私的名盤紹介―真の雑食を目指して

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今日の一枚(400)

Album: The Second One
Artist: State Cows
Genres: Soft Rock, AOR

Second One

スウェーデン、ヴェステルボッテン県ウメオ出身のDaniel Anderson(Vo, G, 1980-),
Stefan Olofsson(Key, B, 1976-)の二人によるAOR, ウェストコーストロック、ソフトロックユニット。
2010年にメロディックロックを扱うドイツのレーベルAvenue Of Alliesからデビュー。2013年作の2nd。

ルレオ工科大学ピテオ校の在学中に出会った2人は、The Beatlesとウェストコーストロックが
共に好きだったということで意気投合し、BeatlesとSteely Danのトリビュートバンドを
組むなどしていました。

2003年には交換留学の制度を活用して二人は憧れのLAへと渡ります。
Stephanの母親がJay Graydonのオフィシャルホームページの運営を行っていた
というコネクションもあり、驚くべきことにJay Graydon, David Foster, Bill Champlin,
Jason Scheff(Chicago), Jimmy Haslip(Yellowjackets)といった西海岸のAOR~フュージョンに関わった
超一流のミュージシャンと会うことができました。

帰国後DanielはDays In L.A.(2008)というソロアルバムを制作、ここにもStefanが参加しており、
2010年にはユニットState Cowsを結成、欧州デビューを飾ることになります。

1stアルバムはデビューと同じ2010年に発売され、基本的には地元のスタジオミュージシャンを集めて
制作されましたが、ゲストにJay Graydonが一曲ギターソロで参加しているなど、
新たなネオAOR界を担うミュージシャンとして注目されていることが伺われます。

2ndアルバムとなる今作では、選び抜かれた地元のスタジオミュージシャンに加えて、
ファイル交換という形でJay Graydon(G), Michael Landau(G), Bill Champlin(Vo), Ian Bairnson(G),
Peter Friestedt(G)などがゲストとして参加しています。

Ian Bairnsonは1953年生まれのスウェーデン出身のスタジオミュージシャンで、
The Alan Parsons Projectというプログレッシブロック、ソフトロックバンドの
中心メンバーとして活動していたギタリストです。
Peter Friestedtは二人と同じくスウェーデン出身のスタジオミュージシャン(ギタリスト)で、
自身のAORプロジェクトであるThe L.A. Projectで、00年代からBill Champlin, Joseph Williams,
Yellowjackets, Abraham Laboriel, Michael Ruff, Bill Cantos, John Robinsonなどが
参加したオリジナルアルバムを2枚発表している、言わば彼らにとって
北欧ネオAOR界の先輩にあたる人物です。

本作のサウンドとしては、もともとコピーバンドをやっていたこともあり、凝ったコード進行など
Steely Danに近いとも言えるのですが、それよりもさらに近いと思われるのが、
Pages(AORタブを参照)のサウンドと言えると思います。
Earth, Wind & Fire的なホーンの使い方など、ファンクネスに溢れた曲、
Airplayなどメロディックハードロックよりのもの、ボーナストラックではDonald Fagenの
ソロにも近いようなジャジーさに振った楽曲や、長めのインスト曲など、
AORファンには堪らないアレンジと曲展開がぎっしりと詰まった一枚になっています。
1st(これはこれで良かったですが)よりも本作ではさらに洗練されたアレンジになっていて、
最近のJaR(Jay GraydonとRandy Goodrumのユニット, AORタブ参照)にも近い、
モダンな音にもなっています。

#1This Timeは、冒頭からコーラスの掛かったハードなリードギターでAirplayの
如くメロディアスに始まり、テクニカルなキメ、リズムチェンジを挟んでシンセの音が
メロディアスハードを思わせるようなメロ、サビではSDっぽいジャジーな展開を挟んだ一曲。
スウィンギーなドラムスはJeff Porcaroを強く思わせるものになっています。
Michael Landeuのギターソロは速弾きも入っていますが基本的にはブルージーです。お気に入り。

シンセのソロから始まりサビではダンサブルに仕上がっているミドルテンポ
#2In The Cityは、右チャンネルを流れる単音カッティングを中心としたリフがクリスピーです。
薄くかけられたストリングス系のシンセ、ホーンの音の薄さが逆に80sを思わせる音づくりになっています。
Jay Graydonのギターソロは得意のピッキングハーモニクスに滑らかなレガートが絡んだ流麗なソロです。
シンセベースとピアノソロによるブラコン風味のインストパートを挟んで、再びEWFを思わせるような
サビへと展開しながら部分転調を繰り返していきます。最高。

#3Mister Whiteは左チャンネルを流れるアフリカンなパーカッションをアクセントにしつつ、
Pagesっぽいコーラスワークと、ピアノのコードリフを中心にしたジャジーな一曲。
音の密度も小さくなり、ピアノのリフの休符が生かされてグルーブが生み出されています。お気に入り。

#4Hard Goodbyeはウェストコーストロック的な哀愁漂う冒頭部から、サビにかけて意表を突いた
展開はDary Hall & John Oatesを思わせるような面白い一曲。
サスティーンの短いシンセベースの音はブラコン的です。
Sven Larssonのギターソロは音数少なく、渋くてBuzz Feitenのようなプレイで素晴らしい。最高。

#5Scofflowsはフランジャーの掛かったシンセの跳ねたコードバッキング、
フルートのような音のシンセが前に出たミステリアスな雰囲気を湛えた一曲。
ギターソロは90sのアシッドジャズに近い音遣いです。

#6I Got Myself Togetherは滑らかなコーラスワークの生かされたサビ、ツインギターによる絡み、
テクニカルなギターソロがフィーチャーされた一曲。

ゲスト参加したBill Champlinが歌う#7Finally Fair And Balancedは、冒頭からソリッドなR&B的な
アレンジから始まったかと思うと、徐々にファンキーで肉体的なサビへと変貌していきます。
13Cats辺りが好きな人には堪らないサウンドだと思います。そして途中で謎のアンビエントパート
が挿入され、ラストサビへと盛り上がっていきます。

SD感満載でHome At Lastを思わせるような展開に思わずニヤニヤしてしまう
#8Center Of The Sunは、左右に揺らしながら東洋的なメロディで聴かせるシンセソロが面白いです。

本作では唯一となったスローテンポの#9California Goldは、 Goran Turbonのギターソロが
しっかりとフィーチャーされた一曲で、ピッキングニュアンスまで伝わってくる
繊細さで最高です。お気に入り。

#10Nineteen Eighty Oneは、タイトル通り1981年の音楽シーンを思い出させるキーワードが
そこら中に散りばめられた一曲です。タイトなドラムスとジャストなシンセベースのバッキング、
カラリとしたギターによる前半部から、一気にテンポアップして不気味な女性コーラスの
サンプリングを入れたプログレ的な後半部への変化が変わり種です。

ここからは日本盤のボーナストラックとなります。

インスト曲の#11Calf Stoutness Twoはワウの掛かったシンセの妖しげなリードフレーズが
ウネウネしていて楽しいです。シンコペートしたピアノのバッキングはブラジリアンフュージョン的な
グルーブを湛えています。StefanによるRhodesのロングソロがファンキーで最高。

#12Into Something Goodは、ヴォコーダーによるボーカル処理とスライドギターも入った
異色な一曲。牧歌的な雰囲気も良いです。

#13Careful With The Chainsaw, Dearは、Donald Fagenのソロ作からの影響が強い一曲で、
Bernard PurdieのようなシャッフルのタメのあるPeter Olofssonのドラムスが作り出す
グルーブが堪りません。Samuel Muntlinのサックスソロはメロディアスで最高。

1stアルバムのために録音したという#14Tinseltownは、The Doobie Brothersの
AOR期を彷彿とさせるコーラスワークの美しさが際立っています。お気に入り。

近年再び注目が集まりつつあるAOR、特にアメリカ西海岸のサウンドが凝縮された
一枚で、1stと共に外れなしの佳作だと思います。
以前紹介したOle Borudなどと合わせて、今後もAOR好きを盛り上げていってくれたらと
願ってやみません。

This Time

In The City

Mister White

Hard Goodbye

Finally Fair And Balanced
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  1. 2015/10/12(月) 23:09:56|
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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
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オルタナティブヒップホップ
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9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは50,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
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