私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(387)

Album: Introducing
Artist: Tortured Soul
Genres: House, Electronica, AOR, Soul

Tortured Soul

アメリカ、ニューヨーク、ブルックリン出身のハウス、エレクトロニカユニット。
2001年結成。2004年作の1st。
メンバーはChristian Urich(Dr, Vo), Jason Kriveloff(B, Chorus), Ethan White(Key, Chorus),
Angela Johnson(Guest Vo)となっていて、フロントマンはUrichです。

Urichはニューヨーク州立大学で音楽を学び、Jason Kriveloff, Ethan Whiteの二人と
バンドを組んで、Joey Negro, Kenny Dope, Soul Clap, Jamie Jonesなどのハウス~エレクトロ、
R&B, ヒップホップに影響を受けながら、Jamiroquaiに代表されるようなアシッドジャズを
取り入れた音楽性で活動していました。

彼らのデビューのきっかけは2001年に組んだアシッドジャズ系のバンド、Cooly’s Hot Boxでした。
当時、Urichの大学の同学年の友人で、ヴァイオリンを専攻していたAngela Johnsonを
このバンドに加えて、Might Do Something Wrongという曲を制作したところ、
これが地元ニューヨークのハウス系レーベルであるCentral Park Recordingsに注目され、
Tortured Soul名義でデビューを果たすこととなりました。
(Cooly's Hot BoxはR&B、ジャズ、ブラジリアンなどを巧みに取り入れた作品を作っており、
こちらもニューヨークのDJには人気を誇っていたようです。)

その後はニューヨークのハウス系のクラブで彼らの楽曲は密かな注目を集め、12インチシングルは
ヘビーローテーションとなっていたようです。Kruveloff, Whiteの二人は、アシッドジャズバンドの
Topazのメンバーとして活動しており、ニューヨークのジャズ系の
スタジオミュージシャンでもあります。

デビュー後はよりバンドサウンド指向へと音楽性を転換していき、80s的なディスコサウンドや、
Roy Ayersに代表されるようなフュージョン、ヒップホップのビート感を巧みにミクスチャーした
サウンドを生み出していきます。2006年に1stの本作、2009年には2ndのDid You Miss Me,
2013年にはセルフタイトルアルバム、そして今年の5月には4thアルバムが発表される予定で、
順調に活動を続けています。

公式のサイトでEDMの一形態として紹介されていることもあって、ダンサブルな打ち込みビートが
全体を貫いていますが、一部の曲の演奏は人力によるもので、ブレイクビーツを取り入れたり、
ジャズファンク的な粘りのある懐かしいグルーブを叩き出したりと飽きさせません。
しかしながら、コードは結構入り組んでいて複雑な響きになっており,
洒脱さ、浮遊感があって都会的な音像になっています。
今作ではまだゲストボーカルのAngelaが参加した楽曲を聴くことはできませんが、
彼らがデビューするまでの勢いを感じる楽曲がたっぷり収録されており、トリップできます。

#1I Might Do Something Wrongは、4つ打ちのキックとリムショットの入ったタイトでブラジリアンな
リズムパターンに、徐々に存在感を増してくるコズミックでローファイなシンセ、
ジャジーなエレピのコードをバックにして、柔らかいファルセットのボーカルが幻想的です。
後半にはピコピコシンセのリフが流れ、シンセが波のように押し寄せてきます。最高。
#2How's Your Lifeは、アップテンポになってかなりソリッドで密度の高いキックに、
それとは対照的な乾いたスネアのフィルが軽いグルーブを作り、#1と同じ音色のシンセが
蠢くイントロから始まります。こちらはメロディに展開が多くポップで、アシッドジャズ的な
一曲に仕上がっています。中間部から入ってくるファルセットのコーラスはD'Angeloの
それを思わせるようなか弱さがあって、デジタルなトラックに彩りを与えています。最高。
#3Whyは、ギターのカッティングのフレーズをサンプリングして配置し、シンセベースのリフが
左チャンネルに、低音のボイスサンプルが入ったミニマルなイントロから、
入り組んだコーラスワークで巧みにコードチェンジしていく構造は非常にAOR的で、
Steely Dan、最近ではOle Borudのようなブルーアイドソウルを思わせます。最高。
すこしレイドバックしたビートとディスコ的なベースラインが懐かしいリズムの#4Fall In Loveは、
乾いたギターのカッティングと、複雑なコーラスワーク、エレピのジャジーなソロで
聴かせる一曲です。これもキャッチーで素晴らしいです。お気に入り。
#5You Found A Wayは、冒頭のベースリフとポリリズミックな打ち込みのキック、
エレピのボサノヴァを思わせるコードバッキングで音数少なく進行していく一曲です。
コーラス、オルガン系のチルなシンセが入ってきて、ダンサブルなフックへと展開する瞬間は
鳥肌ものです。フックの終わりのキメもフュージョンライクで軽快なグルーブです。
トリルの多いエモーショナルなエレピソロから演奏はヒートアップしていきます。最高。
柔らかなシンバルレガートとリムショットと、一番ジャズしている生ドラムに
太く低音の強調されたメロディアスなベースが絡み付いた#6Epicは、1:30あたりから一気に
リズムチェンジを繰り返し、Chris Daveに近い人力リズムマシンとも言えるグルーブを
叩き出すUrichが良い仕事しているインストの長尺曲です。
ディスコライクな4つ打ちからTOPのような16ビート、そして後半に向けてテンポアップして
いきます。お気に入り。
#7Enjoy It Nowは、アフリカンなパーカッションと残響のカットされたハンドクラップに
揺らめくエレピによるミニマルな展開のイントロからラップ、コーラスが入って、
16ビートのコードカッティングが組み合わさって肉体的なグルーブが生まれていきます。
ピコピコシンセのシーケンシャルなフレーズは東洋的な香りがします。
そのままシームレスに繋がっていく#8Don't Hold Me Downは、エレピによるジャジーな
コードバッキングと、細やかにリムショットの入ったリズムパターンが落ち着いた、
都会的な雰囲気を醸し出しています。後半では女性ボーカルがリードボーカルになるパートが
挿入されています。
彼らによる完全な生演奏のフュージョン~AORの#9Love Everlastingは軽く疾走感たっぷりで、
エレピのハネたコードバッキング、Ramsey Lewisを思わせるようなファンキーな
ロングソロがフィーチャーされており、コードワークも意表を付いていて洒脱です。最高。
エレピの翳りのあるコードバッキングとアシッドジャズ的な軽い粘りのあるドラムスが
印象的な#10If You Want To Feel Alright, そして最後には日本盤ボーナストラックとして
生演奏によるジャズファンク#11Shush Birdyが収録されており、エレピの奇怪なバッキングが楽しめる
一曲となっています。

ダンサブルでそぎ落とされたクラブサウンドでありながらも、生演奏も適度に取り入れられていて、
アシッドジャズ的な軽いグルーブと時に意表を突いたリズムチェンジなど、
都会的な抜けの良いサウンドで、キャッチーさも十分です。
ソウルフル~ジャジーハウスの愛聴盤の一つ。

I Might Do Something Wrong

How's Your Life

Why

You Found A Way

Epic

Love Everlasting

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  1. 2015/04/10(金) 00:49:32|
  2. Tortured Soul
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  4. | コメント:4

今日の一枚(386)

Album: Somebody Else's Guy
Artist: Jocelyn Brown
Genres: Disco, R&B, Soul

Somebody Elses Guy

アメリカ、ノースカロライナ州キンストン出身のR&B/ハウス/ディスコ系セッションシンガー。
1950年生まれ。1984年作のソロ1st。

1970年代からセッションシンガーとして、Patrick Adamsによるサルソウル系の
スタジオプロジェクトであったMusique, Inner Lifeに参加し活動を開始します。
その後は、Cerrone, Bad Girls, Chic, Salsoul Orchestraなどにも参加しています。

1980年代に入ると、ソロ活動が活発になっていき、表題曲である#1Somebody Else's Guyは
Billboard R&B Singlesチャートで2位(Hot100では75位)の大ヒットとなり、
ディスコミュージックを代表する一曲として数々のコンピレーションに収録されています。

他にも、当時からHot Dance Music/Club Playのチャートには20以上の曲が入っており、
4曲が首位を獲得しています。90年代に入ると、ハウス~クラブミュージック界隈から、
アシッドジャズ界隈のバンドからも、ゲストボーカルとして抜擢され、
Culture Club, Boy George, Incognito(Always Thereでゲストボーカル)などのレコーディング、
ライブに参加しています。90年代には、彼女の代表曲の一つであるLove's Gonna Get You(1986)が
Snap!(ドイツのユーロダンスユニット), Right Said Fred,
Boogie Down Productions(ヒップホップグループ)といったジャンルの異なるアーティストに
元ネタとして使われており、影響力の大きさを感じさせます。

現在では廃盤になっているようで、価格高騰が見られるようですが、本作は彼女の
ソロデビュー当時の優れた楽曲が集められているので、一聴の価値ありだと思います。

とんでもなく声量があり、太く艶のある低音の響き、アタック感のあるボーカルは、
マシンによる無機質で硬質なビートにまったく負けておらず、迫力たっぷりで素晴らしいです。
パターンミュージック的なアプローチが大半を占めていますが、曲によっては後の
ハウスミュージックに近いビートやドラムベースのみによる展開の多さも特色といえると思います。

#1Somebody Else's Guyは、エレピの弾き語りから始まり、情感たっぷりにねっとりと歌い上げ、
ハットのカウントからリズムセクションが入ってきます。シンセによる特徴的なリフが入ってきて
一気に最高潮に達します。スラップの絡んだベースラインと、ピアノのコードがひたすらに
繰り返されながら高揚していく展開はオーソドックスなパターンミュージックで、
誰もが身体を動かしてしまうような魔力があると思います。後半ではコーラスとドラムス、
パーカッションのみのパート、そこにシンセやコードカッティングが入って来て、
音の差し引きをしていきながらクラブミュージック的に延々と続いていきます。最高。
機械的で重いビートと冒頭のベースリフ、カッティングのリフが繰り返される中で
ワウの掛かったシンセが自由自在に舞う#2Hot Bloodは、後半にかけてかなり怪しげな喘ぎ声が
入っておりますので大音量では聴き辛いです、というのは半分冗談で、ダークでハウスっぽさもある
ダンスチューンになっています。お気に入り。
トークボックスによるエフェクトの掛けられたボーカルと、中東っぽいシンセのメロディが
耳に残るイントロの#3I Wish You Wouldは、ハンドクラップがビシバシ入り、
低音弦の単音カッティングが引き締まったグルーブを作り出しています。これもお気に入り。
#4Hot Natured Womanは、ここまでの3曲と比べると、フィリーソウルのようなストリングスや
ファンキーで歯切れの良いホーンが入っていて、一味違ったアレンジになっています。
ベースラインはひたすら執拗なまでに同じパターンを繰り返しており、
ディスコにおけるベースラインの基本通りといった感じです。
ここからはリミックスやインストバージョンになります。
#5は#1のRap Versionということで、オリジナルのバックトラックにラップが乗せられています。
#6は#1のインストバージョンとなっています。
#7は#3のインストバージョンとなっています。
#8は#1のリミックスバージョンで、大きな変化はありませんが、コテコテだったアレンジが
すっきりとしたものになっており、ドラムスのフィルやシンセの音使い、ホーンなど
細やかに変更されています。これも良いです。

後半はリミックスとインストバージョンという作りで、実質4曲のアルバムということでは
ありますが、#1は間違いなくディスコミュージックを語るうえで外せない名曲の一つだと思います。
どこまでも伸びやかで力強いボーカルに圧倒され、
一晩中耳から離れません。身体が動きます。傑作。

Somebody Else's Guy

Hot Blood

I Wish You Would

Hot Natured Woman

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  1. 2015/04/06(月) 00:15:59|
  2. Jocelyn Brown
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今日の一枚(385)

Album: promenade
Artist: 北園みなみ
Genres: AOR, Fusion, Pops

Promenade.jpg


長野県、松本市出身、在住のシンガーソングライター、マルチプレーヤー、
ベーシスト、アレンジャー。1990年生まれ。2014年作の1stミニアルバム。

年齢と出身地以外についてはほとんどの情報が伏せられているため、詳細は掴みきれませんが、
幼いころから鍵盤ハーモニカを用いて身近なCM音楽などを耳コピするようになってから音楽に目覚め、
専門学校に通う傍ら、一人多重録音によって全ての生楽器を一人で演奏してオリジナル曲を
制作するようになります。専門学校時代にはバークレー音楽院の奨学金を獲得するも
行ってはいないようです。

当初はインストゥルメンタルの楽曲が中心だったようですが、
3年ほど前に自分でボーカルも取るようになり、SoundcloudやYoutbeに音源を
アップロードして行きます。

Soundcloudにアップロードされた自作曲の、緻密で洗練されたアレンジと複雑な楽曲構造が
話題を呼ぶようになり、Lampのメンバー(永井祐介、榊原香保里)などをゲストに迎えて
本作が制作されました。

本作では自身でストリングスやホーンのアレンジまで手掛けており、
全てスコアまで一人で書き上げてしまうほどということらしく、
自身が演奏する楽器では特にベースのアーティキュレーションやフレーズはJacoを思わせるような
部分があり、ジャズ~フュージョン指向のプレイが楽しめます。

楽曲の構成は変拍子(奇数拍子)や転調の多い構造で、一番近いのは初期のキリンジ
ということになると思います。楽曲は複雑でありながらもメロディラインはポップさがあり、
歌詞も大きく捻り過ぎていない部分に個性を感じます。
それに加えて、重ねられている楽器の数がかなり多く(聴き方によっては音を
詰め込み過ぎと感じるかもしれません)各楽器の音色を生かして、単旋律を複数配置して
より音の混ざったコード感、積極的に新たな音色の響きを生み出そうとしていることが窺われます。

残念と感じたのは、録音状態があまり良くないため、各楽器の分離が明瞭でなくモコモコした
音になってしまっている点、(マイクの性能、マイキングの仕方が良くないのではないかと思いますが)
と、彼自身のボーカルの表現がまだ訥々としており、メロディが前に出てこないために、
一曲一曲の印象が残りにくい、どこを聴かせたいのか若干分かりにくくなってしまっています。

しかし、そういった些末な問題を除けば、かなり高品位で良質なシティポップに
仕上がっていることは間違いなく、今後のさらなる活躍が楽しみで仕方がない才能だと思います。
またインタビューでも、音楽で大金を稼ぎたいというタイプでは決してなく、
職人気質でこだわりの強いタイプと見受けられ、山下達郎や大瀧詠一とダブって見えます。

冒頭を飾る#1ソフトポップは、イントロからエレピのコードとストリングスの不穏なパートから、
複雑なキメを連発してフィラデルフィアソウルのようなストリングスが舞うという多彩さで、
サビ部分の展開にはやはりキリンジを思わせます。フュージョンライクなギターソロに
エレピのソロと、インスト部分の展開の多さ、緊張感はプログレ的と言ってもいいと思います。最高。
#2電話越しには、エレピによる東洋的、ニューウェーブ的なフレーズをモチーフにしながら、
ギターとベースのユニゾンによるオブリガートが絡みつく展開が面白いです。
それに対してリズムは非常にストレートで揺れが少なく、生々しいアコギのアルペジオが
デジタル感あるトラックの中で映えています。電話機のベルの音が入ったインストパートから、
女性コーラスをフィーチャーした後半部へと移り変わっていきます。最高。
単音カッティングとホーンが左右に振られ、ピアノの流麗な#3Vitaminは、
メロ部分では音数が減っていきエレピのサスティーンの短いコードと、スライドの多いクリーンの
リードギターが自在に動き回っており、ソロも長めです。お気に入り。
音頭のリズムから始まって目まぐるしくリズムチェンジして、7拍子の中東音楽っぽくなったり
ワルツになったりと、最もプログレ的な側面の強い#4プラスティック民謡は、
ドライブ感のあるドラムスの抑揚のついたプレイが素晴らしいと思います。
音頭部分での主旋律はかなりクラシカルです。最高。
かなり入り組んだホーンのアレンジが施されており、ピアノによってしっかりとコードが
提示される構造は80sのAORの空気を感じさせる#5ざくろは、一番SDに近い一曲だと思います。最高。

僅か5曲のみのミニアルバムですが、既に非常に完成度が高く、各楽器の演奏やアンサンブルの
堅さも文句の付けようがないクオリティーです。
兎にも角にも恐ろしい若い、同世代の才能が誕生したと思います。
心から応援して行きたいと思います。管理人イチ押しの一枚です。傑作。

ソフトポップ

公式のダイジェスト動画 全曲のハイライトがミックスされています。

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  1. 2015/04/05(日) 02:39:24|
  2. 北園みなみ
  3. | トラックバック:0
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今日の一枚(384)

Album: Electrified
Artist: Ernie Hines
Genres: Soul, R&B

Electrified.jpg

アメリカ、ミシシッピ州出身のソウル/ゴスペルシンガー、ギタリスト。1938年生まれ。
1972年作の1st。発表されているオリジナルアルバムは本作のみです。
名門Chess Records, Stax Recordsと契約を結んでおり、本作はStax Records
(正確にはStax傘下のWe Produceから)から発売されています。

元々はスタジオミュージシャン、ギタリストとしてブルース系のシンガーやロックンロール系の
シンガーのバックで演奏しており、Clyde McPhatter(1932-), Slim Harpo(1924-1970)などの
バックで演奏しています。

ギタリストのソロアルバムということで、バラードなどでは彼自身の歌唱は若干不器用な部分が
見え隠れしてしまいますが、バックを固めているのはBooker T. & The M.G.の面々ということの
ようで、(筆者が所有しているのが輸入盤でクレジットが載っていませんでしたので確実ではないです)
非常に鋭く手数の多いドラムスをはじめとして、全編が重く、腰に来るグルーブ、
極めて高い完成度の演奏で統一されており、ファンキーで泥臭いサザンソウルになり過ぎず、
柔らかいストリングスアレンジなどが加わって輝きを放っています。

また、#9Our Generationは、90年代にオルタナティブヒップホップ~ネイティブタンの方面で
評価を得たPete Rock & C.L. Smooth/Straighten It Outの元ネタとして使われていたり、
最近ではThe Roots & John LegendのカバーアルバムWake Up!でも取り上げられたりしており、
(The Roots, John Legendの項を参照)レアグルーブとしての評価も高い作品です。
他にも、Sam Cookeのカバーである#7A Change Is Gonna Comeなども収録されています。

スローテンポのバラード#1Electified Loveは、レゲエ的なカッティングと牧歌的な雰囲気を
醸し出すコーラスに、重みのあるドラムスのフィルが鋭く切り込みます。
フィリーソウル的な大仰なストリングスのイントロから始まる#2Come On Y' Allは、
音数が減ると太いベースのアタック音やシンコペートしたベースラインが気持ち良いです。最高。
繊細なクリーントーンのリードギターがメロウなオブリガートを決めている
ゆったりとしたシルキーなバラード#3Your Love(Is All I Need)も、レイドバックしたドラムスと
どっしりとしたベースライン、ストリングスの絡みが素晴らしいです。最高。
ミドルテンポのバラードでありながら、手数の多いフィルが16っぽいフィーリングを与え
楽曲を盛り上げる#4What Would I Doもお気に入り。
歪ませたギターのカッティングが疾走感を演出する#5Sugar Plum(Gimme Some)は、
とりわけロックンロール的なアプローチの一曲で、派手なホーンや女性コーラスに、
パワフルなドラムスもしっかりと嵌っています。最高。
#7A Change Is Gonna Comeは、オリジナルのバージョンと比べてしまうとボーカルの表現が
淡白な感じではありますが、これはこれで哀愁漂っていて良いです。
再びレゲエ的なカッティングに極限までシンプルなベースライン、サビ前まではどっしりと重く、
パワフルに、フィルで曲の展開を動かすドラムが作るグルーブが堪らない
#8Explain It To Her Mamaも最高です。
強烈な音圧を伴って踏まれるキックのダブルが印象的なリズムパターンに、
クリスピーなカッティングとスライドを絡めたギターリフ、歯切れのいいホーンがファンキーな
#9Our Generationは、インスト部分の単音リフとホーンの絡みも完璧です。最高。

サザンソウル、スタックスとは言えども、アレンジのお蔭でシルキーで柔らかな
サウンドとなっていて、ロックンロールにも繋がるようなタイトなリズム隊が組み合わさって、
ハードでありながらグルーヴィーな一枚です。正にサザンソウルの隠れた名盤。

Come On Y' All

Your Love(Is All I Need)

Sugar Plum(Gimme Some)

Our Generation

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  1. 2015/04/05(日) 01:30:49|
  2. Ernie Hines
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

SMAPのオリジナルアルバムに参加しているスタジオミュージシャンたち

お世話になっております。私的名盤紹介管理人のSystematic Chaosです。

時が経つのは早いもので、もう自分も医学部5年生となり、学生生活も残り2年間となりました。

やはり先月も忙しい生活が続いていてなかなか更新の機会に恵まれず、
Twitterの方も浮上頻度は少なかったと思います。

それでも新たな作品にはかなりたくさん出会っており、レビューしたい作品も溜まってきておりますので、
ポリクリ実習の合間を縫って更新を続けていきたいと思っております。
宜しくお願いします。

Twitterはブログに比べれば頻繁に呟いておりますし、チェックしておりますので、
何かしらメッセージがございましたらリプライを下さると宜しいかと思います。

というわけで、今回は表題の通り、日本を代表する男性アイドルグループであるSMAPの
オリジナルアルバムについて、少し紹介したく思います。

かなり前に、SMAPの楽曲を一流のスタジオミュージシャン達が集まってインストゥルメンタルにアレンジした
SMAPPIES(スマッピーズ)というアルバムを紹介しましたが、
これは90年代当時フュージョンファンたちにかなり評判が良かったようです。

彼らのオリジナルアルバムでは当然メンバーたちのボーカルが入っているわけですが、
そのオリジナルトラックのバッキングも、かなり凄いことになっているというお話でございます。

最近のSMAPの作品も決して悪いわけではないのですが、演奏とアンサンブルという面では打ち込み中心の
トラックとなってしまい、面白味には欠ける部分が強いと個人的には思います。

「優れた歌もののフュージョン」という点で評価できるのは、具体的には
SMAP 07~Gold Singer(1995), SMAP 008 TACOMAX(1996), SMAP 009(1996),
SMAP011 ス(1997), SMAP 012 VIVA AMIGOS! (1998)
」の4枚
ということになるかと思います。

それぞれの楽曲の解説をしてもいいのですが、かなり冗長になってしまうので、
ここではそれぞれの作品に参加しているミュージシャンを列挙するに留めたいと思います。
順序としては、その作品で登場回数が多い人を前に書くようにしております。
ここに書いてあるスタジオミュージシャンが好きな方なら、SMAPのオリジナルアルバムは
必聴だと思います。どれも最高のグルーブが詰まっています。

下の動画はニコニコ動画にアップロードされているもので、ドラマーに注目して
SMAPの曲をコンピレーションにしてあります。バックトラックに注目して聴いてみて下さい。面白いです。



SMAP 07~Gold Singer(1995)
Drums: Omar Hakim, Vinnie Colaiuta, Dennis Chambers, Bernard Purdie
Bass: Will Lee, Chuck Rainey
Guitar: David T. Walker, Wah Wah Watson, Hiram Bullock, Nick Morock, Michael Cambell, Ira Siegel
Piano, Key: Philippe Saisie, Jim Beard
Tenor Sax: Michael Brecker
etc

SMAP 008 TACOMAX(1996)
Drums: Omar Hakim, William ``JuJu'' House, Steve Gadd, Steve Ferrone
Bass: Will Lee, Anthony Jackson
Guitar: David T. Walker, Wah Wah Watson, Hiram Bullock
Piano, Key: Philippe Saisie, Jim Beard
Tenor Sax: Michael Brecker
Chorus: 佐々木久美
etc

SMAP009
Drums: Omar Hakim, Dave Weckl, Anton Fig
Bass: Will Lee, Tony Levin, John Patitucci
Guitar: Hiram Bullock, Ray Parker Jr., Jeff Golub, Dean Brown
Piano: Greg Phillinganes, Phillippe Saisse, Gil Goldstein
etc

SMAP WOOL(2枚目のベストアルバム)
Drums: Omar Hakim, Bernard Purdie, Dave Weckl,Poogie Bell, 神保彰、青山純
Bass: Will Lee, Chuck Rainey, John Patitucci, Victor Bailey、伊藤広規
Guitar: Wah Wah Watson, Ira Siegel, Nick Morock, 斉藤秀夫
Piano: Phillippe Saisse, Gil Goldstein, 重実徹
etc

SMAP 011 ス
Drums: Narada Michael Walden, William "JuJu" House
Bass: Will Lee, Barry Campbell
Guitar: Nile Rodgers
Piano: Leon Pendarvis
etc

SMAP 012 VIVA AMIGOS!
Drums: Steve Smith, Omar Hakim, Wiliam "JuJu" House
Bass: Will Lee
Guitar: Mike Campbell
Keyboard: 中西康晴
Sax: Kenny Garrett
Chorus: The Manhattan Transfer
etc

といったメンバーで、
これまで私的名盤紹介でレビューしてきた作品に参加してきたミュージシャンが
数多く登場していることが分かるかと思います。

フュージョンファンの方であれば間違いなく楽しめる内容になっていると思いますので、
是非聴いてみて下さい。筆者にとっても愛聴盤ばかりですし、中古でも安いです。

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関連記事
  1. 2015/04/05(日) 00:06:56|
  2. 雑記(音楽関連)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
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こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。

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