私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

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今日の一枚(396)

Album: Adriana Evans
Artist: Adriana Evans
Genres: R&B, Soul, Hip Hop, Funk

Adriana Evans

アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ、ロサンジェルス出身の
シンガーソングライター。1974年生まれ。1997年作の1st。
Billboard Top R&B/Hip-Hop Albums chartでは33位。

ジャズシンガーである母、Mary Stallingsと、ジャズサックス奏者である代父のPharoah Sandersの
影響もあって音楽一家に育ち、始めはジャズ、ブルースを中心に聴いていた彼女は、父の影響で
アフロミュージックやキューバ音楽に親しむようになっていきます。

18歳の時に大学入学のためロサンジェルスに移住し、ラッパー、作曲家であるDred Scottと
出会い、共に音楽活動を行うようになります。1994年にはScottのデビューアルバムである
the Vibe(RCA Records)にゲストボーカリストとして参加、1997年には彼女がScottの
プロデュースにより1stアルバムである本作をRCA Recordsから発表します。
この後二人は結婚し、現在に至るまで夫のプロデュースで一貫して5枚の
オリジナルアルバムを発表しています。

1stアルバムのヒットに伴って、周囲からのプロデューサー斡旋、ビジネススタイルに嫌気が
差したということだそうで、7年間各地を旅しながら、PMP RecordsのCEOであるPaul Stewartの
紹介で業界に復帰することになります。

今作はネオソウルブーム~UKソウルブームが到来する90年代後半の作品で、
ヒップホップの影響が見られるルーズなビートを、生音中心に組み立てていて、
ディーバタイプのアメリカのR&Bのようにギラつき過ぎず乾いたUK寄りの音でありながら、
キャッチーなソウルとなっています。楽曲によってはCurtis Mayfieldのような
シルキーなソウルから、ディスコ、ブラコン~クワイエットストームな風味の楽曲も
あったりと飽きさせません。Evansのボーカルは太すぎず細すぎずといった具合で、
リラックスして聴ける一枚だと思います。

#1Love Is All Aroundは、左チャンネルを流れる単音カッティングは
Luther Vandross/Never Too Muchを思わせるようなフレーズを鳴らし、
柔らかいホーンのバッキングが合わさったソウルフルなトラックですが、ドラムスの音は
乾いていて、遠くに定位された上物と生々しいボーカルの対比が美しいです。
緩くレイドバックしたグルーブに満ち満ちています。最高。
#2Seeing'Is Believingは、ハンドクラップとぶっといベース、オクターブを絡めたカッティングに
揺れ動くエレピ、キャッチーなサビが絡みついたダークでタイトなディスコチューンといった
趣の一曲。これも最高。
生音でありながらもブラコン~クワイエットストームな展開、クリスピーなギターと
挿入されるホーンがグルーブにタイトさを与えている#3Heavenもお気に入り。
硬くリバーブの掛かった、ヒップホップ的なマシンビートに男女ツインボーカルの
ハーモニー、ラップがフィーチャーされた#5Hey Brotherは、Ronny Jordanのような
アシッドジャズからの影響も感じられるようなトラックに仕上がっています。
一際メロディアスでリッチな音像で、Curtis Mayfieldを思わせるような#6Trippin'は、
パーカッションの音が全体にアコースティックでリラックスした雰囲気を与えています。
ピアノ弾き語りを基本としてしっとりと歌を聴かせる#7I'll Be Thereに続いて、
#8Love Meは、再びもたれかかったビートとパワフルなボーカル、様々に散りばめられた
トランペット、カッティングやフルートが味付けするモダンなR&Bです。
クラシカルなモータウンサウンドを思わせる爽やかなコーラスワークとシンプルなバッキングの
#9Looking For Your Loveも良いです。
スローテンポのバラード#11Say You Wantは、レゲエ的なカッティングとトランペットの
フレーズを中心に組み立てたトラックに、甘い高音ボーカルが良く合っています。
#12In The Sunは、伸びやかなファルセットボイスがフィーチャーされたボーカルと、
ファンキーな打ち込みドラム、ホーンのループでコンパクトに聴かせます。

生音中心のアレンジで、きゃつちーさの光る前半、モダンな打ち込みとファンキーな
展開でグルーブを作る後半と、すっきりと聴ける一枚となっています。
97年という時代を考えても、アシッドジャズでも、音圧のあるモダンなR&Bでも、
またはオーガニックなネオソウルでもヒップホップでもなく、
古き良きソウルからの影響を上手く現代風に昇華した一枚として、高い完成度だと思います。佳作。

Love Is All Around

Seeing Is Believing

Heaven

Hey Brother

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  1. 2015/07/17(金) 16:27:18|
  2. Adriana Evans
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今日の一枚(395)

Album: Cosmosquad
Artist: Cosmosquad
Genres: Progressive Rock, Fusion, Hard Rock

Cosmosquad.jpg

アメリカ、オハイオ州トレド出身のフュージョン系テクニカルギタリストである
Jeff Kollmanを中心として結成されたフュージョン、プログレッシブロックバンド。
1997年作の1st。長らくリイシューされておらず、入手困難な状態が続いている作品です。

12歳の時にVan Halen, Randy Rhoadsなどに影響を受けてギターを始めた彼は、
14歳の時に地元オハイオ州のハードコアパンクバンドThe Stainのギタリストとして
活動を開始します。1986年には初めてのオリジナルアルバムであるKnow the Scamを発売しています。
デビュー後はシュラプネルレコード所属のテクニカル系ギタリストとして
2枚のオリジナルアルバムを発表するなどしています。

1992年から98年頃までは、アメリカ中西部を中心としてバンドを組んで3枚のオリジナルアルバムを
発表しています。当時から長きにわたって活動を共にしてきた人物としては
ベーシストのKevin Chownが挙げられます。最近では、Red Hot Chili Peppersのドラマーとして
知られる、Chad Smith率いるインストゥルメンタルファンクロックバンドである
Chad Smith's Bombastic Meatbatsでも、Kollmanと共に参加しています。

1995年にアリゾナ州の州都フェニックスへと移住し、スタジオミュージシャンとして
Linda McCartney, Lyle Lovett, Wayman Tisdaleなどのバッキングで活動をする傍ら、
Michael Schenker Groupのドラマー、ベーシストである
Shane Gaalaas(B'z, MSG, Yngwie Malmsteen, Vinnie Moore)と
Barry Sparks(Yngwie Malmsteen, MSG, Dokken, UFO, Scorpions, B'z)
をメンバーに加えて、今回紹介するCosmosquadを結成することになります。

その後の活動としては、メンバーとの繋がりもあってUFOのボーカリストであるPhil Moggとの
コラボレーションによるアルバム($ign of 4, 2002)を発表したり、Deep Purpleの
ベーシスト/ボーカリストのGlenn Hughesとのアルバム(Songs in the Key of Rock, 2003)、
RainbowのボーカリストであるJoe Lynn TurnerとのプロジェクトHTP 2など、
そして2007年からはRHCPのChad SmithとのBombastic Meatbatsで活動して2009年、2010年、2012年に
アルバムを発表しています。

2012年には久々にソロ名義によるアルバムとなるSilence in the Corridorを発表し、
Ray Luzier, Billy Sheehan, Steve Lukatherなどとの共演も果たしつつ、
現在に至るまで活発に活動を続けています。

筆者は今年4月に行われたライブに参加して、その会場で貴重盤となっていた本作を
ようやく入手して聴くに至りました。内容としてはシュラプネル系のテクニカルギタリスト
らしく、バリバリな速弾きとプログレ的なキメを連発した硬質なフュージョンとなっています。
しかしながらリズム隊のグルーブにはファンキーさ、粘りやうねりがあり、
ギターの音もあまり歪んでいないため、かなりクリアな音で、キャッチー、グル―ヴィーな
インスト作品に仕上がっています。日本人としては、B'zのバックバンドを務めた二人が
この作品では実力を如何なく発揮し緊張感あふれるプレイを見せているので、
B'zファンにも是非遡って聴いていただければと思います。

プレイの激しさとジャム感の溢れる曲たちでありながらも、ハーモニー的には
ジャズ~フュージョンの影響が色濃く見受けられ、曲によってはラテンを取り入れたものも
あったりと、このあたりがプログレ的であると言われる所以なのかもしれません。

ライブを見たりベスト盤、ソロ、そしてこのCosmosquadなど聴いた感想としては、
フュージョン人気の高い国内ならば、もっと知られても良いギタリストだと思いますし、
アドリブの能力に関しても、他のシュラプネル系のギタリストと全く遜色ないどころか、
正確性とトーンの美しさ(クリーンではEric Johnsonのそれに近いストラトのトーン)に関していえば、
世界的に見てもトップレベルのギタリストと言って、全く過言ではないと思います。

#1El Perro Vailaはバリバリと歪んだファンキーなカッティングから入るメロディアスな
フュージョンで、テーマとなる部分はラテン色のあるフレーズとなっています。
後半からは高速のタッピングフレーズや高速フルピッキングの連発で、
ブルージーなパート、ベースソロにドラムソロと、テクニカルフュージョンにも関わらず
グルーヴィーなリズム隊が彼らの個性を打ち出していて素晴らしいと思います。最高。
続いてテンポを落としたブルージーな#2Three A.m.でも、粒の揃ったタイトなカッティングや、
繊細なスネアロール、シンバルレガートでジャジーなリズムと、後半では高速のスラップが入った
ベースソロを挟んで、Allan Holdsworthを思わせるような変態なソロへと繋がっていきますが、
ピッキングのニュアンスがハッキリ出ていて、ファンキーな歌わせ方で、自分の好きなタイプです。最高。
ストレートアヘッドな4ビートにウォーキングベが乗ったリズムのース#3The Sceneは、
澄んだクリーントーンでの怪しげなフレーズを堪能できます。
続いて一気に強く歪んだ変拍子満載のプログレメタル~フュージョンの#4I.N.S. Conspiracyは、
極めて複雑なキメを連発しながら、ハードな速弾きをひたすらに楽しめる内容となっています。
リズム隊もへヴィーで本領発揮という感じです。最高。
冒頭はファンキーに、後半に向かうにつれてゴリゴリに歪んだスラッシーなサウンドへと変化していく
#5Epapo Funkに続いて、アコギに持ち替えた穏やかなバラードの#6Missing Youは、
ピッキングのニュアンスまで細やかに伝わってくる80s後半のスムースジャズ的なサウンドに仕上がっていて、
これもまたお気に入りです。
シャッフルのリズムと弾きまくりのベースラインにハードな歪みのギターが乗った一風変わった#7Stretchhogは、
#1のテーマを思わせるようなラテンテイストのあるフレーズを随所に出しながら、エグイバスドラム連打が
細かく入ったパワフルなドラムソロがフィーチャーされています。
続いてピアノのコードバッキング、ソロが涼しげなスローテンポでアコースティックな#8Pugs in Central Park、
さらにテンポを落としたジャジーで重いリズムに浮遊感のあるフレーズが映えている#9Slowburnは、
トランペットソロのムーディーさが素晴らしいです。
へヴィーな8ビートに薄くかけられたストリングス系のストリングスとブリブリしたベースをバックに
変幻自在に弾き倒している#10Galactic Voyageは、絶妙にアウトしたフレーズ満載で、キャッチーで
エモーショナルなチョーキングの入ったテーマ部分と綺麗な対比が成立しています。最高。

ハードなテクニカル系のフュージョンといっても、難解になりすぎず、キャッチーでファンク的な
グルーヴィーさもあり、乾いたサウンドと合わさってすっきりと聴ける一枚だと思います。
シュラプネル系のギタリストの作品の中でもかなり好きな作品です。愛聴盤。

El Perro Vaila

Three A.m.

I.N.S. Conspiracy

Missing You

Galactic Voyage

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  1. 2015/07/12(日) 10:59:45|
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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