私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(383)

Album: 17 Living Souls
Artist: monolog(金坂征広, Yuki Kanesaka)
Genres: Funk, Soul, Hip Hop, Jazz Funk, R&B

17 Living Souls

千葉県、茂原市出身の日本のマルチプレーヤー、音楽プロデューサー。ボストン在住。
1981年生まれ。2013年作の2ndフルアルバム。

中学生の頃からミュージシャンとしての活動を開始し、高校卒業後バークリー音楽大学に入学、
その後はボストンを拠点として音楽活動を行っています。
バークリー在学中にはCee Lo(1974-, Goodie Mob, Gnarls Barkleyのメンバー)
, Slum Village(90s後半に活躍したデトロイト出身のヒップホップグループ)といった
ヒップホップグループのバックでスタジオミュージシャンとして演奏していました。
米国内の雑誌The SourceではNational Rap Music Competitionの部門でプロデューサーとして
優勝するなどしています。
また日本国内では、女性R&B系シンガーである山口リサ(1983-)のプロデュースをデビュー当時から
行っています。

2012年にはRe:Live -JAZZ meets HIP HOP CLASSICS-というカバーアルバムを発売しており、
90年代のR&Bやヒップホップの名曲、De La SoulやCommon, D'Angelo, Aaliyahなどの楽曲を
ジャジーにアレンジし、20種類以上の楽器を自身の手によって全て生演奏し制作するスタイルを
確立していきます。

本作も自身による生演奏のオーバーダブによって制作されており、オリジナル楽曲に加えて
レアグルーブとして知られるArchie Bell & The Drells/Tighten Upや、
Stevie Wonder/As, Bobby Caldwell/What You Won’t Do For Loveなどの知る人ぞ知る有名曲、
Patrice Rushen本人を迎えたRemind Meも収録されています。
その他には、2004年には共演歴もあり彼自身が影響を受けているGeorge Duke(1946-2013)への
追悼としてFrom Dusk To Dawnのカバーも収められています。
アルバムのライナーノーツにはDukeに向けられたメッセージが綴られています。

Marie Davyをゲストボーカルに迎えた#1Can Youは、オールドソウルそのもののベースラインと、
Twangなトーンのリズムギターの単音リフとカッティングに、一際モダンな音の
引き締まったドラムスが組み合わさった一曲です。
そのままJ Troniusをゲストに迎えたジャズファンク#2Livin For Itへとシームレスに繋がって行きます。
中盤では同音連打を中心とした派手なピアノソロが控えています。
Archie Bell & The Drellsのカバー#3Tighten Up ~hype vibe~は、モコモコとしたトーンのベース、
アナログっぽい音の塊となって迫ってくるドラムスが作り出すグルーブが腰に来ます。最高。
短いインストのインタールード#4King's Men Is Still Aliveでは、もう少し疾走感が出た16ビートで、
Loyvieをゲストに迎えた#5Grey Cityは、ローファイなエレピが自由自在に跳ね回り、
柔らかなシンバルレガートのリズムパターンに、ひたすらにファンキーな
カッティングが繰り返されるジャズファンクです。お気に入り。
Oj Martoriをゲストに迎えた#6Week Endは、繊細でファルセットの滑らかなボーカルと、
アンビエント的な香りのするシンセにローファイなドラムスやエレピの音が混然一体となっています。
本人が参加したPatrice Rushenの1982年作のカバー#7Remind Meは、エレピのソロからパーカッションと
ドラム、ストリングス系のシンセが入って来るモダンな音作りとなっており、
2小節をひたすらに繰り返すベースリフが前に出たファンキーなアレンジとなっています。
キーボードソロは、ピッチベンドの多くエモーショナルで、後半ではエレピのリフとドラムのみのパートから
これまた味のあるハーモニカソロも入っています。原曲よりもこちらの方が好きかもしれないです。最高。
George Dukeへのトリビュートであるカバー#8From Dusk To Dawnは、バックビートの強調された
重厚感たっぷりのドラムスにゆったりとしたエレピがテーマを弾いていく前半部から、
リズムチェンジした後半では白玉が多くなり、激しくなって行きます。お気に入り。
The Metersへのトリビュートというドロドロしたファンク#9A To Zigabooから、
Oj Martoriをゲストに迎えた#11Good Timesは同じくファンクでありながらももう少しモダンな音に
なっていて面白い対比になっています。
パワフルな女性ボーカルShakyma Horaciusをゲストに迎えた#13Be Freeは、細切れにブレイクを
挟んでネオソウルっぽいグルーブを作り出しています。
爽やかで甘いコーラスと微妙にブレスリーなトーンのリードボーカル、Vをゲストに迎えた
#14So Goodは、もう少しテンポを落として、オルゴールのようなシンセのキラキラとした
フレーズやポップなメロディもあって異色な一曲です。お気に入り。
Stevie Wonderの名曲カバー#16Asは、ピアノソロによるジャジーなイントロから、
揺れのある女性コーラスにネオソウルっぽい香りがするパートがあり、リズム隊が入って来てからは
音数少なくレイドバックしたアレンジになっています。お気に入り。
Saucy Ladyをゲストに迎えたBobby Caldwellのカバー#17What You Won’t Do For Loveは、
大胆にリハーモナイズされたピアノ弾き語りによるアレンジです。

基本的にはインストもののジャズファンクやサザンソウルが好きな方はきっと嵌ると思いますが、
所々にネオソウル的な音遣いやリズム構築が見受けられたり、そういった音とアナログ的な、
音全体が塊になって迫ってくるようなバンドサウンドが綺麗に溶け合っていて、
さらりと聴けてしまいます。佳作。

Livin For It~King's Men is still Alive
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  1. 2015/03/27(金) 01:51:41|
  2. monolog
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

Systematic Chaos様 こんばんは

こういうグルーヴィなオルガン・インストのカッコよさには
ブライアン・オーガー(トリニティ)で目覚めました。

オーガーほどタメは無いですが、
グルーヴがとても気持ちいいです。
しかもネオソウル路線もあるのですか。
いいですね。
  1. 2015/03/29(日) 02:23:40 |
  2. URL |
  3. GAOHEWGII #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

これだけのクオリティの演奏をすべて一人でこなしてしまう技量は恐ろしいですね。
まだ若いミュージシャンなので、これからの活躍にも期待したいです。

George Dukeが好きな人はきっとはまること間違いなしだと思います。
  1. 2015/04/04(土) 17:21:49 |
  2. URL |
  3. Systematic Chaos #-
  4. [ 編集 ]

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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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