私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(351)

Album: 黄昏エスプレッソ
Artist: 堂島孝平
Genres: Pops, AOR, Soft Rock

黄昏エスプレッソ

大阪府大阪市生まれ、茨城県取手市出身の日本のシンガーソングライター、
作曲家、編曲家。1976年生まれ。神奈川大学経営学部中退。

幼少期からピアノ、14歳の時にギターを弾き始め、高校在学中、1993年に行われた
ヨコハマハイスクール HOT WAVE Festivalという高校生のための音楽コンテストで
イメージソング賞を受賞し注目されたことがきっかけで、
1995年に日本コロムビアからメジャーデビューを果たします。
その後はなかなかヒットに恵まれませんでしたが、6thシングルの"ロンサムパレード"の
ヒット、そしてテレビアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のオープニングテーマとして
使われた7thシングル"葛飾ラプソディー"も有名曲となっています。
2000年からは自身でアレンジも手掛けるようになり、2003年には
徳間ジャパンコミュニケーションズ、2007年にはバップへと移籍し、テレビCM楽曲の制作、
Kinki Kids、声優、歌手の飯塚雅弓などへの楽曲提供も行いながら、
現在に至るまで活発に活動を続けています。

本作は2000年作の6thアルバムで、プロデュースにはバンド時代のOriginal Loveの
メンバーとして活動していた(Original Loveの項を参照)宮田繁男(Dr、松任谷由実など多数)、
元Pizzicato Fiveのサポートメンバーの中山努(Key)、真心ブラザーズの
桜井秀俊の三人が担当しています。その他、スタジオミュージシャンには
鈴木茂(G)、古川昌義(G)、中西康晴(Key, Pizzicato Five)、渡辺等(B)、
小松秀行(B, Original Love)、佐々木久美(Cho)、真城めぐみ(Cho)などが
参加した豪華な編成となっています。

シンプルでポップな楽曲と甘く柔らかくて無垢なボーカルに、
鋭くフュージョンライクなリズム隊、浮遊感のあるシンセやエレピ、
緻密なストリングス、緊張感あるホーンを配した楽曲など、
全体としてはブラックミュージック的な、肉体的なグルーブの強い作品に仕上がっています。
その中で、鈴木茂のカラりとした歪みのギター、古川昌義の丸く角の取れた
クリーントーンのカッティング、小松秀行の太くファンキーなベースライン、
宮田繁男の叩き出すフィルなどなど、鳥肌ものの演奏が詰まっており、
ジャケットのコーヒー豆のような豊かで深い渋みのあるサウンドです。

#1流星カルナバルは、レゲエっぽいカッティングやコーラスの掛かったアルペジオ、
真城めぐみのソウルフルなコーラスの作る牧歌的なメロから、
キメの心地良いサビ前の展開がグル―ヴィーでフォーキーな一曲です。
鈴木茂(G)がジャラジャラした低音弦の響きのクリスピーなリフを弾く
#2ラブ・トーク・ショーは、中西康晴のエレピのファンキーなバッキングに山本拓夫のフルートソロが
聴き所です。か弱いファルセットボイスのサビは癖になりそうです。お気に入り。
古川昌義のカッティングから幕を開ける#3センチメンタル・シティ・ロマンスは、
宮田繁男の得意とするフュージョンライクなドラムスと切れのいいホーンが絡みつきます。
フィリーなストリングスが豪華に彩るサビはキャッチ―で、鋭いバッキングの中で
哀しげなメロディが際立っています。最高。
表題曲の#4黄昏エスプレッソは、渡辺等のモコモコしたウォーキングベースに
フォーキーなアコギ、浮遊感のあるエレピのバッキングがメロウなバラードです。最高。
テンポアップして再びフュージョン的な音へと戻った#5涙をとめろは、
生のホーンセクションによる分厚いオブリガート、単音カッティングで疾走感を演出するギター、
かなり大きめに入った佐々木久美の透き通ったコーラスで、キメに向かって
ボルテージが上がって行きます。CHiBUN(G)によるカッティングソロ、ホーンのソロも
かなり長めに入っています。小松秀行のベースも派手にユニゾンして弾きまくっています。お気に入り。
中山努のピアノとCHiBUNのアコギにボーカルが入って始まる音数の少ないバラード
#7Keep on lovin'は、ギターのオブリガートのフレーズに東洋的なフレーズが入っていて面白いです。
#8セピアは、須貝直人の、もう少しロック寄りになったドライブ感あるドラムスと、
桜井秀俊のシタールのミステリアスな響きのフレーズが特徴的なサウンドで、
サビでは金原千恵子をはじめとする生のストリングスが加えられています。
#9フライハイは、矢部浩志(Dr), キタダマキ(B)のさらにラウドなリズム隊となり、
爽やかなポップロックに仕上がっています。
ホーンのジャムがSEに入った#10フルムーンカフェで会いましょうは、
堂島自身による派手なホーンアレンジとアコギ、中山勉のニューオーリンズチックなピアノ、
で暖かくブルージーになっています。これもお気に入り。

10曲入りと短めの内容ですが、かなり緻密に計算されたバンドサウンドと
捻りのありかつキャッチ―な楽曲で、彼の甘いボーカルが最大限に生かされています。
フォーキーで暖かくポップなメロディ、楽曲に、鋭くフュージョン、AOR的な演奏、アレンジが
組み合わさった、非常に良質なポップスだと思います。00年代シティ・ポップスの傑作。

センチメンタル・シティ・ロマンス

涙をとめろ
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  1. 2014/11/22(土) 23:54:12|
  2. 堂島孝平
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

Systematic Chaos様 こんばんは

堂島孝平は好きでずっと追いかけているのですが、久しぶりにこの頃のアルバムを聴き返してみました。パーティー・ミュージック色の強い今よりも、ずっとのんびり爽やかな感じだったんだなぁ、と改めて実感。甘い歌声はこの時期の方が威力を発揮しているかもしれませんね。
  1. 2014/11/23(日) 01:50:40 |
  2. URL |
  3. GAOHEWGII #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

個人的にはオリジナル・ラブのリズム隊が好きで、
手に取って聞くようになりましたが、その後の作品も素晴らしいと思います。
もっとヒットしても良いと思うんですが…
  1. 2014/11/27(木) 22:27:47 |
  2. URL |
  3. Systematic Chaos #-
  4. [ 編集 ]

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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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