私的名盤紹介―真の雑食を目指して

自分の心に残った作品を紹介することで、新たな音楽を見つけるきっかけとして頂ければ嬉しいです。

私的名盤放送第48回「最新邦楽ポップスで棚からひとつかみ」セットリスト

私的名盤放送第48回「最新邦楽ポップスで棚からひとつかみ」セットリスト

私的名盤放送第48回2

私的名盤放送第48回1

M1 どんないいこと(Album Version) /SMAP 『SMAP 008 TACOMAX』 (1995)
M2 大丈夫 /花澤香菜 『ココベース』 (2019)
M3 Breakin' My Heart(Pretty Brown Eyes) /Mint Condition 『Meant To Be Mint』 (1991)
M4 リズム /UA 『11』 (1996)
M5 ためらいの糸 /嶋野百恵 『Roots』 (2000)
M6 静謐甘美秋暮抒情 /UNISON SQUARE GARDEN 『MODE MOOD MODE』 (2018)
M7 長い道距の果てに /Sing Like Talking 『City on My Mind』 (1989)
M8 I'll Be Over You /Randy Goodrum 『Words and Music』 (1994)
M9 Siren /向井太一 『Pure』 (2018)
M10 Serve You Right /Isley Jasper Isley 『Broadway's Closer to Sunset Blvd』 (1984)
M11 Catch The One /Awesome City Club 『Catch The One』 (2018)
M12 Reachin' 2 Much /Anderson Paak feat. Lalah Hathaway 『Ventura』 (2019)
M13 ゼロセット /ORIGINAL LOVE 『bless You!』 (2019)
M14 We Had a Love /Krystol 『I Suggest U Don't Let Go』 (1989)

「放送アーカイブはこちらから」

【放送後記】
医師3年目も何とか業務に慣れつつありますが、慣れてきたところで違う診療科へと配属となってしまうシステム上、
なかなか精神的な平穏を得られないままに日々を過ごしております。
先の10連休と改元で世間は正月休みが再度やって来たかのような空気ですが、病院では救急外来、救急車診療共に
24時間365日、休みなく業務が行われております。幸いなことに管理人は2回救急業務に就くのみで済みましたが、
体力的なストレスだけでなく、対人的なストレスの多さに辟易してしまう瞬間も、ないわけではありません。
めげずにやっていこうとは思いますが、音楽はいつでも心のよりどころとなっています。

引き続き、私的名盤紹介の別アカウントとして運営している
私的名盤紹介ANNEX
は好調に更新できており、
徐々に皆様のご好評をいただいているようで、嬉しい限りです。
今後も古い商業施設やビルなどを取り上げていこうと考えております、お楽しみに。

私的名盤紹介のメインコンテンツとなって久しい私的名盤放送ですが、最新話では近年の邦楽ポップスを中心に、
最近の愛聴盤を取り上げました。

SMAPの8枚目のアルバムから、あまりにも有名なシングル「どんないいこと」で始めました。このアルバムバージョンでは
Omar Hakim(Ds), Anthony Jackson(B), Wah Wah Watson(G), Phil Woods(Sax, Steely Dan, Billy Joel etc)などが参加しています。
ウェストコースト的な暖かみと繊細なコーラス、ブラスの細やかなアレンジにOmar Hakimのシャープなドラムスが映えます。

花澤香菜は出すたびに様々なコンセプトの作品で話題を呼んでいますが、今作ではこれまでの
「渋谷系を足場にしながら洋楽的なサウンドを追究する」スタイルから、90s以降、日本で独自の進化を遂げてきたJPOPの
サウンドを素直に取り込みながら、凝った編曲と美しいメロディのポップスとして再提示した作品となりました。
その中でも、槇原敬之のペンによる先行シングル、「大丈夫」はROUND TABLE的な音を意識した豪華な編曲と、
90sJPOPの美しいメロディが融合した新境地だったと思います。その他、プロデューサーに佐橋佳幸を迎えた楽曲、
いきものがかりの水野良樹を迎えた楽曲など、JPOPの最前線で活躍する作家を数多く迎えています。

BCM, ニュージャックスウィングを生演奏の形式で表現し、90sというR&B全盛期の時代においても特異な存在感を放っていた
バンド、Mint Conditionは、Robert Glasperバンドを初めとして現代ジャズの屋台骨を支えるドラマーであり、
邦楽では宇多田ヒカル/あなたのバッキングでも知られるChris Daveが活動初期に所属していました。
彼らの1stアルバムから絶品のクワイエットストーム、Breakin' My Heartを。

邦楽R&Bではまず菊地成孔とのプロジェクト、Cure Jazzのほか、Mondo Grossoの大沢伸一、朝本浩文など、
数多くのプロデューサーとタッグを組み、
様々なジャンルを超えたポップスを生み出しているUAの1stアルバムからリズムを選びました。
その他、90s邦楽NJSの重要人物である嶋野百恵の名盤、rootsからためらいの糸もどうぞ。

LiSAへの楽曲提供、編曲で知られるベーシスト、田淵智也が所属する邦楽ロックバンド、UNISON SQUARE GARDENは、
邦楽ロック史上でも圧倒的な演奏力の高さで知られているかと思います。3ピースながら音の分厚さ、ベースのうねりが
楽曲に迫力を与えます。彼らの楽曲にはアニメソングらしい、言い換えれば歌謡曲的な魅力があるといえます。
最新作からAOR色さえ感じる静謐甘美秋暮抒情を選びました。

もともとはカントリー系の作曲家として知られ、Anne Murrayのプロデュースで有名となったグラミー受賞作家、
Randy Goodrumのセルフカバー名曲集、94年作のWords & Musicから、TOTOのSteve Lukatherとの共作、I'll Be Over Youです。
このバージョンではソロをJay Graydonが演奏しています。そのほか、George Benson/20/20(Steve Kipnerとの共作)、
Michael Johnson/Savin' It Upなど名曲ぞろいです。Randyによるボーカルは程よく脱力していて、
リラックスできる一枚に仕上がっています。

邦楽ブラックミュージック人気再燃を感じるこの頃ですが、ネオ渋谷系との関連の中で、
tofubeats, 小袋成彬、RIRI, cero, Lucky Tapes, Kan Sano, UNCHAIN, BRADIO,
そして最も有名人では星野源, PUNPEEなど、JPOPの中心にソウル/R&Bが戻って来ていることは、
管理人としては大変うれしいことです。

アイドルでもフィロソフィーのダンスやMELLOW MELLOWなど、
そして渋谷系現役世代ではORIGINAL LOVEやSLTが今でも元気に活動しており、
さらにはVaporwave人気を皮切りにシティポップに注目が集まり、竹内まりや/プラスティック・ラブがアンセムとして
様々なアーティストにカヴァーされ、30年以上経って公式MVが撮影されてしまうという、なんとも奇妙で、
この夢の様な現実に、毎日新譜を聴くのが楽しみで仕方ありません。
さらにはNJSやクワイエットストームにも再び注目が集まっており(前回の特集をお聴きになるとよいです)、嬉しいこと続きです。

モデルとしても活躍するSSW, 向井太一の新作は、一聴するとMichael Jackson/Off The Wallに収録されていそうな
BCM的な流れを汲んだ80s風ブギーなのですが、ところどころで鳴らされている不穏なシンセや、
中近東的な音階のオブリガートなどが散りばめられた、一筋縄ではいかぬ魅力があり、昨今のシーンでも異彩を放っています。
ほかにも邦楽ポップス~ロックの中で、Shiggy JrやORESAMAと並んで80sディスコの流れを汲んだ聴きやすい楽曲を
多数生み出しているAwesome City Clubの新曲、
ベテラン田島貴男のORIGINAL LOVE新作から、不思議なコード進行のゼロセットを。
ほかにもPUNPEEとのコラボレーション、グッディガールも素晴らしいです。すこし「風の歌を聴け」の頃に戻った部分もあります。

洋楽R&Bの最近のアルバムの中では、Malibuが圧倒的な傑作だったキーボーディスト、トラックメイカーのAnderson Paakの
新作が素晴らしかったです。前作はジャリ付いたビターな楽曲が多く、個人的には楽しみきれなかった部分がありますが、
今作はMiraclesのSmokey Robinson(Quiet Stormの言葉は彼のソロアルバムから)や、
BCM関連ではDonny Hathawayの娘Lalah Hathawayが参加しています。他にもAndré 3000、Jazmine Sullivan、
Sonyae Elise、Brandy、Nate Doggなど、90s-00sにかけてのR&B/ヒップホップの重要人物が名を連ねます。
その他にも、これまでの共演歴にはMac Miller, Chance The Rapper、A Tribe Called Quest、Kendrik Lamarなど、
新旧現在のブラックミュージックに影響を与えた数多くのアーティストとコラボレーションしています。
とにかく、最新作Venturaはこれまでの彼の作品の中でも最も「メロウ」な楽曲が集まっており、
特にLalah Hathawayの参加したReachin' 2 Muchは、ものを叩き潰すような音の強烈なスネアが作り出す
重くファンキーなグルーブと、フュージョン的なホーン、時折見られるネオソウル的なコード進行が最高。
80sのディスコ~BCM~ネオソウル、現代のヒップホップまでを見事に融合した一曲になっていますし、
アルバム全体での聴きやすさも素晴らしく、洗練されていたと思います。必聴の一枚です。
現在のところ年間ベスト・アルバムです。

そしてリアルタイムのクワイエットストームからは、アメリカのソウル史で最長に近いキャリアを誇るレジェンダリーグループ、
Isley Brothersの分派したIsley Jasper Isleyと、MotownのディスコグループとしてCrazy Love, It Must Be Loveなどの
名曲を遺したAlton McClain & The Destinyのメンバーが参加した、
Krystolというボーカルグループ(初期はSOLARのLeon Sylvers Ⅲがプロデュース)の
89年作から切ないバラードWe Had Loveを。サビはBCM的なコード進行もあり心地良いです。

私的名盤放送第48話、いかがでしょうか。
これからも皆様に素晴らしい音楽との出会いがありますように、おやすみなさい。

前編

後編



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Systematic Chaos

Author:Systematic Chaos
独断と偏見により、お気に入りのCDを紹介して行きます。
医学部医学科の大学生として臨床医となるべく勉強していました。(2011/04-2017/03)
無事医師免許取得し、2017年より研修医一年目として社会人生活が始まりました。
新しいことばかりでストレスも多いですが、相変わらず様々な音楽に触れております。
山下達郎ファンクラブ
TATSURO MANIA会員。
水樹奈々ファンクラブ
S.C. Nana Net 会員。
上坂すみれファンクラブ
コルホーズの玉ねぎ畑 会員。
自分にとって魅力的な音楽を、様々な視点で、
新旧洋邦を問わず掘り下げて参ります。
初心者ですが宜しくお願いします。
好きなジャンル:
1. AOR, MOR, ソフトロック
2. R&B,ファンク, モータウン,
ニュージャックスウィング,
フィラデルフィアソウル, シカゴソウル,
ブルーアイドソウル
3. ポップス、Jポップ
渋谷系、ニューミュージック
4. プログレッシブロック
5. ハードロック, へヴィメタル,
プログレッシブメタル, スラッシュメタル,
メロディックデスメタル,ブラックメタル
6. ジャズ,フュージョン,
ハードフュージョン, アシッドジャズ,
ハード・バップ, ジャズファンク,
ジャズロック
7. ジャジーヒップホップ,
オルタナティブヒップホップ
8. エモ, スクリーモ
9. ハウス, アシッドハウス,ディスコ

ライブラリは65,000曲ほどです。
ヘッドフォンはAKGのQ701、Audio TechnicaのATH-ESW9、
イヤフォンはShure-SE425を使っています。
①DENON PMA-50 + Zensor1 (USB-DACプリメインアンプ+スピーカー)
②iPod Classic+TEAC-HAp50(ヘッドフォンアンプ)
③ONKYO DP-X1A のいずれかで聴いています。
ブログとして記事を書くことを通じて
自分のライブラリと向き合ってみると、
相当趣味が偏ってるということを
痛感しています。
これから沢山の音楽に触れ、勉強していきたいです。
たまに医学関連の記事や日々の雑感を書いております。
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