私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第38回「最新邦楽ブラックミュージック、ダンスクラシックス、ブラコンで棚から一掴み」セットリスト

私的名盤放送第38回「最新邦楽ブラックミュージック、ダンスクラシックス、ブラコンで棚から一掴み」セットリスト

MOLDIV (5)

MOLDIV (4)


「放送アーカイブはこちらから」

M1 Travelling without Moving /UNCHAIN 『Libyan Glass』 (2018)
M2 She's a Bad Mama Jama (She's Built, She's Stacked) /Carl Carlton 『She's a Bad Mama Jama (She's Built, She's Stacked)』 (1981)
M3 Invitations /Shakatak 『Invitations』 (1982)
M4 MOONLIGHT /tofubeats 『RUN』 (2018)
M5 Love Never Felt So Good /Johnny Mathis 『A Special Part of Me』 (1984)
M6 Always Part of Me /Kirk Whalum 『Cache』 (1993)
M7 ドナルドとウォルター /フルカワユタカと原昌和 『ドナルドとウォルター』 (2018)
M8 MPC feat. Ryohu /冨田ラボ 『M-P-C?“Mentality, Physicality, Computer”』 (2018)
M9 Brand New Day /Creme D'Cocoa 『Funcked Up』 (1978)
M10 Heart Breaking Decision /Meli'sa Morgan 『Do Me Baby』 (1985)
M11 Just for you /Ingram 『Night Stalkers』 (1984)
M12 Sending My Love /AISHA 『Francfranc Presents RETRO ELEGANCE』 (2018) (YoutubeのリンクはZhaneの元バージョンです)

【放送後記】
社会人として働くようになって1年半が過ぎ、学生時代を思い返すことが増えるようになりました。
大学6年間、池下にあるライブハウスに通い続けたUNCHAINの思い出は、私的名盤紹介の歴史でもありました。
ディスクレビューを書くだけの時間や情熱を注げなくなっていた時期が続いていますが、それは自分の音楽に対する関心が、
徐々に変化してきていることによるのではないか、と思っています。

私の興味は、各個のアーティスト、いち作品を集中して見ていくということから、各楽曲同士の関係性や、歴史の縦横の流れ、
テクストを読み解くことへとシフトしていきました。UNCHAINやthe band apartのサウンドは、その他のメロディックコアや
パンクロックには無かった黒人音楽の香りや、ブラジリアンの香りが漂うコード感、フュージョン、ファンクからの影響の強い
リズムパターンを組み合わせた独特なものでした。彼らの音が、自分の幼い頃から聴いてきた音に近しいものであったことは
否めませんが、これをきっかけにして邦楽の最新の音楽を追いかけるモチベーションを持つことが出来たと思います。

さて、今回も最新の邦楽ブラックミュージックやブラックコンテンポラリーを中心に選曲しました。
JADOESのダンス☆マンによる「背の高いヤツはジャマ」のカヴァーでも知られるCarl CarltonのShe's a Bad Mama Jamaは
US Soulチャート2位まで上り詰めたディスコを意表する名曲です。現代におけるR&Bのループ構造化、ヒップホップ化の
基礎にはこうしたシンプルな構造のディスコミュージックがあると言えるでしょう。

私は外出先で音楽を探すのが好きで、店舗で掛かっているBGMなどを積極的にShazamで検索するようにしています。
やはりイメージ通り、「懐かしい昭和の香り」がするスーパーではフュージョン、特にスムースジャズ寄りのフュージョンが
掛かっていることが多いようです。こうしたアーティストはBig in Japanな側面が強く、Fruitcake, Shakatak, Mezzoforteの
3つは代表的なアーティストと言えると思います。また90sにはBabyfaceとKenny G、Richard Elliotの組み合わせのように、
透き通ったサウンドと、シンプルで美しいメロディが合わさった、優れた歌ものスムースジャズが流行しましたが、
Kirk Whalumの93年作はそうした楽しみ方が出来る良質な一枚だったと思います。

名古屋の栄の街をぶらぶらと散歩していてfrancfrancに入店する機会があったのですが、
そこでBGMとして掛かっていたアルバム、「Francfranc Presents RETRO ELEGANCE」は、
Burno Marsなど現代のR&BからZhaneのようなニュージャックスウィングまで、様々な楽曲を、
主にネオソウル的な視点から見事に再構築しており、特にZhane/Sending My Loveのカヴァーは白眉だったと思います。

ゆとり世代を代表するトラックメイカーであり、JPOPとラップトップミュージックを繋ぐ天才と信じて疑わないtofubeatsの
新作は、一切のゲストを迎えずさらに内省的な色の強い作品となりました。その中でも特にブラックコンテンポラリー色の
強いMOONLIGHTを選びました。その他得意とするフィルターハウスからジャジーなトラック、90sJPOPの香りを取り入れた
聴きやすいメロディアスな楽曲まで、非常に多彩で、あっという間に聴き切ることが出来ます。

AORやブラックミュージック系のJPOP, フュージョン、ブルーアイドソウルなどと並んで、自分にとっての専門分野に
なりつつあるブラックコンテンポラリーですが、その中では今回はフィラデルフィア出身の6人組Ingramの84年作から
甘く蕩けるようなクワイエットストーム、Just for Youと、 Chaka Khan, Whitney Houston, Melba Mooreなどの
バックコーラスとして活躍し、Prince/Do Me BabyのカヴァーがヒットしたMeli'sa Morganの1st(US R&B#4)から
Kashif的な香り漂うアーバンミッド, Heart Breaking Decisionを選びました。

80sのブラックコンテンポラリー前夜には、George Benson的なクロスオーバーミュージックと、
JBから派生してきた様々なファンクが誕生しました。Gamble & Huffを中心として形作られたフィラデルフィアソウルのグループ、
Ebonysの女性シンガーを中心として結成されたファンクグループ、Creme D'Cocoaの78年作は、
重厚なファンクのグルーブと、フィリーソウルの甘いサウンドが見事に溶け合った隠れた名盤です。

SUPERFINE以降、近年のブラックミュージック系のアーティストと積極的にコラボレーションして作り上げた
冨田恵一最新作は、前作からさらにヒップホップ色を強めた一枚となっています。
彼の基礎となっているAOR, 映画音楽、フュージョン譲りの構築的な編曲に、美しいストリングスを組み合わせた"MPC"は
KandytownのRyohuの独特な日本語の発音、フロウと合わさった今年のベストトラックの一つでした。
その他Dony Jointなど、邦楽ジャジーヒップホップ関連では目の離せないクルーと言えるでしょう。
MPCのドラムトラックは、冨田恵一がNightflyから着想を得た、「生ドラムのサンプリングソースを自力で構築し、
そこからリズムを組み立て直す」という手法が用いられており、生のサウンドとほぼ全く区別がつかないのに驚かされます。

またしても久々の放送となってしまいましたが、気合を入れたトークと珠玉の楽曲でお届けした1時間です。
お楽しみ下さい。

前編


後編


※音声にご注意ください
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  1. 2018/10/09(火) 21:29:09|
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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
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