私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この記事をはてなブックマークに追加

  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

今日の一枚(283)

Album: Nathan East
Artist: Nathan East
Genres: Fusion, Jazz, Pops

Nathan East


アメリカ、ペンシルバニア州フィラデルフィア出身のベーシスト、ヴォーカリスト。
1955年生まれ。ジャズ、フュージョン系のプレーヤーではありますが、
活動の範囲はポップス、ソフトロック、ブルースロック、エレクトロニカと極めて広く、
1970年代初頭から現在に至るまで参加、提供、アレンジした作品の数は膨大で、
洋楽ポップスで彼の演奏に触れたことのない人は居ないといって間違いないと思います。
これまで関わってきたアーティストは有名どころだけでもBarry White, Anita Baker,
Babyface, B.B. King, Eric Clapton, George Harrison, Elton John, Michael Jackson,
Stevie Wonder, Sting, Quincy Jones, Al Jarreau, Kenny Loggins, The Manhattan Transfer,
Herbie Hancock, Daft Punkなどジャンル新旧を問わないもので、ライブサポートでも
Fourplay, TOTO, David Sanborn, Kenny Loggins, Daft Punk, Paul Gilbert, Steve Gaddなど、
数多くのアーティストと関わり、Fourplayでは巧みなボーカルも披露しています。
Eric Claptonのバッキングとして認知しておられる方も多いのかもしれませんが、
基本的にはテクニカルなプレイと言うよりは2フィンガーので安定性の極めて高い落ち着いた
プレイの印象が強く、シンプルなフレーズの中で細やかにアクセントを付けていきながら、
きっちりとした、しかし非常に歌心のあるプレイをする方だと思います。
機材は自身のシグネイチャーモデルであるYAMAHAの5弦ベースであるBB-NE2、
或いはFoderaやMusic Manのベースも必要に応じて使っているようです。
値段としては35万円程度で手に入るものですが、ノイズレスピックアップを搭載した
スルーネック、アルダーバックメイプルトップ、各弦独立のブリッジが搭載された、
モダンでバランスのとれた一本で、ジャンルを問わず使えるモデルのようです。
長いキャリアと抜群の知名度がある中で、今年発表(2014)された今作が初めてのソロ名義での
作品というのは大変意外な感じがします。やはりアンサンブルの中で生きてきた
ベーシストなのでしょう。本作には、茶目っ気のある人物で、共演者からの信頼も厚い彼が
これまで関わってきた縁の深いミュージシャンが多く参加しており、Eric Clapton,
,Michael McDonald, Bob James(Piano), Ray Parker Jr.(G), Tom Scott(Sax), Vinnie Colaiuta(Dr),
Greg Phillinganes(Key), David Paich(Key, TOTO)など、
知る人ぞ知るメンバーがズラリと揃った贅沢な作品となっています。
Fourplayの1st(1991)に収録されていた#1 101Eastboundは、彼自身による柔らかいファルセットの
コーラスに、鋭いMichael Thompson(G)のカッティング、Ray Parker Jr.(G)の独特なまろやかな
音色のリードギターで、後半からはスラップも入ってラウドになっていきます。
本作レコーディング後の昨年末に亡くなった、ドラマーのRicky Lawsonの作る肉体的なグルーブで、
よりファンキーに仕上がっています。最高。自身の兄弟であるMarcel Eastとの共作。
金属っぽい鳴りを感じるベースのトーンは如何にも彼らしいです。
Stevie Wonder/Songs In The Key Of Life(1976)収録の名曲#2Sir Dukeでは、
ホーンはTom Scottによるアレンジが行われています。勿論コーラスは自身によるもので、
#1とほぼ同じメンバーによる録音。こちらにもJeff Babko(Key)のRhodesっぽい音のロングソロ
が入っています。Pat Methenyの#3Letter From Homeは、Nashville Recording Orchestraを
迎えた壮大な生演奏が行われています。録音も素晴らしく良い。
Michael McDonaldの参加したVan Morrisonのジャジー路線の一曲#4Moondanceは、
Vinnie Colaiutaのキレッキレなドラミングと、これまた鋭いホーン、
ファンキーなGreg Phillinganesのキーボードに対して、前に出過ぎずにどっしりとしたベース…
パワフルなシャウトも完璧に決まっています。お気に入り。
Michael McDonaldのソロ1st(1984, 詳細はMichael McDonaldの項を参照)から
#5I Can Let Go Nowは、グラミー受賞歴もあるシンガーソングライターのSara Bareilles(1979-)が
ボーカルを取っています。ピアノ弾き語りにベースとストリングスを加えた短めのバラードで、
しっとりと歌い上げます。歌のバックでの上手さは、控えめながら文句なしです。
Byron Chambersの加工されたボーカルが中心となった、ファンキーでブライトなグルーブがある
#6Daft Funkは、Nathan EastとMichael Thompsonの共作で、より一層肉体的で楽しげな
ベースプレイ、カッティングのリフを堪能できます。お気に入り。
FourplayのギタリストChuck Loeb作曲の#7Sevenateは、Richard Bonaのソロに出てきそうな
耳に優しいコーラスワークと、それよりは大分タイトなフュージョンの色の強いリズム、
Loeb自身によるエモーショナルなギターソロの絶妙な盛り上がり具合は見事です。
Steve WinwoodとEric ClaptonのバンドであるBlind Face名義での一曲
#8Can't Find My Way Homeは、ギターでEric Clapton本人が参加し、あのいつもの調子で渋い
ギターソロを決めてくれています。
Bob Jamesの#9Moodswingでは、Bob Jamesのピアノとアップライトベースにストリングスを絡めた
静的な一曲です。二人の間合いの完璧さや、弦の擦れるノイズの音が手に汗握ります。
こちらもStevie Wonderの#10Overjoyedは、本人がハーモニカで参加しています。
微かに鳴るパーカッション、煌びやかなアコギのバッキング、柔らかくスムースなシンセの音を
バックにして生々しく展開していきます。
余りにも有名な#11Yesterday(1965, The Beatles)は、彼の息子であるNoah Eastがピアノを
弾いており、ベースと歌だけと言う極めてシンプルなアレンジです。良いに決まってます。
日本盤のみに収録された小田和正(レコーディングに参加)書き下ろしの#12Finally Homeは、
ブレスリ―で囁くようなボーカリストとしての彼の魅力が凝縮されています。
綺麗なポップスですが、バックのピアノのフレーズにはジャズがあって、
ノスタルジックな曲調の中でこれがまた良い味付けです。お気に入り。
TOTOのDavid Paichが参加した#13Madiba(Nelson Manderaの愛称)は、
キメを繰り返しながら進行していくパートの気持ちよさ、その後のスキャットを入れて
アフリカンに展開していく流れが最高に好みです。グルーブも端正でありながら遊んでいて、
珍しくトレモロしたりスラップしたりとベースソロもノリノリです。
途中からオペラばりの荘厳なコーラスがあってまたRicky Lawsonのシンバルの切れ味と言い、
全てが最初から最後までキレッキレですね。堪らん。
日本盤でのボーナストラックであるWes Montgomeryの#16Four On Sixは、
少し録音は悪いですが彼の本来のプレイを楽しめる内容です。
ピアノとベースの長いリフレインを起点として攻撃を仕掛けていくドラムス、
音数の多いChuck Loebのギター、ずっしりとして微動だにしないウォーキングベースの
アンサンブルの雰囲気を掴むには十分すぎるおまけです。
曲数も多く多彩で、さらに個性の強いゲストが参加している本作ですが、どの曲のバンド編成も演奏も、
その曲に最適なアレンジとなるように完璧に計算されており、
ベースの音も少し大きめのミックスではあるものの決して主張しすぎず、
アンサンブル全体で一気に心地良く聴かせています。真に経験に裏打ちされた実力は底知れません。
大人のための、極上のポピュラーミュージックに仕上がっています。紛れもない傑作。

101 Eastbound

Moondance

I Can Let Go Now

Daft Funk

Finally Home

Making of Madiba
スポンサーサイト

この記事をはてなブックマークに追加

  1. 2014/04/16(水) 00:52:35|
  2. Nathan East
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<今日の一枚(284) | ホーム | 今日の一枚(282)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://grooveisalliwant.blog.fc2.com/tb.php/315-81e2615f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
※当ブログはリンクフリーです。
コメント下さると励みになります。
下さったら嬉しいです。
※Twitterもやっております。
アカウント名はprivategrooveです。
https://twitter.com/privategroove
こちらでもおすすめの音楽など情報を流しております!
フォロー下さると嬉しいです。
可能な限りフォローバック、コメントしに参ります。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

総閲覧者数(ユニークアクセス)

アクセスカウンター(PV数, 2013/12/26より集計)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

にほんブログ村 CDレビュー

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村

Feedly(RSSリーダー)で「私的名盤紹介」を読む

RSSリーダーとは、Google, Feedlyなど複数あるアプリまたはサイトを用いて自身で登録したブログの更新を自動で確認し、さらにブログ記事をテキストと画像、リンクのみの軽い状態で見ることができるツールです。 管理人も便利ですので積極的に使っております。 Feedlyにはスマホ向けアプリもありますが、PCはブラウザで操作でき動作も軽いため使っております。

follow us in feedly

「私的名盤紹介」管理人Twitterをフォローする

私的名盤紹介トップページをはてなブックマークに登録する

「私的名盤紹介」トップページをはてなブックマークに追加

「私的名盤紹介」管理人によるはてなブックマークを見る

管理人が普段見ている音楽系サイトで、気になる記事について、日々 「はてなブックマーク」を使ってコメントを付け、まとめております。 当サイトであまり取り扱わない音楽ジャンルの記事、年間ベスト、評論など雑多に取り扱っています。フォロー頂けると嬉しいです。

私的名盤紹介はてなブックマーク

「私的名盤紹介」管理人Twitter

TweetsWind

にほんブログ村ランキング(CD Review)

もし記事を楽しんでいただけましたら、お手数ですが 下の「このブログに投票」のところをクリックしていただけると大変嬉しいです。 投票はランキングに反映されます。

RSSリンクの表示

Ninja Tools(アクセス解析)

検索フォーム

相互リンク 音楽系レビューサイト

このブログをリンクに追加する

現在の閲覧者数

現在の閲覧者数:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。