私的名盤紹介にお越し下さっている皆様、お世話になっております。
管理人のSystematic Chaos(
@privategroove )です。
最近実習の疲れもありまして更新が滞っている状態が続いておりますが、
Twitterでは頻繁に音楽関連のことも呟いておりますので、フォローしたり話しかけて頂きますとありがたいです。
と、いうわけで、今回の記事では管理人がヘッドフォンやイヤフォンの試聴をする時に、
リファレンスとして用いているCDを挙げていきたいと思っております。
自分の思う「録音の素晴らしいCDたち」というテーマ でお話してまいります。
いつもは、DAP(自分の場合はiPod Classic160GB, 2009年モデル)にTEAC HA-P50をデジタル接続で繋ぎ、
それに店にあるイヤフォン、ヘッドフォンを繋いで聴き比べております。
リッピングはALAC(Apple Lossless)で聴くようにしております。
話が横道にそれてしまいましたが、自分の場合はいつも同じアルバムを使って
イヤフォンやヘッドフォンの比較をするようにしています。
そのアルバムたちを、少し紹介していきたいと思います。
以前、
おすすめイヤフォン・ヘッドフォンの記事 で書いたようなレビューを書く場合には、
ロック系、ポップス系、打ち込み系、クラシック系、ジャズ系と
音源を複数用意して(なぜかその中にアニソンが入っていることが多い(笑))、
点数をつけていくというのが常套手段なのですが、自分の場合は聴いている音楽に
偏りがあるので、すべてのジャンルで録音がいいと思えるアルバムがある訳ではありません。
ポップス系、ブラックミュージック系が多くなってしまうと思いますが、 早速書いていきます。
今の気分ですが10枚を選ばせていただきました。
1. The Changing Same/平井堅(2000)
(古い記事ですが、
過去記事はこちら )
平井堅のオリジナルアルバムのうち、松尾潔がプロデュースしている
The Changing Same, gaining through losingの2枚と、
Babyface, 冨田恵一などがプロデュースしたLife is...、
亀田誠治、中西康晴、大沢伸一(Mondo Grosso)、塩谷哲などがプロデュースしたSENTIMENTALoversの
諸作品は極めてクリアな録音でかつ楽曲も粒ぞろいで、
聴いておいて損はないアルバム達だと思います。
邦楽R&B~ポップスの方向性を見せた当時のJPOPとしては、どれも最高峰の作品たちだと信じて疑いません。
特に、このChanging Sameの音は、打ち込みビートやシンセの音が極めて生々しく、
M7 K.O.Lのビートの切れの良さ、M2 Love Love Loveのコーラス、ピアノの音の豊かさ、
ヒットのきっかけとなったM12楽園のボーカルの息遣いなど、発売から長い時間が経った今聴いても、
ハッとさせられる音の良さだと思います。これのハイレゾが出たらすぐにでも買いたいのですが…
2. Melodies-30th Anniversary Edition/山下達郎(1983, 2013)
(
過去記事はこちら )
RCA/AIR期のアルバムを中心に徐々にリマスターが進んでいる山下達郎のアルバムですが、
リマスター再発のアルバムはどれも音質が良くなっており、特にこのMelodiesの音が素晴らしいので
(デジタル録音になってからは音が細くなってしまいました)選びました。
M2高気圧ガールのコーラスのクリアさ、達郎作品ならではのあのどこまでも
突き抜けていくようなリバーブの感じ、これは何者にも代えがたい「時代の音」だと思います。
これとFOR YOUの音は甲乙つけ難い良さだと思います。
3. Guardian Of The Light/George Duke(1983, 2014)
フュージョン系のキーボーディスト、ピアニストとしては第一人者であるGeorge Dukeの
1983年作です。 Cannonball Adderley, Quincy Jones, Frank Zappa, Billy Cobhamなどのグループでの
活躍も知られております。
このアルバムはコンセプトアルバムとしての体をなしており、曲間に派手なストリングスや
ホーンのパートが入っているのですが、音の密度が信じられないほどに高く、
そして何よりもリズム隊のLouis Johnson(B)とJohn Robinson(Dr)のぶっとい音が非常に
クリアで力強く迫ってくる録音になっており、まったく古さを感じさせない音になっています。
教科書的なディスコミュージックから当時全盛期であったEWFの影響がみられる
繊細な息遣いのバラード、ポリフォニックシンセの音の立ち上がりの速さ、分厚さ、
スラップベースのジャリッとした感触、そうしたものが良い意味での「アナログレコーディング」らしい
自然な混ざり方でブレンドされた音、という感じで、聴いているだけで気持ちよくなれます。
4. Heavy Weather/Weather Report(1977, 2007 Blu-Spec CD)
(
過去記事はこちら )
言わずと知れたWeather Reportの大ヒット作です。
有名作でCD化も複数回されており、1997年盤や2013年盤、そして自分の持っている
2007年盤(Blu-Spec CD)など、SACDも含めて複数のリマスターが存在するようです。
97年盤では低かった音圧も自然なレベルに引き上げられ、Jaco Pastoriusのベースの音も
非常にクリアに聞こえるようになっています。バンドの状態としても、Zawinulの方針を
中心にしてサウンドが変化していく前の時期に当たり、最も勢いのある一枚だと思います。
5. Anthology/Sing Like Talking(2015)
佐藤竹善を中心として結成されたAOR~ソフトロックバンドのオールタイムベストアルバム。
SHM-CDでのリリース、オリジナルアルバムも決して悪くない音質ですが、
今回はStephen Marcussenが再びリマスタリングを施しての再発ということで、
最新アルバムのBefriendまでの作品から選び抜かれた楽曲が収録されています。
CD5枚にDVD1枚という素晴らしい大ボリュームで、非常にクリアな音に生まれ変わりました。
その他のオリジナルアルバムもリマスター再発されているようで、こちらも
お金に余裕ができたら(笑)すべて手に入れたいと思っています。
6. Blue Avenue/花澤香菜(2015)
(
過去記事はこちら )
昨今のハイレゾブーム、ネオ渋谷系ブームで注目されることの多い声優、花澤香菜の最新アルバムです。
LAレコーディングによるAOR、フュージョンの香りが強い一枚に仕上がっています。
7. 星空のライヴ 〜The Best of Acoustic Ballade〜/MISIA(2003)
(
過去記事はこちら )
ライブアルバムとしてこの音の良さは素晴らしいクオリティーだと思います。
打ち込み然としたオリジナルバージョンよりも、こちらのほうが良いと感じる人も多いかもしれません。
8. 日本の恋と、ユーミンと。/松任谷由実(2012)
デジタルリマスターが施されたユーミンのベストアルバムです。
古いCDでリマスターされていないものは、音が籠っていてモコモコになってしまいがちですが、
これでかなりいい音で聴けるようになっていると思います。
重要な曲、ヒット曲はほぼすべて網羅しているので入門にも適切と思います。
9. TOTO/Ⅳ(1982)
(
過去記事はこちら )
こちらも言わずと知れた名盤ですが、度重なるリマスターで、
Blu-Spec CD(2013), デジタルリマスター(2000, 2005), そしてオリジナルの82年盤があります。
古いCDにもかかわらず、実は自分的にはこのオリジナルが一番音がくっきりしていいバランスだと思います。
高域の表現は一番繊細で、上品な音になっていると思います。
しっかりと音量を取ってあげれば何の問題もないです。
いかにエンジニアによるオリジナルの録音が大事かということがよくわかる好例です。
10. A Dramatic Turn Of Events/Dream Theater(2011)
筆者の大好きなプログレメタルバンド、Dream Theaterの2011年作です。
ドラムスのMike Portnoyが脱退してMike Manginiに変更となって直後の本作は、
低音のミックスが以前よりも適切なバランスとなり、カラッとした音になり聴きやすくなりました。
特にM8 Breaking All Illusionsのギターのミュートの聴いたリフやシンセの派手さ、艶やかさは最高です。
そのほかにも、
よくオーディオ関連の記事に出てくる
Steely Dan, Donald Fagenのソロなども勿論音がいいのでよく使っております。
長くなってしまいましたが、
デジタルレコーディング以降の音のシャープさ、逆に言えば音の細さ、 分離の良さ、逆に言えば音が混ざらない感じ、 音圧の高さ、逆に言えばダイナミックレンジの狭さ(特に無理やり音圧を上げている場合) と、 今技術が進歩(変化というべきか)したからこその「いい音」とはなにかという根源的な問いについて、 今回記事を書いていて考えさせられました。 ハイレゾ、デジタルリマスター、SHM-CD, Blu-Spec CD, SACD など怪しげな単語が飛び交うリマスター産業ですが、
結局は自分の耳を信じるしかなく、経験則の中からこれらの違いを捉えていかざるを得ない部分があると思います。
もっとも、SACDに関してはプレーヤーさえ持っていませんので、どういう音なのかまったく知りませんけど…
ただし、例えばEpicの出しているLegacyシリーズの
Essentialシリーズは音質が良い(Michael Jackson, Isley Brothersなどは良かったです) 、
だとか、Rhinoのリマスターは音が良いことが多い、などなど、ある程度の音の傾向とか、
時代ごとのマスタリングの傾向などがあることは事実で、そうしたことも、発信できる限りはお話していこうと
考えております。
というわけで、今日はこの辺で失礼します。
最近季節の変わり目で風邪も流行っているようですのでどうぞ御自愛ください。
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2015/10/25(日) 03:02:26 |
雑記(音楽関連)
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