私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第41回「ニュージャックスウィング/ネオブギー特集」セットリスト

私的名盤放送第41回「ニュージャックスウィング/ネオブギー特集」セットリスト

MOLDIV(2)41回2 500

MOLDIV41回3 800

MOLDIV(1)41回1 500


「放送アーカイブはこちらから」

M1 片思い同盟 /ラ・ムー 『Thanks Giving』 (1988)
M2 Only If the Mood Is Right (feat.J Hunter the Wolf) /Derric Gobourne Jr. 『SUPERMACY』 (2018)
M3 Let Me Love You /Chuckii Booker 『Chuckii』 (1996)
M4 Punch Drunk Love /Lucky Tapes 『dressing』 (2018)
M5 サングラス /宇多田ヒカル 『DISTANCE』 (2001)
M6 Better World /Omar Chandler 『Omar Chandler』 (1991)
M7 Rain /SIRUP 『SIRUP EP2』 (2018)
M8 All I Do Is Thinking of You /Troop 『Attitude』 (1989)
M9 Tell Me Baby /Official髭男dism 『エスカパレード』 (2018)
M10 Without Love /Revelation 『Revelation』 (1982)
M11 Mr.Telephone Man /New Edition 『New Edition』 (1984)
M12 Never Want To Live Without You /Eric Benet 『Lost in Time』 (2010)
M13 Teenage Fantasy /Jorja Smith 『Lost & Find』 (2018)
M14 背中合わせのCRESENT /広田恵 『Gray』 (1991)
M15 Ready Or Not /Midas Hutch 『The Feels』 (2018)
M16 RIDE /TENDRE 『NOT IN ALMIGHTY』 (2018)
M17 Someone To Love /Mint Condition 『From the Mint Factory』 (1993)
M18 If You Want It /Soul for Real 『Candy Rain』 (1995)
M19 ひと恋めぐり /柴咲コウ 『Single Best』 (2007)
M20 Heavy Love Affair /Marvin Gaye 『In Our Lifetime』 (1981)

【放送後記】
なかなか忙しく放送できておりませんでしたが、いかがお過ごしでしょうか。
段々寒くなってきましたが、近ごろ花粉が飛んでいるのか、眼の痒みや鼻汁が再度出現してきております。
まだインフルエンザのアウトブレイクには至っていませんが、マスクなど感染防御に気を付けるようにされてください。

今年は年末年始の勤務が少ないこともあり、放送も力を入れていこうと考えております。
年間ベストについて、特別番組を組んでみようかと計画中です。

さて、久々の放送では、第1, 29, 30回で特集してきましたニュージャックスウィングについて、
最近聴いたものを中心に選んでみました。

GuyのTeddy Rileyとともにアポロシアターアマチュアナイトで優勝した経歴のあるOmar Chandlerの1stフル、
セルフタイトルからスウィンギーなビートとEmotionsを思わせるコーラスが心地いいBetter Worldを選びました。
商業的には成功しなかったようで、その後の活動については謎が多い人物です。

Jackson5の時代から、優れた歌唱力、パフォーマンスを備えた少年を集めたコーラスグループは数多く存在しますが、
ニュージャックスウィング時代のそうしたグループからいくつかお掛けしました。
Whitney Houstonの元夫でもあり、のちにニュージャックを代表するシンガーとなるBobby Brownのほか、
名曲Poisonを生んだBell Bev DevoeのRicky Bell, Ronnie DeVoe,ソロでも活躍したRalph Tresvantなど、
90sR&Bを彩るスターを生み出したスーパーグループ、New Editionの2ndからは、
「ジャマイカのMichael Jackson」といわれたJr Tuckerの楽曲のカヴァー、Mr. Telephone Manを。
AOR~ブルーアイドソウルのファンにもたまらないメロウチューンです。プロデュースはもちろんRay Parker Jr.です。

Uptownからデビューしたニューヨーク出身の4人組のボーイズユニット、Soul for Realの1st,
95年作はニュージャック世代を代表するラッパー、プロデューサーのひとり、Heavy Dがプロデュースを務めており、
USR&Bチャート5位のスマッシュヒットとなりました。そこから一際乾いたビート、イントロの妖しげなコーラスが心地いい、
ダークなIf You Want Itを選びました。すでにヒップホップソウルの暗さを漂わせています。

現代のヒップホップ~ジャズの中心人物の一人でもあり、ネオソウル以降のリズム革命の一端を担ったドラマー、
Chris Daveがかつて所属し、ZappのRoger Troutmanの息子Roger Lynch, Stokley Williamsらを中心としてミネソタで結成された
ファンク~ソウルバンドMint Conditionから、初期の絶品クワイエットストーム、Someone to Loveは必聴です。
打ち込みがR&Bの中心となっていくなかで、あくまで生演奏にこだわり、
これほどリッチな音を作り出すグループは極めて貴重です。
Mazeとともに、日本ではあまり知名度が高くない印象で、もっと聴かれてほしいグループの一つです。

LA出身のプロデューサー、ドラマーのChuckii Bookerは、Kipper Jonesが所属し、Mtumeもプロデュースにかかわった
Teaseに参加し、Gerald Albrightのスムースジャズ傑作、Smooth(1994)への参加でも知られています。
プロデューサーとしては今回掛けたTroop, CJ Antony, Lalah Hathaway(ソロ1stではJeff Porcaroが参加、第37回)
, Angela Winbush(Isleysのプロデュース、復活にも関与)の作品を手掛けています。
ソロの89年作からはイントロのドラムブレイクから一気に引き込まれる(Bruno Mars/Finesseの下敷きになっているのでしょうか)
Let Me Love Uが白眉でした。ファルセットでありながら迫りくる勢いのあるボーカルワークも素晴らしい。

Troopは5人組のボーカルグループで、うち2人のバリトンを有する太いコーラスワークにChuckiiの作り出す
シャープなサウンドが加わった名盤で、スロウからアップまで名曲連発で、これも必聴です。

その他では、ここ2年ほどずっと探し続けていた、菊池桃子さんの結成したAOR~ブラコングループ、
ラ・ムーの唯一のフルアルバムをようやく手に入れました。上坂すみれさんもラ・ムーからの影響をラジオで述べており、
ニューシングルの「ノーフューチャーバカンス」のサウンドもラ・ムーを意識していると思われる部分が散見されます。
あらためて聴いてみると、全盛期の角松敏生のカラッとしたリゾートミュージック的な音に、ミステリアスな魅力のある
声が重なることで、独特な魅力を生み出しています。Earth, Wind & Fire的なキメの多い片想い同盟がお気に入りです。

かつてのNJSのサウンドを現代に見事に蘇らせたDerric Gobourne Jr.の1st, 2018年作は今年聴いた新譜の中でも
かなりの完成度でした。Au Dreと合わせてNJSリヴァイバルでは外せない一枚になったと思います。
ベースラインの作り方はUKソウル、アシッドジャズを思わせる部分もあったり、全体の録音は密室度が高く現代的なミックスで、
やはりBruno Mars/24k Magicと並べて聴きたい一枚です。

Bruno Mars/Finesseを思わせるトラックReady or Not収録の、Midas Hutch(Midnight Star/Midas Touchあるいは
山下達郎の同名曲からもじって名付けたのでしょうか)のアルバムは、「シティソウルディスクガイド」の
小渕晃さんのTwitterから発見したネオブギーの好盤でした。そのほかにも素晴らしいブラコンリヴァイバルに満ちています。
かつてのSadeを思わせる脱力したボーカルと、ヒップホップソウル的なチキチキしたビート、
しかしながら揺れるエレピの音が頽廃的なTeenage Fantasy/Jorja Smithは最新UKソウルの良作でした。

JPOP, 邦楽R&Bのいずれの視点から見ても偉大なSSWである宇多田ヒカルの2ndからは、
まだヒップホップソウル~ティンバランドサウンドの香りがするサングラスを選びました。
アレンジを務めるのは村山晋一郎で、宏実、三浦大知、Full of Harmony, CHEMISTRY, Crystal Kay, 鈴木雅之、
Sowelu, 平井堅(ex-girlfriend, KOL), 古内東子などを手掛けています。
邦楽R&B形成の重要な役割を果たした一人といえるでしょう。EXILEの初期を支えたJin Nakamuraの手掛けた
柴咲コウの名曲と合わせて、あの時代のいわゆる「普通のJPOP」がいかに優れていたかを振り返ります。

最新の邦楽ブラックミュージックでは、島根出身のロックバンド、Official髭男dismのフルアルバムから、
80sソウル色の強いTell Me Baby(サビでの繰り返し、ボーカルの性質からはKPOP的な魅力も)、
ゴスペラーズ黒沢薫も絶賛したネオソウルユニット、SIRUPの最新作が面白かったです。
SIRUPは現代ジャズ、EDM、ラップトップミュージックの感覚を持ちながらも、アシッドジャズ的なハーモニー感覚を
匂わせていて、ダンサブルで聴きやすく仕上げていると思います。今後も目が離せません。
キリンジ的なジャジーなハーモニーにチルアウトな電子音、脱力したボーカルに
ブリブリのベースが絡みつくトラックメイカー、TENDREの最新作も紹介しています。

かつてGeorgy PorgyのカヴァーをFaith Evansと共作したニュークラシックソウルの旗手、
Eric Benetの脂の乗り切ったボーカルが身体じゅうに染み込む2010年作は、Babyfaceの参加した楽曲もあったりと、
彼がとりわけAOR的なサウンドに親和性が高かったことを思い出させてくれる一枚です。
どこまでも甘く、そして分厚いコーラスとリッチな生演奏に支えられた濃厚さが素晴らしい。

そして必殺のレアグルーブでは、RSOから75年にデビューしたボーカルグループ、Revelationのラスト作、82年作が最高でした。
プロデューサーはChi LitesのほかポストHerbie Hancockとも評された鍵盤奏者、Rodney Franklinや
Ramsey Lewisなどを手掛けたTom Tom 84が担当し、フィリーソウル関連のスタジオミュージシャンが参加しています。
その中からEarth, Wind & Fire/After The Love Has Goneを思わせる壮大なサビが堪らないAOR, Without Loveは圧倒的です。

今回もやや駆け足の放送となってしまいましたが、最高にグルーヴィーで濃厚な内容になったかと思います。
次回もお楽しみに。

前編

中編

後編

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  1. 2018/12/02(日) 13:13:38|
  2. 私的名盤放送セットリスト
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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