私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

お洒落系声優ポップスSpotifyプレイリスト(声優レアグルーブ/声優シティ・ポップ) のご紹介

お洒落系声優ポップスSpotifyプレイリスト(声優レアグルーブ/声優シティ・ポップ)
のご紹介


声優シティポップ

↑プレイリストに収録されている代表的な作品たち

PopSkip/伊藤美来(2019)
Empathy/上田麗奈(2020)
JUNCTION/早見沙織(2018)
[Core]/駒形友梨(2018)
Blue Compass/水瀬いのり(2018)
ALIVE & KICKING/水樹奈々(2004)
歩いていこう!/東山奈央(2020)
apple symphony/竹達彩奈(2013)
ノーフューチャーバカンス/上坂すみれ(2018)



ここ数年来、再評価の流れにあるシティポップ・AORに関して、私的名盤紹介/私的名盤放送では
新旧様々なアーティスト、楽曲を紹介してきました。

また一方で、CDメディアが終焉へと近づくにつれて、ストリーミング/サブスクリプションサービスで取り上げられずに
埋もれてしまったJPOPが無数に存在します。

こうした作品たちに光を当てたディスクガイドが「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」でした。
このオブスキュア~でも数多く取り上げられたのが「声優ポップス」です。

シティポップ, 渋谷系のサウンドを取り入れた声優ポップスの代表として語られるのが、
花澤香菜さんと北川勝利さん(ROUND TABLE)のタッグでしょう。
花澤さんの場合は、アルバムごとに様々な時代・地域の音楽を取り上げつつ、
それらをキャッチーなポップスとして提示している点が評価されているのではないでしょうか。

こうしたシティポップ×声優の楽曲を、Twitterなど一部では
#声優レアグルーブ #声優・シティポップ などとして取り上げている方もおられます。
大阪で行われているイベント「アニメロウ」http://animellow.blog.fc2.com/ などが分かり易い例でしょう。

そこで、僕のTwitterフォロワーの「曇りめがね(@fumimegane0924)」さんからのご提案で、
「お洒落系声優ポップス」プレイリストを作成しました。

声優さんがボーカルで参加した楽曲で、ソロ作品、グループ/バンドでの作品のほか、
キャラクターソングなども取り上げています。

関連するジャンルを列挙しておきます。

①渋谷系 ポスト渋谷系
②ネオアコースティック
③スウェディッシュポップス
④フレンチポップス
⑤AOR ブルーアイドソウル
⑥ディスコ、ファンク
⑦フュージョン、スムースジャズ
⑧歌謡曲 
⑨90sJPOP ガールポップ
⑩ネオソウル、フューチャーファンク、フューチャーソウル
⑪ニュージャックスイング、90sR&B
⑫Lo Fi HipHop, ジャジーヒップホップ




ぜひフォローされてください!今後も楽曲を随時追加していく予定です。
これまでのツイキャスによる放送企画、「私的名盤放送」でも沢山のおしゃれな声優曲を多数紹介してます。
こちらも興味がありましたらご覧下さい。

放送楽曲を纏めたSpotifyプレイリストはこちら

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私的名盤放送第62回 「声優シティポップ/声優レアグルーブ特集 ゲスト:曇りめがね(@fumimegane0924)さん」

私的名盤放送第62回
「声優シティポップ/声優レアグルーブ特集 ゲスト:曇りめがね(@fumimegane0924)さん」


私的名盤放送、今回は僕のフォロワーの中で「最強のBOOK OFF DIGGER」とも言うべき、
レビュワー、ブロガーの曇りめがね(@fumimegane0924)さんをお迎えしました。

トーク中心でお届けしましたが、テーマは「声優ポップス」「ガールポップ・JPOP」が中心となっています。
テンションが上がり過ぎて、少し僕がしゃべり過ぎてしまいましたが、濃密な内容になったと思います。

最近流行りのシティポップムーブメント、そして「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」で注目を浴びている、
「声優シティポップ」「声優AOR」「声優レアグルーブ」をメインテーマにお送りました。

主に80sのフュージョンやAOR, ブラックコンテンポラリー・クワイエットストームなどの影響が濃い楽曲を
取り上げつつ、その背景にある楽曲、元ネタなどにも迫った内容になっています。

BOOK OFFあるある、浜松や名古屋の地元ネタなどなど、楽しい時間をぜひご視聴ください!
フォロワーの皆様との楽しいやりとりも!

曇りめがねさんの音楽ブログ
⇒「今日はこんな感じ


今日はこんな感じ

「放送アーカイブはこちらから」

【放送楽曲】
M1 Believe in Love /ブルー・ペパーズ 『Believe in Love』 (2019)
M2 二人の未来 /ブルー・ペパーズ 『Retroactive』 (2017)
M3 Together, Forever /SMAP(Rick Astleyのカヴァー) 『音源リリースなし』 (1988)
M4 My Jolly Days /奥井雅美 『Gyuu』 (1995)
M5 放課後の約束 /吉谷彩子 『TVアニメ課後の約束 ED』 (2012)
M6 恋のオーケストラ /吉谷彩子 『TVアニメ課後の約束 OP』 (2012)
M7 I Love Your Love /Negicco 『I LOVE YOUR LOVE』 (2019)
M8 素敵にあこがれて /RYUTist 『センシティブサイン』 (2019)
M9 Who's Right Who's Wrong /Pages 『Pages(1st)』 (1978)
M10 タイムマシーン・ラヴ /流線形 『TOKYO SNIPER』 (2006)
M11 シンプル・ラブ /大橋純子 『シンプル・ラブ』 (1977)
M12 グッバイ・マイ・フレンド /牧野由依 『タビノオト』 (2015)
M13 I'll be your friend /篠原恵美 『Missing Piece』 (1997)
M14 素敵なニュース /設楽りさ子 『三和銀行 夏のイメージソング』 (1990)
M15 Kawasaki Drift /BAD HOP 『Kawasaki Drift』 (2018)
M16 雲になればいい /乃木坂46 『シンクロニシティ』 (2018)
M17 オールドファッション /坂本真綾 『今日だけの音楽』 (2019)
M18 光 /宇多田ヒカル 『DEEP RIVER』 (2002)
M19 がんばれブロークン・ハート /谷村有美 『Hear』 (1989)
M20 Inside Love(So Perspnal) /George Benson 『In Your Eyes』 (1983)
M21 ロマンス /原田知世 『I could be free』 (1997)
M22 My Trumpet /Eggstone 『Eggstone in San Diego』 (1992)
M23 セシールの雨傘(Version II) /飯島真理 『Kimono Stereo』 (1985)
M24 思いは必ず届く /佐藤聖子 『After Blue』 (1992)
M25  Namiko-san (Evergreen) /G.A. Art Design Class 『GA 芸術科アートデザインクラス music palette』 (2009)
M26 Love's Holiday /Earth, Wind & Fire 『All 'n All』 (1977)
M27 Nodamiki (Sunflower) /G.A. Art Design Class 『GA 芸術科アートデザインクラス music palette』 (2009)
M28 Heartbeat /FRUITCAKE 『FRUITCAKE2』 (1984)
M29 城本クリニックCM /N/A 『N/A』 (2002)
M30 Never Gonna Let You Go /David Roberts 『All Dressed Up』 (1982)
M31 Roxann /Jay Graydon 『Airplay for the Planet』 (1993)
M32 MELODY FLAG /水瀬いのり 『Starry Wish』 (2016)
ED Shoo-Bee-Doo-Wap-Wap /水瀬いのり 『BLUE COMPASS』 (2018)








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私的名盤放送第61回 「2019年間ベストアルバム番外編/レアグルーブ/90sJPOPで棚から一掴み」

私的名盤放送第61回
「2019年間ベストアルバム番外編/レアグルーブ/90sJPOPで棚から一掴み」


私的名盤放送第61回1

私的名盤放送第61回2

「放送アーカイブはこちらから」

M1 傘 /King Gnu 『CEREMONY』 (2020)
M2 Can We Talk? /Tevin Campbell 『I'm Ready』 (1993)
M3 Freefloating /Gary Clark 『Ten Short Songs About Love』 (1993)
M4 Darling /当山ひとみ 『FIVE PENNYS』 (1985)
M5 クラブ /tofubeats 『TBEP』 (2020)
M6 Better Off /JGrrey 『Better Off』 (2019)
M7 悲しいほど好きにさせておきながら… /山口由子 『COVER GIRL』 (1996)
M8 Love in My Life /Four Sure 『We Can Swing It』 (1993)
M9 Black Qualls /Thundercat 『It Is What It Is』 (2020)
M10 What About My Love /Damaris 『What About My Love?』 (1983)
M11 Looking for Woman /WAY WAVE 『SOUL PUNCH』 (2019)
M12 LOVE (Prod by jjj) /C.O.S.A., KID FRESINO 『Somewhere』 (2016)
M13 楽しい蹴伸び /Chara+YUKI 『echo』 (2020)
M14 哀愁トワイライト /水樹奈々 『SUPERNAL LIBERTY』 (2014)
M15 yoso /早見沙織 『シスターシティーズ』 (2020)
M16 I Don't Want Nobody Else /The S.O.S Band 『Just the Way You Like It』 (1984)
M17 Love Situation /嵐 『Time』 (2007)
M18 20才の立場 /南沙織 『Cynthia Street』 (1975)
M19 Rowan /Official髭男dism 『Traveler』 (2019)
M20 I Want You (All Tonight) /Curtis Hairston 『I Want You (All Tonight)』 (1983)
M21 I see... /乃木坂46 『 しあわせの保護色』 (2020)
M22 I Never Get Enough /Audio 『Romantic』 (1991)
M23 Visualize /伊沢麻未 『AIA』 (2005)
M24 Roll Some Mo /Lucky Daye 『Painted』 (2019)
ED ナチュラルに恋して /Perfume 『JPN』 (2011)

【放送後記】
2ヶ月ぶりの放送になりました。いかがお過ごしでしょうか。取り急ぎ昨年の年間ベストを作り終えてほっとしております。
世間はCOVID19ウイルスのために昏迷を極めた状況です。病院で働く身としては、いつ自分の身に降りかかってくるか
分からない恐怖との戦いで、消耗しているスタッフも多いと思います。
良質な音楽を聴くことで、皆様の少しでも心が救われればと思います。

今回の放送後記からスタイルを変えて、楽曲ごとの解説が見やすいように、
プレイリストの下に書いていくことにします。では、どうぞ。

M1 傘 /King Gnu 『CEREMONY』 (2020)
東京藝術大学音楽学部出身のフロントマン、常田大希を中心として結成された
ミクスチャーロック、JPOP, フューチャーファンク/ソウル系バンド。
白日の大ヒットと紅白歌合戦出場で話題になり、様々なタイアップを取得しています。
自身の音楽スタイルを「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と名付けているようですが、
ジャンルで言うとRed Hot Chili Peppersに代表されるミクスチャーロックが比較的近いと言えるかもしれません。
ファンク、ファンクロックからの影響を強く感じられる、ブラックミュージックらしいグルーブ感ある
勢喜遊のドラムスは、重厚感溢れるスネアの音色や、1曲の中に様々なニュアンスのグルーブを同居させる発想力など、
近年の日本のロックバンドの中でも頭一つ飛びぬけた演奏力であろうと思います。
強く歪んだギターの轟音が覆い尽くすハードロック/ヘヴィメタル的なパートがあったかと思えば、
Kendrick Lamar, Tyler, The Creatorのような、00s以降のネオソウルや、ジャズからの影響が濃いヒップホップを
思わせる音色の使い方やハーモニーの楽曲もあります。
大ヒットした白日では上物の作るタイム感と、ドラムベースの作るグルーブを微妙に齟齬させているように思われ、
サビではJPOPらしいキャッチーなメロディを載せるバランス、センスに驚かされます。
アコギのカッティングとソウル色の強いボーカルが堪らないM10を選びました。
不穏さが際立つメロ部分と、循環コードを中心に作られた構造も併せて、モータウン的な魅力を感じる一曲でした。

M2 Can We Talk? /Tevin Campbell 『I'm Ready』 (1993)
1976年、テキサス出身のR&B系シンガー。ポストMichael Jacksonなシンガーとして、最も注目を浴びた一人であり、
Quincy Jonesにその才能を見出されたことがきっかけで有名となりました。
中でもBabyfaceのペンによるUS Hot R&B/Hip-Hop Songs #1を獲得した名曲、Can We Talkを選びました。
非常にミニマルな繰り返しの進行、少し濁った9th系のコードの醸し出す都会感は、
遡ればAnita Baker/Sweet Loveのようなクワイエットストームにその源流を見出すことが出来ます。
Tevinのボーカルはまだ幼さが残りますが、逆にそれが不思議な説得力を与えています。
フェイクの仕方やヴィブラートの掛け方など、MJを彷彿させる部分もありますが、
ドスの効いた、地声を混ぜた節回しなど、Stevie Wonderからの影響も感じられます。
メロディラインは非常に聴きやすく美しく、決して難解な印象を与えないところも、
Babydfaceの圧倒的な才能を感じさせます。正真正銘最高のスロウ・ジャムクラシックス。

M3 Freefloating /Gary Clark 『Ten Short Songs About Love』 (1993)
スコットランド出身のシンセポップバンド、Danny Wilsonのフロントマン、Gary Clarkによるソロアルバム。
Danny Wilsonは1980年代半ばから活躍したバンドで、Style Council, Hall & Oatesに代表されるような、
ノーザンソウルに影響を受けた、ブルーアイドソウル的な楽曲を特徴として、
それらをニューウェーブ、ネオアコ的な、さっぱりとした音作りで聴かせる楽曲が印象的です。
Gary Clarkのソロ、1993年作から特にAOR色の強いFreefloatngを選びました。
Michael Franks/Dragonfly Summerを思い起こさせる、少しチープな音のバックトラックに、
豊かな中域の響きが心地良いボーカルで、さらりと歌っていますがRichard Pageや
George Michaelに負けずとも劣らぬ表現力です。アウトロのトランペットソロなどSteely Dan好きにも堪らない一曲。

M4 Darling /当山ひとみ 『FIVE PENNYS』 (1985)
沖縄県出身のエキゾチック歌謡~シティポップ系シンガーの85年作。
椎名和夫(80年代の山下達郎バンドでリードギタリストとして活躍)がアレンジで参加し、
青山純(Ds)、伊藤広規(B)の最強のリズム隊で作られるタイトでどこまでも重いグルーブに満ち満ちています。
国分友里恵やEPO、秋元薫のソロアルバムなどがお好きであれば必聴の一枚です。
その中でも特にブラコン色の強いミッドグルーブM2を選びました。最高。

M5 クラブ /tofubeats 『TBEP』 (2020)
tofubeatsの新作EPが発売されました。謎の3Dアバターが踊り狂うPVが不穏な気持ちにさせるM1陰謀論は、
迫りくるシンセの音、カッティングのリフがどこかBONNIE PINK/Pump It Up!を思い起こさせます。
M6クラブはGlenn Jones/Show Meで聴けるような、DX7のようなきらめくシンセのバッキングと、
生々しいキックが作る一定のビートの
組み合わせが、どこかセンチメンタルな気持ちにさせる一曲です。
このご時世にあえて「クラブ」という曲名を付けて、本番前のtofuさんの姿を淡々と映した
PVを撮影するあたりがニクいなと思います。
クラブで味わう高揚感というものは、「家でしみじみ聴いてもらって、コンビニ行くか位の高揚感」
程度のささやかさが良いんだ、とインタビュー(FANTASY CLUBの時の)で話しておられましたが、
正に聴き終わった後のすっきりとした感覚は、彼が述べる通りのものでした。
サビの後のシンセのメロディ(2:20辺り)など、どこかtofuさん自身が敬愛する
宇多田ヒカルのFight the Bluesのような香りがするのもまた最高。

M6 Better Off /JGrrey 『Better Off』 (2019)
ロンドン出身のR&B/ソウル系シンガーのシングル。
詳細不明な部分が多いですが、オーガニックソウル/ネオソウルの香りが湧きたつ楽曲が多く、
このシングルはテクニカルでフュージョンライクなキメがたっぷり入った、
Jill Scottなど好きな方には堪らない一曲でした。

M7 悲しいほど好きにさせておきながら… /山口由子 『COVER GIRL』 (1996)
1987年に3人組アイドルグループA-Chaのメンバーとしてデビュー、
1988年にソロデビューしたシンガーの2ndフル。
以前からTwitterのフォロワーを中心に、ガールポップ界隈で非常に評価が高い一枚。
90sJPOPらしい、屈託のない煌めくポップスを、ミルキーボイスで滑らかに歌い上げていて素晴らしい。
極めてシンプルな曲が多いのにもかかわらず陳腐に聴こえないエヴァーグリーンな名盤でした。
M2は織田哲郎/ZARDの名曲群を思わせるメロディックハードロック~AORなバッキングに
歌謡らしいメロディが絡みつく、王道ど真ん中な一曲でした。Jay Graydon顔負けの熱いギターソロもただただ最高。
CHOKKAKUのアレンジしていた頃のSMAPを思わせるようなホーンのアレンジと
多重コーラスの重ねられた牧歌的なM1もお気に入り。

M8 Love in My Life /Four Sure 『We Can Swing It』 (1993)
4人組男性ニュージャックスウィング/R&B系ボーカルグループが残した唯一作。
もともとはLO-KEY?のメンバーと共に同じグループで活動していたとのことです。
メンバーのLivio "Anthony" HarrisはAdina Howard‎/Do You Wanna Ride?のプロデュースを
手掛けたことでも知られています。1993年作と、NJSとしてはやや後発に当たる時期の作品ですが、
絶品のスロウジャムM5もお勧めですが、こみ上げる切なさが堪らない、スウィンギーなM9が最高です。
最近聴いたNJSの中ではこれが一番でした。Bobby Brown/Every Little Step, G-Wiz/Teddy Bear,
Teddy Riley ft. Tammy Lucas/Is it Good to You?などと並ぶ名曲。

M9 Black Qualls /Thundercat 『It Is What It Is』 (2020)
超絶技巧を持つベーシストでありトラックメイカー、Thundercatの4thフル。
The InternetのギタリストであるSteve Lacyと、オハイオファンクを代表するバンド
であるSLAVEのドラマー、Steve Arrington、This Is Americaで大きな反響を呼んだChildish Gambinoを
ゲストに迎えた先行配信シングルのBlack Quallsは、空間系のエフェクトが掛かったリズムギターと
メロディアスなベースライン、ブルーアイドソウル的なコーラスが随所に加えられたバランスが見事でした。
ドラムスもSLAVE直系の音というよりは、敢えて少しヨレた感じで叩いているのも面白い。

M10 What About My Love /Damaris 『What About My Love?』 (1983)
女優としての活動でも知られるDamaris Carbaughの12インチシングルを手に入れたので選びました。
アルバムでは1984年作のセルフタイトルに収録されています。
Patrick Moten(Bobby Womack, Gerald Albrightなど)、David Spinozza(G)、Luther Vandross(作曲B2),
Chris Parker(Ds), Yogi Horton(Ds), Francisco Centeno(Key)、 Angela Clemmons(Chorus)などが参加した、
歌ものフュージョンとしてのAORの魅力が詰まったレアな一枚です。
イントロのキャッチーなシンセリフ、スラップベース中心のベースラインとへヴィ―な
Yogi Horton(Bob James, Aretha Franklin, 角松敏生)のドラムスが織りなす最高の80sブギーです。

M11 Looking for Woman /WAY WAVE 『SOUL PUNCH』 (2019)
女性アイドルグループのANNA☆Sのメンバーで、ラップアイドルユニットのうどん兄弟としても活動していた
小池杏奈/優奈姉妹によるボーカルユニット。2016年から活動してるとのことです。2ndフル。
Baby Be Mine/Michael Jackson, ノーフューチャーバカンス/上坂すみれの流れを感じるブギー、
M2を選びました。そのほかにも、NJS, ヒップホップソウル、オールディーズ、70sソウルな楽曲など、
新旧様々なブラックミュージックへのリスペクトを感じられる楽曲が収録されています。

M12 LOVE (Prod by jjj) /C.O.S.A., KID FRESINO 『Somewhere』 (2016)
知立市出身で、名古屋を中心に活動するラッパー/トラックメイカーのC.O.S.A.と、
Fla$hBackSのメンバーのラッパー/トラックメイカーのKID FRESINOの2人が発表した2016年作のフル。
PUNPEEの所属するSUMMITから発売されました。
JJJのプロデュースによる絶品のメロウM2を選びました。ビブラフォンの丸く柔らかい音と歯切れの良いビートが
作るチルなトラックに、C.O.S.A.の訥々とした、真面目さが伝わってくるフロウが最高に心地いい。
最近聴いたヒップホップのアルバムの中でも特に愛聴盤です。

M13 楽しい蹴伸び /Chara+YUKI 『echo』 (2020)
説明不要の人気SSW, CharaとYUKIのユニットによるニューシングル。
20年ぶりとなるシングルはTendreのプロデュースによるフューチャーファンク/ソウル色の濃い怪しげなブギー。
EP echoにはSeiho、大沢伸一、Kan Sano, mabuna, 白根賢一など参加しています。
楽しい蹴伸びはトラップビート的な(特徴的なシンバルこそないものの)、ループ感の強いメロ部分と、
ジャジーなサビの対比が面白い。

M14 哀愁トワイライト /水樹奈々 『SUPERNAL LIBERTY』 (2014)
今日の一枚(284)参照

M15 yoso /早見沙織 『シスターシティーズ』 (2020)
声優、シンガーの早見沙織の2ndEP。西原健一郎とMichael Kanekoのペンによる
水樹奈々/アンビバレンスを思い起こさせるようなイントロから、よりモダンなリズムパターンと
滑らかな白玉が気持ちいいアーバンソウル。早見沙織のボーカルはあえてルーズに発声するスタイルで、
言葉をふわりと投げるように歌うニュアンスでありながら、リズムには完璧に乗り切るという技術の高さに舌を巻くばかりです。
サビのフレーズはNo Limit/Soweluのような邦楽R&Bの遺伝子が感じられます。

M16 I Don't Want Nobody Else /The S.O.S Band 『Just the Way You Like It』 (1984)
1977年にジョージアで結成されたエレクトロファンクバンド、ユニット。1984年作の5th。
1983-1985年ころはJam & Lewisのプロデュースによりアルバムを3枚発表しています。USR&B #6。
この中からセルフプロデュースによる絶品のクワイエットストームM6を選びました。
圧倒的な芯のあるファルセットボーカルと繊細なコーラスワークで多幸感溢れるトラック。

M17 Love Situation /嵐 『Time』 (2007)
日本を代表するアイドルグループ、嵐の7thフル、2007年作からNJS, アシッドジャズからの影響が
感じられるダンサブルなアルバム曲を選びました。アオゾラペダル、Love so sweetが収録された大ヒットアルバムです。
Plastic Loveのようなイントロのピアノのフレーズ、ドラムスのスウィング感はNJSのような懐かしさを感じます。
SOUL'd OUTのShinnosukeのペンによる一曲。

M18 20才の立場 /南沙織 『Cynthia Street』 (1975)
沖縄県出身のアイドル/歌手、1954年生まれ。1975年作の11th。
LAでのレコーディングで、A面は安井かずみと筒美京平のコンビ、B面はAlan O'Day、George Clintonのコンビで
制作されたという異色な一枚。キメの多いリズムパターンとうねるベースライン(Chuck Raineyでしょうか)、
大仰な編曲など、歌謡曲としての型を守りつつも当時の最先端のフュージョンの音を取り入れたグルーヴィーなトラックでした。

M19 Rowan /Official髭男dism 『Traveler』 (2019)
2019年度 私的ベストアルバム 邦楽編」参照

M20 I Want You (All Tonight) /Curtis Hairston 『I Want You (All Tonight)』 (1983)
かつてLuther Vandrossが所属したイタロ・ディスコバンド、ChangeのA&R、仕掛け人であるJacques Fred Petrusが
立ち上げたディスコユニット、B. B. & Q. BandのボーカリストであるCurtis Hairston(1961-1996)のソロ12インチシングル。
BBQ BandのアルバムはBCM, レアグルーブのファンから人気が高く、ソロアルバムも80sブギーの隠れ名盤の一つです。
この I Want You (All Tonight)はアルバム未収録の12インチシングルで、ジャキジャキとしたカッティングと
時代を感じるシンセベースが組み合わさった、涼しげなアーバンミッドです。
The WhispersやKashifのプロデュース作など好きなら見逃せないトラックです。

M21 I see... /乃木坂46 『 しあわせの保護色』 (2020)
嵐/love so sweetを作曲したことで知られるyouth case, 佐々木博史(編曲)が手掛けた乃木坂46の発売されたばかりの
EPからリードトラックを選びました。CHOKKAKU&林田健司/SMAPの楽曲を思わせる、
スラップベース、カッティングを加えたリズムパターンと、スリリングなストリングスのオブリガートが心地良いダンサー。
イントロのフレーズなどは近年のフィロソフィーのダンスの楽曲にも通じるものがあります。
サビのメロディはJPOPを代表する名曲の一つ、ポルノグラフィティ/ミュージック・アワーのよう。

M22 I Never Get Enough /Audio 『Romantic』 (1991)
詳細不明なブラックコンテンポラリー系シンガー、Audioの1991年作フル、1st。
スウィンギーなニュージャックスウィングのビートに分厚いコーラスで魅せる典型的なトラックですが、
やや低域の多いボーカルが渋いです。A1の I'm In Love For The Very First TimeもKashifの香りを感じる
最高のクワイエットストームでした。

M23 Visualize /伊沢麻未 『AIA』 (2005)
1982年生まれのR&B系シンガー、伊沢麻未の1stEP、2005年作は、宇多田ヒカル/First Loveや
MISIA/Mother Father Brother Sister直系の邦楽R&B黄金期のサウンドが凝縮されています。
M1Visualizeはニュージャックスウィングなシンセとワウのカッティング、レイドバックした、
フュージョン的なフィルインの目立つドラムスも最高。
スロウジャムM2MaybeはACO, birdの諸作に近いサウンドですが、ミルキーで柔らかいボーカルの表現が最高。

M24 Roll Some Mo /Lucky Daye 『Painted』 (2019)
2019年度 私的ベストアルバム 洋楽編」参照
Frank Ocean/Sweet Lifeに負けずとも劣らぬクワイエットストーム。

ED ナチュラルに恋して /Perfume 『JPN』 (2011)
Perfumeの10枚目のシングル、名盤JPNからナチュラルに恋してで最後にしました。
中田ヤスタカ全盛期のハイファイな電子音に満ち満ちたミドル。ブーミーで歪ませたシンセベースが作る
重いグルーブと、グラウンドビート以降のスネアが作るギラギラしたリズムに、
東洋的な響きを感じる上物、特にサビ前や、サビの最後の、モーダルな響きは中田ヤスタカが得意とするパターンではないか
と思います。電子音楽やTKサウンド的なJPOPだけではなく、フュージョン、スムースジャズのサウンドからの影響が
随所に見受けられるのも、中田ヤスタカの楽曲の面白さです。








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  1. 2020/04/15(水) 22:52:18|
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2019年度 私的ベストアルバム 洋楽編

2019年度 私的ベストアルバム

私的名盤紹介をご覧下さっている皆様、ありがとうございます。
先日更新した2019年度ベストアルバム邦楽編に続いて、洋楽編を編集しました。

COVID19で先行きの見えない状態が続いていますが、家にいながらも音楽を楽しむことは出来ます。
この年間ベストアルバム、ブログで、少しでも皆様に気に入っていただける音楽を紹介できればと思います。

2020年に入ってすでに3ヶ月が経とうとしておりますが、専攻医の生活が思ったより忙しく、
ベストアルバムを編集できずにおりました。続くは洋楽編です。簡潔に纏めたいと思います。

邦楽編は基本的にポップスから選びましたが、洋楽編は専門のブラックミュージックから多く選びました。
私的名盤紹介管理人が自信を持っておすすめする15枚です。どうぞ。

2019年度 私的ベストアルバム 洋楽編

15位 All My Heroes Are Cornballs/JPEGMAFIA

All My Heroes Are Cornballs

ルイジアナ出身のトラックメイカーによる3rdフル。
鋭い政治・社会批判やユーモアを交えたリリック特徴的ですが、アンビエントなシンセが使われ、
比較的スロウテンポの楽曲が多いこと、時にはM1, M7のようにソウルフルにメロディを歌うパートも挟まれており、
R&Bのファンにも馴染みやすい楽曲が多いです。有機的に伸び縮みするフロウ、ブーミーなベースラインは
トラップ以降の感覚が強く感じられます。
銃声をサンプリングしたM4に続いて、M5は鋭いハイハットの作るグルーブに、空間系のエフェクトが
掛かったギターを組み合わせた、音数少ないトラックに仕上げています。
表題曲のM8はぶっとい音のシンセリードのリフレインが歌/ラップと絶妙にユニゾンしたり離れたりしながら、
悠々と進んでいくスロウ。ネオソウルや近年のMoonchildなどの音を思い起こさせるコード感のM9は、
両側に振り分けられたレコードプレーヤーのノイズのような音が心地いいです。特にお気に入り。
ルーズな16ビートのM13は後半にかけて東南アジアの音楽のようなハーモニーがありクセになります。

14位 Free Spirit/KHALID

Free Spirit

ジョージア州出身、1998年生まれのR&B系シンガー、SSW。2ndフル。
2017年の1stフル、American TeenはUSアルバムチャート4位にランクイン、2018年のグラミー賞では
最優秀新人賞を含む5部門にノミネートされました。
ライター、プロデューサーにはJay Z, Plan Bなどで知られるAl Shux, Maroon5, Chris Brownなどで知られるKurtis McKenzie,
UKハウス~ガレージを代用するユニットの一つ、DisclosureのHoward & Guy Lawrenceの2人組、
古くはNe-Yo, BeyonceやRihannaのプロデューサーとして知られるStargateや、ブルースロック畑からJohn Mayerなど
様々なスタッフが参加しています。
特にStargateによるM4は、最新のトラップビートなハイハットとスウィンギーなハンドクラップに
スケールの大きい上モノ、多重コーラスの密室感が堪らないミッドで、現行R&Bを代表する音なのだろうと思います。
このアルバムの中でもとりわけグルーヴィーでキャッチーなのはM5Talkであろうと思います。
Disclosureによるプロデュースで、ループ感の強いシンプルな一曲ですが、80sのブラックコンテンポラリーにも
あったような、ややチープな音色で、かつぶっといシンセのリフレインが耳から離れません。
John Mayerプロデュースによる重いグルーブのM10はシャープなカッティングと透き通ったトーンのギターソロが最高でした。
全体を通して、70sソウルを源流とするハーモニーの感覚は薄く、幅広い層に受け入れられるモダンな
サウンドのR&Bと言うべきなのでしょうが、M4など嵌まれる楽曲もあり、やはり最新の音楽を追いかけることの大切さを
再認識できました。

13位 TuxedoⅢ/Tuxedo

Tuxedo3.png

ロサンゼルスをベースに活動する、現代を代表するブルーアイドソウル系SSWのMayer Hawthorne(1979-)と、
シアトル出身のプロデューサーで De La Soulなどの作品に関わったJake One(1976-)の二人組で、
80sブラックコンテンポラリーやディスコ、モータウン、フィリーソウルなどをベースとしながら、
現代的な音使いを随所に絡めたブギーを量産してきました。
パタパタとしたスネアドラム、ハンドクラップとサビで前に出てくるシカゴソウルなベースラインが特徴的なM1,
2nd Time Aroundの流れをくんだM2はややくぐもったシンセベースの作るシンコペートしたリズムパターンが心地いいです。
西海岸出身でDrake/More Lifeのサンプリング元になったり、EXOやRed Velvetなどの楽曲に関わった
人気シンガーLeven Kaliと、同じくロサンゼルスで活躍するヒップホップ系プロデューサー、Battle Catをゲストに迎えたM3、
妖しげな雰囲気ただよう音色のシンセがゆらぎのあるリズムで鳴るバッキングが素晴らしい。
NJS的な歯切れのいいベースラインとリズムボックス然とした音圧感あるドラムス、
MF DOOMのダーティなラップが合わさって、現代版Heavy D & The BoyzのようなM4、
Jam & Lewisに見いだされたボーカルグループSoloの名曲Xxtraを思わせるような
絶品のスロウジャムM5は特にお気に入りの一曲です。シンセのソロはややフュージョン的でこれも最高です。
ネオソウル系のトラックメイカーとして独特な音世界を作るGabriel Garzón-Montanoをゲストに迎えた
短い一曲、M6はドリーミーなレアグルーヴといった質感の一曲。
TR808のカウベルが彩るレイドバックしたリズムとRod Tempertonの作るブギーようなハーモニー感のあるM7,
80年代後半のBar-KaysやCameoを思わせるようなスカスカな音のマシンファンクM8は、
Luther Vandross/Never Too Muchのようなカッティングも入っています。
現代を代表するオランダ出身のAOR系SSW、Benny Singsが参加したM10は、
クワイエットストームの代名詞とも言える名曲The Isley Brothers/Between the Sheets使いの必殺なメロウ。
Gavin Turekをゲストに迎えたM11は、典型的なKashifサウンドというべきハーモニーに密室感が加わった一曲。
様々な現代ブラックミュージックのトップライナーを迎えながら、オールドスクルールなR&Bやディスコに
真正面から向き合ってアップデートしたサウンドを作り続ける彼らから、まだまだ目が離せません。

12位 When I Get Home/Solange

When I Get Home

Beyoncéの妹と紹介するにはあまりに有名な人となったSolangeは1986年生まれのR&B系シンガー、プロデューサーで、
今作が4枚目のフルアルバムになりました。
プロデュースではヒップホップグループのStanding on the CornerやPharrell Williamsなどが参加したほか、
フィーチャリングでは Sampha, Playboi Carti, Gucci Mane, Panda Bear, Tyler, the Creator, Metro Boomin,
The-Dream, Abra, Dev Hynes, Steve Lacy, Earl Sweatshirt and Scarfaceなど錚々たるメンバーが参加しています。
特にTylerをはじめとするOdd Future勢の参加が目立ちます。
古くはRhyeやFrank Oceanなどに始まり、King, Blood Orange, Thundercatなど、
スロウテンポで、ゆらぎのある音に陶酔感出来るアンビエントソウルの流れを感じる一枚。
一曲一曲の尺が非常に短く、如何様にも分割しようがない、アルバム全体で一つの音世界を作り出していると言えるでしょう。
中でもトラップビートとモダンなフロウのラップが組み合わせられたM10, Sun Raのようなスピリチュアルジャズの香り
漂うM11が特に印象的です。M13はややネオクラシックソウル的な上モノ、コーラスのフレーズが懐かしさを感じさせます。
Ernie Isleyのような粘っこいギターソロの入ったインタールードM18に続いて
Thundercat/Them Changesを思わせるようなM19へと、気づいたら39分経っている不思議な一枚。

11位 Are We There yet?/Le Flex

Are We There yet

ロンドン出身のトラックメイカーで、George Michaelからの影響を公言するLe Flexの3rdフルアルバム。
やや安っぽいリヴァーブ感や随所の音使いに、80s当時の音への強いこだわりが感じられます。
Teddy Mike/On Pointに次ぐ再現度です。M2など、リズムはややファンク色の薄めな緩めのグルーブです。
サビ前にクラブミュージック的な展開が加えられたWham!のようなM3は、Jay Graydonのようなギターソロが最高。
クリスタルなシンセと物憂げなボーカルとチープなリズムを組み合わせたブルーアイドソウルM6は
Glenn Jonesのクワイエットストームを爽やかな味付けでリメイクしたような切ない一曲。
韓国や日本での人気が高いUKのシティポップ~AOR系バンドPrepのCheapest Flightを
思わせる、どこか濡れたメロディのM8が特にお気に入りです。

10位 Kool Customer/Kool Customer

Kool Customer

Erykah Badu, Dam Funkとの共演で知られるトラックメイカー、プロデューサーのB. Bravoと
シンガーのRojaiの2人組によるR&B, ディスコユニット。TuxedoやMidas Hutchなど、80sブギー再評価の中でも、
トークボックスや電子音を積極的に活用するサウンドは、Roger Troutman率いるZappに近いサウンドです。
韓国出身のプロデューサー、Zion Tのようなヒンヤリとした緊張感溢れるコード感のダークなブギーM2は特にお気に入りです。
Vaporwaveな質感のローファイなシンセと残響の強いスネアにシンセベースがうねるミッドM4、
BCMリヴァイバルの名盤Teddy Mike/On Pointの表題曲を思わせるトラックにI Like It/DeBargeのようなメロディをたたえるM5,
途中トラップなパートを挟みつつ、多重コーラスが美しいM8は絶品メロウです。
90sR&Bなモノトーンなエレピのバッキングにモダンな質感の細やかなハイハット、late80sのトークボックスを組み合わせたスロウM9,
Midas HutchのリミックスによるM12(M6)は、さらにBCMそのものの音とハーモニーへ変化しており、クワイエットストーム
ファンには堪らない一曲。

9位 Friday/Monkey House

Friday.png

カナダ、トロント出身の作曲家、Don Breithauptによるソロプロジェクト、Monkey Houseの4thフル。
Don Breithauptは文筆家でもあり、Steely Dan研究家としてスティーリー・ダン Aja作曲術と作詞法という
書籍を残しています。発売するアルバム全てで、Steely Danに対する深い研究の成果が反映されています。
今作ではゲストにManhattan Transferを迎えたM6, 惜しくも亡くなってしまったWalter BeckerのカヴァーM5などが
収録されています。
テクニカルなギターソロとフュージョンライクな16ビート、後半にはラテン風味なM1,
ヘヴィーなリズムと90年代のスムースジャズ的な香りが漂うM4は、Randy GoodrumとJay Graydonの
コンビによるJaRの楽曲を思わせます。
変拍子と不穏な中にどこか東洋的な響きのあるコードが不思議なM5も面白い。
Kid Charlemagneなみの熱いロングギターソロが聴けるM9は、後半に重さたっぷりのドラムソロも入った、
少しノスタルジックな雰囲気のある一曲。
先行シングルのM12はBernard Purdieのシャッフルを完全に再現した現代版Home At Lastといえる
グルーヴィーなトラックでした。

8位 Leven Kali:Low Tide/Leven Kali

Leven KaliLow Tide

Playboi CartiやDrakeの作品への参加で知られるR&B系シンガーの1stフル。
00sのTimberlandサウンドを思わせるややダーティなビートと重低音のベースラインに
チルウェイブな上物がマッチした浮遊感あるM2,
80sブギー再評価、特にミネアポリスファンクの香りが漂う絶品ミッドM3が最高。
少し撚れた、甲高いスネアドラムとワウの掛かったギターのカッティングによるインタールードM6から
薄く重ねられたコーラスと平板なリズムがThundercatの楽曲を思わせるM7へと繋がります。
ブラジリアンフュージョン~スムースジャズなトラックにメロウなサックスソロの乗ったM8は、
後半から歌メロが入り現代的なクワイエットウェイブへと変化していきます。
ブラックコンテンポラリーを代表するTR808のぶっといリズムと、ローファイなシンセ、ネオソウル以降のハーモニーを
組み合わせ、MXXWLLをゲストに迎えたクワイエットウェイブM10も特にお気に入りです。
後半にはErine Isleyのようなブルージーなディストーションギターのソロが入っており、メロディアスになっていく造りも堪らない。

7位 BUBBA/Kaytranada

BUBBA.png

MOB DEEP, Talib Kweli, Odd Future, The Internetなどのプロデュースでその名が知られるようになった
ハイチ系カナダ人のヒップホップ系プロデューサー、1992年生まれ。2ndフル。
ゲストにはKali Uchis, Pharrell Williams, Mick Jenkins, Tinashe, Estelle, Charlotte Day Wilson, GoldLinkなど
錚々たるメンバーを迎えて制作されています。
アフリカンなビートとボイスサンプルを散りばめ、揺れ動くエレピが不穏なM1,
チルなストリングス系のシンセと密室感あるエレピ、2:30辺りからメロディアスなベースラインが
前に出てきてダンサブルに変化していくM2が特にお気に入りです。
Mick Jenkinsがミニマルなトラックの上で自在に、滑るようにラップするM4,
Kali Uchisをゲストに迎え、Mike Delgadoのようなフィルターハウスをスロウでローファイに仕上げたようなM6,
Masegoをゲストに迎えたM7はインドの現代のポップスのような、いい意味でスカスカなトラック、
シームレスで続くアップテンポなハウスM8へと変化していきます。
ネオフィリーをベースにしたようなブギーM10, Tinasheが参加したM15もぶっとい4つ打ちにベース音を重ねて
分厚い音にすることで、得も言われぬトリップ感覚が得られる一曲になっています。
MPCで手打ちした感じの荒いハイハットが心地良いM16, そして最後にはPharrell Williamsをゲストに迎えた
現代版メロウソウルとも言うべきM17で締めくくります。
ドラムマシンやベース音の音の処理、音による空間の作り方で、
チルでありながら、非常に生々しく耳を撫でるような音作りのトラックに、
ハウス~ヒップホップ、ネオソウル以降のR&Bを絶妙に混ぜ合わせた、特異な現代型R&B。

6位 Outside the Limit/Ole Borud

Outside the Limit

2010年代ベストアルバム」より引用
ノルウェー出身のSSW, ギタリスト、1976年生まれ。AOR人気の落ち込んでいた2000年代にデビューした
北欧AOR系を代表する存在であり、現在に至るまで精力的に活動しています。
Pages~Steely Dan的な精緻なコードワークに、TOTO/AIRPLAY直系のハードロック~ウェストコースト寄りなロックサウンドから、
Earth, Wind & Fire的な、フュージョン感のあるファンキーなグルーブの曲まで、キャッチーな楽曲満載です。
「引用ここまで」
最新作の4thフル。2年半ぶりのアルバムとなりましたが、変わらず圧倒的な構築美と、
M2のギターソロに象徴されるような北欧メロディックハードロックらしい熱い演奏に満ち満ちた一枚でした。
キーボードの白玉が作る8ビートにゆったりとしたシャッフルのドラムスが載ったジャジーなM6,
先行配信となったM7は音数少なく作られた80sブギー的なサウンドが新境地でした。
オハイオファンクのような重みのあるグルーブと鋭いホーンの組み合わせたM9.
CasiopeaのようなJフュージョンの香りが漂うイントロ、リゾートミュージックらしいM10など、
デビューから一貫した、透明感とドライブ感のある良質なAORを作り続ける貴重なアーティストです。

5位 Free Nationals/Free Nationals

Free Nationals

Anderson Paakのバックバンドとしても知られるフューチャーファンク/ソウルバンド。
Jose Rios(G), Kelsey Gonzalez(B), Ron “Tnava” Avant(Key), Callum Connor(Ds)の4人組、1stフル。
前述のオランダ出身のSSW, Benny Singsが参加し、とりわけブルーアイドソウル/AOR的な香りが漂うM5や、
(Benny Sings自身はceroや安藤裕子、土岐麻子などと共演していることが分かり易いでしょう)
カラリとしたカッティングとレアグルーブっぽいドラムスをバックにしながらも、
上物が合わさると途端にモダンなイメージになるM4Shibuyaなど、日本人にも馴染みやすい楽曲が多いように感じます。
Erykah Badu、Andre 3000、Kanye West、Robert Glasperなどとの共演でも知られるトラックメイカー、鍵盤奏者の
Shafiq Husaynを迎えたM1は、お得意のネオソウル展開から始まる神秘的な一曲。
クワイエットストームM2は滑らかに動くベースラインと、密室的な録音のドラムス、ボーカルの組み合わせが心地良い。
Anderson Paakが参加したファンキーなM6は、前半ではTuxedoのようなブギーを思わせつつ、
後半ではトークボックスのソロと、それを支える端正なシカゴソウルのリズムが前面に出る懐かしさのある一曲。
M7も生演奏でありながら、どこか80sのマシンファンクを思い起こさせるように、敢えて平たく演奏しているのだろうと思います。
90sR&Bを思い起こさせるボーカルで知られるJoyce Wriceをゲストに迎えたスロウM13も特にお気に入りです。
レイドバックしたリズムとモコモコした録音に、ホーンのソロが絡みつくスモーキーな一曲。

4位 Belleville/Pandrezz & L'indécis & j'san

Belleville.png

おそらくフランス出身のトラックメイカーによるローファイヒップホップのアルバム。
ここ2-3年でSpotifyで音楽を聴くことが普段の習慣となりましたが、その中で初めて出会ったのが、
このローファイヒップホップというジャンルでした。
P-Vineから発売された人気コンピ、Chillhop Radio ~Beats to Relax toで知ったこのトラックメイカーの作品が
特にお気に入りです。ジャジーヒップホップという名称で、12-13年前に流行した音にも似ているように感じます。
私的名盤紹介で取り上げたアーティストだと、Break ReformやJazzanova、
有名所ではNujabes, Sound Providers, 古くはPete Rock & CL Smoothなども近い位置にいるように感じます。
しかし、現在ローファイヒップホップと言われている音楽は、リズムの構築において、
明らかにJ Dilla革命以降のMPCの撚れた感覚があると思われます。生ドラムで言うとChris Daveが作るグルーブが
その典型例と言えるでしょう。
リズムギターのフレーズは、90sアシッドジャズやそれ以前のスムースジャズ的な側面もあります。
ギターソロなどはかつてのRonny Jordanの諸作を思い起こさせます。
ハーモニーにはVaporwaveを経由した、遠くにシティポップやAORの存在を感じさせます。
最新のUSヒットチャートの楽曲には、正直言って中々入り込めない中で、
このローファイヒップホップという新たなジャンルは、Vaporwave以来久々に嵌ることができた貴重な存在になりました。

3位 Painted/Lucky Daye

Painted.png

ニューオーリンズ出身、1985年生まれのシンガーによる1stフルアルバム。
もともとアイドルとしてデビューし、シンガーとしてはKeith SweatやNe-Yoの作品に参加したほか、
ソングライターとしてBoyz II Men, Ella Mai, Trey Songzなどのアーティストへ楽曲提供を行っています。
本作はグラミー賞ではBest R&B Albumにノミネートされています。
プロデュースはRihanna, Ty Dolla Sign, MJB, Usherなどを手掛けたD’Mileが担当しています。
ジャキジャキとしたカッティングとパーカッションが作るアフロなリズムに揺蕩うストリングスが心地良いM1は、
ハーモニーや柔らかくも温かみのあるボーカルと合わせて、Frank Ocean/Sweet Lifeに
負けずとも劣らぬクワイエットストームでした。最高。
クラビネットのシカゴソウルなリフと重い打ち込みドラムを組み合わせた重心の低いアーバンブギーM2、
アウトロの鋭いホーンのオブリガートやゴージャスな盛り上げ方は80sソウルファンにも堪りません。
ThundercatのようにAOR的なタイム感のシンセリフを軸にしてグルーヴィーに展開するM3,
2:00過ぎ辺りから加工した多重コーラスが作るハーモニーはDoobie Brothers期のMichael McDonaldのようでもあります。
トラップな譜割りのメロディとレイドバックしたリズムが心地良いローファイなM4も心地いい。
ワウの掛かった、ローファイなシンセのバッキングが印象的なパートから、これもネオソウルとAORを
混ぜ合わせたようなテイストのあるフックへと繋がっていくフローターM8も好みです。
現代的なトラップソウルの音作りなM12も、後半のパートではGino Vannelli/Santa Rosaのようなキメを入れてくるのがニクい。
最後を飾るとりわけスロウなアンビエントソウルM13も、スネアの残響や不穏な響きの上モノが不思議な説得力を与えます。

2位 Ventura/Anderson Paak

Ventura.png

私的名盤放送#48から引用」
洋楽R&Bの最近のアルバムの中では、Malibuが圧倒的な傑作だったキーボーディスト、トラックメイカーのAnderson Paakの
新作が素晴らしかったです。前作はジャリ付いたビターな楽曲が多く、個人的には楽しみきれなかった部分がありますが、
今作はMiraclesのSmokey Robinson(Quiet Stormの言葉は彼のソロアルバムから)や、
BCM関連ではDonny Hathawayの娘Lalah Hathawayが参加しています。他にもAndré 3000、Jazmine Sullivan、
Sonyae Elise、Brandy、Nate Doggなど、90s-00sにかけてのR&B/ヒップホップの重要人物が名を連ねます。
その他にも、これまでの共演歴にはMac Miller, Chance The Rapper、A Tribe Called Quest、Kendrik Lamarなど、
新旧現在のブラックミュージックに影響を与えた数多くのアーティストとコラボレーションしています。
とにかく、最新作Venturaはこれまでの彼の作品の中でも最も「メロウ」な楽曲が集まっており、
特にLalah Hathawayの参加したReachin' 2 Muchは、ものを叩き潰すような音の強烈なスネアが作り出す
重くファンキーなグルーブと、フュージョン的なホーン、時折見られるネオソウル的なコード進行が最高。
80sのディスコ~BCM~ネオソウル、現代のヒップホップまでを見事に融合した一曲になっていますし、
アルバム全体での聴きやすさも素晴らしく、洗練されていたと思います。必聴の一枚です。

1位 IGOR/Tyler, the Creator

IGOR.png

カリフォルニア州ラデラハイツ出身のラッパー、1991年生まれ。Frank Ocean, The Internet, Earl Sweatshirt
などを輩出したクルー、Odd Futureの創設者でリーダーとしても知られています。5thフル。
Billboard US#1を獲得しました。特にM2EarfquakeはUS#13まで昇っています。
ゲストにはPlayboi Carti、Lil Uzi Vert、Solange、Kanye West、Jerrod Carmichaelなどが参加しています。
同性愛や無神論に関するリリックの内容で物議を醸すことの多い彼ですが、
今作はこれまでのアルバムと比較してとりわけメロディアスで、歌ものとしてのR&Bファンにも比較的馴染みやすい一枚でした。
日本人としては、山下達郎/FragileをサンプリングしたM10GONE, GONE / THANK YOUも外せません。
歯切れの良いキックとファンキーなスネアが作る軽やかなグルーブに、レコードのノイズと
ノイジーなベースが通奏低音として鳴るM1は、エレピのバッキングがどこかアシッドジャズのようでもあり、
複数のタイム感が曲の中に混在している絶品のサウンド・コラージュ。
大ヒットのM2は、サステインの短いベースが作る繊細なグルーブと甲高いスネア、ゴスペルライクなボーカルが
組み合わさった現代版クワイエットストームとも言うべき一曲。最高。
アフリカンなビートで始まるM3は80s的な安っぽいシンセのテーマが耳から離れません。
ナイジェリア出身のシンガー、Bibi MascelのSpecial Ladyを引用したとのことで、一流のディグといった感じです。
いい意味で原曲のブラックミュージック色、ブルース色をあく抜きしているところが面白い。
M5(私的名盤放送#51で取り上げました)は本作の中でも特にお気に入りのチルなトラック。
Thundercat/Drunkに収録されていそうな雰囲気です。
フィリーソウルの香り漂うサンプルをバックに銃声が流れるM8, 同じくMick Wareの70sメロウソウルをバックに
抜け出せなくなってしまった恋人への依存が生々しく歌われるリリックのM9,
かと思うと、イントロからローファイで歪んだ音色で始まる攻撃的なM10へと変化する様は、極めて分裂気質的です。
M10の間に挟まるブラックコンテンポラリー的なパートのバランスがまた絶妙。
そして山下達郎/COZYに収録されているFragileの一節が入るM10は、牧歌的な前半部分から、
一気にネオソウル的な多重コーラスとよれたビートの心地いいパートへとめくるめく変化していきます。
一つの楽曲の中に驚異的なスピードで、新旧様々な、有名無名のブラックミュージックのテクスチャーを配置しながら、
それをメロディアスに、一つの音世界として聴かせる構築力の高さ、フロウの美しさ、その全てが天才的といえる名盤でした。

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  1. 2020/04/11(土) 15:52:49|
  2. 雑記(音楽関連)
  3. | トラックバック:0
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プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
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