私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第42回「アニメ/アイドルソング・ニュージャックスウィング特集」セットリスト

私的名盤放送第42回「アニメ/アイドルソング・ニュージャックスウィング特集」セットリスト
私的名盤放送第42回ジャケット1
私的名盤放送42回3

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M1 Shining stars bless /詩月カオリ 『Shining Stars Bless』 (2007)
M2 サマー☆マジック /みき・みほ(AIKATSU☆STARS!) 『Colorful Magic』 (2015)
M3 運命 /東京女子流 『Killing Me Softly』 (2014)
M4 link /RYUCHELL 『link』 (2018)
M5 m.c.A・T is 2 Funky /m.c.A・T 『m.c.A・T』 (1994)
M6 明日がくるなら /JUJU feat JAY'ED 『明日がくるなら』 (2009)
M7 Enough is Enough /古内東子 『After The Rain』 (2018)
M8 Lady I Love You /O'bryan 『Be My Lover』 (1984)
M9 Older Girl /Howard Johnson 『The Vision』 (1985)
M10 Mr.D.J. /Joyce Irby 『Maximum Thrust』 (1989)
M11 Um Um Good /Men At Large 『Men At Large』 (1992)
M12 Lovely Thang /Kut Klose 『Surrender』 (1995)
M13 眩暈 /椎名林檎 『私と放電』 (2008)

年末が近づいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨年は年間ベストの記事を完成させられませんでしたので、今年こそは作成できるよう頑張りたいと思います。
今回も前回に引き続き、ニュージャックスウィングの特集でお送りしました。
前半ではアニメソング、アイドルポップスを中心に、邦楽だけで選曲しました。

1曲目はPCゲーム「ななついろドロップス」のアニメシリーズのOP、詩月カオリの1stシングルから始めました。
彼女はアニメソング、ゲームミュージックの制作グループ、I'veの一員として知られています。
テクノ、トランスミュージック由来の煌びやかなシンセの打ち込みがI'veの特徴的なサウンドで、
男性向け恋愛シミュレーションゲーム、アニメシリーズの人気作を数多く発表しているKeyの楽曲の多くを手掛けています。
代表的なアーティストにはKOTOKOがいるかと思います。Shining stars bless☆はテクノポップ的なサウンドを
ベースにしながらもR&Bのハーモニーを取り入れており、ブラックミュージックファンにもたまらない一曲です。

バンダイが展開するアーケードゲーム、テレビアニメシリーズとして大ヒットを記録した
「アイカツ!」シリーズから、多くの楽曲を手掛けているプロデューサーチーム、MONACAに注目が集まっています。
そのリーダー的な存在である田中秀和の楽曲は、フュージョン、AOR~80sソウルの香りが漂う楽曲も多いです。
サマー☆マジックはagehasprings(YUKI, superfly, ゆずなどを手掛ける蔦谷好位置などが所属)の一部である
onetrapに所属する秋浦智裕がペンを執っています。基本的にはジャストなグルーブの80sソウルですが、
イントロにはニュージャックを思わせるようなシンセも配置しており、懐かしさのある一曲です。

そのほか、土方隆行(スピッツ、SMAP, 稲垣潤一、吉田美奈子、中島みゆきなど)、松井寛(MISIAの1stアルバムで多くの
アレンジを務めています)がプロデュースを担当したアイドルグループ、東京女子流の「運命」も、
邦楽ニュージャックスウィングリヴァイバルとして魅力的な楽曲です。

男性モデル、タレントとして独特な中性的キャラクターで人気を博しているりゅうちぇるの音楽プロジェクト、
RYUCHELLの2ndシングルとなったlinkは、かつての久保田利伸の初期作品を思わせるような、爽やかでポップな邦楽NJSです。

90s末から00sにかけて、邦楽R&Bの一つのスタイルとして、女性シンガーとラッパー/トラックメイカーの
組み合わせが流行しましたが、そうした路線で最もヒットした楽曲の一つがJUJUとニュージーランド出身のシンガー、JAY'ED
のデュエット、明日がくるならです。ビートの粘りはありませんが、上物の美しさは圧倒的で、
Timberlandとも共演した韓国系アメリカ人のJeff Miyaharaがプロデュースを手掛けています。

USAの大ヒットで再び注目を集めているダンス/ボーカルグループのDA PUMPは、初期にはNJS的な楽曲を数多く残していました。
そんな彼らのサウンドプロデュースを務めていたのが富樫明生で、彼のソロプロジェクトがm.c.A・Tです。
TRFなどとともに、90s半ばのAvexサウンドを支えた重要人物ですが、NJS~ヒップホップソウルのサウンドを、
当時のTKブームに合わせたトランスの香り漂うJPOPの音と見事に融合した人物として、
現代において振り返られるべきプロデューサーだと思います。

邦楽続きの前半でしたので、後編ではブラックコンテンポラリーとNJSを中心に選曲しました。
後半の頭には、90sというシティポップ~AORが徐々に存在感を失いつつあった時代において、質の高い、ジャジーなポップスを
生み出し続けてきた古内東子の最新作を選びました。今年はデビュー25周年ということで、
プロデュースには流線形のクニモンド瀧口や、菊地成孔が80sポップスを再解釈して渋谷系の一部を担った
SPANK HAPPYのメンバー、河野伸(ACO, Crystal Kay, 堀込高樹などのほか、テレビドラマの作編曲を数多くこなしています)など、
演奏にはアシッドジャズを代表するバンドであり、国内での人気も高いIncognitoが参加しています。

ブラコン系ではまずノースカロライナ出身のSSW, O'bryanの84年作(USR&B#3)から、絶品のクワイエットストーム
M8Lady I Love Youを。SMAP/がんばりましょうの元ネタ、You Areや、山下達郎/SPARKLEの元ネタIf You Want Itなどで
AORファンにも人気の高いNiteflyteのボーカリスト、Howard Johnsonのソロアルバムは、Kashifのプロデュース作を
追ううえで重要となるかと思います。特に1stのKeepin' Love New(1982)はKashifや
Paul Laurence(Freddie Jackson/Rock Me Tonightをはじめ、Melisa Morgan, Evelyn Champaign King, Stephanie Millsなどを
手掛けたブラコンの重要プロデューサーのひとり)の関連作の中でも非常に洗練された一枚で、ブラコンの名盤の一つです。
2ndはThe Systemが手掛けており、そして今回取り上げるのは、Jam & Lewisが手掛けた3rdアルバムです。

続いてNJSでは、元Klymaxxのベーシストであり、P FunkのクルーのひとりであるJoyce Irbyのソロ、89年作を選びました。
軽くてスウィンギーなビートが特徴のNJSですが、録音の良さが素晴らしく、とりわけ重厚なグルーブを生み出しています。
最もヒットしたMr. D.J.ではラッパーのDoug E. Freshをフィーチャリングしています。
Joyceは本作でのちにTLCやBoyz Ⅱ Menを手掛けることになるDallas Austinと数曲を共作しています。

ブラコン~NJSのサウンドの橋渡しとして重要な役割を担ったLeVert(O'Jaysのリードシンガー、Eddie LeVertの息子、
Sean & Gerald Levertを中心として結成されたグループ)に発見されたオハイオ出身の巨漢2人組、Men at Largeのセルフタイトル、
92年作から蕩けるように甘いクワイエットストーム、Um Um Goodを選びました。

TLC, SWV, Xscapeなどヒップホップソウル時代には数多くのガールズボーカルグループが人気を博しましたが、
Dallas Austinと共にUSR&Bの世界で長くその時代時代に合わせた作風で活躍し続けているKeith Sweatが
見出した3人組、Kut Kloseの唯一作、95年作から絶品スロウ、Lovely Thungです。

そして最後には、98年組としてJPOP全盛期を支えたSSW, 椎名林檎の3rdシングル、「ここでキスして」のC/Wに
収録されている「眩暈」を選びました。イギリス留学時代の「暗い感じ」を楽曲で表現したとのことですが、
デビュー間もないタイミングで、オルタナティブロック的なサウンドにとどまらず、
ヒップホップソウルの陰りのある雰囲気を取り入れてしまう才能は圧倒的なものがあります。

広大なアニメソングの地平の中でも、特にブラックミュージックファンに訴求力の高い楽曲、
そしてNJS、特にニュージャックスウィングとの境目に当たるプロデューサー、楽曲を数多く取り上げた1時間です。
次回もお楽しみに。

前編

後編
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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
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