私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(337)

Album: A River In The Desert
Artist: Paul Jackson Jr.
Genres: Jazz, Fusion, Funk, Smooth Jazz

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アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身のジャズ/フュージョンギタリスト、作曲家、
編曲家、音楽プロデューサー。1959年生まれ。12歳の時にギターを始め、15歳の時に
プロのギタリストとなることを決意します。南カリフォルニア大学に入学してから、
音楽を専攻していました。18歳の頃からセッションマンとして様々なミュージシャンの
レコーディングに参加するようになり、その中でも特に知られているのは、
Michael Jacksonの作品への参加であると思います。オリジナルアルバムのうち、
Thriller(1982), Bad(1987), Dangerous(1991)の三作品で、彼のギタープレイを聴くことが出来ます。
その他にもTemptations, Whitney Houston, Thomas Anders, Patti LaBelle, Chicago, Elton John,
George Benson, Al Jarreau, Marcus Millerなどの作品に参加しています。
アメリカ国内でのテレビ番組でも彼の演奏を聴くことができ、The Tonight Show with Jay Lenoや
American Idolと言った番組でも演奏をしているようです。
影響を受けたギタリストとしてはLee Ritenour, Ray Parker Jr., Al McKay(Earth, Wind & Fire)の
三人を挙げており、特にLitenourについては、彼がソロ活動を行うようになったのが
きっかけでその代役として自分がセッションマンのキャリアを積んで言った、と
Jackson自身が語っているほどです。とりわけ彼のギタープレイで評価されているのは、
コードカッティングを始めとするリズムギターのテクニックやタイム感と言うことになるのでしょうが、
ソロ作品では、甘いトーンと流麗でメロディアスなプレイを堪能できます。
1988年にソロデビューしてからは数年ごとに(一時期はBlue Noteから)作品をリリースしており、
最近ではDaft PunkのRandom Access Memories(2013)のレコーディングにも参加するなど、
活発に活動しています。本作は1993年作の3rd。

ゲストのミュージシャンにはHarvey Mason(Dr),Jeff Lorber(Key), Greg Phillinganes(Key),
George Duke(Piano), Stanley Clark(B), Paulihno Da Costa(Perc)など豪華で、
リズム打込みの楽曲もありますが、それらには当時隆盛を見せていたアシッドジャズのような
(Ronny Jordanのようにヒップホップ寄りのトラックと緊張感のあるプレイというと言い過ぎですが)
雰囲気もありながら、バラードもあって、全体として落ち着いたスムースジャズといった感覚です。

#1Heaven Must Be Like Thisは、Glen Jonesによるソウルフルなボーカルとコーラス、
パリッとしたアタックとオクターブを巧みに絡めたソロが心地良い一曲です。
バックで鳴るストリングス系のシンセはGreg Phillinganesによるものです。お気に入り。
続いてインストの#2Alainは、Gerald Albrightのサックスとギターのユニゾンした
テーマから始まるバラードで、Jeff Lorberのキラキラとしたキーボード、シンセベースの音は
無機質な感じがなく温かみのある音像です。テーマの後のギターソロは
速弾きの多いフレーズですが、至ってクールで落ち着いています。
ソリッドで生々しいキックと乾いたスネア、ウネウネしたシンセベースの作るグルーブが
アシッドジャズ的な#3The Flavorは、ファンキーなカッティングとレイドバックした
オブリガートのタイム感が堪りません。お気に入り。
スムースジャズ~フュージョンと言った感覚の#4Preview Of Coming Attractionsは、
Harvey Mason(Bob James, Chick Corea, Lee Ritenour,Herbie Hancock etc)の、
細やかなアクセントの付いたハットや、エレピのパーカッシブなバッキングに載せて
メロウで流麗なギターが歌っています。エモーショナルなサックスソロを挟んでギターも
ボルテージを上げていきます。アウトロのピアノソロのヴォイジングも素晴らしい。お気に入り。
#5The East From The Westは、アコギのソロがフィーチャーされたパートと、
エレキに持ち変えてのソロが中心となったパートが入れ替わりながら進んでいきます。
アコギの低音弦の温かい響きや粘っこいスライドの音が堪りません。これも良い。
Leon "Ndugu" Chancler(Weather Report, Eddie Harris, Hampton Hawe etc)のスウィンギーな
ドラムスとStanley Clarkeのウォーキングベースの中でオクターブ奏法を多用した
ギターソロが鋭い#6It's A Startは、テンポアップしていきながらBobby Lyle
(Sly & The Family Stone, George Benson, Al Jarreau, Anita Baker etc)の
ファンキーなピアノソロが聴き所です。最高。
Boyz Ⅱ Men(Boyz Ⅱ Menの項を参照)の、1992年に全米1位となったヒット曲のカヴァー
#7End Of The Roadは、ギターインストとしてリアレンジした部分と、
コーラスが入ってくる中でジャジーなソロを弾きまくるパートが原曲を
あまり崩さずに上手く同居しています。
表題曲の#8River In The Desertは、Harvey Masonによる生ドラムと打込みのパーカッションや
ハンドクラップ、歯切れの良いシンセベースの中で浮遊感のあるソロが特徴的です。
Atlantic StarrのリードヴォーカリストであったBabara Weathersの伸びやかなボーカルを
フィーチャーしたブラコンなバラードの#9If I Go Awayは、アコギの音数を絞ったバッキングと、
後半にかけてパワフルになっていくドラムス、そして歪んだトーンの、
泣きのギターソロへと繋がって行きます。
82年から86年まで活動していたゴスペルユニットのBeBe & CeCe Winansの1988年のヒット曲
カヴァーである#10Heavenは、徐々に上昇していくカッティングフレーズが鳥肌ものです。
#11One O'Clock Bluesは、#6と同じ編成によるジャズブルースの一曲で、
一際渋いプレイを楽しめます。

派手なテクニックやアウトフレーズに満ちた緊張感のあるプレイが楽しめる、
というわけではありませんが、カッティングやソロのリズムの緻密さや
一転の曇りの無い清澄なトーンを楽しめる、落ち着いた、スムースな佳作です。

Heaven Must Be Like This

The Flavor

Preview Of Comming Attractions

End Of The Road

If I Go Away

Heaven
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  1. 2014/09/21(日) 19:59:51|
  2. Paul Jackson Jr.
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独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
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