヘッドフォン選びに絶対的な正解は存在しない

当たり前のことですが、これは非常に大切です。「何を聴くにも最高」のヘッドフォンは、実際には存在しないと
私は考えています。さらに、よくものの本やホームページ、Amazonのレビューなどを見ていて、
「ハウスやテクノを聴くなら低音重視の方が良い」とか、「ジャズ、クラシックを聴くなら高音重視の方が
シンバルの響きが良いから良い」とか、いわゆるセオリーが連呼されているように感じます。
しかしながら、そのようなものは「通説」に過ぎず、
「聴く音楽のジャンルによってヘッドフォンの周波数特性、解像度、音場を選択するのは良くない」と考えます。
では、どうすれば良いのでしょうか?
それは、楽器屋でギターを選ぶのと同じように、実際に試聴をして、「自分の好きな音のタイプを見つける」
ということです。
そんなことを言うと、身もふたもないではないか、と困った顔をされてしまうのですが、
難しいことではありません。
ヘッドフォン、イヤフォン選びで困っておられる大抵の方は、家でオーディオルームで、ということはなく、
DAP(スマホやiPhone,Walkman, iPodなど)で音楽を聴かれる機会の多い方だと思います。
その場合は、自分が普段使っているiPodなりWalkmanなりを持って、都市部の大きな電機店に足を運んで
下さい。まず話はそこからです。
そこで、予算の範囲内で「出来るだけサウンドキャラクター(周波数特性、どの音域が持ち上がっていて、どの音域が
落ちているか)の異なるイヤフォン、ヘッドフォン
」を試聴してください。




イヤフォンの場合は、大きく分けて
ダイナミック型
バランスド・アーマチュア(BA型)
の二種類があります。

それぞれ優れている点、問題点としては、

☆ ダイナミック型:解像度ではBA型に劣り分離が悪く、高音が潰れやすいが、中低音とりわけ低音の量が多く、
キレのある音、一体となったアナログ的な音、コストが低いため安価に生産でき、コストパフォーマンスが良い(事が多い)、
ドライバーの大きさ(耳に入れる部分)が大きくなりやすい

☆ バランスド・アーマチュア(BA型):解像度が高く、音源の再現度、分離が良いが、中低音の量が少なく、
混ざりが少ない分音痩せして聴こえる、コストが高く、各メーカーの上位機種は多くがBA型を採用している、
高音の量が多く、小さな音の減衰や、アタックを聴き取りやすい、ドライバーの大きさが小さく、軽い、
DTMにおけるミックス、楽器演奏、レコーディング、ライブの際にモニターとして用いられることが多い

などがあり、以上のことから先ほど述べたような「通説」が立ち上がってくるというわけです。

ではどのようにスクリーニングすればよいか、という事ですが、
自分は「価格.com」の「イヤフォン・ヘッドフォン」の項目で予算、タイプを絞り込んで検索を掛けるようにしています。
http://kakaku.com/kaden/headphones/

大体、大型店舗であればどこの店にもある商品で、ダイナミックかBAかの好みを見分けるには、
以下のような商品で試してみると、良いかもしれません。

【ダイナミック型】


【国内正規品】ゼンハイザー カナル型イヤホン イヤーモニタータイプ IE80【国内正規品】ゼンハイザー カナル型イヤホン イヤーモニタータイプ IE80
(2011/12/16)
ゼンハイザー

商品詳細を見る

実売36,000円程度です。
これの一個下のグレードのie60という商品も、コストパフォーマンスがかなり高くてお勧めです。
自分の中では標準的な、高級ダイナミック型イヤフォンの音のイメージです。
低音の量は多いですがバウンスが聴いていて、引き締まった精悍な音です。良いです。


audio-technica CKR Series カナル型イヤホン ATH-CKR10audio-technica CKR Series カナル型イヤホン ATH-CKR10
(2014/04/25)
オーディオテクニカ

商品詳細を見る

実売24,000円程度です。
オーディオテクニカが最近売り出しているシリーズですが、高音の響きまでバランスが良いです。
柔らかく、温かい音ですが、人によっては曇りのあるサウンドに聴こえてしまうかもしれません。

【バランスド・アーマチュア型】


【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE425 メタリックシルバー SE425-V-J【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE425 メタリックシルバー SE425-V-J
(2010/08/10)
SHURE

商品詳細を見る

実売24,000円程度です。
私は普段イヤフォンはこれをメインに使っています。
低音を強化してある上位機種のSE535に比べて、こちらの方が如何にもBA型らしい、
フラットで繊細な音をしていると思います。ただし、低音には多少の不足感があります。
満足いく買い物でした。解像度は高く分離は良好です。


ソニー 密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-A2ソニー 密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-A2
(2014/10/24)
ソニー

商品詳細を見る

実売25,000円程度です。
ソニーの同価格帯のイヤフォンですが、低音の響きに唯一無二の魅力があり、重心の低い音と言うか、
これは聴いた人にしかわからない感覚だと思います。高音の刺さりが若干強く、個人的にはそこが気になりました。
ハイレゾにも対応しています。たたし、ノイズキャンセリングを搭載しているモデルは現在生産終了品となっており、
そちらはハイレゾには対応していません。

☆ イヤフォンの価格について
安くても良いイヤフォンは数多く存在しますが、個人的な感覚として、
2000~3000円程度/////かなり厚い壁/////8000円~15000円程度
///大体の人には区別が付くが、気にならないこともある程度の壁////20000円~30000円程度
///正直、筆者にはよく分からない///それ以上

というイメージがあります。
た、だ、し、
8万円、9万円の世界になってくると、ヘッドフォンであれば相当びっくりするほど上質な商品が増えてくる、
というか、聴いていてたまに発見できる、というイメージがあります。

個人的結論として、「イヤフォンには4万円ないし5万円以上かけてもあまり良いコストパフォーマンスは望めない」
という感想です。




ヘッドフォンの場合は、

駆動形式はダイナミック型という事になりますが、大まかに言って、
☆音を出すドライバの形状によって音質を想像することができます。

☆ドライバ(耳に当てる部分)が大きいと、
音場が広い、パワーがある、インピーダンス(抵抗)が高い(アンプが必要)と言った特徴があり、
音漏れ、遮音性を重視した小さいドライバーのものでは音場が小さくなってしまう傾向があります。


他には、構造として密閉型、オープンエアに大別され、
(現在では密閉型のヘッドフォンが多くを占めています)

密閉型の方が音の密度が高くキレのある音、オープンエアーは繊細で優しい音と言うイメージがありますが、
安価な商品にはオープンエアーが多いです。
オープンエアーだと音漏れがかなりするので、完全に自室でのリスニングにしか使えないと思います。
ただし、密閉型では頭に掛けるバンドの側圧が強い傾向にあり、長時間付けていると、
耳が痛くなってしまう事もしばしばあります。
特に、眼鏡をかけている人ですと、眼鏡のツルとパッドが挟まれて、痛くなる可能性が高いです。
自宅でのリスニングでしたら、オープンエアーの上位機種を狙うのも良い選択だと思います。


ただ例外として、音の大きいクラブ内でのDJプレイやアコースティック楽器録音、ボーカル録音などの際には、
音漏れ、遮音性の低さがそのまま致命傷となってしまうので、密閉型にする必要があります。

周波数特性に関しては、イヤフォンのように駆動形式で分類することは出来ないので、
ケースバイケースで考えていくしかありませんが、

☆ モニター型と表示されているものはフラットに近く調節がなされている
☆ 価格帯の安いものは低音寄り、高くなるにつれてフラット又は高音寄りとなる
☆ 解像度はイヤフォンよりも厳密に価格に比例するイメージがある


☆ ヘッドフォンの価格について
イヤフォンの場合よりも、かなり幅広く(主に上の方に)値段が分かれており、
しかも高くなるほどに品質は上がっていく印象があります。
本音を言うと、筆者が区別を付けられるのは5万円程度までで、それ以上の商品ではあまり大きな差を感じる
ことは出来ていないと思います。


そして、音漏れと遮音性以外に関する音像の特徴としては、以下のようなことが挙げられます。

☆ 密閉型: 側圧が強く、挟み込まれるため、音が耳に近いところでなっているように感じられ、
音場の大きさは小さくなりやすい、デジタルで冷ややかな音になりやすい傾向にあります。
その一方で、パワーのある音になりやすいため、ロック、ポップスなどを中心に聴き、
音圧の高い音源を聴く場合には密度の高い、音が一体となって迫ってくるような感覚があります。

☆ オープンエアー型: 側圧が弱く、挟み込みが小さいため、音が耳の遠いところで鳴っているように
感じられ、音場の大きさは大きくなりやすい、アナログで暖かい音になりやすい傾向にあります。
側圧が小さいため、頭の小さい人はバンドが頭から外れやすいという問題点もあります。
アタックの音は小さく、密度の小さい音でありながら、各楽器の定位がよりリアルで、
ライブ、コンサートホールのスピーカーで聴いているような感覚があります。
上位機種では単純な解像度でも密閉型を超える、と個人的には感じています。


イヤフォンの場合と同様に、大体、大型店舗であればどこの店にもある商品で、
一度は聴いてみたら、と思えるのは以下のようなものです。

【ヘッドフォンの有名商品】

【密閉型】


ソニー ステレオヘッドホン ブラック MDR-1A/Bソニー ステレオヘッドホン ブラック MDR-1A/B
(2014/10/24)
ソニー

商品詳細を見る

実売は25000円程度です。
ソニーのフラッグシップモデルです。ハイレゾにも対応しています。
モニター型のヘッドフォンに極めて近いフラットで解像度の高い音ですが、リスニング用に設計されているため、
高音の刺さりが少なく、長時間聴いてもストレスが少ない音だと思います。
若干低音の量が多く粒だって聴こえ、ベースやコントラバスなどの響きにこのヘッドフォンならではの味わいがあります。
解像度は高く、ミックスや音の小さな楽器、電子音の耳コピにも十分使えるレベルです。
音場は若干狭い感じがあり、密室的な音だと思います。


audio-technica アートモニターシリーズ 密閉型ヘッドホン ATH-A2000Xaudio-technica アートモニターシリーズ 密閉型ヘッドホン ATH-A2000X
(2008/12/05)
Not Machine Specific

商品詳細を見る

実売は36000円程度です。発売から年月が経っているので、在庫は少ないかも
側圧が弱く、人によっては頭からずれてしまうこともあるかもしれません。密閉型ではありますがかなり音漏れがします。
ただ、解像度は極めて高く、高音部の精細な表現は素晴らしいと思います。
金管楽器やシンバルなどの金物の音、女性のボーカルなどでその真価を発揮してくれます。
大きめのドライバーのお蔭で音場もかなり広く感じられます。
ただし、音のキャラクターに特徴が少なく、ガッツが感じられない音になってしまうかもしれません。
もう少し下の価格帯ではATH-A1000Xなどもコストパフォーマンスが高くてお勧めできます。


【国内正規品】SHURE オープン型 プロフェッショナル・ヘッドホン SRH1840【国内正規品】SHURE オープン型 プロフェッショナル・ヘッドホン SRH1840
()
SHURE

商品詳細を見る

実売は50000円程度です。Shureによるモニター型のヘッドフォンです。
DTMやDJのミックスに使うには最適な、非常に厳密にフラットに近い音で、
解像度に関しては文句のつけようがないレベルの商品だと感じます。
どのような音楽ジャンルであっても、問題なく聴けるヘッドフォンだと思いますが、
如何せん原音、録音状態に極めて忠実に再生されるため、元の音源の録音が悪いと、細かいノイズや
音の歪みが気になってしまったり、逆に録音が良いものだと一つ一つの楽器の分離が良すぎるために
混ざって聴こえず、音が「硬い」印象を受けるかもしれません。長い時間聴いていると疲れる音だと感じました。
またこのヘッドフォンは側圧が強く、耳が痛くなる方もいるかもしれません。

【オープンエアー型】

audio-technica エアーダイナミックシリーズ オープン型ヘッドホン ATH-AD2000Xaudio-technica エアーダイナミックシリーズ オープン型ヘッドホン ATH-AD2000X
(2012/11/16)
Not Machine Specific

商品詳細を見る


実売54000円程度です。
オーディオテクニカのオープンエアー型、Air Dynamicシリーズの最上位機種です。
この価格帯のものは、プラグが大抵標準型プラグになっていますが、付属でミニプラグへの
変換用アダプターが付いていることが多いです。この機種でまず感じるのが、
圧倒的な音場の広さと、音の暖かさです。解像度が高いながらも聴き疲れせず、イヤーパッドの
当たり方も優しく包み込まれるような感覚で、長時間付けていても痛くならないと思います。
音域は、オーディオテクニカのヘッドフォン、例えば上で挙げたATH-A2000Xのような
密閉型のアートモニターシリーズで高音のシャリシャリ感が強いのが、
こちらではあまり感じられません。よりフラットな音を指向しているように感じます。
ボーカルの息遣いが近く、生々しさが素晴らしいです。名機だと思います。

【国内正規品】ゼンハイザー オープン型ヘッドホン ハイグレードモデル HD650【国内正規品】ゼンハイザー オープン型ヘッドホン ハイグレードモデル HD650
(2003/12/01)
Not Machine Specific

商品詳細を見る


実売46000円程度です。
ゼンハイザーのオープンエアー型の中では中級機種、定番として生き残り続けています。
他の機種と同様に、きちんと鳴らすにはアンプが必須です。
ATH-AD2000Xと比較すると、もう少しダイナミック型に近い出音となっており、
パワフルで一体感のある音が迫ってくるような音が特色です。
音の密度が高く、解像度も高いモニター的な音ですが、音域は低域の出方や量が多めで、
粒立ちの良く、音場も広いです。パッドの当たり心地は若干ハードで、しっとりとした
包まれ方です。ただし、高級ダイナミック型の特徴でもありますが、すべての帯域で、
若干音にコンプレッサーが掛かったような、雲がかかったような感じがあり、
生々しい音、特に音響系の音楽、エレクトロニカなどを聴く場合、
密室的な音を出力するのには不向きではないかと感じました。
名機であることには違いないと思います。




以下では、管理人が実際に使用している機種、試聴したことのある機種で
気になる商品、いずれ欲しいと思っている商品をいくつか紹介していきたいと思います。

まずは、イヤフォンからです。

【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE215 Special Edition トランススルーセントブルー SE215SPE-A【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE215 Special Edition トランススルーセントブルー SE215SPE-A
(2012/11/28)
SHURE

商品詳細を見る

「実売一万円程度でお勧めは?」と尋ねられたら、私なら真っ先にこれを紹介すると思います。
いわゆるShureがけと言われる、耳の後ろにコードを通して、耳の奥のほうまで
しっかりと押し込むのが、良い音で聴くコツです。かなり遮音性が高く、ノイズキャンセリングいらずの
イヤフォンだと思います。かつこの値段ではかなり解像度も期待できます。
ただし、人によっては眼鏡をかけているとコードが邪魔になったり、耳が小さい方は
ひっかけにくいと感じる場合もあるようですので、店舗で掛け心地を試してみるようにして下さい。

Klipsch Audio Technologies X10 KLRFXA0111Klipsch Audio Technologies X10 KLRFXA0111
(2014/07/25)
Klipsch Audio Technologies

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実売15000円程度です。
変わった形のイヤーピースが目を引くイヤフォンで、実際手に取ってみると分かりますがかなり小さいドライバーです。
音域問わず解像度が高く、若干中低音寄りのサウンドで、小さなBA型にもかかわらずパワーのある音です。
ゲルのようなイヤーピースの装用感が癖になり、遮音性も高いです。
コードは細めですので、断線には気を付けたほうが良いと思います。

【国内正規品】 Etymotic Research イヤホン ER4S-B【国内正規品】 Etymotic Research イヤホン ER4S-B
()
Etymotic Research

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実売27000円程度です、元々は補聴器などを製造しているメーカーによる商品で、
独特な形をしたイヤーピースを、耳の穴のかなり奥深くまで挿入して使用します。
解像度の高さ、分離の良さは他の追随を許さないほどのレベルで、高音の表現力の高さは特筆すべきものがあります。
正しく、DTMのミックスやボーカルなどのモニターに役に立つイヤフォンだと思います。
遮音性はかなり高く、音漏れもありません。ダイナミック型になれている方からすると、
低音の少なさ、パワーの無さに驚くかもしれませんが、聴いていくうちに慣れると思います。
ただし、インピーダンスが100Ωと高いため、スマホやiPodに直挿しで用いるのは現実的ではありません。
使用するならポータブルアンプなどが必要となります。
またケーブルのタッチノイズが大きいため、外で歩きながら用いると気になるかもしれません。
モニター型の宿命として、録音状態が忠実に再現されるため、音源の状態次第では聴いていられないかもしれません。

audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン トリプル・バランスド・アーマチュア型 ATH-IM03audio-technica IM Series カナル型モニターイヤホン トリプル・バランスド・アーマチュア型 ATH-IM03
(2013/11/15)
オーディオテクニカ

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実売27000円程度です。オーディオテクニカによるBA型のフラッグシップです。
ShureのSEシリーズと同様に後ろにコードを回して掛けるタイプの構造で、タッチノイズが少なく、
遮音性も高いと思います。解像度は高く、分離も非常に良いですが、他のBA型や、全世代のATH-CK100Proと
比較して低音の量感が増えており、キレのある音になりました。
高音の刺さりも低減されており、リスニング寄りのスペックだと思います。
ただし、コードが細くて華奢ですので、断線には気を付けたほうが良いと思います。

【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE425 メタリックシルバー SE425-V-J【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE425 メタリックシルバー SE425-V-J
(2010/08/10)
SHURE

商品詳細を見る

実売は24000円程度です。
筆者が使っているのはこれです。

ケーブルが(ER4-Sほどではないですが)太くて頑丈にできており、リケーブルも可能です。
低音の量では同価格帯のダイナミック型には劣りますが、引き締まった音で、
どの音域もバランスよく鳴らしていると思います。特に高音域の表現力が高くキレのある音で、
女性ボーカルにおいてはかなり前に出てきて生々しい感じになります。
そのため、場合によっては若干ドンシャリに聴こえるかもしれません。
解像度ではER4-Sなどと比べると劣りますがダイナミック型、例えばSennheiser-IE80に比べると高く、
ミックスやモニター用にも使えると思います。基本的にはシャープな音で分析的なキャラクターですが、
長い時間装着していても聴き疲れしないサウンドで、運動していてもズレにくく、外出時に重宝しています。

続いてヘッドフォンです。

【国内正規品】AKG セミオープン型ヘッドホン プロフェッショナルモニター K702【国内正規品】AKG セミオープン型ヘッドホン プロフェッショナルモニター K702
(2009/06/01)
AKG

商品詳細を見る

実売26000円程度です。
TVアニメ「けいおん!」作品内で秋山澪が使用しているのは、このK702の同じ系統のK701です。
どうでもいい情報ですが、気になる人はそちらもチェックしてみましょう。
ただし、K701は生産終了品ですので、手に入れるのは難しいかもしれません。
それはともかく、バランスの良くフラットな音でモニター型のヘッドフォンとしてはかなりコストパフォーマンスが
良く、ミックスにも適していると思います。ただし、開放型であるためかなり音漏れがあり、
録音には適していないと思います。独特なヘッドバンドの形状から、頭頂部が痛くなる人もいるようです。
ヘッドフォンアンプは必須です。

audio-technica W Series 密閉型ヘッドホン ATH-W1000Xaudio-technica W Series 密閉型ヘッドホン ATH-W1000X
(2009/11/13)
Not Machine Specific

商品詳細を見る

実売45000円程度です。
ドライバーに木材を用いており、煌びやかな高音と、パワフルで量の多めな低音がありながら、
音場は広く、解像度も高く、ロックやHR/HMのような激しい音楽を聴く場合でもガッツのある音だと思います。
密閉型であるためそこそこの遮音性があり、(話し声は聞こえます)音漏れも少なめです。
付け心地が柔らかく、個人的にはシックなデザインが気に入りました。アンプは必須です。

DENON MUSIC MANIAC 密閉型オーバーヘッドヘッドホン ケーブル着脱式 ブラック AH-D600EMDENON MUSIC MANIAC 密閉型オーバーヘッドヘッドホン ケーブル着脱式 ブラック AH-D600EM
(2012/08/06)
デノン

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実売30000円程度です。
デノンのMusic Maniacというシリーズの中級機ですが、独特な五角形の形をしたイヤーパッドの
装用感がしっとりとしていて柔らかく、長時間付けていても心地よいでしょう。
このサイズで遮音性も高いため、使おうと思えば外出先でも使用できると思います。
音は解像度は他社の例えばK702, SRH1840と比較すると落ちますが、高音の刺さりが少なく、
優しい音と言う印象を受けました。低音は量は少なめですが引き締まった音で、
場合によっては中音域が埋もれ気味に聞こえる場合もあるかもしれません。個人的に好きな音です。

audio-technica EARSUIT 密閉型ヘッドホン ポータブル ATH-ESW9audio-technica EARSUIT 密閉型ヘッドホン ポータブル ATH-ESW9
(2007/10/19)
Not Machine Specific

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実売22000円程度です。
筆者が使っているのはこれです。散々高級品をレビューしてきて、
実際使っているのはこれとATH-A2000Xの二台です。発売から8年の月日が経ちますがいまだに
売れている商品で、30000円台のモニター型と比較すると、解像度、中音域から高音域にかけてわずかに
音場の広さでは劣って、曇った感じがしてしまいますが、それでも十分に分離されていると思います。
特に、低音の出方が多すぎず少なすぎずで、輪郭が非常にはっきりとしており、
この小ささでこの低音の上品さは特筆すべきものがあります。
高音域ではアコースティック楽器のアタック音が鋭く再生され、ブライトな音と言うイメージです。
プラグはステレオミニプラグで、インピーダンスもそれほど高くないため、
DAP(Walkmanならば)に直接挿しても十分鳴ってくれます。
側圧は若干強めですが、イヤーパッドに用いられているラムスキンという素材がしっとりとしていて柔らかく、
肌に吸いつくような気持ちよさがあります。
オーディオテクニカのヘッドフォンの特徴である細やかな高音域というスペックから少し離れていますが、
この価格でこの音はなかなか手に入りません。

【国内正規品】AKG オープン型ヘッドホン ホワイト Q701WHT【国内正規品】AKG オープン型ヘッドホン ホワイト Q701WHT
(2010/10/25)
AKG

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実売22000円程度です。筆者はこれとATH-ESW9を使っています。
AKGのモニター型ヘッドフォンでは、上で挙げたK701,K702のシリーズに対して
ダイナミック型となっており、重量も少し軽め、インピーダンスも低めです。
この価格で、この音と言うのはとにかく衝撃的だと思います。
解像度の高くバランス、分離の良い音で、音域では特に高音域の描写能力は極めて繊細で、
ボーカルの息遣いが聴こえて来ます。低域は量が少ない感じがありますが、
ドラムのリムショットの残響、アコギのタッチノイズなど、アコースティック楽器の音の減衰が
かなり細やかだと思います。しかしSennheiser HD650と比べると音にガッツがなく、
音場の広さ、と言う点においては例えば上で挙げたAudio Technica ATH-AD2000Xには
劣ってしまいますが、その分密室的なレコーディングモニターの音と言う感じで、
ハウスやテクノなど電子音楽や音の密度の高いハードロックなどを聴いても、
十分ガッツのある音として聴けながら、圧迫感の無い音、と言う意味で、
上記2機種の間にあるような音のキャラクターだと思います。
ATH-AD2000X, HD650, Q701, K702の中では、自分はこれが好きでした。
勿論ヘッドフォンアンプ必須です。





と、いうわけで、
今回も特別編でお送りして参りましたが、
結局一部のメーカーの一部の商品の紹介に留まってしまいました。

程度、こだわりの差はあれ、誰もが、音楽を良い音で聴きたい、
と思っていると思います。
「自分にとって、良い音ってどんな音だろう?」と言うことを考えながら試聴をしていくことで、
自分が求めている音楽のサウンドについて、思わぬ発見が出来る可能性もあります。

是非、お店で試聴を繰り返してみましょう。僕も色々試聴しようと思います。

では。



【補足】

☆ すべての記事は、筆者の曖昧模糊とした主観によるものですので、
「ここで読んだ奴を買ったが良くなかった」と言われましても責任を負いかねます。
必ず、ご自身で試聴なさってから購入するようにして下さい。

☆ ヘッドフォン、イヤフォンは発売と生産終了のサイクルが早く、ここで紹介したものも、
いずれは在庫のみと言う状態になると思いますが、ここで挙げたものは有名な機種ばかりですので、
その「後継機」を試聴して頂ければ良いかと思います。

☆ ヘッドフォンのうち、プラグが標準プラグ(エレキギターやベースのシールドと同じです)に
なっているものと、ミニプラグ(iPodやWalkmanの挿し口に入るもの)がありまして、
紹介したものの一部は標準プラグとなっています。変換プラグ(大抵の場合は付属しています)を使用すれば
ミニプラグでも聴けますが、インピーダンスの関係上、アンプを別途購入して用いた方がよいと思います。

☆ ヘッドフォンアンプが必要となるインピーダンスの値、というものが厳密に定まっているわけではなく、
ご自身で用いているDAPなりスマホなりに接続した際に「音量を上げても音圧が足りない」と
感じるヘッドフォンにはアンプが必要になる、と考えて下さい。
ですので、最大に近いところまでヴォリュームを上げて聴けるのであれば、
アンプを買わないというのも一つの選択ではありますが、機器に負担がかかりますし、
ヘッドフォンの振動板を「十分に揺らしきれず」、輪郭のぼやけた音になってしまいますのでお勧めできません。
一応の目安としては、
「インピーダンスが50Ωを超えたらヘッドホンアンプが必要になる」
考えておくとよいかと思います。
絶対的な基準ではありませんので念のため。

☆ アンプに関しては、この記事を読む人でしたらUSB-DAC付きのポータブルヘッドフォンアンプを
購入するのが良いと思います。幾つか商品を紹介しておきます。

SONY ポータブルヘッドホンアンプ PHA-2SONY ポータブルヘッドホンアンプ PHA-2
(2013/10/25)
Not Machine Specific

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実売4万円程度です。
後発のPHA-3と言うモデルもありますが、85000円ほどしてかなり高いので、
こちらで十分だと思います。ハイレゾ対応です。
PHA-3との違いは、ヘッドフォンの出力が左右に分かれている点で、対応のヘッドフォン、
Sony MDR-Z7などを必要とするため、購入する層はかなり限られると思います。

ONKYO ポータブルヘッドホンアンプ DAC搭載 ブラック DAC-HA200(B)ONKYO ポータブルヘッドホンアンプ DAC搭載 ブラック DAC-HA200(B)
(2014/07/04)
Not Machine Specific

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実売23000円程度です。
PHA-2に比べると安価で、ハイレゾ対応です。USB-DACであればiPod, Walkmanだけでなく
PCでも高音質で音楽が楽しめるようになるため、一個持っておくにはこれで十分と思います。

JVC ポータブルヘッドホンアンプ ハイレゾ対応 SU-AX7JVC ポータブルヘッドホンアンプ ハイレゾ対応 SU-AX7
(2014/05/20)
JVCケンウッド

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実売43000円程度です。ハイレゾ対応。
30分間無操作だと自動的に電源がOFFとなる仕様です。
店舗で詳しい店員に話を聞いてみたところ、ONKYO, Teac, JVC(Victor)の三製品は、
パワーアンプの部分のみが違うだけの商品と言うことで、
ONKYOは味付け強め、Teacはフラットに近い音作りと言うことだそうです。

TEAC ポータブルヘッドホンアンプ DAC搭載 ブラック HA-P50-BTEAC ポータブルヘッドホンアンプ DAC搭載 ブラック HA-P50-B
(2014/03/15)
ティアック

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筆者はこれを使っています。実売20000円程度です。iOS, Android搭載機器でハイレゾ対応。
Walkmanとのデジタル接続には対応していませんが、iOS機器, Apple製品との接続が可能です。
コストパフォーマンスの高い商品だと思います。
なお、PCとはMicro USB端子(ケーブルは付属します)で接続でき、ドライバーのインストールなしで
音が出ます。
対応インピーダンスは600Ωということらしく、ハイインピーダンスのヘッドフォンでも十分動く
というレポートもあります。自分はAKG-Q701(インピーダンス60Ω)を使っていますがそれは
十分鳴らし切れていると思いました。公式では、iOS搭載のiPhone, iPod Touchで対応と書いてありますが、
iOSを搭載していないiPod Classicでも、自分の環境では動作しました。(保証はできかねますので試聴してください)
この値段でこのシャープな音が手に入るのは良いです。おすすめです。

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  1. 2015/01/13(火) 18:43:39|
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iTunesに関するいくつかのTips

お世話になっております。
私的名盤紹介管理人のSystematic Chaosです。

今回は、これまで私が格闘してきたiTunesに関して、使用のためのいくつかのコツを
紹介しておこうと思います。(ご存知の方も多いと思いますが、質問を受ける機会が多いので)

なお、iTunesのバージョンが変わっても、基本的な操作法は変わりませんので、
こちらを参考にして頂いても問題ないと思います。

iTunes.jpg

目次
1. iTunesで、楽曲を外付けHDDに移す方法
2. iTunesで、トラック間の音量差(録音による音圧の違い)を自動修正する方法
3. iTunesで、アルバムを、アーティスト名のAtoZ順ではなく発表年順に並び替える方法



1. iTunesで、楽曲を外付けHDDに移す方法

【外付けHDDをPCに接続する】

【iTunesを起動する】

【画面上部にメニューバーが表示されていない場合には、[Alt]キーを押してメニューバーを
表示する、[表示]タブから[メニューバーを表示する]を選択する】

【メニューバーの[編集]タブから[設定]をクリック】

【詳細環境設定というウィンドウが表示されたら、[詳細]タブを選択】

【[iTunes Media]フォルダーを整理、ライブラリへの追加時にファイルを[iTunes Media]フォルダに
コピーするのチェックボックスにチェックを入れる】

【ライブラリの統合を行う(一つのフォルダに音楽ファイルを整理する、なお、元のファイルは消去されません)】

【[iTunes Media]フォルダーの場所の右下にある[変更]をクリック】

【外付けHDDにiTunesのデータを入れるフォルダを作っておき、[フォルダーの選択]をクリックする】

と言う流れです。
外付けHDDにフォルダをコピーしておいて、iTunesを起動するときにShiftキーを
押しながら起動して外付けを選択、と言う方法もありますが、
その前にライブラリの統合を行っておく方が賢明だと考えます。

※注意事項
iTunesを起動する際には、まず先に外付けHDDを接続して、読み込みが終わっていることを
確認してからにして下さい。
iTunesのバージョンによっては音楽ファイルがlocalhostの意味不明な
場所に移動してしまうバグが生じたことがあります。
また、外付けを接続して居ない状態で起動すると、ライブラリのデータを読み込むフォルダを
自分で参照するように求めてきますが、これも面倒な上に、ミスするとライブラリと音楽データとの
結びつけが解除されてしまい、全ての曲に!マークがついて再生できなくなったトラブルに、
筆者は今まで2回巻き込まれています!気を付けましょう。



2. iTunesで、トラック間の音量差(録音による音圧の違い)を自動修正する方法

【iTunesを起動する】

【画面上部にメニューバーが表示されていない場合には、[Alt]キーを押してメニューバーを
表示する、[表示]タブから[メニューバーを表示する]を選択する】

【メニューバーの[編集]タブから[設定]をクリック】

【詳細環境設定というウィンドウが表示されたら、[再生]タブを選択】

【[サウンドチェック]にチェックを入れる】

【[OK]を選択】

※自動的に曲の音量を解析してくれます。曲数が多いとかなり時間がかかりますので注意して下さい。




3. iTunesで、アルバムを、アーティスト名のAtoZ順ではなく発表年順に並び替える方法

【iTunesを起動する】

【画面上部にメニューバーが表示されていない場合には、[Alt]キーを押してメニューバーを
表示する、[表示]タブから[メニューバーを表示する]を選択する】

【メニューバーの[編集]タブから[表示]をクリック】

【[表示オプションを表示]を選択】

【[表示順序]で[年]を選択】

※iTunesの自動識別による発売年は、リマスター再発等の場合そのリマスターされた年になってしまうので、
実際の発売年や録音年よりもかなり新しく表示されてしまう傾向にあります。
おまけ程度の機能と考えた方が良いと思います。

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  1. 2015/01/12(月) 02:16:00|
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「憂鬱と官能を教えた学校/菊地成孔、大谷能生」読後感

「憂鬱と官能を教えた学校」読後感

寒い日が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
年間ベストも何とか組み終わって、ようやく本を読む余裕も出てきまして、
以前から買ってはいたものの積んでいた本を消化しております。

今回ご紹介しますのは、ミュージシャン、作編曲家、ラジオDJの菊地成孔の2002年に
発表された書籍である

「憂鬱と官能を教えた学校―
バークリー・メソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史」
(河出文庫)です。
【Amazonへのリンクになっています】

憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1)憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1)
(2010/05/01)
菊地 成孔、大谷 能生 他

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憂鬱と官能を教えた学校 下---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 旋律・和声および律動 (河出文庫 き 3-2)憂鬱と官能を教えた学校 下---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 旋律・和声および律動 (河出文庫 き 3-2)
(2010/05/01)
大谷 能生、菊地 成孔 他

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本書は、映画美学校で一般教養として行われた講義録で、
上巻は調律、調性および旋律・和声、下巻は旋律・和声および律動と称して、
大衆音楽、とりわけモダンジャズ~モードジャズ、ファンクを始めとするブラックミュージックの
音楽史にその焦点を当てながら、ポピュラー音楽理論、いわゆるバークリーメソッドについて、
基礎的な楽理の解説が行われています。

取り扱われる楽理のレベルは、平均律とそれによる転調の自由が誕生するまでの歴史から始まり、
基本的なコードネームの取り扱い方、ダイアトニックとノンダイアトニックコード、
四度圏(五度圏)と強進行、順次進行、ツーファイブ・ワンと部分転調、裏コード、
セコンドリー・ドミナント、ブルース(ジャズ・ブルース)進行、
チャーチモードとスケール、特性音、ルートコードとプライマリーコード、
モーダルインターチェンジ(同旋法移行、同音移行、同軸移行、自由移行)、無調、コーダル・モーダル、
と言ったテーマで、だいたい市井の音楽理論書に記されているレベルのことで、
コードに対するテンションの説明にすら入らないレベルでしたので、
特に目新しい情報がある訳でもありませんでした。

しかし、初めて理論を学ぶ方が本書読むと、譜面による説明が最小限しかなく、
譜面自体が小さくて読みづらいので、ある程度実学の知識がある方が読んだ方が良いと思います。

以前私的名盤紹介で紹介しました、「音楽理論を学ぶ上で役に立っているおすすめ書籍・HPなど

のページを参照頂きますと、特にポピュラー和声の基本的な部分は学べると思いますので、
そちらの書籍の方が分かりやすい印象を受けます。

むしろ、この本で注目すべきは講義二回分に収められている律動の講義と、
理論の実学に関係のない音楽史の部分であろうと思います。
律動の講義では、近代以降の西洋のリズムに対する概念が、アフリカ系黒人の移住した
アメリカでどのように変化していったかが鮮やかに記述されています。
実学の部分では、ポリリズム的感覚がどのようにして白人に取り入れられていったか、
コードの進行とメロディによって楽曲のリズムが規定される
(メロディやコードが止まればリズムは停止する)場合と、
基本パルスが常に維持されリズムによって曲が規定される場合において、
後者では表、裏拍の概念が希薄となり、コードの進行を伴わない、或いは少ないパターンを繰り返す
音楽が成立することなど、両者の相違点が鮮やかに描き出されています。
特に新鮮だったのが、自然言語を二種類に分類し、この両者がそれぞれ強勢(固定された周期性が
存在しないアクセントが散在して生まれる)によって進んでいく言語、
音節(2と3を基本単位として構成される整数によるパルスを積分的に組み合わせて生まれる)によって
進んでいく言語の違いによって生じたのではないか、という仮説です。

ジャズを始めとする音楽史の解説は、後に出版されることになる
「東京大学のアルバート・アイラ―」のシリーズと重複する部分もありますが、
手短に学びたい、ということであれば、本書でもジャズ史の概観は得られると思います。

菊地氏に特有の、衒学的で読者をけむに巻くような語り口、特に構造主義以降の哲学、精神分析の
類に影響された文体は、人によっては嫌悪感を感じる部分もあるとは思いますが、
「言葉遊び」のアジテーションの側面だけではなく、中には興味深いアナロジー、
ミュージシャンの感覚に基づく率直な直観が散りばめられており、
現役のミュージシャンがこうした内容を語ることの面白さ、ロマンのある本だと思います。
当時彼は精神を病んでおり治療中であった(強迫神経症か?)ということらしく、
文章全体にどことなく暗く、ヒリヒリした感じが漂っており、
そうした部分が「アルバート・アイラ―」の健全な感じに比べて不思議な魅力があります。

MIDI、サンプラー登場とコンピュータープログラミングによる作曲、Pro Toolsの時代、
つまり80年代以降の音楽史に関してはあまり説明のない本書ですが、
そういったテクノロジーの進歩に関するコメントで、私が一番気に入った一節を引用しておきます。
長くなりますが…

『(前略)もし僕の音楽を好きだったら、その、僕の音楽は一曲たりとも、一人で作ったことは
ないっていうことはね、忘れないでほしいの。これはすごく大切なことです。
未だに何を作るにしてもね、自分一人じゃ何もできない(笑)。
80年代以降、たった一人で音楽作れるようになって、そのことはすごく面白かったし、
音楽の可能性をぐんと増やしたと思う。(中略)
だから極端に言うとさ、人と何かやるのなんかかったるいから、自分だけでやるっていう人も
多いと思うの。(中略)大切なのはね、人と一緒にやると、上手くいかないこととか、
嫌なこととかね、そういったいろいろなバグが不可避的に
音楽のシステムの中に入ってくるんです、うん。(中略)
そうするとさ、ある種の強度が出るんだよね。一人だけでやってる時とはまた違った。(中略)
で、一人でやんないってことをさ、バークリーはすごく教えてたと思うし、
一方でそれはね、音楽を記号的に教えてる学校の、何つったらいいのかな、
潜在的な罪悪感みたいなものかもしれない、って思います。』

単なるアジテーション以上の物が含まれている、面白い本です。

おすすめです。

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  1. 2015/01/10(土) 18:06:45|
  2. 雑記(音楽関連)
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2014年度 私的ベストアルバム20

2014年度 私的ベストアルバム20

明けましておめでとうございます。

私的名盤紹介にお越し下さった皆様、ありがとうございます。

本サイトは開設2周年を迎え、訪問者数は2万3千人を超えるに至りました。
これもひとえに普段見て下さっている皆様、相互リンク先、フォロワーの皆様、
友人の皆様のお蔭でございます。有難い限りです。

近頃は試験勉強などでなかなか更新出来ておらず申し訳ありません。
一方Twitterの方では毎日何かしらは呟いておりますので、
レスポンスはそちらの方が早いと思います。

今年もあと少しで終わりと言う時期ですが、皆様はお気に入りの音楽に
出会えておられますでしょうか。


結局この記事は年内に書き終わらず、
試験が終わってから一気に書き上げることとなりました。
お待たせして申し訳ありません。

昨年度にならって、今年も年間ベストアルバムを編纂しようと思い立ちましたが、
如何せん新譜を聴く機会が昨年にも増して少なくなってきており、
選出するにも母数がそもそも少ない状態でしたので、
今年は洋邦織り交ぜて、筆者なりに20枚の作品をセレクトしてみました。

ごく簡単ではありますが、レビューをお付けしています。
興味をもたれましたら是非、聴いてみて下さい。

では、どうぞ。まずは番外編です。

※順位はあくまでも筆者の気分で付けたものですので、ここにお書きした作品は
 全て気に入って愛聴しているものばかりです。念のため。 
※過去に記事を書いた作品に関してはリンクを乗せております。




番外編

【アイドル・ポップス部門】

順位なし GUSTO/Especia
Genres: Black Contemporary, AOR, Pops

Esspecia.jpg

大阪府大阪市西区堀江を中心として活動するガールズ・アイドルグループによる1st。
サウンドプロデュースはSCRAMBLESというチームのSchtein & Longerが担当しています。

近年邦楽ポップスでシティ・ポップス再評価の流れが来ているように、
筆者は感じているのですが、そうしたグループの一つとして、
彼女達の作品を捉えております。シティポップスと言っても、東京女子流に見られるような
角松敏生リバイバルといった感のある曲だけでなく、
ディスコや80s後半のブラック・コンテンポラリー、
オリジナルラブのような、渋谷系の香りが湧き立つトラックの音作り、
ハーモニーが随所に見られます。少なくとも、メインストリームで活躍するアイドルの楽曲に
見られるような親しみやすいポップさとは乖離した音楽性で、
かなり凝ったものになっています。スタジオ・ミュージシャンにお金を掛けられないため、
曲によっては安っぽいドラムやベースが気になってしまう部分もありますが、
それは彼女たちの味として受け止めるべき部分だと思います。
アイドルの楽曲としてはかなりインスト部分が長く、フュージョン色満載の
サックスソロや鋭いギターのコードカッティング、オクターブにスラップと往年の
ディスコミュージックを思わせるベースラインには計算されたグルーブがあり、聴きごたえ十分です。
ライブでは、山下達郎のMidas Touch(Sonorite収録)のカヴァーを演奏したりと、
筆者としては今後の活躍が今一番気になるグループであります。
歌唱の技術に関してはこれから、と言う感じですが、
歌い込み、アレンジはかなり意図的に行われており、音の切り方、
日本語の歌詞をブラックミュージックのグルーブに嵌めこむために、
意識的に音を脱落させたり発音を変えたりと、相当な工夫が為されており、
トラックだけ洗練されていて歌がついて行っていない、
という印象は与えることなく、本格派といった感があります。
最早、アイドルと呼ぶべきなのかも微妙、
ですが、ともかく、大いに大いに期待です。佳作。

【アニメ・ソング部門】

順位なし 君じゃなきゃダメみたい/オーイマサヨシ(Single)
Genres: Pop Rock, Pops, AOR

オーイマサヨシ

TVアニメ、「月刊少女野崎くん」のオープニングテーマです。
最近私的名盤紹介でアニメソングを紹介する機会が少なくなってきたため、
今回はこのようなコーナーを作ってみました。
オーイマサヨシと言う人は本名、大石昌良(1980-)の名義で、
Sound Scheduleというスリーピースバンドのギターボーカルとして
活動していました。ソロアーティストとしてはオリジナルアルバムを4枚出しています。
この曲は冒頭のアコギによるスラップのフレーズに雅-miyaviの姿を重ね合わせてしまった
ため、即このランキングに入れようと思い立ちました。
と言っても、雅と近いのはこのフレーズだけで、サビでは暖かみのあるホーンの
アレンジもあって、Chicagoを思わせるような、
グル―ヴィーなブラスロック~AORに仕上がっています。お気に入り。

順位なし The Worlds End/cw/半永久的に愛してよ/堀江由衣
Genres: Symphonic Pops, Progressive Rock

The Worlds End

TVアニメ、「ゴールデンタイム」のオープニングテーマです。
堀江さんについては、オリジナルアルバム全てを所有しているというわけでは
ないのですが、その音楽的クオリティの高さ、楽曲の多彩さと、
その多彩な楽曲のどれにも独自の世界観を持って溶け込んでしまえる彼女のボーカルには、
何か魔術的な魅力があると、常日頃から思っております。
とりわけ、オリジナルアルバムのDarlingには、優れたスタジオミュージシャンの
プレイが収録されていますので、是非ともお勧めしたい邦楽ポップスの傑作です。
と言うわけで、少し話が横道に逸れましたが、この曲では、
前作のアルバムの中でも最大の問題作/名作と評された「インモラリスト」の
作曲を行った清竜人(1989-)が担当しています。(詳細は堀江由衣の項を参照)
カップリングでは、アレンジを凝りすぎて、若干冗長になっている感も否めませんが、
緻密なストリングスのアレンジと、乾いたバンド演奏、
捻くれに捻くれた曲構造に舌鼓を打てます。お気に入り。

順位なし 光るなら/Goose House
Genres: Pops, Symphonic Pops

光るならjpg

TVアニメ、「四月は君の嘘」のオープニングテーマです。

Goose Houseというユニットは、元々は、
ソニーのウォークマンの販売促進ユニットとして、各自がそれぞれに
活動していたシンガーソングライターを集めて結成された
PlayYou.Houseというユニットのメンバーによって、
ユニットが解散した2011年に結成した楽曲制作チームです。
オリジナルアルバム、ミニアルバム、配信のみのアルバムなど合わせて、
短いスパンでかなり多くの作品をリリースしているようです。
メンバーは現在では竹渕慶、竹澤汀、工藤秀平(K.K.)
齊藤ジョニー、マナミ(アニーポンプ)、沙夜香
ワタナベシュウヘイという面子となっています。
YoutubeやUstreamでの楽曲配信を中心に活動しています。

と言うわけですが、ともかくこのアニメについては内容がかなり面白く、
久々にどっぷりと嵌ってしまいました。
機会のある時に感想でも話そうかと思いますが、
自分の周囲でも褒め称える声が多いと思います。
サウンドとしてはビートもコードも極めてシンプルで、
ポップロックとしてのアニメソングのお手本のような曲ですが、
メンバーそれぞれの声の音色が綺麗に活かされたハモリが堪能できます。
全員かなり力のある声で、ロングトーンの響き、高音の煌めきが素晴らしいです。
何気にバッキングのへヴィ―なディストーションギターや
ホーンのオブリもメロディアスです。文句のつけようのない名曲。




ここからが正規のランキングになります。

2014年度 私的ベストアルバム20


20位 みんなノーマル/ゲスの極み乙女。

Genres: Alternative Rock, Fusion, Rock

みんなノーマル

(詳細は今日の一枚(356)を参照)

19位 Killing Me Softly/東京女子流 

Genres: Pops, AOR, Soft Rock, Fusion

Killing Me Softly

詳細なBiography等は東京女子流の項を参照のこと。
最新アルバムですが、基本的には前作と大きく雰囲気は変わっておりません。
松井寛氏によるアレンジと、バキバキの打込みドラム、土方氏のギターが
唸りをあげております。
M3Partition LoveではBase Ball Bearの小出祐介が楽曲提供しています。
先日、彼女たち自身の意志なのかどうかは分かりませんが、
東京女子流はアーティスト宣言をする、という旨の発表があったそうです。
自分は、アイドルとしての彼女たちのファンでは全くないので、
その重みは肌で感じることはありませんが、ファンの方の間ではかなり不安視されているようです。
レビューを書かせて頂いている側としても、アイドルだから、歌唱、ライブパフォーマンスの
問題については、かなり、相当に目を瞑って書いております。
当然、アイドル脱却を宣言するのであればその目線では見ず、厳しめに見守って行こうという
覚悟を決めております。

18位 American Love/Bad Rabbits

Genres: New Jack Swing, R&B

Bad Rabbits

(詳細は今日の一枚(312)を参照)

17位 Listen To The Music/Shiggy Jr.

Genres: Pops, Pop Rock, AOR

LISTEN TO THE MUSIC

(詳細は今日の一枚(355)を参照)

16位 Le Polaroid/Andre Solomko

Genres: Fusion, AOR

Le Poraloid

(詳細は今日の一枚(318)を参照)

15位 Are You Kidding Me? No./Destrage

Genres: Progressive Metal

Are You Kidding Me No

(詳細は今日の一枚(281)を参照)
 
14位 証×明/喜多村英梨

Genres: Heavy Metal, Power Metal

証明

(詳細は今日の一枚(282)を参照)

13位 革命的ブロードウェイ主義者同盟/上坂すみれ

Genres: 歌謡曲, Heavy Metal, Post Punk/New Wave, Progressive Rock

革命的ブロードウェイ主義者同盟

(詳細は今日の一枚(261)を参照)

12位 レシキ/レキシ

Genres: Funk, Soul, R&B, Disco

レシキ

福井県出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサーの池田貴史(1974-)による
ソロ音楽ユニット。デビューは1994年で、Super Butter Dogと言うファンクバンドの
キーボーディストでもあります。過去には中村一義らとバンドを組んで活動していた(100s)
時期もあります。音楽性としてはSuper Butter Dogの時代から続くファンク~ソウルの
流れをくんだ音楽性(いずれ彼らの作品を取り上げる機会がありますので短めに)です。
池田氏自身が日本史に造詣が深いようで、近世以前の様々な時代のワードを取り上げた
ユーモラスな歌詞に、ドロドロとしたファンク、スムースでメロウなソウルといった
ブラックミュージックが載せられているという、非常に個性的な音楽性を有するユニットとなっています。
作品がリリースされるたびにかなり豪華なゲストが参加しており、
本作では持田香織、秦基博、二階堂和美、怒髪天などが参加しています。
前作までよりもポップス寄りの作風となっており、通して聴くにも飽きの来ない作りです。佳作。

11位 Nathan East/Nathan East

Genres: Fusion, Latin, AOR

Nathan East

(詳細は今日の一枚(283)を参照)

10位 Xscape/Michael Jackson

Genres: R&B, Pops

Xcape.jpg

ここには2014年の年内に発売された新作のアルバムを取り上げるという原則がありますが、
一応、実際は未発表曲集ですが本作はMichaelの「新作」ということで扱いたいと思います。
残された録音から、様々なプロデューサーが現代的な音へとアレンジしなおしたもの、
オリジナルバージョンが両方収録されています。
アルバムの最後には、Justin TimberlakeとのデュエットでM1Love Never Feel So Goodが
収録し直してあります。後からオーバーダブして作られたと思われます。
曲に関しては説明不要に素晴らしいですが、アレンジに関しては古くからのファンの方に
なればなるほど厳しい評価が下されているような感もあります。
自分の感想としては、曲によっては良いものもあるが…プロデューサーの
個性が強く出過ぎたデジタルな音になりすぎていて、やはりオリジナルの方が
歌伴のトラックとしては良いと言う感想でした。

9位 Coming Up Roses/さかいゆう

Genres: Pops, R&B, AOR

Coming Up Roses

詳細なBioはさかいゆうの項目を参照のこと。全部で12曲入りです。
井川遥出演の軽自動車のCMソングとして彼が一躍注目を集めることとなったM2薔薇とローズも
収録されています。サビのキャッチ―さも素晴らしいですが、サビ前のコード進行など、
筆者個人的には大好物な空気で、これ一曲だけでも聴いてみる価値ありです。
他にも、負けず劣らずM5EMERGENCYのバッキングも素晴らしくグルーブしており、
カッティングが始まってからホーンのオブリ、エレピの音の揺れる感じと、
一気に引き込まれる魅力があります。ファンキーで緊張感あるアンサンブルです。最高。
Krevaをゲストに迎えたM6オトコFACEはデジタルな音使いで良いフロウです。
無機質なリズムマシーンのビートと暗いアコギのアルペジオが絡みつくジャジーな
ブラコン風味M7愛するケダモノはソウルフルです。
へヴィな音色のリズム隊とシンプルなバラードの組み合わさったキャッチ―な
M9イバラの棘、秦基博とのタッグM10ピエロチックは冒頭のピアノのフレーズから
シンプルな循環を中心にしてファンキーなリズムと、ファルセットボーカルの
魅力満載のこれも良い曲。
と言う風に殆どすべてレビューしてしまいましたが、以前紹介したHow's it going?の
サウンドに近く大きな変化はありませんが、極めて良質でグル―ヴィーなポップスで、
安心して身を任せることが出来ます。これからも聴いていきたいです。爽やかな佳作。

8位 Looplified/Dirty Loops

Genres: Fusion

Loopified.jpg

(詳細は今日の一枚(327)を参照)

7位 Supernal Liberty/水樹奈々

Genres: Pops, Symphonic Rock, Heavy Metal, Funk, R&B

Supernal Liberty

(詳細は今日の一枚(284)を参照)

6位 Stepping Up/Ole Borud

Genres: AOR, Soft Rock, Blue-Eyed Soul

Stepping Up


詳細なBioについてはOle Borudの項を参照して下さい。
記事が古いため、読みづらい部分もあるかとは思いますが。
ベストアルバムを挟んでの3枚目のオリジナルアルバムとなりました。ネオAOR~ブルーアイドソウルの
旗手と目される存在として認識されつつある彼の最新作は、前作からそれほど大きい
変化はありませんが、充実したハーモニーとグルーブに満ちています。
ブルーアイドソウルとTOTO~David Fosterを混ぜたような雰囲気から、2ndではファンク寄りのサウンドへ、
本作ではもう少しSteely Dan的な楽曲も増えてきており、続けて聴いてきている人には変化が楽しめる
ようになっていると思います。いつも通り高品位な作品です。
個人的なおススメトラックはM3Uptown Citizenで、冒頭のエレピのリフから完全に
Donald Fagenしております。ドラムの音色やタイム感はどちらかというと、
Smooth Reunionがやっていた音の方に近いと思います。

5位 25/花澤香菜

Genres: Pops, AOR, Soft Rock

25.jpg

(詳細は今日の一枚(269)を参照)

4位 Black Messiah/D'Angelo & The Vanguard

Genres: R&B, Neo Soul, Funk

Black Messiah

詳細なBioはD'Angeloの項を参照のこと。
まさかまさかのスピードでリリースされたD'Angeloの新譜は、
瞬く間にありとあらゆるレビューサイト、ブログで取り上げられ様々な評価を
下されているようです。筆者は、実を言うとYoutubeなどで試聴した際には、
Brown SugarやVoodooの時に得られた程の衝撃や中毒性は得られず、
音楽性の変化に着いていけなかった部分もあって購入は控えようと考えておりました。
しかし、年末になって少し懐に余裕が出来たので、取り敢えずは買って聴いてみようという
気持ちで購入しました。
何度か繰り返して聴いてきましたが、未だ消化しきれている感がありませんので、
この順位と言うことになっております。
Pino Palladinoのベース、Questloveのドラムは相変わらずドライで、
極端にレイドバックしたものになっており、録音はアナログ感満載の温かみ、
ガッツのある音で、これはかなり評価できる点だと思います。
そして曲の方はと言うと、リードトラックとなっているM4Sugah Daddyは、
正しくSly & The Family Stoneがやっていたファンクの影響が色濃く見て取れ、
これまでのジャジーな路線とは一味違う感触があります。
M21000 Deathは、バリバリとした歪み、かなり強烈なキックの音に蹂躙されるようなサウンドで、
殆ど無調の空間で物事が進んでいくという不思議な曲。
M3The Charadeは殆どロックしているリズム隊の、フェイザーを掛けられた音処理、
迫りくるシンセ音がミニマルなダンスミュージックっぽさを演出しています。
個人的に一番好みなのはM5Really Loveと言う曲で、これはかなり自分の好きな
Brown Sugarの音に近いものになっています。アコギのタッチノイズも、モコモコしたベースも
存在感たっぷり、ファルセットボイスに怪しげなストリングス系のシンセ音が快感の波を
もたらしてくれるようです。最高。
同じくジャジーな路線と言うことで、M9Betray My Heartもこれまでの路線を
引き継ぎながらハーモニー、音の密度を上げすぎないアレンジで、かなりお気に入りです。
自分としては、こういうスカスカ気味の音の配置の中でこそ、こうしたクオンタイズ、グリッド線
無視の、いわば極限までレイドバックしたグルーブは輝くと感じますので。
要するにこれも最高にお気に入りの曲。
例外としてスイートソウルは好きなので、その香りがキーボードの音使いから
強く感じられるM12Another Lifeはかなり好きです。自己矛盾に満ちていますが。
と、こういう風に一曲一曲見ていくとかなり傑作であることに違いないと思います。
ファンク、サイケデリックロック路線と、彼のグルーブ、ハーモニーの感覚が、
さらに高度に溶け合っていく様を見守って行きたいと思います。
 
3位 N.E.W.S./UNCHAIN

Genres: Rock, AOR, Soft Rock, Disco, Funk

NEWS.jpg

(詳細は今日の一枚(340)を参照)

2位 日出処/椎名林檎

Genres: Pops, Jazz/Fusion, Alternative Rock, AOR

日出処

詳細なBioについては椎名林檎の項を参照して下さい。
オリジナルアルバムとしては5年ぶり、東京事変解散後初めて発売された5thということになります。
本作の中からは、NHKからの依頼で書き下ろしたM12NIPPONが、FIFIAワールドカップブラジル大会
以降のサッカー関連番組のテーマソングとして使われています。
サウンドとしては既出のシングルが書き溜まっていたため、リッチで落ち着いた暖かい音になるもの、
とタカをくくっていましたが、実際に聴いてみるとM1静かなる逆襲からかなり1st, 2ndの空気に近い
ヒリヒリとした歪み、重たいグルーブのあるバンドサウンドと、ジャズからの影響を前面に出した
妖しげな楽曲が並んでおり、かなりへヴィ―ローテーションしております。
楽曲間のシームレスな接続も的確に図られており、それに伴うキーの選択や曲構造の選択が
これまでにないほどのレベルでかなり練られている印象を受けました。
既出の曲がそこそこあり密度の高いサウンドにもかかわらず、全体を通して、
かなりすっきりと聴けてしまいます。
個人的にはM3走れゎナンバーのような乾いたリズム隊にフルートのリードプレイが絡みつく
ジャジーな曲がお気に入りです。かなり東京事変的な曲と言えばそうですが。
他にもM4赤道を超えたらのようなボサノヴァっぽい曲、
M5JLOO5便でのようなエレクトロ路線、生々しい音響とバンドサウンドを融合した
サウンドは斬新で、彼女のボーカル表現、録音の良さもあって、新境地と言った感があります。
バンド全体が混然一体となったグルーブのあるM9ありきたりな女、M12NIPPONのような音は
良いに決まっています。M12ではNCISの生形真一のギター、河村智康(Dr), 渡辺等(B)のリズム隊と、
現代のポップスを支えている一流のスタジオミュージシャンが参加しています。
しかしながら、個人的にアルバムで聴いて一番印象が変わったのがM13ありあまる富でした。
他の楽曲からの流れで聴くと神聖な雰囲気すら伴って聴こえてきます。とりもなおさず傑作です。

1位 Jarrod Lawson/Jarrod Lawson

Genres: Soul, R&B, AOR

Jarrod Lawson


(詳細は今日の一枚(357)を参照)


というわけで、かなり長い記事となりましたが、
テストも終わってようやく更新できました。
今年も私的名盤紹介を宜しくお願い致します。

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  1. 2015/01/08(木) 02:06:16|
  2. 雑記(音楽関連)
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  4. | コメント:8

今日の一枚(357)

Album: Jarrod Lawson
Artist: Jarrod Lawson
Genres: Neo Soul, Blue-Eyed Soul, R&B, Jazz/Fusion

Jarrod Lawson

アメリカ、オレゴン州ポートランド近郊モララ出身のシンガーソングライター、
マルチプレーヤー。1976年生まれ。2014年作の1stフルアルバム。

自宅兼レコーディングスタジオを持ちプロのスタジオミュージシャンであった父の影響で、
2歳の頃からドラムス、12歳からピアノを弾き始めます。
幼少期に、膨大であった父のレコードコレクションの中からDonny Hathawayや
Stevie Wonderと言ったニューソウルを発見し没入していった彼は、10歳でSongs In The Key Of Lifeを
聴いてシンガーソングライターになることを志します。他にも、Maurice RavelやFrederic Chopinなどの
クラシック音楽に加えて、Oscar Peterson, Chick Corea, Erroll Garnerなどといった
ジャズピアニストのリーダー作品、或いはCommon, The Roots, Q-Tip, Mos Defといったような
Native Tongue~オルタナティブ・ヒップホップを聴き漁っていたということらしく、
複雑に構築されたハーモニーの感覚はその辺りから来ているように感じます。

高校卒業後はオレゴン州オレゴンシティにあるClackamas Community Collegeにて
音楽を学び、教会の聖歌隊で歌いつつ、地元のバンドでピアノボーカルとして活動します。
A New Groove, +SoulMates-といったグループでの活動が確認されているようです。
音楽活動は2009年頃から本格化し、Good Peopleと言うバンドで、Christopher Frisen(B),
Farnell Newton(Trumpet), Joshua Corry(Dr), Chance Hayden(G)という5人組で活動していました。
本作でも、Haydenを除くメンバーが録音に参加しており、ライブツアーもJarrod Lawson & Good People
という名義で行っているということだそうです。

本作に収録されている楽曲は、Lawson自身が10年間ほどの間に書き溜めてきたものを
纏めているということで、2012年には曲が完成、そこからさらにエンジニアに
Prince/Diamonds & Pearls, George Clinton/Smell My Finger, 日本国内ではPink Martiniとの
コラボレーションアルバムである由紀さおりの1969, The TimeのPandemoniumなどを手掛けた
David Friedlanderを招き、マスタリングにはCarole King/tapestry, Michael Jackson/Thriller,
Steely Dan/Aja, Prince/Purple Rain, Dr.Dre/Chronicといった知る人ぞ知る傑作に
数多くかかわってきたBernie Grundmanが参加することとなったということからも、
如何に彼が期待されているか、ということが窺われます。

こうして制作された本作は、2014年の5月に自主販売と言う形でひっそりと世に出される
こととなりますが、当初アメリカ国内ではあまり目を付けられず、
ブレイクのきっかけとなったのはイギリスの雑誌Echoes Magazineに取り上げられた
ことでした。その後に自主販売分は完売し、イギリスのソウル系のレーベルである
Dome Recordsと契約を結び、イギリス国内のラジオSolar Radioでもパワープレイ
されるなど人気を博しています。

Lawsonはここ数年間、毎年6月の頭頃にメリーランド州、ワシントンD.C.の郊外にある
GaithersburgColumbiaで行われているAC, ソウル、ジャズを中心とした
巨大な音楽フェスティバルであるCapital Jazz Festに参加しており、
今年のステージではErykah Badu, John Legendのステージで前座を務めています。
余談になりますがその他にも今年はChaka Khan, Incognito, The O'Jays, Michael Franks,
George Dukeなどのビッグネームが参加しており、筆者も個人的に行ってみたいと思うところです。

ということで前置きが長くなりましたが、本作はLawsonによるセルフプロデュース作品で、
先ほども話しましたGood Peopleのバンドメンバーによる生演奏での録音です。
ハーモニーにはジャズからの影響が色濃く、一聴するとAja, Gaucho期のSteely Danや
Donald Fagenのソロに近いようなサウンドと言うことになると思います。
インスト部分もそれなりに長く、ギターソロ、ピアノソロなどもかなり往年のSDを意識したものになっています。
特筆すべきは非常に緻密なコーラスワークで、ゴスペル直系の泥臭さ、力強さがありながら、
あのTake 6を思わせるような複雑なハーモニーを完璧に演出しています。
リードボーカルは、少しキーが高めで、絞り出すようなブレスリーなファルセット、
ビブラートの感じが堪りません。曲によっては自らラップを披露する楽曲、
ドロリとしたファンクやラテンのリズムを取り入れたものなど、多彩で飽きさせません。
録音もクリアで分離が良い音だと思います。

自身の音楽を宇宙への旅とまで表現してしまうポエトリーリーディングから始まる
#1Music and Its Magical Wayは、後の曲にも出てくるベースリフを中心としながら、
無機質なハンドクラップの作るリズムの中で幾重にも重ねられたコーラスの
スペイシーな感覚が堪りません。アウトロのピアノソロも素晴らしい。
ラテンフュージョンと言った趣の強い#2Sleepwalkersは、トレブリーなベースのフレットレスのような
角の取れたトーン、フルートのリードプレイがスピード感を生み出しています。
ファルセットによるコーラスで複雑なハーモニーを構築していくスタイルは一貫しています。
トレモロを効果的に用いたブルージーなピアノソロはスキャットで締めくくられます。
スキャットとベースのユニゾンがあった後は、パーカッションの音が
一気に分厚くなっていきます。お気に入り。
ピアノの妖しげなコードヴォイジング、端正で乾いたドラムスが冒頭からSteely Danを強く思わせる
#3He's Thereは、彼の得意とする美麗で複雑な一人多重コーラスがそこかしこに敷き詰められています。
曲後半では歌唱と言うよりは殆どラップのスタイルへと変化していき、
リズムはラテンっぽさを増して行きます。ドリーミーなコーラスがあり、
テクニカルなギターソロで曲はクライマックスを迎えます。最高。
更にリズムコンシャスになったジャジーな#4Walk In The Parkは、#3からの空気をそのままシームレスに
引き継ぎながら、コーラスの質感はよりソウル寄りとなっていて、
リズムにはラテンのフィーリングがあります。コーラスで素早いコードチェンジを
繰り返すキメは鳥肌ものです。お気に入り。
鳥のさえずりがSEとして取り入れられ、神秘的なストリングス系のシンセ、
エレピが絶妙に左右に揺れながらコードを鳴らす異色な#5All That Surroundsは、
ベースラインがメロディアスで、派手なフィルを弾き倒しています。ベースソロもクールです。
#6Think About Whyは、アフリカンなパーカッションを積極的に取り入れており、
キメを連発するパートではやはりSDのようなコーラスが流れます。
ピアノソロは正確無比でストレートなグルーブがあります。
その後はスキャットとギターのユニゾンと、George Bensonのようなパフォーマンスまで見せています。
一瞬インダストリアル系の音かと思わせるようなシンセの音の波が押し寄せてくる
#8Spiritual Eyesは、歌が入るとエレピでの弾き語りとなり、なんとそこから派手な四つ打ちの
リズムパターンと、サスティーンの短いベースへと変化し、ファンキーなエレピソロが入ってきます。
ダンサブルなリズムをバックにしながら、得意のコーラスが炸裂するという面白い一曲。お気に入り。
ワウの掛かったエレピとスキャット、ハーモニカの絡みつくイントロで一気に掴まれるファンキーな
#9Together We'll Findは、タメたドラムスとミニマルなリフをひたすら繰り返すベースで
ゴリゴリと押していきます。ハーモニカのフレージングやハーモニーの感じはこれが一番
Stevie Wonderに近い一曲だと思います。最高。
他の曲の構築美に比べて、ピアノ弾き語りによるシンプルな一曲#11Everything I Needは、
先ほど紹介したDome Recordsから発売されているSoul Loungeシリーズのコンピレーション、
Soul Lounge11に収録されています。彼の温かくハリのあるバリトンボイスを堪能できます。
こうして聴いてみると、ヴィヴラートの掛かり方など、Stevieにかなり似ている部分があります。お気に入り。
#12Gotta Keepは、フランジャーの掛かった懐かしい感じのエレピがシンプルなリフを弾き、
バリバリしたエフェクトの掛かったベース、アナログレコードのような質感が特徴的なホーンの
フレーズがどことなく和を感じさせるフレーズを聴かせているネオソウル寄りな一曲です。
しかし彼の見事なコーラスワークが入るとどことなくチープな感じのあるトラックにシルキーな
感じが加わって素晴らしいです。最高。

昨年出会った新譜の中でもかなり強くお勧めしたい、アーバンで徹底的に構築されたハーモニー、
ネオソウルっぽい質感がありながらも「生演奏」のグルーブ、
Take6ばりの巧みなコーラスワークが堪能できます。愛聴盤。

Sleepwalkers

He's There

Think About Why

Gotta Keep

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  1. 2015/01/04(日) 02:42:37|
  2. Jarrod Lawson
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今日の一枚(356)

Album: みんなノーマル
Artist: ゲスの極み乙女。
Genres: Rock, Progressive Rock, Post Punk/New Wave, Fusion, Rap Rock

みんなノーマル


2012年に結成された日本のラップロック/フュージョンバンド。
indigo la Endと言うバンドで活動している川谷絵音(Vo, G, 1988-)と、
彼と同じ東京農工大学の軽音サークルに所属していた休日課長(B)を中心に結成されました。
その他にはちゃんMARI(Key), ほな・いこか(Dr)という4人組で活動しています。

indigo la Endは2010年から活動を開始しており、ケーブルテレビなどで音楽番組を
流す専門チャンネルであるSPACE SHOWER TVの運営するレーベルであるeninalから
デビューを果たしています。今年の4月からは、indigo la End、ゲスの極み乙女共に
Warner Music Japan内のレーベルであるunBORDEからメジャーデビューを果たしています。
彼ら以外にはandrop, CAPSULE, きゃりーぱみゅぱみゅ, 神聖かまってちゃん
高橋優, tofubeats, パスピエ, RIP SLYMEなどが所属しています。

彼らの存在を知ったのはかなり強力にプッシュしているSpace Showerでの
ミュージックビデオを見てのことでした。かなり目を引くバンド名で、
楽曲も一聴すると展開が唐突な感もあって色物と見られがちなのだろうと思いますが、
(indigo la Endもそうですが)演奏、アレンジと言う面では、デビューして
まだ日が浅いバンドとしてかなり洗練されたものだと思います。

特に、幼いころからクラシックピアノを修めてきたというキーボードは
そこかしこにクラシックからの影響が見て取れ、白玉だけでなくメロディアスな
オブリガート、コード弾きによる複雑で80sのポップスを思わせるようなリフを
決めていますし、indigo la Endでも活動しているベースは
かなりテクニカルな速弾き、派手なスラッピングと、ミックスの音量も大きくて
目立っていますが、 他の楽器とぶつからないギリギリのところで音の隙間を
埋めているようで、クールだと思います。ドラムスは16ビートを中心に、
細かく刻まれるハイハットに抜けの良いスネアと、フュージョンのような
軽さと手数の多さもありつつ、若干、ファンキーな粘りがあります。
ここぞ、と言う場面では最近流行のバスドラム4つ打ちと裏打ち
ギターボーカルは特段テクニックを見せつけることはありませんが、
ジャキジャキしたカッティングは心地良く、独特の繊細な声質は個性的で、
展開の複雑なメロ部分に比べて繰り返しの多くポップなサビでの字余り気味な歌唱は、
流行のサブカル系バンドと言う感じです。

本作は2014年作のメジャー1stEPで、自主制作盤を除いてインディーズ期から数えると
3rdとなると思われます。オリコン初登場11位。

#1パラレルスペックは、煌びやかなピアノがシーケンシャルなフレーズを繰り返し、
四つ打ちのバスドラムが印象的なイントロから、かなりトレブリーでパンキッシュな
カッティングが入って来ます。メロ部分ではコードの動きを抑えてドミナントセブンス中心の
ファンキーな展開、サビではポップにドラマティックに動きが付く、という構造で、
ベースソロ、派手なキメのあるラストサビ直前からのキーボードのオブリガートは
見事です。アウトロだけプログレッシブにしてあって遊び心があります。
バックでかなり派手にスラップしながら弾き倒しているベースを始めとして、
タイトなリズム隊が素晴らしいです。お気に入り。
さらにどことなくロシア音楽を思わせるピアノのリフレインが妖しげで浮遊感のある
#2サカナの心は、メロでは鋭いシンバルミュートの印象的なリズムパターンで、
やはりサビではスッキリとしたハーモニーでポップになっていくという構造になっていますが、
どことなく迷いを感じさせるような浮遊感を残していて、メロとの統一感を演出しています。
お気に入り。
#3市民野郎も、#2に続いてクラシカルなピアノのフレーズから始まり、
サビではコール&レスポンスの出来るようにしてあります。ライブ向けの曲と言うには
あまりに暗い感じがしますが…暗いサウンドにダンサブルな四つ打ちの組み合わせという
不思議なサウンドです。その割にOh-Oh-のあるサビのギターバッキングはパンクロック然とした
ものになっていたりします。
#4ノーマルアタマは、ピアノのハネたリフを中心として全編でフリーキーなリードプレイを
見せつけており、ギターとのユニゾンでサビへと突入します。リズムはまたしてもという
感もありますがこれも悪くないです。迷いが無くブライトな音色のピアノが良い。
一気にテンポアップした#5song3は、暴力的なまでにエフェクトの掛けられた
ピロピロキーボードがウネウネとしたフレーズで左チャンネルに、
ギターはラフなプレイで右チャンネルに配されていますが、キーボードの方に
圧倒的に分がある感じです。
#6ユレルカレルは、打って変わって静かな音像へと変化しており、ボーカルのラップや
ロングトーンも儚げに聴こえてきて存在感を放っていますし、
ベースのうねりや音色の良さもハッキリと聴こえてくるので、
こういう曲を増やしても良いかもしれません。焦燥感を煽るサビでのテンポチェンジと、
そのバックでジャジーなフレーズを繰り出すキーボードのタイム感が堪りません。お気に入り。

個性的な展開にしようと詰め込み過ぎる余り、逆に楽曲の印象が似通ってしまい、
アルバム通して聴くと耳疲れしてしまうようなイメージもありますが、
演奏力は確かで、ボーカルにさらなる訴求力が備われば面白くなりそうだと思います。
indigo la Endのプロジェクトとはまた異なる魅力のあるバンドだと思います。

パラレルスペック

ノーマルアタマ

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  1. 2015/01/01(木) 04:16:36|
  2. ゲスの極み乙女。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(354), 今日の一枚(355)

Album: Shiggy Jr. is not a child. , LISTEN TO THE MUSIC
Artist: Shiggy Jr.
Genres: Pops, Pop Rock, Fusion, Disco

東京都内で活動している日本のインディーロックバンド、ポップロックバンド。2012年結成。
メンバーは池田智子(Vo), 原田茂幸(G, Cho), 森夏彦(B, Cho), 諸石和馬(Dr)で、
全員1989年~1990年生まれということだそうです。ドラマーの諸石和馬とベーシストの森夏彦
の二人は早稲田大学の出身で、諸石氏は軽音楽サークルのSound Workin' Shopの
出身と言うことだそうです。今回は2013年作の1stEPと2014年作品の2ndEPを同時に紹介します。

筆者とほぼ完全に同世代のバンドでデビュー間もないため、情報不足な感は否めませんが、
最初に聴くことになったきっかけはTower Recordsでのバイヤーレコメンドでした。
その後インターネット上での反応を見ていくと、80sポップス、とりわけ日本の
シティポップに強く影響を受けたバンドと言う噂を嗅ぎ付け、すっかり嵌っております。

インタビューによれば影響を受けたミュージシャンは山下達郎,Jamiroqai, Michel Jacson, Maroon5
宇多田ヒカルなどということで、実際に聴いてみると、1stEPのShiggy Jr. Is Not A Childは、
フュージョンライクな手数の多いドラムスにうねるベースと肉体的な音像のポップロック、
2ndEPのLISTEN TO THE MUSICはシンセの音が分厚くなりキックの4つ打ち積極的に
取り入れられた、ニューウェーブ~ダンスミュージック寄りのプロダクションとなっています。
ボーカルの池田智子の声質は甘くて軽い感じがあり、都会的なハーモニーや軽いリズム、
クリーントーンのカッティングとまろやかに混ざっています。
リードギターのフレーズは70s末のファンクロックを思わせるようなフレージングで、
ブラスのアレンジも加わって粘りのある感じなのがまた堪りません。

以前、私的名盤紹介では一押しのバンドとしてパスピエ(パスピエの項を参照)したと思いますが、
正しく彼らが好きな方は間違いなく嵌るサウンドだと思います。
俗にはNegiccoやEspeciaのようなガールズグループあたりと比較してサブカル系のバンド
ということで受容されているという話も聞くので、アニメソングのファンにも訴求力の高いサウンド
だと思います。ただし、敢えてパスピエ(クラシックやテクノ~ニューウェーブの影響が強いか)と
比較するなら、AOR~ソフトロックと言うサウンドよりはむしろ、メロディやハーモニーの感じは、
王道的な、つまりはMr.Childrenのそれを思わせるような邦楽ポップス特有のもので、
どことなく懐かしく、濡れた感じがあるところがまた彼らならではの特色だと思います。

他には、表面的にディスコサウンド、80s的なシンセのバッキングと言う面では、
tofubeats、オルタナティブロックに近しいサウンド、シンプルな構成の楽曲と言う意味では
やくしまるえつこ率いる相対性理論なども彼らと近い方向性のグループと考えてよいと思います。

これらのアーティストを一括りに「シティポップス再評価」と考えるのは表面的すぎる意見だと
思いますが、いずれにせよ、90s末から00s半ばにかけてのVisual~パンク~オルタナティブロック
或いはポストロック~音響系の系譜とは明らかに異なるサウンドで、渋谷系
(こちらも声優の花澤香菜など再評価の流れが感じられます)というよりは、
その根源が80年代の邦楽、洋楽ポップスにあるのは間違いないと考えてよいと思います。
(相対性理論に関しては山下達郎もラジオにて評価していると発言していました。)

と言うわけで、まずは1stEPから見ていきます。

Shiggy Jr is not a child

#1Saturday Night to Sunday Morningは、ワウの掛けられたカッティングが牧歌的なイントロから
始まり、歯切れの良いコードバッキングと高音寄りの堅いスネアの手数の多いドラムス、
ホーンのフュージョンライクなオブリガートの入ったキャッチ―なポップロックで、
後半部にはブルージーな歪みのギターソロ、キーボードソロが入ってます。
ボーカルの甘い声質のチェストと消え入りそうなファルセット、
繰り返されるコードと下降していくメロディにノックアウトされました。最高。
#1の80s的なリバーブ感のある音像から密室的な音へと変化した
#2サンキューは、アコギの弦のノイズが心地良いコードカッティングにシンセのリフから始まり、
そこからは端正なリズム隊と、それに対してレイドバックしたピアノのジャジーなバッキングが
グルーブを生み出しています。色彩感溢れる風物詩をコラージュのように並べて行った
歯切れの良い作詞、メロディに妙があります。アウトロでは
原田のボーカルも入ってクライマックスに達します。これも最高。
一転して四つ打ちのリズムパターンとわずかに歪んだストラト系のギターリフから疾走感たっぷり、
ダンサブルに始まる#3oh yeah!は、ストレートな8ビートとの間を行き来しながら、
ニューウェーブ的なシンセ、サビでは裏でカッティングが入るという#1を思わせるバッキングで
統一感が図られています。ギターソロは派手に歪んだ速弾きでピックスクラッチまで入っていて、
絶妙なミスマッチ感があります。
一風変わったドリーミーな#4(awa)は、大胆にエフェクトを掛けられてケロったボーカルと、
ローファイな歪みのギターがオクターブ奏法を噛ませて掻き鳴らされたバッキングのサビ、
メロ部分ではリズムに捻りを加えて、後半ではドラムンベースのようなフレーズが
取り入れられたりしています。
#5今夜はパジャマ☆パーティーは、再びレゲエ的なギターカッティングに少し重めに
チューニングされたドラムスで楽しげに始まり、サビ前半では一気にテンポダウンして
柔らかいシンバルレガートの鳴る中、ナイアガラサウンドを思わせるような
コーラスワークを入れてみたり、後半ではテンポを戻してポップに可愛らしくと
展開の多い一曲。これもお気に入り。
最後を飾るバラードの#6ばいばい は、タッチノイズの暖かみのあるアコギのアルペジオで
ボサノバを思わせるシンコペーションの入ったリズムパターンをバックに、
微かに右チャンネルでコズミックなシンセが鳴っています。中間部からは残響を抑えて
リズムボックス風の音になったドラムスが入ってR&Bっぽいアレンジが加えられていきます。
ギターソロは音数の絞られてジャジーで良いです。最高。

Saturday Night To Sunday Morning

サンキュー

1stEPダイジェスト

続いて、2ndEPです。

LISTEN TO THE MUSIC

ボーカルのブレス音から始まりメロディとユニゾンするシンセが派手なダンスチューン
#1LISTEN TO THE MUSICは、パーカッシブなシンセと重低音の効いたキックが
中心となっており、ギターサウンドもかなり後ろの方で鳴っていて、前作からの変化を窺わせます。
サビから一瞬でピアノのリフを中心とした静かなパートへと変化し、再び戻っていきます。お気に入り。
続いて電子音とサンプリングされたボイスが散りばめられた#2summer timeは、
歯切れの良いシンセのリフが80sを思わせます。サビはさながらテンポを落とした
ユーロビートのようで、ベースラインはオクターブの入った鮮やかなものになっています。
スラップベースによるソロが聴き所です。
生音に近い感じのブラスの入った#3day tripは、サビの展開が如何にもJポップ直球のサウンド
と言う感じで、柔らかいコーラスが幻想的な感覚があります。正直可愛いです。
硬質なカッティングと饒舌なベースラインがグル―ヴィーでジャジーな
#5baby i love youは、打ち込みっぽく音処理されたドラムスがデジタルな感覚を演出していて、
本作の空気にぴったり嵌っています。ラストサビにかけてコーラスの音遣いがソウルフルになっていて、
エレピの音も頽廃的です。アウトロで機械的に鳴っているローファイな
ハットの音が良い味してます。最高。
かなり大きな音量の四つ打ちキックとニューウェーブ風なキーボードのフレーズで掴まれる
#6dance floorは、Bメロに入った途端にシンセのシーケンシャルなフレーズが入って、
デジタルな感覚のある音処理にパッと変化する展開が意表を衝かれて面白いダークな
ダンスチューンです。お気に入り。
#7にはDJ WILDPARTYによる#1のリミックスバージョンで、完全なるエレクトロニカに変化しています。

個人的には1stEPの音の方が、シティポップス直系の音像で好みと言えば好みなのですが、
本人達的には2ndのエレクトロダンス路線で展開していきたいと考えているのではないか、
というのが筆者の予想です。
兎にも角にも、今年(もう年は明けてしまいましたが)聴いた中では最も今後の活躍が気になる
バンドの一つです。ライブも是非、行ってみたいです。
お勧めです。

LISTEN TO THE MUSIC

baby i love you

2ndEPダイジェスト

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  1. 2015/01/01(木) 03:03:42|
  2. Shiggy Jr.
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プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
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