私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(347)

Album: Tatham, Mensah, Lord & Ranks
Artist: 2000Black
Genres: Electronica, Fusion, Drum and Bass, Neo Soul

2000Black.jpg

イングランド、ロンドンの北部ドリスヒル出身の音楽プロデューサーで、
ドラムンベース、ブレイクビーツの黎明期、1989年から活躍してきたユニット、
4Hero(1998年にTalkin' Loudから発表したアルバム、Two PagesはMassive Attackの
Mezzanineなどと共にマーキュリー賞を受賞しています)
のメンバーであるDennis "Dego" McFarlaneを中心とするエレクトロニカ、
フュージョン、ニュージャズ、ブレイクビーツユニット。1998年結成。本作は2012年作。
ユニット名はRoy Ayersの1975年の同名曲から名付けられたようです。

メンバーはDennis "Dego" McFarlane(今作ではDego Ranksとクレジット),
Kaidi Tatham, Akwasi Mensah, Matt Lordの4人です。
Kaidi Tathamは、Home Cookin'のようなファンクバンドやBugz in the Atticのような
ブレイクビーツユニットでキーボーディストを務めており、
Matt Lordも同じくHome Cookin', Bugz in the Atticのメンバーでした。
四人によるサウンドプロデュースに、ゲストボーカリストとして
Bembe Segue, Sarina Leah, Ferraz, Nadine Charlesなど、
サックスプレーヤーにFinn Petersなどを加え、強烈で複雑な打ち込みのビートに、
暖かみのある生音、さらにはヒップホップ、ラテンなどが入り混じった、
ジャジーでファンキーなエレクトロニカと言った趣です。
特にリズムにはブレイクビーツやポリリズム、変拍子が積極的に取り入れられていて、
複雑な作りになっています。軽いリズムとうねるベース、ワウの掛かったクラビネットと
全体としてはブラックの色合いがかなり濃い作品です。

#1Seven4は、柔らかいトーンのシンセによる変拍子のリフと様々に散りばめられた
コンガのようなパーカッション、ワウの掛かったクラビネット、
鋭くフュージョンライクなスネアが作り出すハーモニーはPat Methenyを思わせるようです。最高。
ボーカルの入った#2Naiveは、左右に揺れるピコピコシンセのデジタルな感触と、
パワフルになったリズム隊、ボーカルの生々しい感触が好対照をなしています。
ベースラインはかなりシンコペーションの入ったフレーズが多く、この辺もフュージョン的です。
ジャジーなピアノ、サックスの生音をサンプリングした#3Celebrateは、
バックを流れる男性コーラスがソウルフルで心地良いです。
ワウの掛かったカッティングが配されていたり、
ベースはうねりがあってリズムはファンキーです。これもお気に入り。
冒頭にラテン風のパーカッションソロが入っている#4Badlyは、
ベースが入ってきてからは徐々にコズミックな音作りへと変化していきます。
分厚いコーラスが配され、ジャパニーズフュージョンのウィンドシンセのような音のキーボードが
印象的な#5Stars Shine For Youは少し変り種です。
Michael JacksonのRemember The Timeとクリソツなキーボードの浮遊感たっぷりな
リフで一気に掴まれる#6Mr Picklesは、鋭い音色のドラムス、
トレブリーなベースによるソロが聴き所です。最高。
リバーブの掛かった女性ボーカルがドリーミーな#8Mind Skiesは、パーカッションにラテンっぽい
グルーブがあり、サスティーンの短く歯切れの良いベースがその揺れを強烈にしています。お気に入り。
打って変わってダンサブルなミドルテンポの#9Missing In Actionは、
中間部での音数の絞られたシンセソロがキャッチ―な一曲です。これも良いです…
#10Get Up Lift Up Yourselfは、ワウの掛かったアルペジオ中心のシンセベースに、
無機質なドラムスとブラコン風味のリズムをバックに、エモーショナルな女性ボーカルが映えています。
音数は少なく密室的で冷ややかな音像で、オリエンタルなシンセのリフが異彩を放っています。
#11You Know Its Like Thatも#10と同じような雰囲気のリズムですが、
展開はもう少しポップで、70s末のシカゴソウルのような香りを放っています。
完全にテクニカルフュージョンの体裁を成してしまっている#13T.H.Bは、
冒頭から難解なキメを連発する展開から始まり、シンセのソロはトーン含めて
どこか日本のフュージョンを思わせます。パーカッションのロングソロがあり、
高音のシンセがウネウネと動き回って行きます。再びベースが前に出ていきテーマへと戻ります。
#14Quantumはローファイなシンセのコード弾きとサックスが登場する短い一曲。
ブラジリアンなテイストの強いフュージョンの#15Ooh Monseigneurは、
フルートがかなり早いパッセージのテーマを吹いていて、その音の隙間を縫って
シンセが入ってきます。ジャングルビートを鳴らすドラムスはあまり動かず、
徐々に上昇していくテーマのフレーズの高揚感が堪りません。最高。
#16TreDJanous Interludeは喧騒のSEにハンドクラップ、アコギを加えた短い一曲。

エレクトロニカと冒頭で書きましたが、実際にはかなり生に近付けた音作りで、
フュージョン寄りのリズム、ソウルフルなスキャットやコーラスと、
フュージョンやブラコン、ソウル好きの方ならかなり楽しめる一枚だと思います。
中古屋のセールで偶然見つけた一枚でしたが、他の作品も是非聴きこんでみようと思います。
かなりの当たりでした。最近の愛聴盤。

Seven4

Mr.Pickles

Missing In Action

You Know Its Like That
 
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  1. 2014/11/12(水) 01:04:36|
  2. 2000Black
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

Systematic Chaos様 こんばんは

確かにすごく生っぽい音で
エレクトロニカとしては新鮮に聴こえます。

スマートで透明感があるので
日本のフュージョン、という例えは
言い得て妙ですね。

  1. 2014/11/16(日) 02:05:50 |
  2. URL |
  3. GAOHEWGII #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

生音の効果的な用い方、ドラムンベース由来の強力なグルーブには
中毒性があって、とても嵌っています。
4Heroというグループのメンバーによる作品なのですが、
そちらの作品もジャジーでムーディーな作品で、良いですよ~!
  1. 2014/11/20(木) 22:35:55 |
  2. URL |
  3. Systematic Chaos #-
  4. [ 編集 ]

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Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
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渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
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6. ジャズ,フュージョン,
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ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
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オルタナティブヒップホップ
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ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
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