私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

今日の一枚(393)

私的名盤紹介にお越しくださっている皆様、お世話になっております。

そう言えば言い忘れていましたが、だいぶ前に
ユニークアクセスが3万人を超えました。
ありがとうございます。

別にそれほど忙しくなった、という訳でもないのですが、一時に比べて更新頻度が落ちていて申し訳ないです。
3万人達成ということで何かしら企画をやろうかどうか考え中です。
(音楽とは全く関係ないネタ記事になるかもしれません。)

という訳で、今日は、

筆者自身がファンクラブに所属している水樹奈々さんの作品を、
最近暫くレビューしていませんでしたので、今回は新しいシングル2つを、
遅ればせながら紹介したいと思います。

バイオグラフィーや以前のレビューは水樹奈々(ポップスタブ)の項を参照して下さい。

Album: エデン
Artist: 水樹奈々
Genres: Alternative Rock, Pops

エデン


愛媛県新居浜市出身の歌手、声優。31枚目の4曲入り全A面シングル。
2015年作。オリコン週間チャート2位。

表題曲のプロデュースは今回初めてとなる1999年結成の日本のパンクバンド、藍坊主のリーダー、
藤森真一が担当していることが注目されていたかと思います。
残りの楽曲に関しては、#2No Limitを陶山隼(1979-, 他にV6など、水樹奈々の曲では
Astrogation, FATEの作編曲のほか、多くの曲で編曲を行っています)が、
#3終末のラブソングは、愛の星など、アルバム曲でバラードを任せることの多い
吉木絵里子が作曲、編曲にはElements Gardenの藤間仁というお馴染みのメンバーが担当しています。

参加しているスタジオミュージシャンも、国内の腕利きが多数参加しており、
彼女のライブでのサポートでも知られる渡部格(G)の他に、江口信夫(Dr), 佐野康夫(Dr),
増崎孝司(G), 遠山哲朗(G, 1978-, 松任谷由実、MISIA etc), 山本陽介(G, 1986-), 須永和広(B),
今野均(strings arrangement), 室屋光一郎(strings arrangement)など
ベテランと若手の優れたメンバーを起用しています。

水樹奈々の歌だけから始まりクリスピーなドラムが徐々に重さを増しながら鋭く入り、
クランチのギターがラウドにコードをかき鳴らすイントロから、
これまでのメロディを詰め込みがちだった彼女の曲には珍しくロングトーンの多い
メロディラインが特徴的な#1エデンは、インスト部のギターソロもシンプルなオルタナ路線
(音はモダン)で、これも彼女にとってかなりブレイクスルーと言った感のある一曲だと思います。
アウトロにかけてはピアノの音が徐々に大きくなるようにミックスされていて、
轟音の中で良いアクセントになっています。
素晴らしいです。ここ最近のシングルで一番好きかもしれません。最高。

陶山隼の#2No Limitは、増崎孝司の分厚いディストーションギターのバッキング、
端正なソロが映える一曲。デジタルな感触の強いビートとストリングス、
動きの多いメロディーというお馴染みの一曲と言う感じです。サビ前半の展開は
少し予想を裏切るような作りですが、ラストのロングトーンでしっかりアニソンしています。
歌唱も慣れている感じでビブラートが心地良いです。これも良い。

#3終末のラブソングは、同じくデジタルなシンセ、ストリングスが目立つ
ミドルテンポの激情バラードと言う感じで、高音部でストリングスが良く動くので、
ギターは控えめなミックスになっています。ライブでは一番激しくサイリウムを
振ることになるのでしょう。

松井五郎の歌詞の日本語の綺麗さが素晴らしいバラード#4Necessaryは、
ピアノ弾き語りで、ビブラート抑えめの歌唱から始まり、ストリングスの波と
シャキシャキした渡部格のアコギが入ってきて、ファルセット気味のロングトーンの
柔らかさが堪らないサビへと盛り上がっていきます。
ストリングスの音は大きいのですが、ミックスの具合が素晴らしく、
ミュートの強くデッドな江口信夫のタムやスネアの音色は非常にくっきりとしていて
全体の中で際立って聴こえてきます。速弾きのギターソロも、いつも通り、
弾き過ぎるギリギリで止めている感じが最高です。最高。

エデン[short ver]

Album: Angel Blossom
Artist: 水樹奈々
Genres: Pops, Hard Rock

愛媛県新居浜市出身の歌手、声優。32枚目の3曲入りシングル。2015年作。
オリコン週間チャート4位。

Angel Blossom


3ヶ月間という短い期間の間に出されたニューシングルは、タイアップ曲が多く、
表題曲はTVアニメ「魔法少女リリカルなのはViVid」のOPテーマとして、
#2レイジーシンドロームは自身が出演しているラジオの冠番組TOKYO FM「水樹奈々のMの世界」、
#3「あしたgraffiti」は愛媛銀行のTV-CFソングとして採用されています。

作編曲、作詞には若手の作家を多く起用しており、
光増ハジメ、EFFY、ヨシダタクミ(2011年から活動している北海道出身のロックバンド、
phatmans after schoolのリーダー, #2レイジーシンドロームを担当)、
加藤裕介(1972-, 藍井エイル、嵐、Hey!Say!Jump etc)といったメンバーが参加しています。

前作のエデン(藍坊主)に引き続いて、トイズファクトリー所属のロックバンド、
しかも今作に関しては2011年結成と言う若手を起用しているあたり、
新しい作家と次々組んでいた前作のアルバム、Supernal Libertyからの流れを感じさせます。

参加しているスタジオミュージシャンには、佐野康夫(Dr),
吉田太郎(Dr, あさき、DIMENSION(あさき、DIMENSIONの項を参照)
増崎孝司(G), 山本陽介(G, 1986-), 須永和広(B), 今野均(Violin),
クラッシャー木村ストリングス(Strings arrangement)などがおり、基本的には
エデンのメンバーの一部と言うことになっています。
個人的には、以前レビューしたDIMENSIONやあさきなど、プログレメタルやフュージョン系の
ドラマーとして活動している吉田太郎が気になっています。

#1Angel Blossomは、今まで難しい曲の連続だった彼女の曲の中でもかなり動きの多い
メロディー、ハイトーン連発でブレスのできる場所も少ない、まさに本人が言うところの
「ジェットコースターのような」一曲となっており、それに合わせてベースラインも
かなり動きが激しいです。一方でこの手の曲だと、今までのアレンジの傾向ではドラムは
手数が多くなりやすかったのですが、吉田太郎のドラムスは低音寄りのチューニングで、
へヴィーなグルーブにしていて、キュートな歌に対して、うるさすぎずも
強烈にボトムを支えています。ラストサビに向かう展開でジェットコースターの角度は
最も激しくなっていくように作られています。頑張って振付を覚えようと思います。お気に入り。

如何にも佐野康夫といった感じの、ハイハットの自在な遊びによるパターンが
ファンキーなグルーブを付加しながらも、要所要所では揺るぎのない直線的で堅い
グルーブを生み出すリズムワークに聴き惚れてしまうロックバラード#2レイジーシンドロームは、
メロディーラインもこれまでの曲には無かったような短いリフレインを積み重ねる
形となっているのが面白いです。ギターも、リズムがファンキーなメロではカッティングで
ハネた感じを出しながら、展開が変わると即座にディレイを掛けたポストロックっぽいトーンに、
四つ打ちのリズムとなるサビ直前からサビにかけては、バックへと下がって轟音をかき鳴らします。
途中ではテンポのゆっくりさを感じさせないようにか、疾走感のあるラップパートが
挿入されており、ここでは音数を絞った密室的な音作りになっていて、
左右に振られたギターがスペイシーな感じを出しています。まさに計算され尽くした
バンドサウンドになっていて、一瞬も耳が離せません。これも稀に見る名曲だと思います。最高。

加藤裕介作曲の#3あしたgraffitiは、矢吹敏郎プロデュース時代の90sポップスライクな
歌い方がキュートなボーカルと、サビ前の特徴的なキメ、ミュートのきいたメタリックなギターが
変わり種な一曲で、後半部にはコーラスの掛かったドラマティックな増崎孝司のギターソロは
Jay Graydonを思わせるようです。メロ部分の爽やかなギターポップな感じは
アオイイロを思わせるようで、ライブやファンクラブのイベントなどで
アリーナの周りを乗り物に乗って周回しながらやったら盛り上がりそうな一曲だと思います。

Angel Blossom[short ver]

というわけでかなり長くなってしまいましたが、

前回のアルバムに引き続き、ミックス、録音編曲がバンドサウンド指向となる傾向が続いていて、
削ぎ落とされて、すっきりとした感じになっていると思います。
優れたスタジオミュージシャンの力もあって、モダンにアップデートされたサウンドと、
ドラマチックでキャッチーなアニソンの濡れたメロディーとの融合が高いレベルで成立しています。

万人に受けるサウンド、歌とは言えないと思いますが、「新たな」彼女らしい個性ある
音を作り上げている過程に立ち会えて、ファンとして嬉しい限りです。
今後も目が離せません。おすすめです。
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  1. 2015/06/02(火) 23:54:06|
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Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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