私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

2016年度 洋楽私的ベストアルバム9+番外編

2016年度 洋楽私的ベストアルバム9
 
私的名盤紹介にお越し下さっている皆様、お世話になっております。
医師国家試験も片付きまして、近々研修のためのオリエンテーションが始まろうとしております。
休み中も旅行に行ったり新生活の準備をしたりと、思ったよりも忙しい毎日が続いておりまして、
更新が遅い状態が続き申し訳ありません。

では、引き続き張り切って洋楽編と番外編をお届けしたいと思います。
近年のフューチャーソウル/フュージョンとブルーアイドソウル/AORを
中心にしたラインナップとなっております。自信を持ってお勧めする9枚です。

どうぞ。

【作品一覧】
①Malibu/Anderson .Paak [Neo Soul, R&B]
②Still Waters/Breakbot[Chill Out, Disco, House, Techno]
③Stranger Heads Prevail /Thank You Scientist[Hard Rock, Progressive Metal]
④24k Magic/Bruno Mars[R&B, Black Contemporary, New Jack Swing]
⑤Yes Lawd! /NxWorries[Soul, R&B, Hip Hop]
⑥CWF/Peter Friestedt(feat. Bill Champlin, Joseph Williams)[AOR, Melodic Hard Rock]
⑦We Are King/King[Chill Out, R&B, Electronica]
⑧Velvet Portraits/Terrace Martin[R&B, Soul]
⑨Only You/Soweco[Blue Eyed Soul, AOR, Pops]


プレゼンテーション1 800

順位表1

【総評】
ブラックミュージック関連では、MJから80s末のブラックコンテンポラリー的な、
ギラギラとしたアレンジに90s的なメロディーの載った、ダンサブルでポップなR&Bとして、
近年稀に見る傑作であったBruno Marsの3rd④は、新たなポップスターの誕生を感じさせてくれます。
大衆にもマニアにも訴求力のある、昨年一番のアルバムだったように思います。
ハワイ出身のBrunoは山下達郎のファンでもあり、
来日の際にはOn The Street Cornerのアナログ盤を探していたということだそうです。

ネオソウルムーブメント以降のソウル、Dr.Dre以降のヒップホップからの影響を感じさせながらも、
Stevie Wonderの全盛期の傑作群を思わせる、ポップでタイムレスな魅力を放つ、Anderson Paakの4thソロ①は、
私にとってはD’Angello以上ともいえる衝撃を与えてくれた一枚でした。
このソロアルバムや、プロデューサーのKnxwledge(1988-, Glen Earl Boothe)とタッグを組んだNxWorries名義の⑤など、
Robert Glasper的なジャズ~ヒップホップなサウンドと、モータウンやスタックスのニューソウルから続いてきた
歌唱音楽としてのR&B/ソウルのサウンドが、高いレベルで融合したアルバムが徐々に出現するようになりました。

ビートミュージック然としたエレクトロミュージックとしての魅力を放つChance The Rapper、
90sのNative Tounge的なヒップホップや、はたまた80s的なスムースジャズ(M2)やフュージョン(M11)からの
影響が強く感じられるTerrace Martin⑧なども加えて、
新たなブラックミュージックの潮流を確かに感じることが出来たと思います。

ディスコ~ハウス、チルアウト関連では、フランス出身のBreakbot②が、
冷ややかで中毒性のあるサウンドを聴かせています。M6など古典的なディスコの構成をしたフックの曲でも、
シンセの音色などは現代的で、そのバランスが素晴らしいです。
同じくチルアウト的なシンセの音色が印象的なR&Bでは、女性3人組のKing⑦も良作だったと思います。
フューチャーソウルの定番なハーモニーとプログレ的な展開が、ありそうでなかったM11など、
頽廃的で浮遊感のあるサウンドで独特な魅力を放っています。
ネオAORやブルーアイドソウルの流れとしては、LA Projectと題して、
AOR不遇の時代であった00sに作品をリリースしたスウェーデン出身のギタリスト/プロデューサー、
Peter FriestedtによるユニットCWF(Bill Champlin, Joseph Williamsという豪華すぎるユニットです!)⑥が、
後期TOTOを思わせるような、古き良きアメリカンプログレハード~AORを存分に楽しめる一枚をドロップしています。
Michael McDonald在籍時のDoobie Brothers的なブルーアイドソウルや、
1st, 2ndの頃のTOTOのようなムーディーなAOR、Incognitoなどアシッドジャズの影響を強く感じる、
こちらもスウェーデン出身のバンド、Soweco⑨など、やはりネオAORの流れは北欧を
中心として盛り上がりを見せているようです。

少し毛色の異なるアルバムでは、King Crimsonの影響が色濃く見受けられながらも、
モダンで聴きやすいプログレメタルに仕上げたThank You Scientist③は、フォロワーの方にご推薦頂きました。
最近のプログレメタルでは、Animals As LeadersやProtest The Hero, Peripheryに代表されるような
Djentのリズム遊び的な展開と、複雑で艶消しなディストーションサウンドが流行していたと思います。
しかしながら、彼らの楽曲は非常にメロディアスでドラマティックな展開に満ち満ちていて、
かつてのDream Theaterを思わせる緻密なアンサンブルと、ホーンやストリングスを加えた多様なアレンジで、
極めて懐の深い一枚に仕上がっています。

Salvatore Marranoのボーカルも繊細で表現力に富んでいて、
M4など鋭いカッティングが心地良いファンク的なグルーブを見せる曲もあったり、
オブリガートのフレーズに民族音楽的なエッセンスを取り入れたりと、多彩な魅力を放っているバンドだと思います。傑作。

一昨年に引き続き、ブラックミュージック界隈では面白いアルバムが湯水のように出現し、
ネオAORの流れも定着してきた現状で、新譜を聴くのが楽しくて仕方ない状態が続いていることは、
本当に幸福なことだと思っております。

今年度はヒップホップ以降のブラックミュージックの深い学習と、
ヘヴィメタル~プログレでも新たなアルバムを発掘していきたく思っております。
ニューウェーブから続くオルタナティブロックや、プログレなど、
今までよりも深く追究していきたい音楽も数多くありますので、ブログのコメント欄やTwitterなどで、
皆様方からご教授頂けること、意見交換できますことを楽しみに致しております。

では、最後におまけ、番外編をどうぞ。

【番外編】(18枚に次いで聴いたアルバム達です)
①Awesome City Tracks 3/Awesome City Club[Pop Rock, Disco, AOR]
②The Still Life/平井堅[Pops, R&B]
③Love & Vice/Suchmos[Acid Jazz]
④Cloak/Jordan Rakei[Hip Hop, Neo Soul, Fusion]
⑤Paradigm Shift/Michael Janisch[Jazz Rock, Fusion]
⑥20世紀の逆襲/上坂すみれ[Pops, 歌謡曲, Disco, HR/HM, Alternative Rock]
⑦Zama City Making 35/Hi’ Spec [Japanese Hip Hop, Native Tounge]
⑧with time/UNCHAIN[Japanese Rock, AOR, Soul]
⑨I Will Be Waiting/William Sikström[AOR, Blue Eyed Soul]

プレゼンテーション2 800

シティポップ系のバンドからハイペースでリリースを続けているAwesome City Club①の3rdです。
1st, 2ndよりもさらにダンサブルでシンセの音の分厚いディスコ路線へと移っています。
キャッチーなメロディ連発の佳作。
久々の新譜となった平井堅②は、Pop Star以降のJPOP路線、バラードを中心とする楽曲たちから、
M1のようなかつての2 Step系R&Bも収録されていて、古くからのファンには嬉しいバランスの一枚でした。
ホンダのクロスオーバーSUV「ヴェゼル」のCMなどで一躍有名となったアシッドジャズバンド、
Suchmosのフル③は、Jamiroquaiのサウンドと比較されることが多いようですが、
楽曲によってはジャリジャリとした歪みのギターを中心として組み立てた
オルタナティブロック色の強い曲もあり、リズム隊の音は低域が太く重さがあって、個性が際立っています。
ファンクバンドがクラブミュージック的なアプローチをしているのではなく、
あくまでもロックバンドとしての形態、音作りにこだわりを持って居ることを感じさせます。
YONCEのボーカルの艶っぽさやか弱いファルセットも重要な魅力の一つになっています。
Hiatus Kaiyote系統のフューチャーソウル系SSW,
Jordan Rakei④の16年作はRichard Spavenのドラムスが素晴らしいです。
初期WRのような、ジャズロック的な混沌とした空気を残したMichael Janisch⑤、
歌謡メタルからディスコ、ニューウェイブ、テクノ、軍歌など、
さらに多種多様なサウンドが炸裂する個性満載な上坂すみれのソロ⑥。
SIMI LABのビートメイカーであるHi'Specのソロアルバム⑦はジャジーヒップホップで、
J Dilla, ネオソウル以降の粘り付くような、ドープなグルーブに満ちている。
ソウル/AORの影響が強い京都出身の4ピース、UNCHAINのニューアルバム⑧は、
M3などエレクトロな編曲にチャレンジした新境地な一枚。リメイクアルバムで見せたすっきりとしたアンサンブルへ。
そしてスウェーデン勢のネオAORでもう一人、William Sikström⑨のソロは、
宅録感満載な一枚で、PagesやDavid Robertsのカヴァーが収録されていることからも分かる通り、
Jay Graydonや彼のプロデュースしたAl Jarreau(ご冥福をお祈りいたします)のソロアルバムを思わせます。
Ole Borudに続く北欧AORの新たなシーンを作り出してくれそうで、今後が楽しみ。
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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強しています。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
iPod ClassicにTEAC-HAp50またはATH-PHA31i(ポータブルヘッドフォンアンプ)を挿して聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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