私的名盤紹介―真の雑食を目指して

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今日の一枚(360)

Album: 椎名純平
Artist: 椎名純平
Genres: R&B, Soul, Neo Soul

椎名純平


埼玉県浦和市(現在のさいたま市)出身の日本のシンガーソングライター。1974年生まれ。
慶應義塾大学法学部中退。椎名林檎の実兄。(詳細は椎名林檎の項を参照)
2001年作の1stスタジオアルバム。事務所は椎名林檎が代表取締役を務める黒猫堂。

父の転勤の関係で静岡、福岡と引っ越しながら幼少期を過ごし、地道にライブ活動、
オーディションを行っていたようです。2001年にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
から遅咲きのデビューを果たします。

その後はソロ活動の傍ら椎名林檎とのデュエット曲も複数あったり、
篠原涼子とのデュエット、Time of GOLDはCMソングとして採用されています。
2008年には椎名純平&The Soul Force(現在はDezille Brothers名義)と言うバンドを組んで
活動を続けています。他アーティストとの共演ではZOOCO(ex Escalators), Rie fu, wyolicaなどがあります。

妹と比べるとメディアの露出や派手なヒットの少ない彼ですが、その声の魅力は
尋常ならざるものがあると個人的には感じています。一言で言ってしまえば渋く、
どこまでも深みのある声、官能的なファルセットにパワフルなハイトーンということですが、
フレーズのモタらせ具合と言うか独特のレイドバックした感覚は、日本人のシンガーには
なかなか見られない個性的な表現で、惹きつけられるものがあります。

トラックはジャジーなR&Bで、乾いたエレピのリフにカラりとしたドラムス、
太くうねるベースがあり、ミックスの関係上若干ボーカルが埋もれ気味に聞こえてしまいますが、
どこを切り取っても耽美的なサウンドです。頽廃的なサウンドとは裏腹に敬虔さ、潔癖さを
感じさせる歌詞には英語が少なく、トラックにうまく載せるため
かなり発音をアレンジして歌っていて、この点も聴き所だと思います。

バックを固めるスタジオミュージシャン達はEvil Vibrationsと名付けられ、
東京事変でギタリストを務める長岡亮介(G、別名義:浮雲),
同じく東京事変のドラマー、畑利樹(Perc、別名義:刄田綴色)、
大神田智彦(B), 波多江健(Dr, 田村ゆかり、古内東子、RIP SLYME),
SOIL&“PIMP” SESSIONSのTabu Zombie(Trumpet)がクレジットされており、
ストリングスアレンジは弦一徹ストリングス(#3)が担当しています。
取り分け、多くの曲で長岡亮介のギターソロがフィーチャーされているので、
彼のギターが好きな方にも堪らない一枚だと思います。

インストの#1EVは、アフリカンなパーカッションのソロから始まり、リムショットを中心とした
リズムパターンでヒップホップ的なグルーブを作っています。モーダルなインタールードです。
リバーブを掛けられたトランペットとコズミックなシンセが迫ってくる#2物語は、
コーラスが入ってくるとエレピのリフ、極端にレイドバックしたリズムが入ってくるD'Angelo的な一曲。
1stシングルの#3世界は、輪郭の滲んだシンセと右チャンネルを流れるコードカッティング、
乾いていて歯切れの良いスネアが音数少なく流れるクワイエットストームで、
サビにかけて遠めの定位でストリングスが入ってきます。艶やかなファルセットによるメロの歌唱の
バックには、消え入りそうな弱々しいコーラスが入っています。
サビではこのエロティックなこのファルセットに力強いロングトーンが絡んで圧巻です。
ギターソロはバリバリとした歪みでブルージーです。最高。
#4未来は、ワウの掛かったシンセとエレピがスペイシーでローファイなイントロから、
生々しい音色のドラムスが入ると、ミュートのきいたトランペット、太くうねったベース
でファンキーに変化する展開は鳥肌ものです。サビはストリングスやソウルフルな女性コーラスが
入っていて、ブリッジではEWFを思わせるようなフュージョンライクなキメを連発していきます。
低音成分が多く暖かみのあるボーカルの味わいも堪りません。ギターソロはかなり長めです。これも最高。
もたれかかっていて甲高いドラムスと地を這うようなベースにピアノ、ホーンが音数少なく
ワンコードでゴリゴリ押す展開を中心にした#5逃げろ!は、メロディの動きも少なく、
リズムの中でフロウするボーカルがグルーブを作ります。お気に入り。
人の叫びともつかぬSEとドラム、パーカッションがシームレスに続いて
#6仮面へと繋がっていきます。左チャンネルを流れるパーカッションと、右チャンネルを流れる
フェイザーの掛かったようなクリーントーンの16ビートカッティングが流れ、
ベースのリフがひたすら繰り返されるミニマルな作りです。
一人多重コーラスの多用された#7疑惑では、エレピはかなり遠くで鳴っており、
ハーモニーはコーラスで提示されています。メロでは殆どラップに近い歌唱になっています。
残り1:30でフェードアウトしてからは、足音のようなパーカッションが配され、別の展開となります。
パーカッションソロから始まり、揺れるエレピのコード弾きとエフェクトの掛けられたコーラス、
クッたパターンのベースリフが延々と続くイントロが印象的な#9無情は、
サビにかけてホーン、ストリングス系のシンセと音数が増えていき、ジャジーなサビでは、
キメを繰り返す構造になっており、サビのバックで
メロディックに動き続けるベースラインが良いです。最高。
スライドの入ったカッティング、サックスソロのバックでは松木恒秀を思わせるような
単音カッティングのフレーズが甘く蕩けるような感覚のあるギターが存在感を放つ#10白昼夢は、
本作の中でもとりわけソウルフルで熱い歌唱が楽しめる一曲です。
ギターソロもトレブリーでクリスピーな音でこれが一番好きです。最高。
フェードアウトしてからは、生々しいスネアロールのバックでシンセとコーラスが配された
エレクトロニカ的なアプローチがなされています。
その流れのまま#11朝では、ここまでの曲の満ち満ちた緊張感から少し解放されて、
初期のOriginal Loveを思わせるような、角の取れたホーンとレゲエ的なカッティングのまろやかな、
ゆったりとしたトラックになっています。かなり長めのギターソロが二つ入っており、
アウトロにかけて熱を帯びていくボーカルの捻くれ具合が癖になります。お気に入り。
ダンサブルで重いリズムと短い繰り返しのメロディによるディスコライクなパターンミュージックの
#12Music Makerは、サビでラップが入っており、リズムボックスと歌のみのパートと変化を付けながら、
ラストのフルートソロへと繋がって行きます。

アルバム全体として聴くと、サウンドがかなり統一された一枚であるため、疲れてしまうような
側面もあるかもしれません。しかしながら、彼の独特な癖のあるメロディセンスと、
太く、強力なエネルギーを持って迫ってくるボーカルワークは、
日本のR&Bが好きな方ならば、一度は聴いていて損は無いと思います。
枯れた生演奏と、密室的で音数の絞り込まれたトラックは、ネオソウルの音の成分を
たっぷりと吸い上げつつも、キャッチ―なメロディとグルーブに満ち満ちていて、
妖しげな、毒々しい魅力を放っています。傑作。

世界

逃げろ![Live]

無情[松尾潔プロデュースバージョン]

白昼夢[Live]
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  1. 2015/01/19(月) 23:14:53|
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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
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5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
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オルタナティブヒップホップ
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9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

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ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
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