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TLR Signaling Is Required for Salmonella typhimurium Virulence

Toll Like Recepotorの働き
Toll Like Receptorはマクロファージの表面に存在(※)
し、ヒトでは10種類、マウスでは13種類が発見されている。
各々のTLRはそれぞれ様々なPamps(病原体に普遍的に
存在する分子パターン, Pathogen Associated Molecular
Patterns )に反応することにより、
1.ROS(活性酸素),RNS(活性窒素), 抗菌タンパクの生成
2.各種サイトカインの生成
(インターフェロン、IL-6,12, TNF-*)
3.クラスMHC-Ⅱ分子の表出増加
4.獲得免疫の活性化による樹状細胞の成熟制御
など、マクロファージの活性化に関わる
パターン認識レセプター(PRR)の一つである。
※TLR3,7,8,9は、細胞内のエンドソームに局在しており、
細胞内に侵入した微生物の核酸だけに反応することができる。

Salmonella typhimurunum(ネズミチフス菌)の
認識に関わるTLRは、TLR2,4,9の3つである。
TLR2とTLR4を共に欠失したマウスでは、
自然免疫が低下するために、細胞内で増殖する
病原体であるS. typhimurunumへと感染しやすくなる。

TLRが不活性化(欠失)されれば、自然免疫の作用が
低下すると捉えられるので、当然のように思える。
しかし、TLR2,4の他にTLR9も欠失したマウスでは、
ネズミチフス菌がマクロファージ内で自己複製するために
必要な遺伝子であるSalmonella pathogenicity island 2
(SPI-2)が誘導されず、菌は増殖できなかった。
※ヒトでは、TLR5も認識に関与している。

SPI-2がホストに誘導される時には、
複数のシグナルが関与している。
SPI-2は、宿主細胞に転座することによって、
ファゴソーム(食胞)を、バクテリア増殖を
サポートするSCV(Salmonella-containing vacuole)
へと変えてしまう。
転座による誘導には、
1. 陽イオンの奪取反応
2. リン酸塩の欠乏
3. pHの低下
という複数のシグナルが関係している。

MyD88, TRIF KOマウスの問題点
従来の研究では、TLRのアダプター分子(p4,5参照)である
MyD88とTRIFをノックアウトしたマウスが、
TLRシグナル不活化の状態を作り出すために使われた。
しかし、MyD88は、IL-1レセプターにおいても
アダプター分子として共通に使われる(※)ため、
IL-1レセプターも不活化されてしまい、このKOマウスで

TLR不活化(欠損)のみによる感染性の上下を確かめられな
い。(TLRだけでなく、IL-1レセプターの欠損でも、
菌は感染しやすくなるため)
※リガンドと結合してIL-1 RACPと会合し、二量体となったIL-1 receptor
はMyD88を介してIRAK活性化→TRAF6を介して
→転写因子NF-kBを誘導

KOマウスは、TLRを欠損させかつ
Nramp-1が機能することが必要である。
1.Nramp-1遺伝子は、ライソソーム中に集中する
膜タンパク質で、2価の陽イオンを通過させる
トランスポーターとして働く。
2.このNramp-1遺伝子が不活性化されると、
数多くの細胞内性の病原体へと感染しやすくなるが、
その機構に関しては、まだ明らかになっていない。
3. Nramp-1遺伝子は、SPI-2を活性化するだけでなく、
TLRによるシグナル伝達全体を活性化する。
以上のことから、TLRによるビルレンスの変化を
実験するため、KOマウスではNramp-1が正常に
機能している必要があり、かつアダプター分子
ではなくTLRそのものを欠損したマウスが必要となる。

なぜTLR9が欠損すると、
ビルレンスは低下するのか?
TLR9欠損のみがビルレンス低下の原因
だとすると、TLR2x4x9, TLR4x9のKOマウスでは
共に病原体に感染しにくくなっていなければならない。
ところが、
TLR4x9のKOマウスは、TLR2x4と同程度に
感染しやすいものとなった。

TLR9の欠損それ自身が、ビルレンス低下の原因では
ないことが示された。 

S. Typhimurimが細胞内で
自己複製されるには、TLR signalが必要である。
CFU
(コロニー形成数)がWild TypeとTLR2x4x9で
一定なのは、(菌の増殖が認められないのは)
WT:マクロファージの細胞死が原因
TLR2x4x9:菌の自己複製に必要なSPI-2遺伝子が誘導されないことが原因であり、両者は異なる。

透過型電子顕微鏡(EM)による
感染細胞の観察その1
※BMM(Bone Marrow-
Derived Macrophages)に
3種類のKOされたネズミチフス菌を感染させた。
A: (感染後2時間)全ての菌は
境界のはっきりした
空胞に包まれている。

透過型電子顕微鏡(EM)による
感染細胞の観察2
B(8時間後):
TLR2x4 KOでは
大きな変化は
起こらなかったが、
菌が自己複製をした様子が
認められる。
一方、TLR2x4x9 KOと
MyD88xTRIF KOにおいて
は、Bではリソソームによって
空胞が分解され始めている。

透過型電子顕微鏡(EM)による
感染細胞の観察3
C(22時間後):
TLR2x4 KOでは変化は
起こっていない。
TLR2x4x9 KOと
MyD88xTRIF KOにおいては、
菌は自身を包む膜を完全に失い、サイトゾル
(細胞質)の一部となっている。
サイトゾル中に入った菌は、SPI-2遺伝子のエフェクターを
分泌することが出来なくなるため、(Beuzon et al., 2000)
SPI-2遺伝子の発現に失敗していることが窺える。

RT-PCR法によりゲノム全体の増幅を行うと、
WTとTLR2x4ではSPI-2の増加が認められるが、
TLR2x4x9では増加が起こらなかった。

TLR Signalは、マクロファージ内のpHを
低下させることにより、SPI-2遺伝子を活性化する。
TLRの存在は、酸性化に貢献している。
TLR2x4x9とMyD88xTRIF KOにおいて、pHの低下が見られなかった。
TLR2x4においても、比較的pHの低下は緩やかになっている。
機構は定かでないが、TLR2x4x9では、TLR全体を不活化する
MyD88,TRIF KOと同程度にまで酸性化を抑えることができる。

発表全体の要点
1. Toll Like Receptor(TRL)の先天性免疫における
一般的な役割、TLR signalingについて概説する。
2. S. typhimurimの認識に関わるTLRの種類は3つある。
3. TLR signalingは、S. typhimurimの細胞内での
侵入力、増殖力(Vilrulence、ビルレンス)を高める
4. TLR signalingは、菌の増殖を助ける環境である
SCV(Salmonella-containing vacuole)
を構築するのに必要である。
5. TLR signalingにより誘導される遺伝子、SPI-2が
発現することによって、S. typhimuriumの複製が行われる。
6. TLR signalingはファゴソームの酸性化を促進し、
これがSPI-2誘導の合図となる。
7. Nramp-1は病原体の感染を防ぐ一方、SPI-2を活性化し、
TLRに依存する免疫反応を高める。

参考文献
1.医系免疫学、矢田純一、中外医学社、2011
2.医学大辞典第2版、医学書院、2009
3.イラストレイテッド生化学、丸善出版、2011
4.Essential 細胞生物学、南江堂、2011
5. National Center for Biotechnology Information
HP “SLC11A1 solute carrier family 11 (proton-coupled
divalent metal ion transporters),Gene ID: 6556”
(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene?Db=gene&Cmd=Sho
wDetailView&TermToSearch=6556 , 2013/04/07閲覧)
6. Salmonella maintains the integrity of its intracellular
vacuole through the action of SiffA , Beuzon, C.R., 2000
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  1. 2013/04/21(日) 23:29:07|
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