私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(197)

Album: If That's What It Takes
Artist: Michael McDonald
Genres: Soft Rock, AOR,Blue-Eyed Soul, R&B

If Thats What It Takes


アメリカ、ミズーリ州セントルイス出身のキーボーディスト、シンガーソングライター。
1952年生まれ。1982年作のソロ1st。全米6位。R&Bチャート10位。
キャリア初期にSteely DanのKaty LiedやThe Royal Scam, Aja, Gauchoといった
多くの作品や70年代末のツアーにコーラスとキーボードで参加し、注目されるようになりました。
そして75年にはウェスト・コーストを代表するロックバンドであるThe Doobie Brothersに、
体調を崩していたリーダーのTom Johnston(Vo, G)の代役として参加することになります。
(詳細はThe Doobie Brothersの項を参照)
同時期に、セッションキーボーディストとしてもCristopher CrossやStephen Bishop,
TotoにKenny Logginsといったメンバーのレコーディングやライブに参加しています。
ボーカリストとしてはバリトン音域の厚みのあり倍音の多い艶のあるチェストから、
伸びやかでパワフルなミックス~ヘッドへと見事な繋がりを見せ、
低音から高音までどこをとっても美味しいとこばかりという、声質や声量、リズム感どの点で見ても
文句の付けようがないボーカリストだと思います。
方向性としてはDoobie後期に見られた作風から大きく変化してはいませんが、
本作ではSteve Gadd(Dr,1,3,4,7,9,10),Jeff Porcaro(Dr,2,6,8),
Steve Lukather(G,2,4,6,8 and 10), Robben Ford (G, solo on 6,7),
Mike Porcaro(B,#6,8), Edgar Winter(Sax), Tom Scott(Sax, Solo on 6)
Greg Phillinganes(Key), Kenny Loggins(Chorus),Christopher Cross(Chorus)
といった錚々たる(!!!)スタジオ・ミュージシャンを起用しており、
演奏面でウェストコースト色を感じたDoobie後期より
R&Bやフュージョン色の強い洗練された演奏に仕上がっています。
#1Playin' By The Rulesは、Dean Parks(G)のキャッチ―なリフが曲を支配するポップス。
へヴィ―で手数の少ないフィルが落ち着いたグルーブを作るドラムスと
高いキーで軽やかに歌うボーカル、澄んだトーンのサックスソロが楽しげです。
大ヒット曲の#2I Keep Forgettin'は、Steve Lukather(G)の単音カッティングを絡めた寡黙なリフと、
Jeff Porcaro(Dr)のドライブ感溢れるロック寄りのドラミングがジャジーなコード感と
最高のフュージョンを見せてくれます。Greg Phillinganesのクラビネットと、
Michael自身が弾くFender Rhodesのバッキングもファンキーで素晴らしいです。
#3Love Liesは、キーボードのスピード感あるリフと、サビでのキメが面白く、
ハイハットのタイトな刻みがグルーブの鍵を握っています。
パーカッションが効果的に用いられているKenny Logginsとの共作#4I Gotta Tryは、
Michaelのメロディセンスが光るポップなAOR。やはりここでもLukatherのリフが
本当に良い仕事しています。Michaelの突き抜けるようなハイトーンと
Kenny Loggins自身による穏やかなコーラスが綺麗な対照をなしています。
#5I Can Let Go Nowはピアノの弾き語りにストリングスのみで味付けしたシンプルなスローバラード。
#6That's WhyはTOTOの鉄壁リズム隊が奏でる強烈なグルーブをバックにして
パーカッシブなキーボードのリフと、Robben Ford(G)とTom Scott(Sax)の完璧なユニゾンに
Cristpher Crossのコーラスと、正に非の打ちどころのない大名曲。悪いはずがない。
表題曲の#7If That's What It TakesはGaddの疾走感溢れるドラミングと
Willie Weeks(B)のスラップを絡めた水も漏らさぬ正確なフレージングが端正なグルーブを
作っています。Robben Fordのジャジーなギターソロが聴き所です。キーボードのタイム感も最高です。
#8No Such Luckは絶妙なプレゼンスを見せ鍵を握るMike Porcaroのベースラインと、
Edgar Winterの当時最新のフュージョンらしいサックスソロがポップなメロディーを
シブく盛り上げています。
#9Losin' EndはDoobie BrothersのTakin' It To The Streets収録曲のカバー。
シンセのリフとゴリゴリした太いベースラインが印象的だった原曲よりも
もう少しメロウでアーバンな雰囲気になっています。
#10Believe In Itは、静謐な冒頭部から一気にスリリングなフィルが入り一気に展開していきます。
自身によるゴスペルライクなコーラスとGreg Phillinganesの饒舌なキーボードがクールです。
アレンジも抜けがよく各楽器の分離も適度で、聴き疲れのない見事なものです。
最高のボーカリストと最高のミュージシャンが結集した80年代AORを代表する最高の名盤。
一生聴き続けるここと思います。この時代を生きてみたかった。

Playin' By The Rules

I Keep Forgettin'

Love Lies

That's Why

If That's What It Takes

Believe In It
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  1. 2013/09/20(金) 21:28:44|
  2. Michael McDonald
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<今日の一枚(198) | ホーム | アスベストに起因する発癌病態及び酸化ストレスについてのメモ>>

コメント

この人は確かスティーリーダンのバックコーラスもやってましたね。
その仕事っぷりはもはや職人そのものです。
  1. 2013/09/22(日) 03:15:46 |
  2. URL |
  3. わんわんわん #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

80年代前半期のスタジオ・ミュージシャンによる演奏の鉄壁さには本当に惚れ惚れします。
最高です。
Michael自身もMotownのヒット曲をカヴァーするなど
現在でも活躍されています。
  1. 2013/09/22(日) 22:00:13 |
  2. URL |
  3. Systematic Chaos #-
  4. [ 編集 ]

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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
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これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
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